下級貴族の三男で誰にも相手にされ無かったけど、ミニサキュバスになったらモテモテになりました！

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ボクはヒナ・ニャンコル15歳だ。
普通の下位貴族の三男だ、3年後には成人して家を追い出されるので、冒険者になるつもりだ。
だけど今、困った事になったんだ。

家の物置部屋で探し物をしていたら、とある腕輪が目に入った。

その腕輪は棚の上の方にあり、何だろうと見上げていた所、コロンと転がり落ちてきた。

落ちて壊れたらまずいと思い、受け止めようとしたらスポーンと腕にはまってしまったのだ。

するとボクの魔力と共鳴して光り出した。

そして光が収まったらボクは女の子になっていた。

☆

家族や使用人達には気がつかれなかった。
うん、前からそうだったから別に気にしてない。
下級の貴族の三男なんて家族に"居ないもの"として扱われてるよね。ボクの家はそれが普通だった。

自室の姿見で変わった身体を確認する。

まず髪、すごく伸びてる、お尻のあたりまであるな。
部屋に来るまで家族には会わなかったが何人か使用人とはすれ違った。
よく気がつかれなかったな、影薄いのかなボク。

次に気になるのは背の高さだ。縮んでいる。
10歳くらいに見える。
本当よく気がつかないな！見つからないようにって考えながら移動したけど、隠密スキルでも持ってるのかな？

スキルも変化しているかもしれない。

でもまずは身体のチェックだ！

顔、凄く可愛い天使みたいだ。
ぱっちり大きなエメラルドグリーンの瞳に主張しすぎない鼻。
プルプルでピンク色の唇。

はっ！？見とれていた。

身体は10歳くらいで、女性らしい特徴がまだ出ていない。
胸はほんのりある。
下は毛もなくツルツルだ。

これなら自分の身体に興奮しないな、良かった。

よし、次はステータスだ。

名前 ヒナ・ニャンコル
年齢 15歳

うん名前と年齢はそのままだね。

種族 ミニサキュバス

ん？何だこれ。

詳細 〔ミニサキュバス〕
異性から精気を吸い自身の力に変えられる種族。
ミニなので命までは吸えない。
12歳くらいの見た目まで成長できる、それ以降は死ぬまで歳をとらない。

なんだって！ボク死ぬまでロリなのか？
いや、男に戻れば良いんだ！

腕輪を外せば・・・って腕輪どこ行った？！

いつのまにか腕輪は消えていた。

うぅ、と、とりあえず残りのステータスを見てみよう。

能力値は下がっている、見た目通り非力だ。

スキルがいっぱいある！
男のときは一つもなかったのに！

・魅了レベル1
異性を引きつけたり操れる。
レベル1では好意を持ってる異性だけが対象。

・吸精レベル1
異性から精気を吸い取れる。
吸う方法は身体のどこでも良いから一定時間触れば良い。
レベル1では一度の吸精で相手の能力値の1パーセント奪える。
粘膜接触だと効果5倍。

・幸運レベルEX
とても運が良くなる。
レベルEXでは宝くじを買えば必ず1等があたるほどの幸運。
補足:レベルEXは上限突破した証。

・隠密レベルEX
見つからなくなる。
レベルEXでは目の前で攻撃しても見えない。

称号
・サキュバス神の寵愛
サキュバス神に愛された者だけが得られる称号。
サキュバススキルの効果を10倍にし、同性にも効果を発揮する。

うわー、これ簡単に強くなれるし、やろうと思えば世界征服できるな・・・

隠密で気付かれずに吸精で能力値ガンガン奪えるし効果が10倍・・・さらに吸精スキルレベルが上がればもっと効率よく強くなれるし。

これから3年間の学園があるから、そこで力を蓄えて凄腕冒険者になってやる！

え？男に戻らないのかだって？
戻らないよ！だって男だったときは何もスキル無かったけど、今は強力なスキル沢山あるんだもん！

スキル一つあるだけで一目置かれる世界だからね！

☆

夕食どき、ボクはいつも通り部屋に料理が運ばれてくるのを待っていた。

両親と長男、次男は一緒に食事をしている。
三男はどうせ成人したら追い出すので情がわかないように別にするのがこの国の貴族の常識だ。
教育は簡単な読み書きと計算だけ家庭教師に習った。
追い出した三男が盗賊になられても困るので、これも国で決められた貴族の義務だ。

学園に通えるのは追い出される前に学園でコネを作り就職しなさいって事だ。

今日はメイド長のおばさんが運んできたようだ。名前は知らない。

「三男様お食事のお時間です。食べ終わったらカートに・・・貴女誰ですか？！」
メイド長がボクの姿を見て驚いている。
まぁ普通そうなるよね。

「三男のヒナですよメイド長、ちょっと呪われてこんな姿になっちゃいましたけどね。」

「な、の、呪い？！大変だわ！旦那様と奥様に報告しないと！失礼しますヒナ様！」
ドタドタと急いで出て行くメイド長、廊下は走っちゃダメだよ。

すぐにバレるし、男に戻るつもりもないので気にしない。

しばらくするとドカドカと数人の走る足音が近づいて来る。

バンっ！！と扉が開くと、父と母と長男と次男・・・つまり家族全員で来た。メイド長も居る。

みんなしてボクを凝視して目を丸くしている。

「本当に三男・・・いやヒナなのか？」
父が大分取り乱しながら聞いてくる。
生まれてからさっきまでいないものとして扱ってたのに、女になったくらいで何をそんなに取り乱しているんだ？

「そうですよ、倉庫にあった変な腕輪がうっかり腕にハマったと思ったら女の子になってました。」

「か、可愛い・・・娘可愛い！！」
父が急にデレっとした顔になった。
ん？もしかして魅了が効いてる？
でもあれは既に好意がある人にしか効かなかったような？

「ヒナ！私娘が欲しかったのよ！長男、次男と生まれて次は女の子が良いと思っていたからあなたが男でガッカリしてたのよ。絶対女の子がいいと思ってヒナっていう可愛い名前も考えてたけど、女の子になったのね！ちょうど良かったわ！！」
まじかよ、なんでヒナって名前付けたか今判明したよ！

「ヒナマジ可愛い！ヒナかわ！！今日から一緒にお風呂入って一緒に寝ようね！！」
長男、お前そんなキャラだっけ？！
もっと嫡男に相応しさを追求し続けている糞真面目男だったよね？！
ちなみに長男はボクの二つ上、次男は一つ上だ。つまり17歳。
ボク見た目10歳。長男はロリコンだったか。

「俺ヒナと結婚するわ。父上、今の婚約者と婚約破棄していいですか？」
良いわけないでしょ次男。
真顔で何言ってるんだ。
お前もキャラおかしくなってるよ？
女に興味なく、常に長男を亡き者にして自分が嫡男になる野望ギラギラだったはずだよね？


と言うわけで何故か家族全員がボクの虜になりました。
スキル使ってないんだけどなぁ。

ちなみにメイド長は父と母が娘を欲しがっていた事を知っていたから慌てて報告しにいったそうです。