(仮)プレリボ!〜prayer Reborn〜

れぷ

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 ネルーシャ・ストーリー。
フルダイブVRゲームの最高峰であり、一世を風靡した伝説のオンラインゲームだった。

 そう、

 サービス開始から10年、オンラインゲームとしては長寿だったけれど、ゲーム自体が"時代遅れ"という流行により廃れてしまった。

 環境問題がどうのとかで電気を使うのは"最低限"にしましょう・・・と世界的に決まってしまった。
そのせいでゲームは不必要って事になった。

 その煽りを受けてのサービス終了だった。
まぁネルストだけの話では無いけれど、私にとっては人生の半分以上を使った私の全てだった。

 既に私以外が引退して強制解体されてしまったクラン"んにゃん子と愉快な仲間たち"の元クランハウス、現在は私"んにゃん子"個人のマイハウスになっている。
そのマイハウスにて、思い出に浸りながら黄昏ていた。

 本当に楽しかった・・・ネルストを始めたのは私がまだ幼い時だった。
当時6歳の私はお祖父ちゃんから受け継いだVRマシンで遊ぶ為にゲームソフトを両親に強請った。
しかし買って貰うまでもなく、お母さんが趣味でやっていた懸賞が当たり、ネルーシャ・ストーリーのベータテスト参加券&製品版シリアルコードを入手出来た。

 当時、他の子よりも運動神経が極端に鈍かった私だけど、何故かVRとの相性が良いのかネルスト内では人智を越える動きをして周囲のプレイヤー達を驚かせて"神童"なんて持て囃された事もあった。

 トッププレイヤーとして公式に認められ、プロゲーマーになり"んにゃん子"がゲーム内ストーリーのシナリオに組み込まれた。
その時には最早んにゃん子は半ゲームキャラのような立ち位置になっていた。

 そんな私の最盛期は"環境問題による節電"という政府による一方的な決定で終焉を迎える。
少し前から、規制や節約をやたら国民に強要するようになった政府。
国民の大半は反対していたが、決まってしまったからには従うのは日本人の国民性なのかもしれない。

「もうすぐ今日が終わる・・・ネルストが終わる。」

 メニューウインドウの右上に表示されている時計を見ると23時58分となっていた。
あと2分でネルストが終わってしまう。

「はぁ・・・リアルでの私はぼっちなのにこれからどうしろと?生きがいを無くした私はこれからどう生きて行けば良いの?」

 節電法が出来てからVRマシンやその他ゲーム機は処分対象となり回収されたらしい。
だから他のプレイヤーはネルストの最期を見る事なく終わるのだ。

 私が最後まで居られるのは、お祖父ちゃんが残したVRマシンがどの会社の物でもない登録不明の謎のマシンだったから回収されなかったのだ。
回収業者はロットナンバーに登録された住所に回収しに行くので、私の家には来なかったという訳だ。

 そしてネルストの世界はゲーム会社のサーバー内にあるため、終了までは残っていたのである。
節電法が出来ても、パソコンは仕事上絶対必要という事で規制からは外れているのだ。

「時間だ・・・ありがとうネルスト。」

 
 
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