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と号の先輩
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大石先生に連れられて、私達は寄宿舎内を案内されている。大広間というところには古いピアノが置いてあり、大広間の隅には弦の切れたギターが転がっている。隅には赤い表紙の本がたくさん本棚に収まっていた。大学入試の参考書だろう。その後、3階までの各生徒の部屋を案内された。ほとんどドアが閉まっていて、静かだったが、2階のと号はドアが開け放してあった。
「こんにちは。」
「あ、大石老師、ニンハオ。」
私達はギョッとした。部屋の中にはお団子頭の少女がスローテンポで私達の目の前に水平チョップ、手刀を繰り出してきたからだ。しかし大石先生はそれに動じることなく、その少女に笑顔を向けた。
「関さん。太極拳の最中だったのね。新入生が入って来たから、案内していたのよ。」
「あ、大石先生。こんな格好ですみません。」
その少女は片足立ちになった後、手を大きくスイングさせて、気をつけの姿勢に戻った。
「こんにちは。いらっしゃい。川越第一女子高校、寄宿舎へ。あ、私、関麗華。2年生。よろしくねー。」
『よろしくお願いします。』
「私、初めて寄宿舎で後輩できたんだ。嬉しい。」
関という少女は、独特の話し方をする。部屋の中に流れている曲も、どことなく大陸風の、エキゾチックな曲だった。
「関さん、仲良くしてあげてね。こちらが1階る号に入る、元倉さんで、こちらがわ号に入る、相田さん。」
「はい、先生、新入生のあなたたち、大歓迎よ。」
関は、そのまま体制を崩さず、片足立ちになって、両手を振りながら笑顔を返した。
「こんにちは。」
「あ、大石老師、ニンハオ。」
私達はギョッとした。部屋の中にはお団子頭の少女がスローテンポで私達の目の前に水平チョップ、手刀を繰り出してきたからだ。しかし大石先生はそれに動じることなく、その少女に笑顔を向けた。
「関さん。太極拳の最中だったのね。新入生が入って来たから、案内していたのよ。」
「あ、大石先生。こんな格好ですみません。」
その少女は片足立ちになった後、手を大きくスイングさせて、気をつけの姿勢に戻った。
「こんにちは。いらっしゃい。川越第一女子高校、寄宿舎へ。あ、私、関麗華。2年生。よろしくねー。」
『よろしくお願いします。』
「私、初めて寄宿舎で後輩できたんだ。嬉しい。」
関という少女は、独特の話し方をする。部屋の中に流れている曲も、どことなく大陸風の、エキゾチックな曲だった。
「関さん、仲良くしてあげてね。こちらが1階る号に入る、元倉さんで、こちらがわ号に入る、相田さん。」
「はい、先生、新入生のあなたたち、大歓迎よ。」
関は、そのまま体制を崩さず、片足立ちになって、両手を振りながら笑顔を返した。
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