異世界転移で生産と魔法チートで誰にも縛られず自由に暮らします!

本条蒼依

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第2章 新たな国へ!

17話 新たな目標!②

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「ご主人様、お風呂ありがとうございました」

「ああ、いい湯だったか?」

「はい!生まれて初めてのお風呂でしたが、こんなにも気持ちいいものだとは思いませんでした」

 ケンジは、システィナ達にお風呂の魅力が伝わり大満足だった。

「じゃ、次はギルとマードック入ってきなよ」

「「ありがとうございます」」
「主!これからの事、俺は絶対頑張るからな!」

「ああ。マードックその意気だ!」

 そう言いながら、マードックとギルスレインはお風呂に行くのだった。

「あの、ご主人様……何の話で盛り上がってたのですか?」

「ああ!マードックがな、もっと戦闘で役に立ちたいと言って、ダンサーと剣士の上位職を教えたら、すごいやる気になったんだよ」

 ケンジは、システィナ達に先ほどまでの事を、詳しく説明したのである。

「えええ!マードックのダンサーって、上位職で種族特有の職業があるのですか?」

「ああ、それでプリムと2枚看板でアタッカーになる予定だ!」

 それを聞いてシスティナは気持ちが沈んだようだった。その訳は、自分と同じような立ち位置で、戦闘の時マードックは仲間の攻撃力を上げて、自分は楽器を使い魔物のステータスや行動を制限させるという、サポートでケンジの役に立っていたのに、マードックは更に成長しアタッカーとサポート役の2種類で、ケンジの役に立とうとしているからである。
 この気持ちは、なんか自分だけ置いて行かれるという焦りが出てしまったいたある。ケンジは、これを見てシスティナの気持ちを汲み、バードの説明をしてアドバイスを送るのであった。

「システィナ?なんか沈んでるみたいだが安心するんだ。自分だけ置いて行かれると思っているのか?」

「はい……ご主人様は、何でも分かってしまうのですね……」

「そんな落ち込まなくてもいいよ。システィナは、システィナの良いとこいっぱいあるからな」

「それは自分ではわからないです……それにあたしは、戦闘で前線には立てないから、どうしても皆に守ってもらわないといけないですし……」

「いや、それは適材適所といってだな、システィナはちゃんと、皆の役に立っているし自信をもっていいんだぞ」

 それを聞いていた、セイラとプリムも力強くうなずくのだった。

「それとな、システィナよく聞いてくれよ。バードの職業もちゃんと上級職はあるんだから心配するな!」

「「「え?まさか!」」」

 セイラとプリムも、システィナと一緒に驚くのだった。

「当たり前だろ。でも、厳しい修行になるが今まで以上に気合入れてがんばれるか?」

「ご主人様の為なら、どんな事だってがんばります!」

「実はな、バードの職業もエルフ特有の2次職があるんだ」

「エルフ特有の⁉」

「これはエルフ特有の職業だが、歌と楽器のスキル持ち剣術と戦術のスキルを所持してそして、盾術がグランドマスター(100.00)になるとディフェンスシンガーという、タンカーになる事ができるんだ!」

「ディフェンスシンガー……なんかかっこいいですね!」

 それを聞き、システィナは瞳を輝かせるのであった。

「この職業の長所は、あり得ないくらい硬くパーティーの守護者になり、攻撃力はタンカーなので火力は出ないが、ソングのアクティブスキルを覚え、敵になる者の防御力や攻撃力を劇的に減らす事で、敵のダメージを受け付けないタンカー職なんだ!」

「エルフのあたしが、前衛に立って皆を守る守護者?」

「ああ、そうだ!今度はシスティナが、皆を守る事が出来るんだぞ!」

「ご主人様!それすごいです!あたし、そのディフェンスシンガーになります!そして、もっとご主人様の役に立ちたいです!」

「ああ、わかってるよ。システィナ期待してるからな!」

「はい!」

 ケンジは、プリムとセイラの二人も見てニヤリと笑うのだった。

「2人も、システィナに負けずに頑張れよ」

「えっ?わたし達もですか?」

「あたりまえだ!プリムは、バルキリーになり3次職でバルキリーロード!セイラは、今はシスターだがプリーストから3次職であるハイプリーストかビショップになってもらうんだからな!」

「「えええ!」」

「何を驚いているんだ!みんなで強くなって、上級ダンジョン以上の素材を取りに行く目標を、俺は最初から立てていたんだからな」

 それを聞き3人は、ケンジの壮大な目標を聞いて呆気に取られていたのだった。

「あの……ご主人様、上級以上ってどういう事なんですか?」

「ああ、みんなはまだ知らないのか。ダンジョンはな上級以上があって、超級そしてさらに上の超難関の極級ダンジョンってのがあるんだ!」

 それを聞いた3人は、ケンジが何を言っているのか解らないでいたのだ。ケンジの説明によると、上級ダンジョンはSランク以上の冒険者が潜れるといっても、上級ダンジョンの浅い階層しか潜れないでいるのだ。
 そのことから、上級ダンジョンは数えるしかないが、そのほとんどが攻略不可能なダンジョンなのである。

 この世の中で、3次職はおろか上級職である2次職になっている者は少なくて、上級ダンジョンを攻略できないでいるのだ。
 そして、上級ダンジョンを攻略できるカギになるのが3次職であり、また超級や極級ダンジョンに行ける可能性があるのは、実質ケンジ達だけなのである。

「ご主人様は、そのとんでもないダンジョンに行き、何の素材を手に入れたいのですか?」

「多分、そのダンジョンにはまだ見たことのない鉱石や、魔物の素材はもちろんとして、まだ世に出ていないヒイロカネ鉱石や、魔道鉱石等を手に入れたいと思っている。これらの鉱石で作った武器や防具は、凄いものになると思うぞ」

「「「はぁあ……」」」

 3人は、何とも気の抜けた返事でケンジを見るのである。

「これらの鉱石で作った俺の装備なら、システィナが3次職なれば一人で王国騎士団と戦える戦力となるはずだ!」

「「「‼」」」

 システィナは、ケンジの言った事に驚き、言葉が出なかったのだ!

「えっ……あたしが、一国の騎士団と同等の力を持てるのですか?」

「ああ!ただし、ディフェンスシンガーでレベルも100は越えないといけないけどな」

「レベル100?」

 ケンジの出した条件は、職業レベルが81以上主要パッシブスキルの1つが120.00になる事より、さらに上の条件だった。

「まあ、3次職になるには81レベルが条件の一つだからな。そんな驚く事は無いと思うぞ!」

「あたしに、そんな事が達成できるのでしょうか?」

「無理と思うのなら、やめておいたほうが良いぞ。このままバードで剣術とか覚える必要がないからな」

「そ、そんな……」

「システィナよく聞いてくれ。俺はバードのままが、よくないと言っている訳じゃないんだぞ。出来ないと思っていながら、後衛職だったお前が前衛に立って、それもディフェンスシンガーはタンカー職なんだ。そんな気持ちで目指したら、お前はすぐに死んでしまうんだ。俺は、お前が自信が持てないままディフェンスシンガーを目指して、死んでしまう方がいやだからな!」

 ケンジは、システィナに自信が持てないまま、タンカー職になる事は死に直結するからやめるように説明したのだった。

「まだまだ、時間なんていっぱいあるから、ちゃんと今後を考えて自分の目標を立ててくれたらいいよ」

 ケンジは、システィナがどんな考えを出しても見捨てないからと、ちゃんと説明をして安心させるのだった。

「「ご主人様。わたし達には、そういう事を言ってくれないのですか?」」

「何をいっているんだ。プリムとセイラお前達は大丈夫だよ!」

「えええ!システィナだけ贔屓はずるいです……」

「ば、ばか!どう考えても贔屓じゃないだろう!変な事ばっか言うなよ!」

「「え~~~なんでですか……」」

「システィナには、ならなくても見捨てないと言ってくれて、わたし達にはなってもらうって強制みたいな言い方だったじゃないですか……」

 プリムとセイラは、システィナとの違いをケンジに文句を言うのだった。

「あっそういう事か……二人ともそれは誤解だよ」

「「え?どこがですか?」」

「よく考えてくれよ。システィナは、後衛職から前衛職のタンカーに転職するんだぞ。自信が無いまま、前衛職になってみろ死亡確率が増えるだろ?」

「「ふむふむ」」

「それに引き換え、お前達は転職しても今までのまま、前衛職・後衛職だろ?」

「「あ、なるほど!たしかに……」」

「俺も、2人がやりなれない前衛職や後衛職なら、システィナと同じ事をちゃんと言うと思うぞ。だからこれは贔屓じゃないんだ!」

「「変な勘繰りを入れてすいませんでした」」

「わかってくれたらいいんだ。わかってくれたらな!」

 ケンジは内心ほっとしていた。ケンジ自身、ギルスレインとシスティナがこの世界に来た時初めて会った人物だった為、他の者との愛着が違っていたのを感づかれたのかと思って冷や冷やし、2人の言葉にドキッとしたのだった。

 そんな話を4人でしていたら、ギルスレイン達が風呂からあがってきたのだった。

「主、ありがとう!風呂って気持ちいいんだなあ」
「主、お風呂、ありがとうございます」

「ああ、2人も風呂の良さがわかってくれて俺もうれしいよ」

「それじゃ、今日はもう遅いし寝るか」

「「「「「主!(ご主人様)おやすみなさい!」」」」」

 そういって、ケンジは寝室に戻り、ギルスレイン達は風呂場に又入っていくのだった。

「おいおい!みんなで又風呂に行くって、なにかあったのか?」

「あ、いえ、風呂の掃除をしないといけないので、みんな手分けしてやろうかと思いまして」

 ギルスレインの説明だと、風呂は入った後、水を放置したままだと痛みが早いらしく、お湯を抜き水分をすぐ拭き取らなければいけないらしいのだ。それは当然であり、地球のようにバスタブがプラスチック製なら大丈夫だが、ケンジの家の風呂は、ヒノキで作られていて木製だからである。
 ケンジは地球では入る前に抜き、風呂掃除してからお湯を張っていたので、そんな手間のかかる事をするのかと驚くのだった。

「主は、このままお休みになってください。後は我々がしますので!」

「あ、じゃ俺が魔法で……」

「いえ、主はこのまま休んでくれて結構です。後は我々が!」
 
 ギルスレインの気迫に押され、ケンジはプリムに背中ををされて退場するのだった。

「まったく、ご主人はもっと我々に命令してくれたらいいのに……」

「俺もそう思うよ。だけど、ホント主には感謝しかないな」

「マードックもそう思うか?」

「当たり前だろ!あんな優しくて、強い主に俺は一生ついていくんだ!」

 そんな話をしながら、ギルスレイン達は風呂の湯を抜き、タオルで隅々まで綺麗に水分を拭きとりながら、ケンジの良いところを自分の事のように自慢していたのだった。
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