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その三.初恋の女子、襲来。
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毎日恋火の愚痴に付き合いつつ、勉学に励んでいると、またもや僕のクラスに別のクラスの女子がやって来た。
あの人はーー
氷室氷花さんだ。
僕の初恋の人。
幼馴染の恋火も少し恋心を抱いていたけれど、氷室さんは本当に恋した相手だ。
氷室さんとは高校一年の時に同じクラスで、お近づきになりたくて彼女と同じ委員になったほどだ。
しかしモテない僕にはやはり叶わぬ夢だった。
氷室さんは一つ上の先輩と付き合い始めたのだ。
僕は彼氏さんの邪魔にならないように彼女の前からフェードアウトした。
なので恋火とは違い、氷室さんは僕とは接点が無いはず。
と言う事は僕は関係ないな!うん!
「風見君はいるかしら?」
なんで???
またもや視線が集まる僕。
当然氷室さんも僕を見る。
「まぁ・・・風見君?」
「ええ、そうです」
一年の時は僕が少しだけ大きかったのに、女子になって縮んだ僕は氷室さんを見上げていた。
「風見君、わたしとお友達になりましょう?」
「え?!い、良いですよ?!」
予想外の言葉に声が裏返ってしまった。
恥ずかしい・・・
「うふふ・・・アドレス、教えてくださいね?」
「は、はひ・・・」
こうして氷室さんともアドレスを交換し、なんでこうも立て続けに美少女が僕とお近づきになってるんだろう?と考えさせられた。
氷室さんからのメッセージは恋火と同じような内容だった。
ようは彼氏の愚痴だ。
氷室さんの彼氏(もう元カレだけど)は今は大学受験に失敗して浪人生、なのに勉強をせずに酒とタバコとギャンブルと・・・同じだ。
元カレは高校時代は軽音部でギターを掻き鳴らしていたモテ男だけど、弾いていた曲はカバーばかりで実はそんなに上手くも無かったらしい。
イケメンでギターをやっているだけでモテていたそうだ。
浪人になってからそのギターも借金返済の為に売って、更に暴飲暴食でイケてた顔も吹き出物やら肌荒れやらで崩れているそうだ。
氷室さんにも借金返済を手伝わせていて、裕福な家の氷室さんは一度全て肩代わりして返済したのに、すぐに新しく借金を作るギター男に激怒して別れたそうだ。
僕はまたしても相槌を打ちつつ慰めていた。
そして氷室さんも最後に「風見君が彼氏ならこんな事にはならなかったのに・・・」と言って来た。
うん、手遅れです!
僕女の子なので!!
「あの・・・何故僕の隣に座るんです?」
「あら?嫌なのかしら?」
「嫌じゃないです!」
「ちょっと!ハルカはあたしのよ!ハルカはあたしの事嫌い?」
「嫌いじゃないです!」
「ほら!」
「何言ってるのよ、貴女には幼馴染として嫌いじゃないと言っているのよ?わたしに対しては好きって事よ?」
「ま、まぁまぁ落ち着いて?ふ、二人とも好きだから・・・ね?」
「「はぁい♡」」
どうしてこうなった!!!
あの人はーー
氷室氷花さんだ。
僕の初恋の人。
幼馴染の恋火も少し恋心を抱いていたけれど、氷室さんは本当に恋した相手だ。
氷室さんとは高校一年の時に同じクラスで、お近づきになりたくて彼女と同じ委員になったほどだ。
しかしモテない僕にはやはり叶わぬ夢だった。
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僕は彼氏さんの邪魔にならないように彼女の前からフェードアウトした。
なので恋火とは違い、氷室さんは僕とは接点が無いはず。
と言う事は僕は関係ないな!うん!
「風見君はいるかしら?」
なんで???
またもや視線が集まる僕。
当然氷室さんも僕を見る。
「まぁ・・・風見君?」
「ええ、そうです」
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「風見君、わたしとお友達になりましょう?」
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予想外の言葉に声が裏返ってしまった。
恥ずかしい・・・
「うふふ・・・アドレス、教えてくださいね?」
「は、はひ・・・」
こうして氷室さんともアドレスを交換し、なんでこうも立て続けに美少女が僕とお近づきになってるんだろう?と考えさせられた。
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ようは彼氏の愚痴だ。
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氷室さんにも借金返済を手伝わせていて、裕福な家の氷室さんは一度全て肩代わりして返済したのに、すぐに新しく借金を作るギター男に激怒して別れたそうだ。
僕はまたしても相槌を打ちつつ慰めていた。
そして氷室さんも最後に「風見君が彼氏ならこんな事にはならなかったのに・・・」と言って来た。
うん、手遅れです!
僕女の子なので!!
「あの・・・何故僕の隣に座るんです?」
「あら?嫌なのかしら?」
「嫌じゃないです!」
「ちょっと!ハルカはあたしのよ!ハルカはあたしの事嫌い?」
「嫌いじゃないです!」
「ほら!」
「何言ってるのよ、貴女には幼馴染として嫌いじゃないと言っているのよ?わたしに対しては好きって事よ?」
「ま、まぁまぁ落ち着いて?ふ、二人とも好きだから・・・ね?」
「「はぁい♡」」
どうしてこうなった!!!
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