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七冊目
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ネギを切る音がトントントントントントントントントントンと家中に響く。
お湯を沸かし味噌の匂いが香る中、僕は目覚めた。
何か奇妙な夢を見ていた気がするが気のせいだろう。
僕は着替えてリビングに出る。
リビングは僕の部屋に届いた以上に味噌の匂いに満たされていた。
おはよう、そう聞こえて振り返るとそこにはスーツ姿の父がいた。
「おはよう、スーツのクリーニング、会議に間に合ったんだね」
「昨日ギリギリね、会議の日付間違えてたときはもうダメかと」
「いつも間違えるんだから毎回確認し直せって母さんに言われてるのに、また確認サボったでしょ」
「いやはや、面目ない」
父さんはそう言うと気恥ずかしそうに頭を掻く。
やっぱり日常、いつも通りだ。
事故なんてなかったし誰も死んでいない。
嫌な夢を見ただけに違いない。
「そんな所で話してないで椅子座って、学校遅れるよ」
母さんだ、少し呆れたような顔をしながら朝食の準備をしてくれていた。
僕は慌てて椅子に座る。
いただきます、僕は学校に遅刻ギリギリな事もあって慌てて朝食を食べる。
何故か無性にこの味を懐かしく感じる。
これもあの奇妙な夢のせいだろうか。
全て平らげると僕は母さんに食器の片付けを頼み玄関に、学校に急ぐ。
僕がいつも玄関に置きっぱなしにしている鞄を持つと母さんが見送りに来てくれた。
「行ってらっしゃい、『宗介』ご飯までには帰るんだよ」
その瞬間、僕の意識はプツリと切れた
お湯を沸かし味噌の匂いが香る中、僕は目覚めた。
何か奇妙な夢を見ていた気がするが気のせいだろう。
僕は着替えてリビングに出る。
リビングは僕の部屋に届いた以上に味噌の匂いに満たされていた。
おはよう、そう聞こえて振り返るとそこにはスーツ姿の父がいた。
「おはよう、スーツのクリーニング、会議に間に合ったんだね」
「昨日ギリギリね、会議の日付間違えてたときはもうダメかと」
「いつも間違えるんだから毎回確認し直せって母さんに言われてるのに、また確認サボったでしょ」
「いやはや、面目ない」
父さんはそう言うと気恥ずかしそうに頭を掻く。
やっぱり日常、いつも通りだ。
事故なんてなかったし誰も死んでいない。
嫌な夢を見ただけに違いない。
「そんな所で話してないで椅子座って、学校遅れるよ」
母さんだ、少し呆れたような顔をしながら朝食の準備をしてくれていた。
僕は慌てて椅子に座る。
いただきます、僕は学校に遅刻ギリギリな事もあって慌てて朝食を食べる。
何故か無性にこの味を懐かしく感じる。
これもあの奇妙な夢のせいだろうか。
全て平らげると僕は母さんに食器の片付けを頼み玄関に、学校に急ぐ。
僕がいつも玄関に置きっぱなしにしている鞄を持つと母さんが見送りに来てくれた。
「行ってらっしゃい、『宗介』ご飯までには帰るんだよ」
その瞬間、僕の意識はプツリと切れた
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