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中途入学生が来るらしい。
ウチの学園は王族と貴族が通う学園なので途中で入学すると言うのはほぼ無い。
最近貴族になった所の子供とか、そう行った場合のみしか起こらないからだ。
後は養子とかかな。
入ってくるのは女の子で、下級貴族らしい。
と言うことはボクと同じクラスか、どんな子だろう。
☆
「エリーゼ・パッセル男爵令嬢ですわ!皆さまよろしくお願いしますね!」
凄い巻き髪でスタイルがバツグンの金髪碧眼の女の子が中途入学の子だった。
席はボクの隣みたい、座る前にボクをチラ見して座ろうとして凄い勢いでもう一度見てきた。
「え?!私より可愛い!!え?私ヒロインのはずじゃあ・・・」
よく分からないことを言っているエリーゼはゆっくり座りブツブツ呟いている。
しばらく呟いていたけど、やがてこっちに話しかけて来た。
ひそひそ「ねぇ貴女も転生者なんでしょ?多分貴女がヒロインだと思うのよね。何の乙女ゲーかわからないけど、きっと私が知らない乙女ゲーの世界だと思うの!貴女は何のゲームか知ってる?」
やっぱり何言ってるのか分からない。
「ヒロインとか、おとめげーってなに?」
と素直に聞いてみた。
すると目を見開き口をパクパクし出した。
「えー・・・もしかしてゲームの世界じゃないのかしら?」
だんだんエリーゼの元気がなくなって来た。
仕方ない慰めてやろう。
ボクはエリーゼの膝の上に座り「撫でて良いよ」と言ってあげた。
「え?あ、うん・・・」
エリーゼがボクの頭をナデナデする。
すると直ぐにエリーゼの顔がデレっとしてくる。
ふっ・・・学園の癒し系マスコットの二つ名は伊達じゃないよ!
「なんかもうどうでもよくなって来たわ」
エリーゼはボク、リリー、リサ、リナのグループに加わって仲良し5人組になった。
ボクが紹介したら直ぐ受け入れてくれた、みんな良い人!
☆
今日の放課後もレオン様に小脇に抱えられ生徒会室、じゃないみたいだ。
いつもと道が違う。
「レオン様どこいくの?」
「今日は俺の家に来てもらう、俺の両親に会ってもらうが謁見とかじゃ無いから緊張しなくていいぞ!」
王子様の両親ってことは国王陛下とあうの?!
緊張するよ!!
校舎から出て王族用の馬車へボクを担いだまま乗るレオン様。
そして腰掛けた後ボクを定位置の膝の上へ乗せる。
しばらくすると城門を潜りお城の前のロータリーを周り入り口へ止まる。
今度はお姫様抱っこで運ばれる。これは初めてだ。
お城の中は上品な調度品の数々が美しく飾られていて首をキョロキョロさせて見ようとするがレオン様の歩く速度が速いためちゃんと見れなかった。
「挨拶が終わったらじっくり見るといい。」
と、レオン様が言ってくれたので後の楽しみにしておこう。
☆
着いたのはお城の三階の広いテラスで、手すり側には小さな花が植えられていてとても綺麗だ。
テラスの中央に背の高いテーブルと椅子がありメイドさんが1人佇んでいた。
「殿下、ヒナ様お待ちしておりました、もう直ぐ両陛下もおいでになるのでこちらでお待ちください」
ペコッとお辞儀をしたので釣られてボクもお辞儀をする。
「ヒナはここに座れ」
ちょこんと椅子に置かれる、流石にココでは膝の上じゃない。
しかし背の高い椅子だなぁ、ボク1人じゃ絶対に座れない自信がある。降りるのもね。
足プラプラしながらレオン様とお茶を楽しむ、何時も膝の上だからこうしてちゃんと座って話すのは新鮮だ。
ガチャ
「殿下、ヒナ様。両陛下がお目見えになりました。」
「おぉよく来てくれたヒナ嬢、レオンから紹介したいと聞いてな。うむ、確かに見目麗しい。よし、早速婚約の話に進もうではないか!」
んん?!婚約?聞いてませんよレオン様!
「あらあら、ヒナちゃんが"初耳だ"って顔してますわよ?レオン、貴方ちゃんと説明して連れてきたんでしょうね?」
王妃様!そうなんです!何も聞いてません!!
「あー・・・説明はしてない。すまんヒナ。今日は挨拶だけのつもりだったんだ。」
いつも自信満々な俺様系王子様なのに今はショボーンとしている。
レオン様の所に行こうとするが椅子から降りられないので、レオン様に「抱っこして」のポーズをする。
「ん!」
「あ、あぁ・・・」
レオン様はボクを抱っこして自分の席に座り膝の上に乗せてくれる。
ボクは背伸びをしてレオン様の頭を撫でる。
「大丈夫、大丈夫。怒ってないよ~よしよし良い子良い子」
ナデナデしてるとレオン様がぎゅっと抱きしめてきた。
「あら~仲良しね~」
「うむ、やはり婚約は確定で良いな!」
両陛下はニコニコしながら見守っていた。
ん?レオン様が悲しそうだったから慰めただけだよ?婚約は・・・嫌じゃないけど、王太子様の婚約者をこんなアッサリ決めて良いの?
あ、ボク冒険者になりたいんだった!
王太子様の婚約者じゃあ冒険者やれないかも!
・・・コッソリ冒険者したらバレないかな?
ウチの学園は王族と貴族が通う学園なので途中で入学すると言うのはほぼ無い。
最近貴族になった所の子供とか、そう行った場合のみしか起こらないからだ。
後は養子とかかな。
入ってくるのは女の子で、下級貴族らしい。
と言うことはボクと同じクラスか、どんな子だろう。
☆
「エリーゼ・パッセル男爵令嬢ですわ!皆さまよろしくお願いしますね!」
凄い巻き髪でスタイルがバツグンの金髪碧眼の女の子が中途入学の子だった。
席はボクの隣みたい、座る前にボクをチラ見して座ろうとして凄い勢いでもう一度見てきた。
「え?!私より可愛い!!え?私ヒロインのはずじゃあ・・・」
よく分からないことを言っているエリーゼはゆっくり座りブツブツ呟いている。
しばらく呟いていたけど、やがてこっちに話しかけて来た。
ひそひそ「ねぇ貴女も転生者なんでしょ?多分貴女がヒロインだと思うのよね。何の乙女ゲーかわからないけど、きっと私が知らない乙女ゲーの世界だと思うの!貴女は何のゲームか知ってる?」
やっぱり何言ってるのか分からない。
「ヒロインとか、おとめげーってなに?」
と素直に聞いてみた。
すると目を見開き口をパクパクし出した。
「えー・・・もしかしてゲームの世界じゃないのかしら?」
だんだんエリーゼの元気がなくなって来た。
仕方ない慰めてやろう。
ボクはエリーゼの膝の上に座り「撫でて良いよ」と言ってあげた。
「え?あ、うん・・・」
エリーゼがボクの頭をナデナデする。
すると直ぐにエリーゼの顔がデレっとしてくる。
ふっ・・・学園の癒し系マスコットの二つ名は伊達じゃないよ!
「なんかもうどうでもよくなって来たわ」
エリーゼはボク、リリー、リサ、リナのグループに加わって仲良し5人組になった。
ボクが紹介したら直ぐ受け入れてくれた、みんな良い人!
☆
今日の放課後もレオン様に小脇に抱えられ生徒会室、じゃないみたいだ。
いつもと道が違う。
「レオン様どこいくの?」
「今日は俺の家に来てもらう、俺の両親に会ってもらうが謁見とかじゃ無いから緊張しなくていいぞ!」
王子様の両親ってことは国王陛下とあうの?!
緊張するよ!!
校舎から出て王族用の馬車へボクを担いだまま乗るレオン様。
そして腰掛けた後ボクを定位置の膝の上へ乗せる。
しばらくすると城門を潜りお城の前のロータリーを周り入り口へ止まる。
今度はお姫様抱っこで運ばれる。これは初めてだ。
お城の中は上品な調度品の数々が美しく飾られていて首をキョロキョロさせて見ようとするがレオン様の歩く速度が速いためちゃんと見れなかった。
「挨拶が終わったらじっくり見るといい。」
と、レオン様が言ってくれたので後の楽しみにしておこう。
☆
着いたのはお城の三階の広いテラスで、手すり側には小さな花が植えられていてとても綺麗だ。
テラスの中央に背の高いテーブルと椅子がありメイドさんが1人佇んでいた。
「殿下、ヒナ様お待ちしておりました、もう直ぐ両陛下もおいでになるのでこちらでお待ちください」
ペコッとお辞儀をしたので釣られてボクもお辞儀をする。
「ヒナはここに座れ」
ちょこんと椅子に置かれる、流石にココでは膝の上じゃない。
しかし背の高い椅子だなぁ、ボク1人じゃ絶対に座れない自信がある。降りるのもね。
足プラプラしながらレオン様とお茶を楽しむ、何時も膝の上だからこうしてちゃんと座って話すのは新鮮だ。
ガチャ
「殿下、ヒナ様。両陛下がお目見えになりました。」
「おぉよく来てくれたヒナ嬢、レオンから紹介したいと聞いてな。うむ、確かに見目麗しい。よし、早速婚約の話に進もうではないか!」
んん?!婚約?聞いてませんよレオン様!
「あらあら、ヒナちゃんが"初耳だ"って顔してますわよ?レオン、貴方ちゃんと説明して連れてきたんでしょうね?」
王妃様!そうなんです!何も聞いてません!!
「あー・・・説明はしてない。すまんヒナ。今日は挨拶だけのつもりだったんだ。」
いつも自信満々な俺様系王子様なのに今はショボーンとしている。
レオン様の所に行こうとするが椅子から降りられないので、レオン様に「抱っこして」のポーズをする。
「ん!」
「あ、あぁ・・・」
レオン様はボクを抱っこして自分の席に座り膝の上に乗せてくれる。
ボクは背伸びをしてレオン様の頭を撫でる。
「大丈夫、大丈夫。怒ってないよ~よしよし良い子良い子」
ナデナデしてるとレオン様がぎゅっと抱きしめてきた。
「あら~仲良しね~」
「うむ、やはり婚約は確定で良いな!」
両陛下はニコニコしながら見守っていた。
ん?レオン様が悲しそうだったから慰めただけだよ?婚約は・・・嫌じゃないけど、王太子様の婚約者をこんなアッサリ決めて良いの?
あ、ボク冒険者になりたいんだった!
王太子様の婚約者じゃあ冒険者やれないかも!
・・・コッソリ冒険者したらバレないかな?
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