平成寄宿舎ものがたり

藤沢 南

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生徒会選挙の結果

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  特に三浦真知子が、この生徒会役員選挙に対し、不快感をあらわにしていた。そしてしばらくしてから、元倉尚美に、生徒会の一部の連中が寄宿舎制度を変えてしまおうとしていると言う事を伝えたのだった。しかし、三浦も元倉も生徒会役員になって諸岡の野望を打ち砕こうという意思はなかった。というより、打ち砕く時間がなかったというべきだろう。三浦も元倉も、アルバイトで毎日を忙しく過ごしていたのだった。大石舎監の紹介してくれたアルバイトだ。さぼったり、手を抜いたりしてはいけないと思っている。

結局、生徒会前期役員選挙の結果は、
会長  佐藤望(硬式テニス部:3年2組)信任投票
副会長  諸岡百合子(英語部:2年1組)得票率63パーセント  当選
           小野寺瑞恵(美術部:2年2組)得票率36パーセント  落選
           無効票    1パーセント
書記     手塚幹子(カラーガード部:2年3組)信任投票
           堀沢たまき(水泳部:2年6組)信任投票
会計     加納寛子(書道部:1年4組)信任投票
           上村絵美(硬式テニス部:1年2組)信任投票
と、まずまずのバラけっぷりだった。大石舎監はほっと胸をなでおろした。
しかし、本来なら会長か副会長に立候補すべきだった去年の2年生書記が立候補すらしていない。彼女は2年前期会計、2年後期書記と歴任しており、2年後期には諸岡としばしば意見衝突していた。これはどういうことなのか。大石舎監は、個人的に彼女にあたってみようとも考えていたが…。

「諸岡さんは優秀だけど、その頭脳を、寄宿舎の改革なんかに使って欲しくない。もっと意義のあることに使っていただかないと。それにしても、2年生の子達ももう少し積極的に生徒会に関わってほしいものだわ。書記ももう1人立候補があるかと思ったんだけど。副会長だけが決選投票だなんて。最近の子は優秀で上品なんだけど、大人しすぎるわ。寄宿舎の娘達みたいに、しっかりと自分の力で生き抜いてほしいものね。」

一人暮らしが長いせいか、大石舎監は独り言が多い。
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