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4.ブラックドラゴン戦

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 緊急事態を伝えてから1時間強。

「来たぞ!ブラックドラゴンだ!もう1階層まで登って来ている!まもなく入り口に到達!!」

「「ブラックドラゴンかっ!!」」

 ベテラン斥候の人がダンジョンから出て来て這い上がりのモンスターの情報を伝えてくれた。

 ブラックドラゴンはS+級モンスターで、大都市なら一晩で滅ぼせる程のバケモノだ。
しかし此処は迷宮都市、対応できるだけの戦力が揃っているので確実に討伐出来るはずだ。

 これがもしグランドドラゴンとかなら終わってたかもしれない。
いや、そもそもグランドドラゴンならダンジョンに収まらないか。
グランドドラゴンは大陸と同じ大きさがあると言われている伝説上のドラゴンで、今俺たちがいる大陸がグランドドラゴンの死体なんだとか。

「「「「【全強化】」」」」

 魔術士達が全強化と言う全ての能力を上げるバフを掛ける。

「ブレスに気を付けろ!!羽を落とすぞ!!」
「「「「「おお!!!」」」」」

 前衛達が突撃し、半数がブラックドラゴンの背後に周り羽を狙う。

 俺ら斥候はモンスターの行動妨害が仕事だ。

「【影縫い】【目潰し】【口無し】」

 俺の妨害スキル、影縫いで移動を阻止し、目潰しで視界を奪う。そして口無しで口が開く事を妨害した。

「なんと!あの巨体相手に妨害スキルを完璧に決めるか!!流石だなカナタ!!」

 ギルマスが言った通り、普通はドラゴンみたいな巨大なモンスターに妨害スキルは効きが悪い。
しかし俺には天性の能力がある。
その中にスキルの成功率を100%にするものがある。

「ナイスだカナタ!!後は任せろ!!!」

 身動きもブレスも封じられたブラックドラゴンは前衛達によって切り裂かれていく。
しかしブラックドラゴンが鱗がやたら頑丈なので、前衛の全力攻撃と、時折放たれる魔術士達の集中砲火を何度受けても中々死ななかった。

 5回目の妨害スキルを使った辺りで漸くブラックドラゴンは討伐された。
いや、本当にダンジョン内でやってたら足止め程度しか出来なかったな。

「本当にタフだね」




「良くやったみんな!!ブラックドラゴンは解体してオークションに掛ける!賞金はその後になる!受け付けて割符を貰って後日取りにして欲しい!!」
「「「「「「おお!!!」」」」」」

 疲れた・・・冒険者やってるけど子供の体力は鍛えても限界がある。
俺はずっと利用している宿に戻りぐっすりと眠った。

 ランダル兄さんとデュース姉さんは他の冒険者達と朝まで飲み明かすと言っていた。
ブラックドラゴン討伐で興奮しているみたいだ。
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