下級貴族の三男で誰にも相手にされ無かったけど、ミニサキュバスになったらモテモテになりました!

れぷ

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学園の入学まであと2ヶ月。
教科書や筆記用具の取り寄せは直ぐに出来た。
制服は専門の業者が採寸しに来た。
入学式の2週間前には届くはずだ。
もちろん女生徒の制服、学園の制服はかなり可愛い。
貴族は基本的に美形揃いなので可愛い制服が、似合わないなんてこともない。
男子も同じく。

もう用意する事は何も無い、待つだけだ。
それまで何をするのかと言うと・・・家族に溺愛されているのだ。

「ヒナ~絵本読んであげるよ。」
長男のリカルドがボクを膝に乗せ絵本を読み聞かせようとする。
そこまで幼くないんだけどな。

「リカルド兄様ダメですよ!ヒナは俺とおままごとするんですから!」
次男のラールドは兄への気持ちが完全にボクへの独占欲に変わってしまった。
あとおままごとも嫌だ。

女の子にって以来、兄達と風呂に一緒に入っている。
流石に寝るときは別だ。
一緒に風呂と言っても使用人達が洗ってくれるので(男の時は自分で洗っていた)男二人の中に女の子一人というわけではない。

兄達、凄い見て来るけどね。

使用人さんもうっとりしてるのはなんで?
サキュバスだから?

兄達だけでなく両親も溺愛してくる。
父、リチャードは仕事から帰るたびに髪飾りやらのアクセサリーを買って来て、身に付けたところを見てうんうん頷いた後熱烈なハグをされる。

母、マリーヌはお茶会に連れ出しては天使だの女神だの言って自慢している。
自慢された奥様方もやたら可愛がってくれる。

正直に言うと溺愛されるの大好きです。
今までいないものとされてきた分、愛情に飢えていたんだと思う。
愛されるのが楽しすぎて最近では中身も10歳女児になってきているので気をつけないと。


お茶会で学園で同じ学年になる女の子とも出会えた。
名前はリリー。
リリーは普通に15歳相当の身長なのでボクと並ぶと姉妹に見える。
リリーもまたボクを溺愛するヒトリだ。
ボクはリリーの胸に頬ずりしたりしたけど、性的なドキドキは無かった。

リリーの家は子爵系なのでボクの家より格上だ。
貴族の序列があるから学園では気をつけないと。



やっと入学式になった。溺愛されまくって忘れていたけど、学園で力をつけて凄腕冒険者になるんだ!!

入学式の前に一度教室に集まり自己紹介をする。
ボクのクラスはCクラスだ。
S・A・B・Cとあって、
王族と公爵と重臣の子息達がS。ほぼ男。
それ以外の上級貴族がA。
下位貴族の嫡男と次男がB。男オンリー。
それ以外の下位貴族がCだ。

なのでCクラスは人数が多い。
AとCは令嬢が多い、Sクラスの女子は王女と公爵令嬢だけだ。

ボクのクラスは7割が女子だ、そのせいか男子が大人しい。


自己紹介が始まった。

まずは男子から、無難すぎて印象に残らない自己紹介が続いていく。

次は女子だ。
リリーが一番だね、ボクはリリーの隣に座っている。次はボクかな。

「リリー・ライカムですわ、ライカム子爵家の長女ですのよ、皆さま宜しくお願いしますわ」
え?!お嬢様口調じゃないといけないの?!
聞いてないんだけど!

げっ!ボクの番だ・・・

「ひ、ヒナ・ニャンコルですにゃ!ニャンコル男爵家のさ、長女ですわ!よ、よ、よろしくおねがいしみゃすわ!」
めちゃくちゃ噛んだ!恥ずかしい!顔か信じられないくらい熱い!!

パチパチと拍手される、よく見るとみんなデレっとした表情になっている。

自己紹介が終わった後が大変だった。
質問の嵐。ボクだけに、なぜ?

すぐに入学式があるので先生が止めてくれた。
助かった。

入学式は大ホールで行うらしく、ゾロゾロと移動していく。
その途中、担任の先生から「これ入学生代表の挨拶の台本、君が読むから宜しく」と言われた。
今?!それ今渡すの?!!
・・・嘘でしょ?



また噛んだ・・・そしてまたしても拍手とデレ顔全校生徒&教師全員。


そんなことがあったせいか式が終わり教室に戻ってすぐ上級生がやってきた。

金髪のツンツン頭でキリッとした青い眼、鼻も高く身長も高い、その表情に、カリスマ性を感じる。
「ここか?お!見つけたぞ、たしかヒナ嬢だったか?少し話がある来てくれ!」
ボクは有無を言う前にヒョイっと小脇に抱えられ連れて行かれる。このイケメン誰だ?!
何でボク抱えられてるんだ?

連れてこられ・・・いや運ばれてきたのは生徒会室。生徒会?!
今の生徒会メンバーは確か王太子である第一王子が会長で宰相の息子が副会長、その他メンバーも国の重鎮達の子息だったはず。
マジで何で連れてこられたの?!

生徒会室の会長席らしき一番立派な机の上に女の子座りさせられる。
なんて所に座らせるんだこのイケメン!
王太子様の席だよ?!
そしてそれを見つめる生徒会メンバー達。
みんな信じられないくらいのイケメン!
なんかドキドキしてきた、いや!ボクはまだ心は男のはずだ落ち着け!!

「ヒナ嬢を生徒会メンバーに入れるぞ、意義がある奴はいるか?」

「ありません」
「俺もないぜ!」
「王太子様が決めたんなら誰も文句ないよ♪」

え?ボクが生徒会に?何で?コイツが王太子様?

「と言うわけだ、宜しくな!知ってると思うが俺が王太子のレオンだ!ヒナの役職は・・・ロビン適当に付けといてくれ!」
「わかりました」
ロビン様はたしか宰相の息子で既に外交の仕事を任されるほど有能な人だ。
肩あたりまであるサラサラの黒に近い紫色の髪で、切れ長のスミレ色の瞳に似合うメガネがより知的に見せる。

ここでやっと声を出せた。
「ボク生徒会のメンバーになるんですか?」
王太子様が決めたなら下級貴族のボクには覆せない。

「おう、あの入学式で一目惚れしたぜ!マスコットとしてな!!」
マスコットですか、まぁ今のボクを恋愛的に惚れたら真性のロリコンですからね。


こうしてボクは入学初日に生徒会に入ることになったのでした。

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