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柿沼律と友人達(群馬の柿沼律の実家にて)
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反対に、中井えみが柿沼律の実家に遊びに行った時は、大農家の居間に通された。
利根川からの風が生ぬるく吹き込んでいたが、それがあまり役に立たないほど暑かった。
「群馬って暑いのよ。埼玉の熊谷も暑いみたいだけどね。」
でも、夕方に近所の柿沼農園の畑まで2人で歩いて行った時には、夕涼みとも言えるぐらいに心地よく気温が下がった。
「どこかで夕立があったかもね。涼しいから。」
中井えみを柿沼家の実家に呼んだ時は、夕方以外は家にいて、2人でおしゃべりをしていたが、寄宿舎生の仲間を呼んだ時は、みんなで地元のバカでかいプールに遊びに行った。波も起きず、ウォータースライダーもなく、ただ50メートルのプールがあるだけ。スクール水着ではしゃぐ埼玉・川越市の高校生4人…柿沼・関・名取・三浦は童心に帰って楽しんでいた。その帰り道…
「ナンパされなくて良かったね。」名取がおどけた。
「あったりまえじゃない。色気のない格好してるんだから…。」三浦が苦笑した。
「日本の高校生って、夏休みはこんな感じで遊ぶの?」日本のものなら何事にも好奇心旺盛な関麗華が目を輝かせる。
「そうでもないよ。どちらかというと、これは日本の田舎の小学生の遊びかなぁ。私の小学生の頃は、住んでいるところが田舎だから、プール行くしかなかったのね。…来年は、湘南の海でも行こうか。可愛い水着着て。カッコイイ男の子にナンパされちゃうかもしれないけど。」柿沼が、関の誤解を解くべく説明した。
「でも、今日は楽しかったな。こんなに何も考えずにはしゃいだのは久しぶりよ。」三浦が、柿沼をフォローするつもりなのか、そう言葉を継いだ。
「楽しんでもらえれば、こんな遠くまで呼んだ甲斐はあったかな。」柿沼が微笑む。
「楽しかったよ、私も。私も山梨の田舎で育ったから、夏といえばプールだったし。でも、50メートルプールはなかったな。だから、目一杯泳いだよ。」名取も同意した。
「峰、泳ぐの早いんだもの。私、追いつけなかった。」関が名取に言葉を向けた。
「麗華は、泳ぐのは苦手なんだね。」名取が言う。
「台湾でも学校で何度か泳いだんだけどね。峰は運動は何でも上手ね。」
「シェシェ」名取の返しに、一堂、湧いた。
利根川からの風が生ぬるく吹き込んでいたが、それがあまり役に立たないほど暑かった。
「群馬って暑いのよ。埼玉の熊谷も暑いみたいだけどね。」
でも、夕方に近所の柿沼農園の畑まで2人で歩いて行った時には、夕涼みとも言えるぐらいに心地よく気温が下がった。
「どこかで夕立があったかもね。涼しいから。」
中井えみを柿沼家の実家に呼んだ時は、夕方以外は家にいて、2人でおしゃべりをしていたが、寄宿舎生の仲間を呼んだ時は、みんなで地元のバカでかいプールに遊びに行った。波も起きず、ウォータースライダーもなく、ただ50メートルのプールがあるだけ。スクール水着ではしゃぐ埼玉・川越市の高校生4人…柿沼・関・名取・三浦は童心に帰って楽しんでいた。その帰り道…
「ナンパされなくて良かったね。」名取がおどけた。
「あったりまえじゃない。色気のない格好してるんだから…。」三浦が苦笑した。
「日本の高校生って、夏休みはこんな感じで遊ぶの?」日本のものなら何事にも好奇心旺盛な関麗華が目を輝かせる。
「そうでもないよ。どちらかというと、これは日本の田舎の小学生の遊びかなぁ。私の小学生の頃は、住んでいるところが田舎だから、プール行くしかなかったのね。…来年は、湘南の海でも行こうか。可愛い水着着て。カッコイイ男の子にナンパされちゃうかもしれないけど。」柿沼が、関の誤解を解くべく説明した。
「でも、今日は楽しかったな。こんなに何も考えずにはしゃいだのは久しぶりよ。」三浦が、柿沼をフォローするつもりなのか、そう言葉を継いだ。
「楽しんでもらえれば、こんな遠くまで呼んだ甲斐はあったかな。」柿沼が微笑む。
「楽しかったよ、私も。私も山梨の田舎で育ったから、夏といえばプールだったし。でも、50メートルプールはなかったな。だから、目一杯泳いだよ。」名取も同意した。
「峰、泳ぐの早いんだもの。私、追いつけなかった。」関が名取に言葉を向けた。
「麗華は、泳ぐのは苦手なんだね。」名取が言う。
「台湾でも学校で何度か泳いだんだけどね。峰は運動は何でも上手ね。」
「シェシェ」名取の返しに、一堂、湧いた。
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