下級貴族の三男で誰にも相手にされ無かったけど、ミニサキュバスになったらモテモテになりました!

れぷ

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レオン様の婚約者になった事は両親にもすぐに伝わっていた。

家に帰って来てお兄ちゃん達とお風呂に入ろうとしたら、お母さんが「婚約者がいる女の子は例え兄妹でも一緒にお風呂や布団に入っちゃ行けません!」と言ってお兄ちゃん達を泣かせていた。



翌日の学園でも噂になっていた、噂になるの早っ!

「ヒナちゃんが王太子妃かー!今は学園のアイドルだけど、これからは国民のアイドルだね~」
リナが嬉しそうにボクの髪を弄りながら話している。

「でも心配だわ~レオン様も人気あるからヒナちゃんに意地悪しようとすると子が出てくるかも。」
いつものおっとりした口調で心配だというリサ。

「大丈夫よ、レオン様よりヒナのファンクラブの方が規模も権力も上よ。」
ファンクラブがある事が初耳なんですがリリーさん?

「良いなー私もイケメン彼氏欲しい・・・」
リリーから聞いたけど、実はモテているエリーゼ、本人はまだ気がついていない。
近いうちに彼氏ができると思う。

今日の授業は馬術、貴族の嗜みとして馬に乗れないとカッコ悪いのだとか。
ボクは乗った事がない。
ウチのクラスの大半が馬術未経験者だった。
良かった。

初めてこんな近くで見た馬はとても大きかった。
ボクの乗る馬だけ小型の馬ポニーだった。
体格的に大きな馬は無理だったから仕方ない。

「よろしくねお馬さん」
鬣をナデナデしながら声をかける。

『うひょー!!今日はこんな可愛い子ちゃんを乗せられるのかよ!ラッキー!!』
馬が喋った!!

「お馬さん喋れるの?」

『え?!マジかよ!俺っちの言葉がわかるのかい子猫ちゃん?!』
ポニーはなんだか特徴的な喋り方だった。

「お馬さんが人間の言葉を話してるんじゃなくて、ボクがお馬さんの言葉をわかるようになったのかな?」

『みたいだな!俺っちはバトルケイン!特別にBKって呼んで良いぜ!!』
バトルケインことバカ・・・BKは嬉しそうに前足をパカパカ鳴らしている。

「ボクはヒナ!一年生だよ」



BKはボクを乗せながら色々な事を話した。

BKは前世の記憶があるらしく「あめーりか」という国に住んでた人間だったそうだ。

そして馬に蹴られて死んでしまい、生まれ変わったらポニーだった。
自分も馬なんだけど前世が人間だったし蹴られて死んだトラウマもある為、人間の女の子が好きすぎる馬になってしまったんだとか。

BKに告白されたけど婚約者がいると伝えたらアッサリ引いてくれた。
そのかわり馬好きの女の子を紹介してくれと言われた。後で探してみよう。

BKのお陰で馬術の授業は良い成績を残せた。



学園の授業は基本一日一科目を長くやる。
午後からはマナー系の授業があるけど自由授業で実家で身につけているものは参加しない。

ボクは受けるけどね。

マナーの先生に「覚えがとても早い」と褒められた。やったー!

エリーゼは少し苦戦しているようだ。

そういえばエリーゼも前世の記憶があるそうだ、よくわからない言葉が多いので8割理解できないけど。

エリーゼにBKも前世の記憶があるよ!って教えたら「面白黒人枠・・・」と、またよくわからない言葉が出てきた。

エリーゼは「ニホン」という国の人で「女子中学生」という学生だったようだ。
「ゲーム」とか「マンガ」とか「ラノベ」というものでイケメンの男子達にチヤホヤされる作品が好きだったと語る。

そして生まれ変わったこの世界でイケメンがたくさんいる学園に入れたので「ゲーム」の主人公みたいにチヤホヤされたいと思ったと。

前世の記憶がある人結構多いのかな?


エリーゼから聞いた話にはこんなのもあった。

「ラノベ」には異世界へ転生して神様からもらった力で世界最強になる話がポピュラーで、他にも魔王になったり賢者になったり魔物になったり様々だ。

聞いていて楽しいのでたまにエリーゼにお話をしてもらっている。

ボクが気に入ったのは、スライムに転生した主人公が最強になるまでの話だ。
ボクも最弱から凄腕冒険者を目指しているので親近感が湧く!


物語では主人公は異世界に来るときに「チート 」と呼ばれる凄い力を貰えるけど、エリーゼもBKもとくにそんなのはもらえなかったようだ。

むしろミニサキュバスになったボクの方が「チート 」だと思う。
吸精で、もうステータスが一般人の大人より強くなっている。

そろそろ冒険者登録をして最弱モンスターでも狩ってみたいな!
モンスターなら遠慮なく吸精出来るし!



学園が休みの日にこっそり冒険者ギルドに来た。
冒険者登録は10歳から出来る。
ただ10歳から12歳までは街中でのお手伝いの様な仕事ばかりだ。街の外に出る仕事も街の外周に生えている素材の回収程度だ。

なので手ぶらのお子様でも簡単に登録出来た。
貴族の子供が遊びで登録する事もあるので、立派な服を着た子供が来てもほかの冒険者はスルーするのが暗黙の了解になっている。

後で知ったんだけどね。
登録しに行った時は知らなくて、怖い冒険者に絡まれないかビクビクしていた。

ボクは外周の薬草取りと見せかけて近場の森まで来た。
ここにはツノうさぎとスライムが出る。

最初にエンカウントしたのはスライムだった。
プルンプルンして跳ねながらコッチに来るけどとても遅い。
飛び跳ねて自由落下する瞬間にキャッチして吸精する。全力で。

するとプルプルボディがシオシオボディに早変わり。
甘いゼリー味だった、気持ち良さは全くなかった。魔物相手だと気持ちよく無いのかもしれない。

スライムは頻繁に遭遇した、そしてその度に吸精していく。

ステータスもジワジワ上がってきている。


『おや?こんなに小さな人間が森まで来るのは珍しいな。ふむ、魔王様へのお土産にちょうど良い。』
声のする方に向いてみると、ムラサキ色の肌にツノとコウモリの翼が生えた人型の魔物がいた。魔族?!

その魔族にヒョイと小脇に抱えられる。
『ククク、大人しくしていれば痛い目に会わぬぞ。』

このままでは攫われてしまうと思い、思いっきり吸精をする。

『なっ!?なんだ?急に力が抜ける・・・ぐぅ!!』
魔族はその場で倒れたが、まだボクと密着しているのでドンドン吸われていく。

途中で吸精のレベルが上がった。
吸える量が大幅に増え、一度に奪うステータスも今までの1%から最大10%まで選べるようになった。
ちなみにこの一度に奪うとは、チューっと吸う感覚が5秒続き、またチューと吸う感覚までのストロークの事だ。
つまり全力でやれば1分掛からずに全てのステータスを奪える。
精気は死なないギリギリは残るようだ。

この魔族とても強かったようで全部吸ったら超人みたいに強くなれた。

干からびた魔族を担いで冒険者ギルドに帰った。

この干物は近くで拾った事にしよう。


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