2 / 13
2話
しおりを挟む
0時になった瞬間、視界が真っ白に染まった。
ブラックアウトすると思っていたらホワイトアウトだった。
しかし次の瞬間には爽やかな風が吹く草原が視界に現れた。
「え・・・?此処は?」
まだゲーム内ならメニューウインドウに現在地の名称とマップが出る筈だ。
「ラ・タカト平原?知らない土地だ。マップも見覚えが無い。」
ちゃんとメニューウインドウは出たし、地名やマップも出ている。
しかしネルスト世界を余す事なく楽しんだ私が知らない土地なんて無い筈だ。
ならば此処はネルストの世界じゃない?
マップを広域表示すると、ここから1番近い人里を発見した。
私はアイテムボックスからフライングボードを取り出し、それに乗って人里を目指して飛んだ。
フライングボードはサーフィンのボードの様な物に羽が生えたアイテムで、ネルスト内での移動手段としてはポピュラーな騎乗アイテムである。
他にも空飛ぶ絨毯やホウキなども騎乗アイテムとしてよく使われていた。
フライングボードは空飛ぶ騎乗アイテムの中では1番性能が良くて、速度、高度、小回りの良さなど全てにおいて優秀なのだ。
高高度まで上がる事が出来るので、目視で遠くまで見るには最適だ。
「あれ?あの遠くに微かに見えるのは・・・女神の塔?!って事は此処はネルスト世界!!」
女神の塔はネルストでのエンドコンテンツで、最難関のダンジョンなのだ。
難易度の高さはプレイヤー達から「クリアさせる気ないだろう?!」と言わせるほど酷い物だった。
まぁ私はクリアしたけどね(どやぁ)
女神の塔のクリア報酬は、女神様が願いを聞いて何でも叶えてくれる、という物だった。
なので私は、スロット式のインベントリが直ぐ一杯になるのが嫌いだったので、容量無限のアイテムボックスにしてもらった。
それが一度目のクリア報酬。
2週目からは難易度が更に上がったけど、クリアしてやった!
二度目の報酬でレベルキャップを無限解放してもらった。
3度目の報酬では通常一つしか選べないジョブを何個も選べるようにしてもらった。
4度目の報酬はゲームマスターしか使えない設定の転移魔法をもらった。
5度目の報酬はそろそろ欲しい物が無くなって来たから女神様のオススメにしてみた。
そして6度目に挑もうとしたら、運営から「もう勘弁して下さい!!」と泣かれたので殿堂入りという名の出禁になった。
「懐かしいなぁ女神の塔。あの塔でっかいから地平線にあっても見えるんだよね。」
見えてはいるが、かなり遠い。
塔を目指すとフライングボードでも数日掛かるので今は行かない。
そうこうしてたら目的に着いていた。
と言っても私の居る場所は上空だけどね。
真下に街・・・ではなくて村だね。
村があった。
とりあえず村人らしき人に鑑定をしてみる。
ネルストでは小さな村と見せかけて盗賊団のアジトだったりする事があるのだ。
迂闊に普通の村だと思って立ち寄ると、隙を突いて毒を盛られて死に掛けた所で身包みを剥がされる、なんて事もある。
流石にインベントリ内の物は取られないけど、装備品は剥ぎ取られる。
一応、ジョブの一つ付与士による"所有者権限"を付与すれば奪われないが、付与はタイムリミットありの魔法なので初めから村を警戒して事前に付与するなどしないと意味が無いない。
だから未知の人里を見つけたら、まず鑑定!!
「ふーん、盗賊団じゃないか。んん?!NPCやプレイヤーを表すマークが無い?!」
鑑定をすると相手の区分が一目でわかる様にマークがあるものだ。
盗賊団の様な敵対NPCは赤文字のN、普通の人は白文字のN、交流を持った友好的な人なら青文字のN。NはNPCの頭文字ね。
モンスターならMだし、プレイヤーならP、ゲームマスターならGだ。
そのマークが鑑定した村人には無かった。つまり・・・NPCでは無い。
更に言うとプレイヤーでもモンスターでも無い。
「どうゆう事?!」
そもそも突然知らない場所に居た事を考えると、ラノベなどで見た"サービス終了したゲームに取り残される"と言うのが1番あり得そうだ。
「その線で考えるならば、NPCは生身の人間になっている、って事?それならNPCの表示が無い事に納得がいく。」
だとしたら私はネルストの世界に本当の意味で入ったと言う事だ。
私の全てに・・・
「ワクワクして来た!」
意味不明な事態に不安になってたけど、ゲームが現実化して入り込めたなんて、私としては最高過ぎる幸運である!
「いや、慌てるな私!まずは情報収集からだ・・・まだネルストだと断定するには情報が不足している。」
女神の塔くらいしかネルスト世界との共通点が無いからね。
決めつけは早計。
「まずはこの世界について、少しでも情報を集めよう。まずは村人からだね。」
ブラックアウトすると思っていたらホワイトアウトだった。
しかし次の瞬間には爽やかな風が吹く草原が視界に現れた。
「え・・・?此処は?」
まだゲーム内ならメニューウインドウに現在地の名称とマップが出る筈だ。
「ラ・タカト平原?知らない土地だ。マップも見覚えが無い。」
ちゃんとメニューウインドウは出たし、地名やマップも出ている。
しかしネルスト世界を余す事なく楽しんだ私が知らない土地なんて無い筈だ。
ならば此処はネルストの世界じゃない?
マップを広域表示すると、ここから1番近い人里を発見した。
私はアイテムボックスからフライングボードを取り出し、それに乗って人里を目指して飛んだ。
フライングボードはサーフィンのボードの様な物に羽が生えたアイテムで、ネルスト内での移動手段としてはポピュラーな騎乗アイテムである。
他にも空飛ぶ絨毯やホウキなども騎乗アイテムとしてよく使われていた。
フライングボードは空飛ぶ騎乗アイテムの中では1番性能が良くて、速度、高度、小回りの良さなど全てにおいて優秀なのだ。
高高度まで上がる事が出来るので、目視で遠くまで見るには最適だ。
「あれ?あの遠くに微かに見えるのは・・・女神の塔?!って事は此処はネルスト世界!!」
女神の塔はネルストでのエンドコンテンツで、最難関のダンジョンなのだ。
難易度の高さはプレイヤー達から「クリアさせる気ないだろう?!」と言わせるほど酷い物だった。
まぁ私はクリアしたけどね(どやぁ)
女神の塔のクリア報酬は、女神様が願いを聞いて何でも叶えてくれる、という物だった。
なので私は、スロット式のインベントリが直ぐ一杯になるのが嫌いだったので、容量無限のアイテムボックスにしてもらった。
それが一度目のクリア報酬。
2週目からは難易度が更に上がったけど、クリアしてやった!
二度目の報酬でレベルキャップを無限解放してもらった。
3度目の報酬では通常一つしか選べないジョブを何個も選べるようにしてもらった。
4度目の報酬はゲームマスターしか使えない設定の転移魔法をもらった。
5度目の報酬はそろそろ欲しい物が無くなって来たから女神様のオススメにしてみた。
そして6度目に挑もうとしたら、運営から「もう勘弁して下さい!!」と泣かれたので殿堂入りという名の出禁になった。
「懐かしいなぁ女神の塔。あの塔でっかいから地平線にあっても見えるんだよね。」
見えてはいるが、かなり遠い。
塔を目指すとフライングボードでも数日掛かるので今は行かない。
そうこうしてたら目的に着いていた。
と言っても私の居る場所は上空だけどね。
真下に街・・・ではなくて村だね。
村があった。
とりあえず村人らしき人に鑑定をしてみる。
ネルストでは小さな村と見せかけて盗賊団のアジトだったりする事があるのだ。
迂闊に普通の村だと思って立ち寄ると、隙を突いて毒を盛られて死に掛けた所で身包みを剥がされる、なんて事もある。
流石にインベントリ内の物は取られないけど、装備品は剥ぎ取られる。
一応、ジョブの一つ付与士による"所有者権限"を付与すれば奪われないが、付与はタイムリミットありの魔法なので初めから村を警戒して事前に付与するなどしないと意味が無いない。
だから未知の人里を見つけたら、まず鑑定!!
「ふーん、盗賊団じゃないか。んん?!NPCやプレイヤーを表すマークが無い?!」
鑑定をすると相手の区分が一目でわかる様にマークがあるものだ。
盗賊団の様な敵対NPCは赤文字のN、普通の人は白文字のN、交流を持った友好的な人なら青文字のN。NはNPCの頭文字ね。
モンスターならMだし、プレイヤーならP、ゲームマスターならGだ。
そのマークが鑑定した村人には無かった。つまり・・・NPCでは無い。
更に言うとプレイヤーでもモンスターでも無い。
「どうゆう事?!」
そもそも突然知らない場所に居た事を考えると、ラノベなどで見た"サービス終了したゲームに取り残される"と言うのが1番あり得そうだ。
「その線で考えるならば、NPCは生身の人間になっている、って事?それならNPCの表示が無い事に納得がいく。」
だとしたら私はネルストの世界に本当の意味で入ったと言う事だ。
私の全てに・・・
「ワクワクして来た!」
意味不明な事態に不安になってたけど、ゲームが現実化して入り込めたなんて、私としては最高過ぎる幸運である!
「いや、慌てるな私!まずは情報収集からだ・・・まだネルストだと断定するには情報が不足している。」
女神の塔くらいしかネルスト世界との共通点が無いからね。
決めつけは早計。
「まずはこの世界について、少しでも情報を集めよう。まずは村人からだね。」
0
お気に入りに追加
15
あなたにおすすめの小説
地上最強ヤンキーの転生先は底辺魔力の下級貴族だった件
フランジュ
ファンタジー
地区最強のヤンキー・北条慎吾は死後、不思議な力で転生する。
だが転生先は底辺魔力の下級貴族だった!?
体も弱く、魔力も低いアルフィス・ハートルとして生まれ変わった北条慎吾は気合と根性で魔力差をひっくり返し、この世界で最強と言われる"火の王"に挑むため成長を遂げていく。
いきなり異世界って理不尽だ!
みーか
ファンタジー
三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。
自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
性的に襲われそうだったので、男であることを隠していたのに、女性の本能か男であることがバレたんですが。
狼狼3
ファンタジー
男女比1:1000という男が極端に少ない魔物や魔法のある異世界に、彼は転生してしまう。
街中を歩くのは女性、女性、女性、女性。街中を歩く男は滅多に居ない。森へ冒険に行こうとしても、襲われるのは魔物ではなく女性。女性は男が居ないか、いつも目を光らせている。
彼はそんな世界な為、男であることを隠して女として生きる。(フラグ)
チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい
616號
ファンタジー
不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる