(仮)プレリボ!〜prayer Reborn〜

れぷ

文字の大きさ
10 / 13

10話

しおりを挟む
 ララが拐われ掛けたけど、間一髪で私が助けに入り事なきを得た。
しかし代償は大きかった・・・

 ララがゲロインになってしまった。

 だが私はこの尊い犠牲を無駄にせず強く生きて行こうと思う。

「・・さま!聖女様!」
「ん?何かな?」
「次からはまともな方法で助けてくださいよ!?死ぬほど気持ち悪かったんですからね!!」
「ごめ~ん」

 加速で助けるのはキツいらしい。主に三半規管が。
捕まって担がれた仲間を助ける魔法なんて開発してないもん。
ニッチ過ぎて。

「じゃあララも昏睡させて、落下するけど昏睡状態だから痛くない!その後すぐ回復すれば万事オーケー!」
「・・・もっと良い感じに出来ませんかね?」
「うーん、そもそも拐われないようにすれば良いのでは?」
「確かに!!」

「・・・あれ?」
「どうしました?」
「いつもならリリちゃんが合いの手みたいなの入れてくるのに・・・」
「あっ!!リリが居ません!!」
「大変だ!!」

 け、検索検索!!
急げ急げ!!

 げっ!結構離れてる!!
現在地から約1キロ!
これでまたララとはぐれたらアホ過ぎるから、ララをおんぶしてダッシュ!!

「ひぇぇえぇぇ!?!?」

 ララの悲鳴が煩いけど急いでるから無視無視!
道が無駄に広いから走り易い。

 リリちゃんの居場所の付近まで来たけど見当たらない!
何処だ!?

 建物・・・じゃなくて地下だ!

 マップの位置は何も無い場所を指している・・・って事は上か下しか無い。
上は青空しか無いので消去法で下、つまり地下だ。

「詳細マップ!」

 マップ表示を拡大して、更に詳細モードにすると、建物の内部の構造も分かる。

 地下がある家は・・・そこだ!

 私はとある一軒家のドアを蹴破ると、中に居た酒を飲むハゲ、ナイフを舐めてるモヒカン、アームレスリングをしているマッチョとマッチョ、そして偉そうにしているヒゲに昏倒魔法を弾幕で放つ。

 一人につき数十個の昏倒魔法が当たったけど、今はそんな事どうでもいい!リリちゃんを助けなくては!!

「やっと止まっtぎゃああ!!」

 地下への階段を滑る様に下りていくと、リリちゃん含む沢山の可愛い幼女達が檻に閉じ込められていた!

「だ、誰だ?!上の連中は何をっごぁっ?!?!」

 檻の前には見張りらしい男が居たけど邪魔だから殴り飛ばした。
なんか砕けたような感触がしたけど、きっと気のせい!

「アンロック!」

 檻の鍵を魔法で解錠し、幼女達を解き放った!
いや、解き放っては居ないか。解放した。
脳筋では無いのでパワーで檻を破るとかはやらない。
出来るけどやらない!

「リリ、大丈夫?怪我はしてない?」
「うん!リリだいじょーぶ!」
「他の子達も怪我してない?」
「「「だいじょぶれす!!」」」

 何故か助けた幼女達は怯えるどころか私を純粋な瞳をキラキラさせていた。
捕まってたのに、メンタルつよつよ幼女なのか?!

「あっ!」
「ど、どうしたのリリちゃん?!」
「おねーちゃん、しんでる!」
「え?」

 おんぶしてたはずのララが目をグルグルさせて死んだような表情になっていた。

「ぎぼぢわるい・・・」

「ま、マインドキュア!」
「スッキリ!!そして脱出!!」

 危なかった・・・背中にゲロインされるところだった。
そしてスッキリしたララは渾身の力を振り絞って私から降りた。
そんなに嫌だった?!

「私決めました!二度と聖女様に乗らない・・・と!」

 私は絶叫マシンか!

***

「しかし、この国大丈夫なの?道中は盗賊塗れだし、街中でも短時間で二度も誘拐が起こるし・・・この国、闇の組織にでも支配されてるのでは?」
「闇の組織ってなんですか?」
「やみのそしき!」

「悪い事してお金儲けをする極悪な組織・・・かな?」
「なるほど!つまり盗賊団ですね?」
「とーぞくわるい子!」

 闇の組織と盗賊団では規模とかベクトルが違うんだけど、説明が面倒だな・・・

「そうそう盗賊団!そんな感じー!」
「・・・段々聖女様の事が分かって来ましたよ!今のは説明が面倒だから適当な返事をしたんですよね?!」
「うっわ!バレた!」

 なぜバレた!

「それに!リリを助けた時と私を助けた時の対応が違い過ぎません?!私、ゲロ吐いたんですけど?!?!」
「うっ!・・・だって、幼女は守らなきゃ・・・」
「私はも守って下さいよ!私の事も幼女だと思って!ほら!バブー!!!」
「・・・は?」




「・・・」
「・・・なんか、すみません、聖女様。」

 私の幼女への愛を感じ取ったらしいララは素直に謝罪して素に戻った。たまに暴走するなこの子。

 ちなみに私の守るべき幼女とは、素直で可愛い幼女であり、生意気なガキの事では無い。悪しからず!

 いくら幼女でも他人を舐めて我儘放題なのは人として論外!
関わりたくありませーん!



しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

屋上の合鍵

守 秀斗
恋愛
夫と家庭内離婚状態の進藤理央。二十五才。ある日、満たされない肉体を職場のビルの地下倉庫で慰めていると、それを同僚の鈴木哲也に見られてしまうのだが……。

クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双

四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。 「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。 教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。 友達もなく、未来への希望もない。 そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。 突如として芽生えた“成長システム”。 努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。 筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。 昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。 「なんであいつが……?」 「昨日まで笑いものだったはずだろ!」 周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。 陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。 だが、これはただのサクセスストーリーではない。 嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。 陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。 「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」 かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。 最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。 物語は、まだ始まったばかりだ。

ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います

とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。 食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。 もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。 ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。 ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

処理中です...