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第一章 迷いの森
迷いの森–3
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紅茶の茶葉の良い匂いが漂ってきた方向を見ると、彼女が大きく足音を立てながら運んできた。
彼女は右手で荒っぽく紅茶を差し出した。席につくと、彼女はスプーンで紅茶をかき混ぜながらねぇ、と声をかけてきた。
「あたしさ、この森から出たことないの」
彼女は突如、自身の話をした。彼女は海を見たことがないらしい。大きなビルも自動車も。
だから、こうして人と話すのは新鮮な内容ばかりでとても楽しいらしい。
「ところでさ、本題に入っていいかい?」
彼女が楽しそうに話している所を申し訳なく、僕がそう聞くと彼女は首を傾げる。
「本題?」
「そう、究極のお菓子についてなんだけど」
突然、彼女は視線を逸らし、手を忙しなく動かし始めた。
「えっとね、あたし影絵作るの得意なんだ」
彼女は必死に手で何か、生き物の形を作り始めた。
脈絡のない話に少しばかり頭にきたが、もう一度聞き返した。
「ねぇ、究極のお菓子ってのは一体どんなお菓子なんだい?」
彼女は冷や汗を流しながらも、僕の話題を逸らさせようとしてきた。
「それよりさ、もっと面白い話が…」
僕はついに痺れを切らした。
「それよりっ!究極のお菓子はどこなんですかっ!?」
まるで地団駄を踏む子供のように声を荒げる。僕は周りから温厚と言われるが、ここまで焦らされるのは好きではない。
彼女は観念したように息を吐く。
「そこにあるじゃない」
すらりとした白い指が僕を指す。慌てて僕は後ろを向いた。喉から手が出るほど欲しかったものがすぐ傍にあると思ったら、体が勝手に動いていた。
彼女は右手で荒っぽく紅茶を差し出した。席につくと、彼女はスプーンで紅茶をかき混ぜながらねぇ、と声をかけてきた。
「あたしさ、この森から出たことないの」
彼女は突如、自身の話をした。彼女は海を見たことがないらしい。大きなビルも自動車も。
だから、こうして人と話すのは新鮮な内容ばかりでとても楽しいらしい。
「ところでさ、本題に入っていいかい?」
彼女が楽しそうに話している所を申し訳なく、僕がそう聞くと彼女は首を傾げる。
「本題?」
「そう、究極のお菓子についてなんだけど」
突然、彼女は視線を逸らし、手を忙しなく動かし始めた。
「えっとね、あたし影絵作るの得意なんだ」
彼女は必死に手で何か、生き物の形を作り始めた。
脈絡のない話に少しばかり頭にきたが、もう一度聞き返した。
「ねぇ、究極のお菓子ってのは一体どんなお菓子なんだい?」
彼女は冷や汗を流しながらも、僕の話題を逸らさせようとしてきた。
「それよりさ、もっと面白い話が…」
僕はついに痺れを切らした。
「それよりっ!究極のお菓子はどこなんですかっ!?」
まるで地団駄を踏む子供のように声を荒げる。僕は周りから温厚と言われるが、ここまで焦らされるのは好きではない。
彼女は観念したように息を吐く。
「そこにあるじゃない」
すらりとした白い指が僕を指す。慌てて僕は後ろを向いた。喉から手が出るほど欲しかったものがすぐ傍にあると思ったら、体が勝手に動いていた。
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