49 / 619
第2章 新たな国へ!
8話 奴隷のあつかい方
しおりを挟む
マイマール達は、その場に座り込みホッとした様子で、お互いの顔を見て笑うのだった。
「あはは……みんなで、オーク5匹倒せたね……」
「はい!マイさんのおかげです」
「え?ちがうでしょ……プリムが主に攻撃して、ステータスの底上げしてくれたセイラが活躍して、あたしは後からちょっこっと手伝っただけじゃん!2人が頑張ったから、あたしも生き残れたんだよ。だからありがとね」
「いえ、マイさんが最後勇気を出してくれたおかげで、攻撃力がオークより上回ったのであって、わたし達だけじゃいずれやられていたでしょう……」
「まあ、いいわ。3人みんなで、がんばったって事で!」
そのように、マイマールは言って3人はお互い見つめ合って、緊張の糸が切れた様に笑いあうのだった。
「とりあえず、ケンちゃんのところに戻ろう!オークは、このままにするしかないよね……」
「ご主人様にお願いして、回収してもらうしかありませんね……」
「そうですね……わたしの預かっている鞄も、オークを入れれるくらい収納量が大きかったらいいんですが、ちょっと無理なようです」
「えっ⁉ケンちゃん貴方達に、マジックバックまで持たせているの?」
「はい……わたし達の着替えとかを、入れておくようにとの事です……」
「まあ、ケンちゃんらしいと言えばらしいのかな……」
「じゃ、戻りましょう!」
「「はい。」」
「それにしても、オークが出るなんて、なんか嫌な感じがするわ……」
マイマール達は、不穏な雰囲気を感じながら、ケンジのいる採掘場に帰ってくるのだった。
「主、マイさん等が帰ってきたようです」
「うん、そうか……」
ケンジは、マイマール達を見ると、なにか不穏な雰囲気を感じるのだった。
「マイ!なにかあったのか?」
「「え?何も言ってないのに何故わかるのですか?」」
プリムとセイラは、驚き言葉がハモるのだった。
「えぇ!ケンちゃん、何かあったなんてもんじゃなかったよ。2人がいて、あたしは助かったよ……」
「なにがあったんだ?」
「オークよオーク!それも5匹も出たのよ!」
それを聞いたケンジは、マイマール達3人の側に駆け寄り、怪我がないか確認するのだった。
「3人とも怪我はないようだな……」
「ケンちゃんが、2人を護衛につけてくれたおかげで無事だったよ」
「そっか……プリム、セイラありがとな!」
「「いえ、わたし達は主の命に従っただけで当然の事です」」
「それでケンちゃん、オークをその場所に置いてきちゃったんだ。良かったら回収してくれないかな?」
「ああ、そうだな!放置したままだとアンデットになったら、やっかいだし素材ももったいないもんな。案内してもらえるか?」
「さすが!ケンちゃん。ありがとね」
そういって、マイマールに案内をしてもらい、みんなでオークのいた場所に向かうのだった。
「ケンちゃん、この先が戦った場所でオークを放置したのよ」
「マイ……この場所って、オークとか普通にでるのか?だとしたら、生産者の採掘師ってやばくないか?」
「ケンちゃん、良い所に気がついたね。そうなのよ!こんなところに、オークなんて出たって聞いた事ないのよ」
「今日は帰ったら、ギルドに報告しないとやばい事になりそう……」
「だったら早いほうがいいな……今日はもうこれで帰ろう!情報は早い方がいいだろうしな」
「俺はもう十分に採掘できたけど、マイはどんな感じだ?」
「あたしは、まだ半分しか見つけてないよ……」
それを聞き、ケンジはサーチをし、癒し草を見つけてあげるのだった。一瞬で見つけてしまうケンジに対して、マイマールはまたもやガクッと項垂れるのだった。
「ケンちゃんの、そのスキルってホント反則だよね……」
「まあ、そう言うなって!これからはいつも一緒だし、言ってくれたら手伝ってやるから」
「そんな風に言ってくれるのはありがたいんだけど、あたしも自分の事はちゃんとやりたいんだよね……」
「ああ、それなら大丈夫だと思うぞ」
「何でそんな事が言えるのよ!」
「マイは、俺とパーティー組んでるだろ?」
「えぇ……組んでるわね」
「俺の、レアスキルで成長ってのがあるんだよ。それってな、パーティーメンバーにも効果があるらしくってな。マイは、さっきオークをプリム達と倒したんだろ?だから、スキルやレベルが上がっているはずだぞ」
「えええ‼そんなスキルがあるの?」
「ああ、だからマイもこの調子で俺達と行動を共にしたら、今までのように採取依頼ばかりじゃなく、討伐依頼もできるようになるから安心しろって」
ケンジの言葉を聞いて、マイマールはステータスを開くとレベルは2も上がっており、格闘術と戦術が5.00も上がっていたのだった。それを見た、マイマールは口を開けたまま固まっていたのだった。
「おい!マイ正気にもどれ!いつまで固まっているつもりだ」
ケンジの声で、マイは正気に戻り、ケンジの胸ぐらをつかみかかり、こんなすごいスキルみたことない!と大きな声を出すのだった。
「まあ、レアスキルみたいだしな。ティアさんには、ホント感謝してもしきれないよな」
「ねえ、ティアさんって、女神クローティア様じゃないよね……」
「ああ、そうだよ。転移する時に友達になったんだよ」
「えええ!」
またまた、マイマールは驚くのだった。
「っていうか!クローティア様の事を、ティアさんって言ったらだめじゃない!ちゃんと、敬愛をもってクローティア様と言わないと!」
「でも、本人からティアって呼び捨てで呼んでくれって言われたんだが、それはいくらなんでもって、さん付けで許してもらったんだよ」
「でも、そうはいってもやっぱりそこは、ちゃんとしないといけないと思うよ」
「いや……俺も、そういったんだが……」
などと、マイマールと言い争っているうちに、オークを放置したところに到着するのだった。
「ご主人様。ここです!あのオーク5体をお願いします」
「じゃみんな、周りの警戒をしてくれ。ギルは、解体をよろしくな!」
「え?ケンちゃん、解体もしてくれるの?」
「ああ、その方がマイがギルドに売る時、解体料取られないからいいだろ?」
「ケンちゃんありがとう!ギルもありがとね」
ギルスレインは、マイマールの言葉に微笑み、頭を下げるのだった。
「主、解体終わりました」
解体が終わり、ケンジはオークの肉、魔石、肝臓、睾丸、骨を収納しいらない部分は、土魔法で穴の中に埋めて処理をするのだった。
これを見たマイマールは嬉しそうに、今日の稼ぎはいつもより格段と儲けた事に喜ぶのだった。
「さあ、みんな町に帰ろう。周りには警戒し注意しろよ」
「「「「「「はい!」」」」」」
ケンジ達は、ギルドに帰り近くの採掘場で、オークが出たと報告をするのだった。
すると、そんな場所でオークが出たという事は大変な事で、ここ数週間戻らない初心者がいるのでギルドもおかしいとおもっていたのだが,原因がわかり偵察を送る事になったのだった。
安全が確認できるまで、初心者は鉱山に行く事が出来なくなったのだった。
「ケンちゃん!オークを買い取ってもらったお金半分でいいかな?」
マイマールは、ケンジにお金を渡してきたのだった。
「プリム、セイラそれでいいか?」
「いいもなにも、主がそれでいいならいいと思いますよ」
「マイ。それでいいそうだ」
マイは、ケンジが変な事を言うなと思いながら、お金を渡すのだった。
「プリム、セイラほい!」
ケンジは、2人に先ほどのお金をあっさり渡すのだった。それを見たマイマールも、口をあんぐり開けて呆れるのだった。
「ご主人様、これは何のつもりですか?」
「なにって、オークのお金だろ?プリム達3人で倒した魔物だし、その時俺はその場所にいなかったよな?」
「これは、プリムとセイラでわけたらいいよ」
プリムとセイラは頭を抱え、ケンジの考え方にどう説明しようかと悩むのだった。
「あの、ご主人様……わたし達は奴隷です。なので、このお金はご主人様のものですよ」
「だって、俺はあの場にいなかったし、マイを助けた報酬みたいなものだろ。もらっておけって!」
「ご主人様……我々は奴隷です。自分の財産は持てないのです。だから、このお金はご主人様のものです。むりやり持たせるのではなく、その中からわたし達の日頃の生活費として使ってもらいませんか?」
「わかったよ。じゃこの中から小遣いとしてわたすよ。ったく……どうしてこう……奴隷という立場に忠実なんだ」
「ケンちゃん……ケンちゃんにはわからないかもしれないけど、ケンちゃんは奴隷に対して甘すぎるのよ」
「お前までそんな事を!」
「違うの!ちゃんと、最後まで聞いて!」
ケンジは、マイマールの気迫に押され、最後まで聞く事にしたのだった。マイマールが言うには、奴隷の立場は主人の所有物だと言う事、その奴隷を甘やかすって事は、普段ならいいかもしれないが何かあった場合、いつもこれくらいなら自分の主人は許してくれると、奴隷は勘違いしていつかとんでもない失敗をして、その責任は主人が取らなくてはいけなくなるのだ。
そういう油断で奴隷という立場の者が、主人に迷惑をかけてしまう事になるのだ。そうならない為にも、プリムが頑なになっているのが正解なのだそうだ。
「ご主人様、反抗してごめんなさい……ですが、わたし達は普段美味しいご飯や暖かい寝床、それにご主人様からの愛情をたくさんいただいてます。それだけでも十分に幸せなのです」
「だが、プリムやセイラはもちろんの事ギル達も、もっと幸せになる権利はあるんだぞ。それだけはわかっていてくれよ」
そのようにケンジは、プリム達に言うとプリムは微笑み、ご主人様の気持ちは、みんなわかってますと言うのだった。
ケンジは、そう言いながら生産ギルドのレンタル施設場に向かい、小型炉を借りに行くのだった。
「ケンちゃんどこに行くの?」
「ああ、レンタル施設にいくんだ。リアカーに積んだ鉱石を、さっき向こうに預けてきたからな。精製してインゴットにしなきゃ、依頼は完了しないからな」
「へえ。あたし生産作業見るの初めて!一緒にいてもいい?」
「ああ、構わないが退屈だぞ」
「うん、大丈夫。見た事ないし、新鮮だと思うしね」
こうしてケンジは、レンタル施設で鉱石を炉で溶かし始めたのだ。
本来地球では溶かした鉄を型に流し込む作業なのだが、ここガイアースでは採掘のスキルを使う事になるのだ。採掘士の職業レベルがあがると、アクティブスキルで鉱石精製ってのが生まれるのである。
この鉱石精製は、採掘のスキル値で鉄を精製でき、スキルが上がれば銀鉱石や金鉱石等、インゴットにできるようになるのである。
スキルが100.00以上になれば、ミスリルやオリハルコンも扱えるようになるのである。
「へえ、そんなふうに、インゴットってできるんだね」
「ああ、俺も最初はびっくりしたよ。スキルを使ったら、勝手にウニョウニョ変形して、残りかすとインゴットになったからな」
「で、こっちはなんなの?」
「ああ!それは失敗した物体だよ……スキルがまだ低いからな、インゴット精製に失敗すると、なんだかわからない黒墨になるんだよ……」
「そうなんだ!これは売れないの?」
「あぁ……これは売れないけど、失敗したものはこうして小型炉の中にいれて燃料だな!」
「なんだかもったいないね……」
「まあ、スキルが上がればこういった失敗はなくなるから、日々修練しかないな」
ケンジは、鉄のインゴットを100個つくり依頼を清算して、1日の作業を終えるのだった。
ここでも、Fランクの新人がインゴットを1日で100個も納品した事を驚かれるのだった。ここの生産ギルドでは、久しぶりの大型新人だと人々は噂し、ケンジはみんなの注目の的になるのだった。
「ねえ、ケンちゃん相談があるんだけどいいかな?」
「駄目といっても無理だろ!いいから行ってみなさい」
「なにその言い方?なんかお母さんみたいできもい……」
「きもいって言うなぁ!わかったよもう聞かない!」
ケンジは拗ねてしまったようだ・・・
「あ~~~……ごめんってば、謝るからゆるしてね」
マイマールは、困った顔をして上目使いをして謝ってきて、ケンジはこういうところは、全然変わってないなと思うのだった。
「でね、ケンちゃんは、将来鍛冶屋になるのよね?」
「ああ、一応は鍛冶屋になるつもりだよ」
「一応ってなに?なるつもりはないの?」
「いや、俺は生産職を極めるつもりだよ。まずは鍛冶からだな!」
それを聞き、マイマールはケンジが、何を言っているのかわからないでいた。それを察したケンジは、丁寧にマイマールが解りやすいように説明をするのだった。
「って事は、ケンちゃんは鍛冶だけでなく、裁縫や細工など色んな職に就けるようになるってこと?」
「ああ、そうだな!」
マイマールは、ケンジの言っている事が解らないでいたのだが、この数日ケンジの行動や能力を見て、改めて納得したのだった。
「じゃあさ、さっきのお願いなんだけど鍛冶が上達したらだけど、あたしに刀を作ってくれない?」
「ああ、なるほど!そういう事か。心配するな!その予定で動いているつもりだよ」
マイマールは、立花極心流の武闘家なので刀なんていらないと思うかもしれないが、マイマールは(裏)立花なのである。裏とは真の正統後継者であり、無手の技と抜刀流の技を持った武闘家なのである。
この世界には刀というものがあるのかどうかわからないが、切り裂くという武器が普通の店でみないのである。
マイマールによれば、ダンジョンから出るもの以外、見た事がないそうでその刀はマジックアイテムになり、とてもじゃないが手が出るような値段じゃないのだ。
マイマールにとって、ロングソードでは扱いが違うらしく、抜刀術があればマイマールの力は、数倍にもなるそうなので、ぜひともケンジに刀を作ってほしいのだ。
「まあ、いずれ作るが、今はまだ鍛冶のスキルは無いから、気長に待っていてくれ」
「うん。絶対約束だよ!」
マイはすっごい笑顔で、ケンジに抱きつくのだった。
「あはは……みんなで、オーク5匹倒せたね……」
「はい!マイさんのおかげです」
「え?ちがうでしょ……プリムが主に攻撃して、ステータスの底上げしてくれたセイラが活躍して、あたしは後からちょっこっと手伝っただけじゃん!2人が頑張ったから、あたしも生き残れたんだよ。だからありがとね」
「いえ、マイさんが最後勇気を出してくれたおかげで、攻撃力がオークより上回ったのであって、わたし達だけじゃいずれやられていたでしょう……」
「まあ、いいわ。3人みんなで、がんばったって事で!」
そのように、マイマールは言って3人はお互い見つめ合って、緊張の糸が切れた様に笑いあうのだった。
「とりあえず、ケンちゃんのところに戻ろう!オークは、このままにするしかないよね……」
「ご主人様にお願いして、回収してもらうしかありませんね……」
「そうですね……わたしの預かっている鞄も、オークを入れれるくらい収納量が大きかったらいいんですが、ちょっと無理なようです」
「えっ⁉ケンちゃん貴方達に、マジックバックまで持たせているの?」
「はい……わたし達の着替えとかを、入れておくようにとの事です……」
「まあ、ケンちゃんらしいと言えばらしいのかな……」
「じゃ、戻りましょう!」
「「はい。」」
「それにしても、オークが出るなんて、なんか嫌な感じがするわ……」
マイマール達は、不穏な雰囲気を感じながら、ケンジのいる採掘場に帰ってくるのだった。
「主、マイさん等が帰ってきたようです」
「うん、そうか……」
ケンジは、マイマール達を見ると、なにか不穏な雰囲気を感じるのだった。
「マイ!なにかあったのか?」
「「え?何も言ってないのに何故わかるのですか?」」
プリムとセイラは、驚き言葉がハモるのだった。
「えぇ!ケンちゃん、何かあったなんてもんじゃなかったよ。2人がいて、あたしは助かったよ……」
「なにがあったんだ?」
「オークよオーク!それも5匹も出たのよ!」
それを聞いたケンジは、マイマール達3人の側に駆け寄り、怪我がないか確認するのだった。
「3人とも怪我はないようだな……」
「ケンちゃんが、2人を護衛につけてくれたおかげで無事だったよ」
「そっか……プリム、セイラありがとな!」
「「いえ、わたし達は主の命に従っただけで当然の事です」」
「それでケンちゃん、オークをその場所に置いてきちゃったんだ。良かったら回収してくれないかな?」
「ああ、そうだな!放置したままだとアンデットになったら、やっかいだし素材ももったいないもんな。案内してもらえるか?」
「さすが!ケンちゃん。ありがとね」
そういって、マイマールに案内をしてもらい、みんなでオークのいた場所に向かうのだった。
「ケンちゃん、この先が戦った場所でオークを放置したのよ」
「マイ……この場所って、オークとか普通にでるのか?だとしたら、生産者の採掘師ってやばくないか?」
「ケンちゃん、良い所に気がついたね。そうなのよ!こんなところに、オークなんて出たって聞いた事ないのよ」
「今日は帰ったら、ギルドに報告しないとやばい事になりそう……」
「だったら早いほうがいいな……今日はもうこれで帰ろう!情報は早い方がいいだろうしな」
「俺はもう十分に採掘できたけど、マイはどんな感じだ?」
「あたしは、まだ半分しか見つけてないよ……」
それを聞き、ケンジはサーチをし、癒し草を見つけてあげるのだった。一瞬で見つけてしまうケンジに対して、マイマールはまたもやガクッと項垂れるのだった。
「ケンちゃんの、そのスキルってホント反則だよね……」
「まあ、そう言うなって!これからはいつも一緒だし、言ってくれたら手伝ってやるから」
「そんな風に言ってくれるのはありがたいんだけど、あたしも自分の事はちゃんとやりたいんだよね……」
「ああ、それなら大丈夫だと思うぞ」
「何でそんな事が言えるのよ!」
「マイは、俺とパーティー組んでるだろ?」
「えぇ……組んでるわね」
「俺の、レアスキルで成長ってのがあるんだよ。それってな、パーティーメンバーにも効果があるらしくってな。マイは、さっきオークをプリム達と倒したんだろ?だから、スキルやレベルが上がっているはずだぞ」
「えええ‼そんなスキルがあるの?」
「ああ、だからマイもこの調子で俺達と行動を共にしたら、今までのように採取依頼ばかりじゃなく、討伐依頼もできるようになるから安心しろって」
ケンジの言葉を聞いて、マイマールはステータスを開くとレベルは2も上がっており、格闘術と戦術が5.00も上がっていたのだった。それを見た、マイマールは口を開けたまま固まっていたのだった。
「おい!マイ正気にもどれ!いつまで固まっているつもりだ」
ケンジの声で、マイは正気に戻り、ケンジの胸ぐらをつかみかかり、こんなすごいスキルみたことない!と大きな声を出すのだった。
「まあ、レアスキルみたいだしな。ティアさんには、ホント感謝してもしきれないよな」
「ねえ、ティアさんって、女神クローティア様じゃないよね……」
「ああ、そうだよ。転移する時に友達になったんだよ」
「えええ!」
またまた、マイマールは驚くのだった。
「っていうか!クローティア様の事を、ティアさんって言ったらだめじゃない!ちゃんと、敬愛をもってクローティア様と言わないと!」
「でも、本人からティアって呼び捨てで呼んでくれって言われたんだが、それはいくらなんでもって、さん付けで許してもらったんだよ」
「でも、そうはいってもやっぱりそこは、ちゃんとしないといけないと思うよ」
「いや……俺も、そういったんだが……」
などと、マイマールと言い争っているうちに、オークを放置したところに到着するのだった。
「ご主人様。ここです!あのオーク5体をお願いします」
「じゃみんな、周りの警戒をしてくれ。ギルは、解体をよろしくな!」
「え?ケンちゃん、解体もしてくれるの?」
「ああ、その方がマイがギルドに売る時、解体料取られないからいいだろ?」
「ケンちゃんありがとう!ギルもありがとね」
ギルスレインは、マイマールの言葉に微笑み、頭を下げるのだった。
「主、解体終わりました」
解体が終わり、ケンジはオークの肉、魔石、肝臓、睾丸、骨を収納しいらない部分は、土魔法で穴の中に埋めて処理をするのだった。
これを見たマイマールは嬉しそうに、今日の稼ぎはいつもより格段と儲けた事に喜ぶのだった。
「さあ、みんな町に帰ろう。周りには警戒し注意しろよ」
「「「「「「はい!」」」」」」
ケンジ達は、ギルドに帰り近くの採掘場で、オークが出たと報告をするのだった。
すると、そんな場所でオークが出たという事は大変な事で、ここ数週間戻らない初心者がいるのでギルドもおかしいとおもっていたのだが,原因がわかり偵察を送る事になったのだった。
安全が確認できるまで、初心者は鉱山に行く事が出来なくなったのだった。
「ケンちゃん!オークを買い取ってもらったお金半分でいいかな?」
マイマールは、ケンジにお金を渡してきたのだった。
「プリム、セイラそれでいいか?」
「いいもなにも、主がそれでいいならいいと思いますよ」
「マイ。それでいいそうだ」
マイは、ケンジが変な事を言うなと思いながら、お金を渡すのだった。
「プリム、セイラほい!」
ケンジは、2人に先ほどのお金をあっさり渡すのだった。それを見たマイマールも、口をあんぐり開けて呆れるのだった。
「ご主人様、これは何のつもりですか?」
「なにって、オークのお金だろ?プリム達3人で倒した魔物だし、その時俺はその場所にいなかったよな?」
「これは、プリムとセイラでわけたらいいよ」
プリムとセイラは頭を抱え、ケンジの考え方にどう説明しようかと悩むのだった。
「あの、ご主人様……わたし達は奴隷です。なので、このお金はご主人様のものですよ」
「だって、俺はあの場にいなかったし、マイを助けた報酬みたいなものだろ。もらっておけって!」
「ご主人様……我々は奴隷です。自分の財産は持てないのです。だから、このお金はご主人様のものです。むりやり持たせるのではなく、その中からわたし達の日頃の生活費として使ってもらいませんか?」
「わかったよ。じゃこの中から小遣いとしてわたすよ。ったく……どうしてこう……奴隷という立場に忠実なんだ」
「ケンちゃん……ケンちゃんにはわからないかもしれないけど、ケンちゃんは奴隷に対して甘すぎるのよ」
「お前までそんな事を!」
「違うの!ちゃんと、最後まで聞いて!」
ケンジは、マイマールの気迫に押され、最後まで聞く事にしたのだった。マイマールが言うには、奴隷の立場は主人の所有物だと言う事、その奴隷を甘やかすって事は、普段ならいいかもしれないが何かあった場合、いつもこれくらいなら自分の主人は許してくれると、奴隷は勘違いしていつかとんでもない失敗をして、その責任は主人が取らなくてはいけなくなるのだ。
そういう油断で奴隷という立場の者が、主人に迷惑をかけてしまう事になるのだ。そうならない為にも、プリムが頑なになっているのが正解なのだそうだ。
「ご主人様、反抗してごめんなさい……ですが、わたし達は普段美味しいご飯や暖かい寝床、それにご主人様からの愛情をたくさんいただいてます。それだけでも十分に幸せなのです」
「だが、プリムやセイラはもちろんの事ギル達も、もっと幸せになる権利はあるんだぞ。それだけはわかっていてくれよ」
そのようにケンジは、プリム達に言うとプリムは微笑み、ご主人様の気持ちは、みんなわかってますと言うのだった。
ケンジは、そう言いながら生産ギルドのレンタル施設場に向かい、小型炉を借りに行くのだった。
「ケンちゃんどこに行くの?」
「ああ、レンタル施設にいくんだ。リアカーに積んだ鉱石を、さっき向こうに預けてきたからな。精製してインゴットにしなきゃ、依頼は完了しないからな」
「へえ。あたし生産作業見るの初めて!一緒にいてもいい?」
「ああ、構わないが退屈だぞ」
「うん、大丈夫。見た事ないし、新鮮だと思うしね」
こうしてケンジは、レンタル施設で鉱石を炉で溶かし始めたのだ。
本来地球では溶かした鉄を型に流し込む作業なのだが、ここガイアースでは採掘のスキルを使う事になるのだ。採掘士の職業レベルがあがると、アクティブスキルで鉱石精製ってのが生まれるのである。
この鉱石精製は、採掘のスキル値で鉄を精製でき、スキルが上がれば銀鉱石や金鉱石等、インゴットにできるようになるのである。
スキルが100.00以上になれば、ミスリルやオリハルコンも扱えるようになるのである。
「へえ、そんなふうに、インゴットってできるんだね」
「ああ、俺も最初はびっくりしたよ。スキルを使ったら、勝手にウニョウニョ変形して、残りかすとインゴットになったからな」
「で、こっちはなんなの?」
「ああ!それは失敗した物体だよ……スキルがまだ低いからな、インゴット精製に失敗すると、なんだかわからない黒墨になるんだよ……」
「そうなんだ!これは売れないの?」
「あぁ……これは売れないけど、失敗したものはこうして小型炉の中にいれて燃料だな!」
「なんだかもったいないね……」
「まあ、スキルが上がればこういった失敗はなくなるから、日々修練しかないな」
ケンジは、鉄のインゴットを100個つくり依頼を清算して、1日の作業を終えるのだった。
ここでも、Fランクの新人がインゴットを1日で100個も納品した事を驚かれるのだった。ここの生産ギルドでは、久しぶりの大型新人だと人々は噂し、ケンジはみんなの注目の的になるのだった。
「ねえ、ケンちゃん相談があるんだけどいいかな?」
「駄目といっても無理だろ!いいから行ってみなさい」
「なにその言い方?なんかお母さんみたいできもい……」
「きもいって言うなぁ!わかったよもう聞かない!」
ケンジは拗ねてしまったようだ・・・
「あ~~~……ごめんってば、謝るからゆるしてね」
マイマールは、困った顔をして上目使いをして謝ってきて、ケンジはこういうところは、全然変わってないなと思うのだった。
「でね、ケンちゃんは、将来鍛冶屋になるのよね?」
「ああ、一応は鍛冶屋になるつもりだよ」
「一応ってなに?なるつもりはないの?」
「いや、俺は生産職を極めるつもりだよ。まずは鍛冶からだな!」
それを聞き、マイマールはケンジが、何を言っているのかわからないでいた。それを察したケンジは、丁寧にマイマールが解りやすいように説明をするのだった。
「って事は、ケンちゃんは鍛冶だけでなく、裁縫や細工など色んな職に就けるようになるってこと?」
「ああ、そうだな!」
マイマールは、ケンジの言っている事が解らないでいたのだが、この数日ケンジの行動や能力を見て、改めて納得したのだった。
「じゃあさ、さっきのお願いなんだけど鍛冶が上達したらだけど、あたしに刀を作ってくれない?」
「ああ、なるほど!そういう事か。心配するな!その予定で動いているつもりだよ」
マイマールは、立花極心流の武闘家なので刀なんていらないと思うかもしれないが、マイマールは(裏)立花なのである。裏とは真の正統後継者であり、無手の技と抜刀流の技を持った武闘家なのである。
この世界には刀というものがあるのかどうかわからないが、切り裂くという武器が普通の店でみないのである。
マイマールによれば、ダンジョンから出るもの以外、見た事がないそうでその刀はマジックアイテムになり、とてもじゃないが手が出るような値段じゃないのだ。
マイマールにとって、ロングソードでは扱いが違うらしく、抜刀術があればマイマールの力は、数倍にもなるそうなので、ぜひともケンジに刀を作ってほしいのだ。
「まあ、いずれ作るが、今はまだ鍛冶のスキルは無いから、気長に待っていてくれ」
「うん。絶対約束だよ!」
マイはすっごい笑顔で、ケンジに抱きつくのだった。
応援ありがとうございます!
1
お気に入りに追加
2,451
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる