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新章 皐月編

続・クラスメイト達

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クラスメイト達は担任の郷田と共に何度か町へ行き来し、全員分の冒険者カードを作っていた。
そしてそれぞれの特技を生かし資金調達をしている。

中でも調薬が出来る薬谷やくたにという女生徒が作るポーションや薬が高く売れた。
戦闘職の人達はギルドの依頼をこなす序でにポーションの材料集めをしていたので、予定よりも早く目標金額に到達出来た。

金策の使い道は家である。クラスのみんなで住める家。勿論借家である。

流石に現代っ子には長期間のサバイバル生活は辛かったのだ。



「今後の方針なんだか、誰かアイディアはあるか?」

担任の郷田が家の食堂で上座の辺りに立って会議の進行をしている。

「はい、私は別大陸を目指したいです。」

手を上げて意見を言ったのは、普段積極的に意見をしない皐月であった。

「その理由はあるのか?」

「私のギフト【予知】で、このままこの大陸にいると私達を召喚した奴らに勘付かれると出ました。期限は恐らく3ヶ月です。」

「なるほど・・・この世界に来てからギフトには何度も助けられているからな。よし、では3カ月以内に別の大陸へ行く為の資金稼ぎをメインにして活動しよう。」

他の人達は特に意見が無いようなので会議は終了した。

「皐月のギフトって予知だったんだ!凄いね!」

「便利だよ、森でも魔物が来そうな場所がわかったから危機回避出来てたしね。」

「良いなぁ~!あたしなんて身体強化超だよ?ゴリラじゃん!」

「生きて行くには最良のギフトだと思うよ?」

「そうなんだけどさぁ、もっと超常現象的なチート が良かった!」

インドア派の皐月とは対照的であるあかりは陸上部のスポーツ少女であった。
しかし2人は何となく性格が合うようで学校ではよく一緒にいる事が多かった。

「それにしても皐月さぁ、こっちに来てから少し変わったよね?前からクールだったけど更に大人びた感じがするよ?」

「そうだね、そこに気が付いた灯にはボーナスをあげよう。灯が欲しがった超常現象的な力をあげよう。」

「あはは、欲しい欲しい!」

冗談っぽく言う皐月に乗る灯。
何時もの2人である。

この時、灯はまだ気が付いていないが、ステータスのギフト欄に【超能力】が増えていた。



「ふぅ、やっぱり親友レベルだと違和感を感じちゃうかな。まだ違和感の範疇だから、大丈夫だけどね。」

神界にてVRマウントを外し、AIモードにして一息ついたのは創造神コトナである。

「それにしても、私の分身体5号がいたクラスが召喚されるとは思わなかったなぁ。まぁそのお陰でフォロー出来たんだけどね。」

「いやぁ、私たちもビックリですよ!まさかコトナ様の管理する世界に娘が召喚されるとは。」

「そうですねぇ。」

やたら美形の日本人夫婦、皐月の両親であり、コトナに作られたホムンクルスである。
皐月が召喚された後コトナによって生まれ故郷である神界に呼ばれたのだ。

「所で、何故皐月は別行動なのですか?」

「ん?私がフォローするために潜り込むには皐月が一番適任だったからだよ。あのクラスメイト達意外と運が無くて度々凶悪な魔物に出くわしそうになってたんだよ。レベルアップ前の皐月じゃあ対応出来ないよ。普通の女の子として作ったし。」

「なるほど。それで、皐月は地球に帰るんですかね?」

「どうだろうね?クラスメイトも含めて残りたいならそれでも構わないと思ってるよ。つまり本人次第だね。」

コトナと両親ホムンクル達は雑談をしつつ、皐月とクラスメイト達を見守っていくのであった。
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