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本編
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「強欲の魔女よ!王命だ、直ちにこの国より去るが良い!従わない場合は火炙りの刑とする!」
「はぁ?強欲の魔女?よくわからないけど此処から出て行けって事?・・・まぁ良いけど。」
鼻息の荒い兵士らしき青年は鼻を鳴らし、早くしろとばかりに槍の石突をガンガンと地面に打ち付けている。
私は指先をパチンとならし、我が家を収納する。
「なっ!!?何だ今のは・・・?!」
驚く兵士を無視して今度は飛行用のホウキを取り出し、お尻を乗せて大空へと飛び去った。
私の長年住んでいた所は、私の家を中心に豊かな森が広がり小川が流れている。以前は小動物も居たんだけど、数百年前くらいに私の家の周りに勝手に住み着いた人間達に狩られて絶滅してしまった。
「今度家を作る時は人が入れない結界を張ろう。うん、そうしよう。」
この荒廃した世界で唯一の森。それは私を中心に生まれる物なのだ。
当然、私が離れたら森や小川を維持することなんて出来ない。発生源が私なんだから。
後を振り向くと、もう森は枯れて来ている。明日には荒地に戻る事でしょう。
「久しぶりにお魚が食べたいな。そうだ!海のそばに家を作ろう!」
この星は遥か昔に人々による大戦争で命は死に、自然は朽ちた世界。僅かに生き残った者達は残り少ない資源を取り合い、醜い争いを今でも続けている。本当に愚かな生き物だ。
全てを見てきた女神は愚か者達が全て朽ちるのを待ち、この世界に自然を戻すつもりだ。
時おり、女神の作った豊かな土地を見つけた愚か者達が住み着こうとするが、その土地には結界が張られ、得られるのは僅かに小川から流れた水と、稀に木々から落ちて転がって来た果実くらいだった。
その僅かな宝を取り合い、殺し合う愚か者達を森に住む可愛いリスが、甘い果実を齧りながら、つぶらな瞳で見つめていた。
「はぁ?強欲の魔女?よくわからないけど此処から出て行けって事?・・・まぁ良いけど。」
鼻息の荒い兵士らしき青年は鼻を鳴らし、早くしろとばかりに槍の石突をガンガンと地面に打ち付けている。
私は指先をパチンとならし、我が家を収納する。
「なっ!!?何だ今のは・・・?!」
驚く兵士を無視して今度は飛行用のホウキを取り出し、お尻を乗せて大空へと飛び去った。
私の長年住んでいた所は、私の家を中心に豊かな森が広がり小川が流れている。以前は小動物も居たんだけど、数百年前くらいに私の家の周りに勝手に住み着いた人間達に狩られて絶滅してしまった。
「今度家を作る時は人が入れない結界を張ろう。うん、そうしよう。」
この荒廃した世界で唯一の森。それは私を中心に生まれる物なのだ。
当然、私が離れたら森や小川を維持することなんて出来ない。発生源が私なんだから。
後を振り向くと、もう森は枯れて来ている。明日には荒地に戻る事でしょう。
「久しぶりにお魚が食べたいな。そうだ!海のそばに家を作ろう!」
この星は遥か昔に人々による大戦争で命は死に、自然は朽ちた世界。僅かに生き残った者達は残り少ない資源を取り合い、醜い争いを今でも続けている。本当に愚かな生き物だ。
全てを見てきた女神は愚か者達が全て朽ちるのを待ち、この世界に自然を戻すつもりだ。
時おり、女神の作った豊かな土地を見つけた愚か者達が住み着こうとするが、その土地には結界が張られ、得られるのは僅かに小川から流れた水と、稀に木々から落ちて転がって来た果実くらいだった。
その僅かな宝を取り合い、殺し合う愚か者達を森に住む可愛いリスが、甘い果実を齧りながら、つぶらな瞳で見つめていた。
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