下級貴族の三男で誰にも相手にされ無かったけど、ミニサキュバスになったらモテモテになりました!

れぷ

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来月の婚約発表の為の準備はドレスの採寸だけだった。
礼儀作法は学園で散々習っているので問題なし。
装飾品は王紀様が選んでくれるらしいので本当にボクは準備はしなくていいみたい。
式の段取りも先日に打ち合わせするので前日まではいつも通りの生活でいいと言われた。

と言うわけで、また学園の休みに家から抜け出して冒険者をします!



今日はイマイチ良い依頼がなかった。
張り出された物の中でボクのランクで受けられるのは、常駐依頼と呼ばれる「常に有るけど通常の依頼より報酬が少ない依頼」しか無かった。
国が「特に緊急性は無いけど、日頃から間引きのためにやってほしい」魔物討伐系の依頼みたい。

うーん、と唸りながら掲示板とにらめっこしていると、遠くに座っている冒険者達が話している内容に気を取られた。

「来月、誕生祭の前日に武闘大会があるだろ?噂だと今年の武闘大会で優勝すると剣聖の称号が貰えるらしいぜ!」

「マジかよ!剣聖と呼ばれたら王族や貴族の剣術指南に引っ張りだこで大金ガッポリ貰えるじゃねーか!」

武闘大会!
出てみたいなぁ
でも多分国王様とかも見に来そうだからボクがコッソリ冒険者してるのがバレちゃうね。
変装とかしたら大丈夫かな?

変装、変装。
うーん、魔法とかで見た目変えちゃう?
服装だけだと無理そうだもんね。
うん!魔法書が売ってる本屋さんに行こう!

本屋さんは街のメインストリートにあるのでギルドから直ぐに辿り着いた。

本屋さんにはちゃんと魔法書が売っていた。
問題はボクに必要な変装の魔法書があるかどうかだね!

魔法書には鍵がかけられている、何故かと言うと魔法書は紙に魔法を習得する為の魔法陣が書かれていて、それに触れる事で魔法を会得できるんだ。
なので全ての人が魔法を覚える事が出来る!
ただし、魔力とMPが足りないと使用できないので、自分のステータスと相談しないと無駄にお金を使う事になる。
魔法書はお高いんだよ!

ボク達学生は初級魔法を学園で習得するので魔法を使える人が結構いるんだよ。
けど初級は火種を起こすとかコップ一杯の水を出すとかなので戦闘には全く使えない。
魔力の大きさで火力、MPの多さで出し続ける量が決まるので、ボクは大量の水をイッパイ出せるけど初級は攻撃用じゃ無いので敵に飛ばすとかは無理なんだ。
火魔法で言うと初級でその場に火を出す、下級魔法で火を飛ばす、中級魔法で飛ばせる数を増やす、上級魔法で追尾、最上魔法で広範囲攻撃といった感じだね。

あ、幻術魔法っていうの見つけた!
初級と下級があるね、初級が自分の見た目を変える変装魔法で、下級が他人の見た目を変える変装魔法みたい。
ボクが欲しいのは初級だね、お値段は銀貨30枚。
初級だからまだ良心的なお値段だね!
下級の方は金貨10枚らしい、たかーい!

学園で習ったのは四大元素魔法の火、水、土、風だけだった。
光と闇は使い手が少ない、何故なら魔力とMP以外に適性が必要らしくて世界中でも数えるくらいしかいない。
なので魔法書も少ないんだよ。
他に覚えていない魔法の魔法書が有ったけど予算オーバーなので買いません!

欲しい物は買ったので習得する為に近くの森のまで来た、お家だと見つかりやすいから無理、街中も目立つので無理!
ここが魔法の練習に最適なのだ!

幻術魔法は自分より小さくは変装出来ないみたい。
大きい分には可能だったので大人の女性剣士になってみた。
元がわからないように髪の色をピンクプラチナから真っ黒にして、身長も170センチくらい、おっぱいは大き目で大人らしさを出したよ!
服装もカッコよく黒い革のピッチリスーツにした。動きやすさも必要だよね。
幻覚だから実際は関係ないけどカッコイイからいいんです!
残念ながら声は変えられなかったので自力でちょっと低い声を出してみた。
うん!完璧だね!!

偽名はヒナナイにした。ヒナじゃナイよ!って言う感じでつけたよ!

この格好のまま大会の受付へ行く、場所はコロシアムだよ。
コロシアムは月一回武闘会が開かれていて、賭け事とかもやっているみたい。ボクは行った事ないけど場所は知っている。

街中を歩くと結構人に見られる。
特に男の人に見られている気がする。
あ!おっぱいだ!大きくしたから揺れてるんだね!幻覚だから揺れる感覚は無かったよ。ボクの元の身体は揺れないからね。

受け付けを済ませたよ、受付のお兄さんもボクのおっぱいを見ていた。やっぱり大きくしすぎたかな?でも大会の時萎んでたら不思議がられるから据え置きでいいや。

こっそり幻覚を解いて街をぶらぶらしていると以前森で会った少年と偶然出会った。

「あ、君も今日は街に居たのか、奇遇だな!」

少年は頬を赤くして話しかけてきた。そういえば名前聞いて無いや。

「ボクはヒナ。自己紹介してなかったよね?」

「あぁ、俺はレイクだ。あれから俺頑張って修行と勉強してゴブリンも倒せる様になったし、薬草も間違えなくなったぜ!ありがとうな!」

「それは良かったね!レイクはランクいくつなの?ボクは最下位のGなんだ登録してそんなに依頼こなしてないから。」

「俺もGランクだ!お揃いだな!そうだ!Gランクどうしパーティを組まないか?」

週末くらいしか活動出来ないからねー。無理かな。週末だけで良いか聞いてみようかな?

「ボク家庭の事情で週末しか冒険者活動出来ないんだ。それでも良いならいいよ?」

「構わない!やっと見つけたんだ!毎週ヒナに会えるなら俺はそれでも良い!」

「うん、わかった!よろしくね!」

こうしてレイクとパーティを組む事になった。
でもボクはその時知らなかった、レイクがボクに惚れていて、パーティを組んだ事で友達以上恋人未満みたいな関係になろうとしていた事を。
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