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第2章 新たな国へ!
7話 マイたちの戦闘!
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ケンジ達は、マイマールに案内されて宿屋に着くのだった。この宿屋は大きくケンジは驚いたのだった。それもそのはずで、ギルド一区間分もある敷地で見上げるほど大きかったのだ。
中に入ると、受付の女性が対応してくれるのだった。
「あっ!マイさん帰りなさい」
「ただいま。それと、あたしの知り合いを案内してきたの」
「わぁ!ありがとうございます!」
「いらっしゃいませ!風の渡り鳥亭へようこそ」
「ご丁寧にどうも。とりあえず1週間頼みます」
「え?一週間もですか?ありがとうございます」
「えーっとそれで……奴隷達はどういたしますか?奴隷部屋でお預かりしましょうか?」
「いや、俺の部屋でおねがいします。なので、大部屋でお願いします」
「えっ!ケンちゃん奴隷も、一緒の部屋を取るの?」
「ああ、あたりまえだろ!」
「主、この人数の大部屋は、値段が高くなるので我々は奴隷部屋でも……」
「ギル、それ以上言うのはやめろ!という訳で、7人部屋はありますか?」
「7人部屋は無いんですが、大きさ的には10人部屋になり、1泊1万ドゴンになりますがよろしいですか?」
「ケンちゃん……奴隷を、大事にしてるのはわかるけどもったいないよ」
「マイまで、そんな事言うんじゃない。ギル達を、奴隷部屋に預けるなんて俺はいやだ!」
「「主……」」
「「「「ご主人様……」」」」
ギルスレイン達は、ケンジの想いに感謝して、頭を下げるのだった。
「それに、1万ドゴンだろ?それ位なら余裕あるしな」
「ケンちゃん……わかったよ。じゃ、あたしもケンちゃんの部屋に泊めてもらえる?一部屋分、あたしが払うし、ちょっとは節約できるよ」
「いやいやいや!何で、お前まで俺の部屋で寝るんだよ。お前は、自分の個室で寝たらいいじゃないか!」
「いや!あたしも、ケンちゃんと一緒の部屋にする!もう決まりました!」
こうなるとマイマールは、一歩も引かない事がケンジは分かり、深いため息が出るのだった。マイマールは、さっさと自分の部屋をキャンセルし、ニコニコと笑顔を浮かべているのだった。
「まあ、10人部屋だしな。余裕はあるからいいか……」
受付の女性は、やれやれといった雰囲気で受付を済ませてくれて、宿屋の食堂を利用してくれたら、おかずを一品サービスしてくれる事を教えてくれるのだった。
「それじゃ、すいませんが一週間分、先払いでお願いします」
「ああ、そっか!」
ケンジは7万ドゴン大銀貨7枚を支払うのだった。
「主、いつも本当にありがとうございます」
「いや、もういいから、これが普通だと思って早く慣れてくれ!」
部屋に戻ると、マイマールが1週間分の一人部屋の金額を渡してくるのだったが、ケンジはマイマールからお金を取るという事はしなかった。
「もう、マイも俺達と一緒に行動するんだから、マイも一緒に面倒をみるつもりだから金払わなくてもいいよ」
「ケンちゃんありがとう!だから大好き!」
マイマールは、ケンジに勢いよく抱きつくのだった。
それを見て、マードックはとニヤニヤしてるのだった。
「主のハーレムがだんだん大きくなってきましたね!」
当然だが、余計な事言ったマードックは、ケンジに頭を叩かれたのは言うまでもなかった。
その日、ケンジは久しぶりにゆっくり眠れたのだった。その訳は、システィナ達がマイマールに遠慮をして、ケンジのベットに入ってこなかった事にある。
マイマールも、またケンジのベットに入り込むのをためらって、とうとう朝になってしまっていたのだった。女性達の見えない攻防に、ギルスレインとマードックは見ない振りをして、平静を装うのだった。
「ん~~~!よく寝た‼」
ケンジはベットで背を伸ばすのだった。女性陣は眠れなかったのかのそっとベットから起き上がり、みんなそろって部屋を出ていくのだった。
「顔を洗ってきます……」
「みんな眠れなかったのかな?」
「主……その言葉は、女性陣には言ってはだめですよ……」
「んっ、なんでだ?」
ギルスレインは、大きくため息をつき、呆れ果てるのである。
「主も、早くこの世界の常識に慣れた方がいいですよ」
「なんだ?気になる言い方だな?ギルはっきり教えてくれ」
「主は、マイさんの事を幼馴染だと思っているのですが、マイさんはそう思ってないという事ですよ!何で昨日、マイさんをベットに誘わなかったのですか?」
「えええ!何で、マイを?」
「そこです!その考え方がおかしいのですよ。マイさんを正室にするのでしょ?この世界で、夫婦になるのは主の年齢でも全然おかしくないのです。昨日は、システィナ達はマイさんに遠慮し、ベットに潜り込みませんでした。ですが、マイさんは主の奴隷じゃないので、やっぱり男性から誘うのがマナーと言う事ですよ」
ケンジは、ギルスレインに言われるまで、そんな事考えもしなかったのである。マイは幼馴染であり、確かに将来は一緒になるんだろうなあと、漠然に思っていただけだったので、ギルスレインの言葉にカルチャーショックを受けたのだった。
「……というわけで、今晩はどうなるかわかりませんから、主も覚悟を決めておいてください」
ケンジは、ギルスレインにぴしゃりと言われるのだった。
ケンジは、そんな簡単に夫婦になる覚悟ができるのかと、ギルスレインの言葉に黙ってしまうのだった。
「まあ、主がどう考えるのかは主の自由だし、どんな結論を出そうと我々奴隷達は主に従いますけどね。主には、強さやみんなを守る力はありますから、もっと気軽に考えてみてもいいと思いますよ。わからなければ、皆をもっと頼るって言い方は変ですが、命令したらいいわけですしね」
「ギル、ありがとう。俺の世界ではそうは考えられない……この世界の、住人にはわからないかもしれないが、俺のいた世界は22歳で、社会に出て働きだすんだよ。だから、俺一人じゃマイと一緒になるって、この年齢で考えもしなかったよ」
「え?22歳で働き始める?それまで、親に食べさせてもらうのが普通なのですか?」
「ああ!全員がそうではないが、一般的に大学という学校を卒業してから、大きい会社で働こうとするのが普通なんだ」
ギルスレインとマードックは、ケンジの世界のギャップに驚き固まるのだった。
「まあ、そんなんだからこの世界の人にとっては、じれったいように思えるかもしれないな……まあ、真剣に考えてみるよ」
そう言って、ケンジは部屋を出て、目を覚ましに下の井戸に顔を洗いに出ていくのだった。
それから三日後、マイマールはケンジに今日はどうするのか聞いてきた。
「そうだな!今日はギルドに寄って、採掘の依頼を受けようと思う」
「そうなんだ。あたしも、一緒について行ってもいい?」
「いいけど。マイは退屈だぞ?それでもいいのか?」
「それでもいいよ。一緒にいたいしね」
ケンジ達は、生産ギルドに行き採掘の依頼を受け、受付嬢に鉱山の場所を聞くのだった。
この町にも、近くに手ごろな鉱山があるのだが、鉱山のまわりにも色んな素材が取れるらしく、マイマールは今日もまた、癒し草の採取の依頼を受けるのだった。
「ねえ、ケンちゃん……なんでリアカーを引いて出たの?」
「いや、なんでって帰ってきた時、手ぶらだと問題あるだろ……」
「でも、城門から見えなくなったら、リアカー収納したじゃない」
「だから、帰る時このリアカーに鉱石積んで、町に入るだろ。出る時、リアカーがないのに帰りはリアカー満載に積んで帰ったら、不思議に思うじゃないか」
「ああ、なるほど!ケンちゃんって、色々考えているのね」
等と、いろいろ話しながら鉱山に向かい、採掘場に到着するのだった。
「じゃあ、みんなはいつものように周りを警戒してくれ!マイはどうする?」
「あたしは、少し休憩してから、癒し草を探しに行ってくるよ」
「わかった。行く時は一言かけてくれよ」
30分ほどした時、マイマールが、ケンジに声をかけてきたのだった。
「ケンちゃん!そしたらあたし探しに行ってくるね」
「ああ、わかった!プリム、セイラ、マイについていきサポートしてやってくれ」
「「はい!わかりました。」」
「えっ……ケンちゃん、あたし一人で大丈夫だよ」
「いや、だめだ!何か起こったらじゃ遅いからな!一人で森を歩きまわるなんて、自殺行為だからな」
「わかったよ。ケンちゃんありがとう」
マイマールは、ケンジの心遣いに感謝するのだった。
ケンジのこの行動は、この時には想像もできなかったのだが、マイマール
を一人で行かせなかったのは大正解だったのだ。
「それじゃ、マイ気を付けていけよ」
「うん、わかってるって!ケンちゃんよりこの辺りはくわしいよ」
マイマール達は、笑顔で癒し草を探しに行くのだった。
ケンジと離れた、マイとプリムとセイラの3人は、周りに警戒しつつ、癒し草を探すのだった。
「ねえ……2人共、ケンちゃんと一緒にいてどう?」
「どうとは、どういう事ですか?」
「一緒にいて楽しい?」
「「楽しいどころじゃありません!」」
「わたし達は、ご主人様の為なら何でもします。日頃、美味しいご飯や宿屋、数知れないほどの恩を返したいと思っていますが、恩の方が貯まっていくのです」
「だよね……ケンちゃんって、やさしいもんね」
「あたしも、ずっと一緒にいたいと思うんだ。だけど、どうやったら隣にいれるかわからないんだよね」
「マイさんは、幼馴染なんだから、もっと積極的に行けばいいと思います」
「そう!その幼馴染が問題なんだよね……」
「わたし達なら、ご主人様に奉仕するのは、問題ないんですけどね……」
「そうなのよね……あたしも、ケンちゃんの奴隷になろうかしら……」
「「え⁉」」
「冗談よ!」
マイマールは、冗談ぽい笑顔をして、寂しそうな笑顔を見せたのだった。
マイマール達は、そんな女子トークをしながら、癒し草を探すのだったが、プリムが異変に気付くのだった。
「マイさん、こっちに来てください!何者かに囲まれています!」
マイマールを中心に、プリムとセイラは周りを警戒するのだった。その時、周りの木々がバリバリと大きな音を立てて、崩れ去り木々が何かに引き裂かれ、ズドーンと大きな音を立て倒れるのだった。
マイマール達の目の前には、5匹のオークが大きな声で吠えて、マイマール達を威嚇したのだった。
「オ、オーク?なんでこんなとこにオークがでるの!」
「マイさん!落ち着いてください。わたし達が、何とかして突破口を開きますから逃げてください!」
「駄目よ!あたしだけ逃げたら、ケンちゃんに顔向けできないわ!」
「いえ!マイさんが死んでしまったら、わたし達こそご主人様に申し訳が立ちません!それに、わたし達もご主人様に日頃鍛えてもらっています。そう簡単にくたばりませんよ。」
そう言ったプリムは、オークに向かって槍をむけるのだった。セイラは、すかさずプリムとマイに※①【プロテクション】※②【アクメント】を唱えるのだった。
セイラが、魔法をかけ終わると同時に、プリムはオークに駆け寄りアクティブスキルの、ワイドアタックを仕掛けるのだった。
プリムは、先手必勝のごとくオークに近づき、ワイドアタックを仕掛けオークにダメージを与えるのだった。
オークは、全部で5匹いるので、オークは相手をなめていたのだった。突然の衝撃にオーク達は驚き、また戸惑ったのだった。ヒューマン女性がオークに対し、自ら突っ込んでくるとは思わなかったのだった。
オークはゴブリンと同じく、他種族の女達にとって恐怖そのものなのである。捕まったら最後、死ぬまで苗床になり、使い物にならなくなるまで凌辱されるのである。それをわかっているオークは油断をしていたのだった。
オークは、いきなりの事でプリムの気迫に押されてしまったが、すぐに持ち直し、攻撃を繰り出したのだった。だが、プリムはケンジとの訓練やパーティーに入っていた為、予想以上にレベルがアップしていたのだ。
オーク5匹だというのに、なんとか対等に戦う事が出来ていたのだった。だが、それでも一瞬の気のゆるみを見せたら、すぐに立場が逆転してしまうほどに、オーク5匹は辛いものがあったのだった。
プリムの、ワイドアタックは凄く使がっての良いスキルで、前方にいる敵最大5匹までだが、全てにダメージを与えることが出来、一振りで5匹全部にダメージを与えていたのだった。セイラも、必死でプリムに次の魔法を唱え、サポートをするのだった。
「プリム無理をしないで!※③【ストレングス】!」
セイラ自身は、前線で戦えない分魔法で援助を頑張り、そのサポートに答えるように、プリムはマイマールとセイラの方へオークがいかないように、ワイドアタックを混ぜながら、オークにダメージを与えていくのだった。
この戦いを見て、マイマールは自分も何かしないとと考え、セイラに自分にもストレングスをかけてくれと言ったのだった。
「プリム!あたしも戦う!サポートは任せて!」
ストレングス等を、かけてもらったマイマールは普段ではあり得ないくらい戦闘能力があがっていて、プリムが繰り出した攻撃の間をぬって、オークにダメージを与えたのだった。
プリムの、全体攻撃に加え、マイマールの攻撃が加わった事により、オークの隊列が崩れ、ついにオーク5匹は全滅するのだった。
3人は、安堵と共にため息をだし、その場に座り込むのであった。
「「「助かったぁ……」」」
*-----*-----*-----*-----*-----*
キャラクター紹介
名前 マイマール(通称マイ)(15歳)
種族 ヒューマン レベル20
職業 武闘家 レベル20
裏立花極心流 正統後継者
HP 385
MP 305
STR 98
VIT 84
INT 62
MID 56
DEX 97
AGI 85
LUK 68
パッシブスキル
格闘術 75.24
回避 45.02
刀術 80.24
戦術 72.03
治療 50.00
魔法(風属性)25.00
アクティブスキル
アタックオーラ 使う事で与えるダメージが10%アップ
ディフェンスオーラ 使う事で防御が10%上がる。
アジリティーオーラ 使う事で素早さが10%上がる。
パワーアタック 使う事で単体の敵に2倍ダメージを与える
ことが出来る。
マイは転生したことにより5歳の時前世での記憶、経験が復活したこと
により裏立花極心流の事も思い出し、通常、10レベルに対しスキル総合値
が多いのである。前世の経験値が加算されているのである。
この話で出てきた魔法一覧
※①【プロテクション】
神聖魔法 1階位
消費MP 5
詠唱速度 0.75秒(詠唱スキルが無い場合)
効果時間 20分
効果対象 1人
効果範囲 なし
必要秘薬 なし
備考
この魔法をかけられると20分間体力(VIT)が20%あがり
防御があがる。
神聖魔法とはシスターや神父、それに伴う上級職があやつる
魔法で神の力をかりて奇跡をおこす魔法である。
魔法使いの魔法と違い秘薬やスペルブックはいらないのである。
ただし、この神聖魔法は聖属性の適性が無くては信仰心を上げた
としても、使うことが出来ないのである。
職業プリースト・クレリックレベル40、信仰心50.00で使用可能
【アクメント】
神聖魔法 1レベル
消費MP 5
詠唱速度 0.75秒(詠唱スキルが無い場合)
効果時間 20分
効果対象 1人
効果範囲 なし
必要秘薬 なし
備考
この魔法をかけられると20分間素早さ(DEX)と器用さ(AGI)が
20%上がり、回避能力があがる。
神聖魔法とはシスターや神父、それに伴う上級職があやつる
魔法で神の力をかりて奇跡をおこす魔法である。
魔法使いの魔法と違い秘薬やスペルブックはいらないのである。
ただし、この神聖魔法は聖属性の適性が無くては信仰心を上げた
としても、使うことが出来ないのである。
職業プリースト・クレリックレベル40、信仰心50.00で使用可能
※③【ストレングス】
神聖魔法 1レベル
消費MP 5
詠唱速度 0.75秒(詠唱スキルが無い場合)
効果時間 20分
効果対象 1人
効果範囲 なし
必要秘薬 なし
備考
この魔法をかけられると20分間、力(STR)を20%引き上げられ
接近戦で与えるダメージが増える。
神聖魔法とはシスターや神父、それに伴う上級職があやつる
魔法で神の力をかりて奇跡をおこす魔法である。
魔法使いの魔法と違い秘薬やスペルブックはいらないのである。
ただし、この神聖魔法は聖属性の適性が無くては信仰心を上げた
としても、使うことが出来ないのである。
職業プリースト・クレリックレベル40、信仰心50.00で使用可能
中に入ると、受付の女性が対応してくれるのだった。
「あっ!マイさん帰りなさい」
「ただいま。それと、あたしの知り合いを案内してきたの」
「わぁ!ありがとうございます!」
「いらっしゃいませ!風の渡り鳥亭へようこそ」
「ご丁寧にどうも。とりあえず1週間頼みます」
「え?一週間もですか?ありがとうございます」
「えーっとそれで……奴隷達はどういたしますか?奴隷部屋でお預かりしましょうか?」
「いや、俺の部屋でおねがいします。なので、大部屋でお願いします」
「えっ!ケンちゃん奴隷も、一緒の部屋を取るの?」
「ああ、あたりまえだろ!」
「主、この人数の大部屋は、値段が高くなるので我々は奴隷部屋でも……」
「ギル、それ以上言うのはやめろ!という訳で、7人部屋はありますか?」
「7人部屋は無いんですが、大きさ的には10人部屋になり、1泊1万ドゴンになりますがよろしいですか?」
「ケンちゃん……奴隷を、大事にしてるのはわかるけどもったいないよ」
「マイまで、そんな事言うんじゃない。ギル達を、奴隷部屋に預けるなんて俺はいやだ!」
「「主……」」
「「「「ご主人様……」」」」
ギルスレイン達は、ケンジの想いに感謝して、頭を下げるのだった。
「それに、1万ドゴンだろ?それ位なら余裕あるしな」
「ケンちゃん……わかったよ。じゃ、あたしもケンちゃんの部屋に泊めてもらえる?一部屋分、あたしが払うし、ちょっとは節約できるよ」
「いやいやいや!何で、お前まで俺の部屋で寝るんだよ。お前は、自分の個室で寝たらいいじゃないか!」
「いや!あたしも、ケンちゃんと一緒の部屋にする!もう決まりました!」
こうなるとマイマールは、一歩も引かない事がケンジは分かり、深いため息が出るのだった。マイマールは、さっさと自分の部屋をキャンセルし、ニコニコと笑顔を浮かべているのだった。
「まあ、10人部屋だしな。余裕はあるからいいか……」
受付の女性は、やれやれといった雰囲気で受付を済ませてくれて、宿屋の食堂を利用してくれたら、おかずを一品サービスしてくれる事を教えてくれるのだった。
「それじゃ、すいませんが一週間分、先払いでお願いします」
「ああ、そっか!」
ケンジは7万ドゴン大銀貨7枚を支払うのだった。
「主、いつも本当にありがとうございます」
「いや、もういいから、これが普通だと思って早く慣れてくれ!」
部屋に戻ると、マイマールが1週間分の一人部屋の金額を渡してくるのだったが、ケンジはマイマールからお金を取るという事はしなかった。
「もう、マイも俺達と一緒に行動するんだから、マイも一緒に面倒をみるつもりだから金払わなくてもいいよ」
「ケンちゃんありがとう!だから大好き!」
マイマールは、ケンジに勢いよく抱きつくのだった。
それを見て、マードックはとニヤニヤしてるのだった。
「主のハーレムがだんだん大きくなってきましたね!」
当然だが、余計な事言ったマードックは、ケンジに頭を叩かれたのは言うまでもなかった。
その日、ケンジは久しぶりにゆっくり眠れたのだった。その訳は、システィナ達がマイマールに遠慮をして、ケンジのベットに入ってこなかった事にある。
マイマールも、またケンジのベットに入り込むのをためらって、とうとう朝になってしまっていたのだった。女性達の見えない攻防に、ギルスレインとマードックは見ない振りをして、平静を装うのだった。
「ん~~~!よく寝た‼」
ケンジはベットで背を伸ばすのだった。女性陣は眠れなかったのかのそっとベットから起き上がり、みんなそろって部屋を出ていくのだった。
「顔を洗ってきます……」
「みんな眠れなかったのかな?」
「主……その言葉は、女性陣には言ってはだめですよ……」
「んっ、なんでだ?」
ギルスレインは、大きくため息をつき、呆れ果てるのである。
「主も、早くこの世界の常識に慣れた方がいいですよ」
「なんだ?気になる言い方だな?ギルはっきり教えてくれ」
「主は、マイさんの事を幼馴染だと思っているのですが、マイさんはそう思ってないという事ですよ!何で昨日、マイさんをベットに誘わなかったのですか?」
「えええ!何で、マイを?」
「そこです!その考え方がおかしいのですよ。マイさんを正室にするのでしょ?この世界で、夫婦になるのは主の年齢でも全然おかしくないのです。昨日は、システィナ達はマイさんに遠慮し、ベットに潜り込みませんでした。ですが、マイさんは主の奴隷じゃないので、やっぱり男性から誘うのがマナーと言う事ですよ」
ケンジは、ギルスレインに言われるまで、そんな事考えもしなかったのである。マイは幼馴染であり、確かに将来は一緒になるんだろうなあと、漠然に思っていただけだったので、ギルスレインの言葉にカルチャーショックを受けたのだった。
「……というわけで、今晩はどうなるかわかりませんから、主も覚悟を決めておいてください」
ケンジは、ギルスレインにぴしゃりと言われるのだった。
ケンジは、そんな簡単に夫婦になる覚悟ができるのかと、ギルスレインの言葉に黙ってしまうのだった。
「まあ、主がどう考えるのかは主の自由だし、どんな結論を出そうと我々奴隷達は主に従いますけどね。主には、強さやみんなを守る力はありますから、もっと気軽に考えてみてもいいと思いますよ。わからなければ、皆をもっと頼るって言い方は変ですが、命令したらいいわけですしね」
「ギル、ありがとう。俺の世界ではそうは考えられない……この世界の、住人にはわからないかもしれないが、俺のいた世界は22歳で、社会に出て働きだすんだよ。だから、俺一人じゃマイと一緒になるって、この年齢で考えもしなかったよ」
「え?22歳で働き始める?それまで、親に食べさせてもらうのが普通なのですか?」
「ああ!全員がそうではないが、一般的に大学という学校を卒業してから、大きい会社で働こうとするのが普通なんだ」
ギルスレインとマードックは、ケンジの世界のギャップに驚き固まるのだった。
「まあ、そんなんだからこの世界の人にとっては、じれったいように思えるかもしれないな……まあ、真剣に考えてみるよ」
そう言って、ケンジは部屋を出て、目を覚ましに下の井戸に顔を洗いに出ていくのだった。
それから三日後、マイマールはケンジに今日はどうするのか聞いてきた。
「そうだな!今日はギルドに寄って、採掘の依頼を受けようと思う」
「そうなんだ。あたしも、一緒について行ってもいい?」
「いいけど。マイは退屈だぞ?それでもいいのか?」
「それでもいいよ。一緒にいたいしね」
ケンジ達は、生産ギルドに行き採掘の依頼を受け、受付嬢に鉱山の場所を聞くのだった。
この町にも、近くに手ごろな鉱山があるのだが、鉱山のまわりにも色んな素材が取れるらしく、マイマールは今日もまた、癒し草の採取の依頼を受けるのだった。
「ねえ、ケンちゃん……なんでリアカーを引いて出たの?」
「いや、なんでって帰ってきた時、手ぶらだと問題あるだろ……」
「でも、城門から見えなくなったら、リアカー収納したじゃない」
「だから、帰る時このリアカーに鉱石積んで、町に入るだろ。出る時、リアカーがないのに帰りはリアカー満載に積んで帰ったら、不思議に思うじゃないか」
「ああ、なるほど!ケンちゃんって、色々考えているのね」
等と、いろいろ話しながら鉱山に向かい、採掘場に到着するのだった。
「じゃあ、みんなはいつものように周りを警戒してくれ!マイはどうする?」
「あたしは、少し休憩してから、癒し草を探しに行ってくるよ」
「わかった。行く時は一言かけてくれよ」
30分ほどした時、マイマールが、ケンジに声をかけてきたのだった。
「ケンちゃん!そしたらあたし探しに行ってくるね」
「ああ、わかった!プリム、セイラ、マイについていきサポートしてやってくれ」
「「はい!わかりました。」」
「えっ……ケンちゃん、あたし一人で大丈夫だよ」
「いや、だめだ!何か起こったらじゃ遅いからな!一人で森を歩きまわるなんて、自殺行為だからな」
「わかったよ。ケンちゃんありがとう」
マイマールは、ケンジの心遣いに感謝するのだった。
ケンジのこの行動は、この時には想像もできなかったのだが、マイマール
を一人で行かせなかったのは大正解だったのだ。
「それじゃ、マイ気を付けていけよ」
「うん、わかってるって!ケンちゃんよりこの辺りはくわしいよ」
マイマール達は、笑顔で癒し草を探しに行くのだった。
ケンジと離れた、マイとプリムとセイラの3人は、周りに警戒しつつ、癒し草を探すのだった。
「ねえ……2人共、ケンちゃんと一緒にいてどう?」
「どうとは、どういう事ですか?」
「一緒にいて楽しい?」
「「楽しいどころじゃありません!」」
「わたし達は、ご主人様の為なら何でもします。日頃、美味しいご飯や宿屋、数知れないほどの恩を返したいと思っていますが、恩の方が貯まっていくのです」
「だよね……ケンちゃんって、やさしいもんね」
「あたしも、ずっと一緒にいたいと思うんだ。だけど、どうやったら隣にいれるかわからないんだよね」
「マイさんは、幼馴染なんだから、もっと積極的に行けばいいと思います」
「そう!その幼馴染が問題なんだよね……」
「わたし達なら、ご主人様に奉仕するのは、問題ないんですけどね……」
「そうなのよね……あたしも、ケンちゃんの奴隷になろうかしら……」
「「え⁉」」
「冗談よ!」
マイマールは、冗談ぽい笑顔をして、寂しそうな笑顔を見せたのだった。
マイマール達は、そんな女子トークをしながら、癒し草を探すのだったが、プリムが異変に気付くのだった。
「マイさん、こっちに来てください!何者かに囲まれています!」
マイマールを中心に、プリムとセイラは周りを警戒するのだった。その時、周りの木々がバリバリと大きな音を立てて、崩れ去り木々が何かに引き裂かれ、ズドーンと大きな音を立て倒れるのだった。
マイマール達の目の前には、5匹のオークが大きな声で吠えて、マイマール達を威嚇したのだった。
「オ、オーク?なんでこんなとこにオークがでるの!」
「マイさん!落ち着いてください。わたし達が、何とかして突破口を開きますから逃げてください!」
「駄目よ!あたしだけ逃げたら、ケンちゃんに顔向けできないわ!」
「いえ!マイさんが死んでしまったら、わたし達こそご主人様に申し訳が立ちません!それに、わたし達もご主人様に日頃鍛えてもらっています。そう簡単にくたばりませんよ。」
そう言ったプリムは、オークに向かって槍をむけるのだった。セイラは、すかさずプリムとマイに※①【プロテクション】※②【アクメント】を唱えるのだった。
セイラが、魔法をかけ終わると同時に、プリムはオークに駆け寄りアクティブスキルの、ワイドアタックを仕掛けるのだった。
プリムは、先手必勝のごとくオークに近づき、ワイドアタックを仕掛けオークにダメージを与えるのだった。
オークは、全部で5匹いるので、オークは相手をなめていたのだった。突然の衝撃にオーク達は驚き、また戸惑ったのだった。ヒューマン女性がオークに対し、自ら突っ込んでくるとは思わなかったのだった。
オークはゴブリンと同じく、他種族の女達にとって恐怖そのものなのである。捕まったら最後、死ぬまで苗床になり、使い物にならなくなるまで凌辱されるのである。それをわかっているオークは油断をしていたのだった。
オークは、いきなりの事でプリムの気迫に押されてしまったが、すぐに持ち直し、攻撃を繰り出したのだった。だが、プリムはケンジとの訓練やパーティーに入っていた為、予想以上にレベルがアップしていたのだ。
オーク5匹だというのに、なんとか対等に戦う事が出来ていたのだった。だが、それでも一瞬の気のゆるみを見せたら、すぐに立場が逆転してしまうほどに、オーク5匹は辛いものがあったのだった。
プリムの、ワイドアタックは凄く使がっての良いスキルで、前方にいる敵最大5匹までだが、全てにダメージを与えることが出来、一振りで5匹全部にダメージを与えていたのだった。セイラも、必死でプリムに次の魔法を唱え、サポートをするのだった。
「プリム無理をしないで!※③【ストレングス】!」
セイラ自身は、前線で戦えない分魔法で援助を頑張り、そのサポートに答えるように、プリムはマイマールとセイラの方へオークがいかないように、ワイドアタックを混ぜながら、オークにダメージを与えていくのだった。
この戦いを見て、マイマールは自分も何かしないとと考え、セイラに自分にもストレングスをかけてくれと言ったのだった。
「プリム!あたしも戦う!サポートは任せて!」
ストレングス等を、かけてもらったマイマールは普段ではあり得ないくらい戦闘能力があがっていて、プリムが繰り出した攻撃の間をぬって、オークにダメージを与えたのだった。
プリムの、全体攻撃に加え、マイマールの攻撃が加わった事により、オークの隊列が崩れ、ついにオーク5匹は全滅するのだった。
3人は、安堵と共にため息をだし、その場に座り込むのであった。
「「「助かったぁ……」」」
*-----*-----*-----*-----*-----*
キャラクター紹介
名前 マイマール(通称マイ)(15歳)
種族 ヒューマン レベル20
職業 武闘家 レベル20
裏立花極心流 正統後継者
HP 385
MP 305
STR 98
VIT 84
INT 62
MID 56
DEX 97
AGI 85
LUK 68
パッシブスキル
格闘術 75.24
回避 45.02
刀術 80.24
戦術 72.03
治療 50.00
魔法(風属性)25.00
アクティブスキル
アタックオーラ 使う事で与えるダメージが10%アップ
ディフェンスオーラ 使う事で防御が10%上がる。
アジリティーオーラ 使う事で素早さが10%上がる。
パワーアタック 使う事で単体の敵に2倍ダメージを与える
ことが出来る。
マイは転生したことにより5歳の時前世での記憶、経験が復活したこと
により裏立花極心流の事も思い出し、通常、10レベルに対しスキル総合値
が多いのである。前世の経験値が加算されているのである。
この話で出てきた魔法一覧
※①【プロテクション】
神聖魔法 1階位
消費MP 5
詠唱速度 0.75秒(詠唱スキルが無い場合)
効果時間 20分
効果対象 1人
効果範囲 なし
必要秘薬 なし
備考
この魔法をかけられると20分間体力(VIT)が20%あがり
防御があがる。
神聖魔法とはシスターや神父、それに伴う上級職があやつる
魔法で神の力をかりて奇跡をおこす魔法である。
魔法使いの魔法と違い秘薬やスペルブックはいらないのである。
ただし、この神聖魔法は聖属性の適性が無くては信仰心を上げた
としても、使うことが出来ないのである。
職業プリースト・クレリックレベル40、信仰心50.00で使用可能
【アクメント】
神聖魔法 1レベル
消費MP 5
詠唱速度 0.75秒(詠唱スキルが無い場合)
効果時間 20分
効果対象 1人
効果範囲 なし
必要秘薬 なし
備考
この魔法をかけられると20分間素早さ(DEX)と器用さ(AGI)が
20%上がり、回避能力があがる。
神聖魔法とはシスターや神父、それに伴う上級職があやつる
魔法で神の力をかりて奇跡をおこす魔法である。
魔法使いの魔法と違い秘薬やスペルブックはいらないのである。
ただし、この神聖魔法は聖属性の適性が無くては信仰心を上げた
としても、使うことが出来ないのである。
職業プリースト・クレリックレベル40、信仰心50.00で使用可能
※③【ストレングス】
神聖魔法 1レベル
消費MP 5
詠唱速度 0.75秒(詠唱スキルが無い場合)
効果時間 20分
効果対象 1人
効果範囲 なし
必要秘薬 なし
備考
この魔法をかけられると20分間、力(STR)を20%引き上げられ
接近戦で与えるダメージが増える。
神聖魔法とはシスターや神父、それに伴う上級職があやつる
魔法で神の力をかりて奇跡をおこす魔法である。
魔法使いの魔法と違い秘薬やスペルブックはいらないのである。
ただし、この神聖魔法は聖属性の適性が無くては信仰心を上げた
としても、使うことが出来ないのである。
職業プリースト・クレリックレベル40、信仰心50.00で使用可能
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