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第二章 小さな主
小さな主–4
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翌日、街中へと買い物に出掛けた。
彼は当たり前の様に、少女の荷物を持つ。少女はこれぐらい自分で持てると言い張った。
「主に仕えてるんですから。むしろ持たせて下さいよ」
少女は渋々荷物を諦めるものの、口角を上げ質問した。
「ほう。いつまで仕えているつもりだ」
食われる身だとも知らずに、と少女は内心で嘲笑する。
青年は悩む素振りすら見せずに答えた。
「ずっと主の傍に支えさせて頂きますよ」
「私は何千年と生きるのだぞ?」
青年からすると、彼女にしては珍しく不真面目な話をするものだと声を上げて笑った。
「ははっ。ご冗談を。ですが…約束致しますよ」
最初の約束ですら守ったんですから、と彼は微笑む。
すると彼は荷物に付いていた烏色のリボンを手に取る。そして不慣れな手付きで彼女の髪に不格好に結ぶ。それでも彼が一生懸命にくくりつけたリボンは、とても輝かしく見えた。
「どうです?主」
差し出された鏡に映る自分の姿を見て少女は心を踊らせた。
今までと大差ないはずの自分がリボンで結ぶことにより、少しばかり大人に成った様な気分に浸ったのだ。
「気に入ったぞ、理栖」
まるで本当の子供の様にはしゃぐ少女を見て、青年はくすりと笑った。
「それは良かった」
それからは烏色のリボンが少女のトレードマークになった。
街では、金髪の黒いリボンをつけた少女が人喰いだと噂が流れた。彼は少女に街へ行くのは危険だと言い、夜中以外で少女が街に降り立つことはなくなった。
彼は当たり前の様に、少女の荷物を持つ。少女はこれぐらい自分で持てると言い張った。
「主に仕えてるんですから。むしろ持たせて下さいよ」
少女は渋々荷物を諦めるものの、口角を上げ質問した。
「ほう。いつまで仕えているつもりだ」
食われる身だとも知らずに、と少女は内心で嘲笑する。
青年は悩む素振りすら見せずに答えた。
「ずっと主の傍に支えさせて頂きますよ」
「私は何千年と生きるのだぞ?」
青年からすると、彼女にしては珍しく不真面目な話をするものだと声を上げて笑った。
「ははっ。ご冗談を。ですが…約束致しますよ」
最初の約束ですら守ったんですから、と彼は微笑む。
すると彼は荷物に付いていた烏色のリボンを手に取る。そして不慣れな手付きで彼女の髪に不格好に結ぶ。それでも彼が一生懸命にくくりつけたリボンは、とても輝かしく見えた。
「どうです?主」
差し出された鏡に映る自分の姿を見て少女は心を踊らせた。
今までと大差ないはずの自分がリボンで結ぶことにより、少しばかり大人に成った様な気分に浸ったのだ。
「気に入ったぞ、理栖」
まるで本当の子供の様にはしゃぐ少女を見て、青年はくすりと笑った。
「それは良かった」
それからは烏色のリボンが少女のトレードマークになった。
街では、金髪の黒いリボンをつけた少女が人喰いだと噂が流れた。彼は少女に街へ行くのは危険だと言い、夜中以外で少女が街に降り立つことはなくなった。
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