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DJ能勢悠 その2
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「おはよ。」柿沼先輩が寝癖の付いたまま、ロビーにやって来た。
「おっと、寄宿舎の差し入れ番長、お出ました。」三浦先輩が視線を向けた。…柿沼先輩に限らないが、生活に余裕のある先輩方や相田麻衣は、どうも朝が遅い。私と三浦先輩と、生活に余裕があっても朝に太極拳をやる関先輩はいつも朝が早く、規則正しい生活をしている。3階の角部屋「ほ号」にいる名取先輩は一番朝が遅い。陸上部の大会や練習のある時以外は、いつも遅くまで寝ている。角部屋だから、誰にも干渉されないのだろう。
「おおーっ。ゆうゆう。いつもありがとう。」
「どういたしまして。カッキーには果物とかもらっているし。こないだのイチゴ、美味しかったよ。」
柿沼先輩はぎっちり詰め込まれた洗剤にご満悦だった。
「んで、次のスポンサー様は一体どこなの?食品会社?」
「ちょっと真知子やらしい。」
柿沼先輩は三浦先輩の肩を突っついた。能勢先輩は微笑みながら答えた。その笑みはとても魅惑的に感じた。
「…ふふふ。今度の会社は、印刷会社。学校の副教材なんかを作る会社だよ。埼玉じゃなくって、東京都内の会社。」
「うーむ、するとハガキが採用されたら、副教材をくれるのか。あんまり嬉しくないな。」
三浦先輩はまじめに考え込んでいる。その様子を私と能勢先輩はニヤニヤして眺めていた。柿沼先輩はマイペースに深呼吸をした後、手を高く掲げて、ひとり伸びていた。
「今度は、ハガキが採用されたら、図書カードかな。正式に決まっていないけど。」
『あ、それいいね。』
3人の声色が一致した。図書カードはきっとみんな使う。
「だから、寄宿舎のみんな、できるだけ面白いネタのハガキを書いて来てね。放送部の昼の放送にリクエストしたものでもなんでもいいから。」
「おっと、寄宿舎の差し入れ番長、お出ました。」三浦先輩が視線を向けた。…柿沼先輩に限らないが、生活に余裕のある先輩方や相田麻衣は、どうも朝が遅い。私と三浦先輩と、生活に余裕があっても朝に太極拳をやる関先輩はいつも朝が早く、規則正しい生活をしている。3階の角部屋「ほ号」にいる名取先輩は一番朝が遅い。陸上部の大会や練習のある時以外は、いつも遅くまで寝ている。角部屋だから、誰にも干渉されないのだろう。
「おおーっ。ゆうゆう。いつもありがとう。」
「どういたしまして。カッキーには果物とかもらっているし。こないだのイチゴ、美味しかったよ。」
柿沼先輩はぎっちり詰め込まれた洗剤にご満悦だった。
「んで、次のスポンサー様は一体どこなの?食品会社?」
「ちょっと真知子やらしい。」
柿沼先輩は三浦先輩の肩を突っついた。能勢先輩は微笑みながら答えた。その笑みはとても魅惑的に感じた。
「…ふふふ。今度の会社は、印刷会社。学校の副教材なんかを作る会社だよ。埼玉じゃなくって、東京都内の会社。」
「うーむ、するとハガキが採用されたら、副教材をくれるのか。あんまり嬉しくないな。」
三浦先輩はまじめに考え込んでいる。その様子を私と能勢先輩はニヤニヤして眺めていた。柿沼先輩はマイペースに深呼吸をした後、手を高く掲げて、ひとり伸びていた。
「今度は、ハガキが採用されたら、図書カードかな。正式に決まっていないけど。」
『あ、それいいね。』
3人の声色が一致した。図書カードはきっとみんな使う。
「だから、寄宿舎のみんな、できるだけ面白いネタのハガキを書いて来てね。放送部の昼の放送にリクエストしたものでもなんでもいいから。」
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