転校サバイバーズ

藤沢 南

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広島生活スタート

指導

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「バリィィィーン」

窓ガラスの割れる音に、児童たちはのけ反った。この教室の廊下側の窓ガラスを突き破って、スチール椅子が廊下に飛んだ。

「なにしているんだ!!」

4組の鬼教官とあだ名される、大倉先生が飛んできた。
3組のなよなよ先生と違って、大倉先生の一喝は3組の児童たちも震え上がった。

大倉先生は、僕と、男子のみならず、そこにいた女子全員を一人一人呼びつけた。
しかも凍てつく寒さの体育館に正座させられた。ちょっとでも不満を見せたら、大倉先生の右側にある竹刀が轟音を立てて体育館に響いた。
3組のなよなよ先生は、事をあら立てたくないのか、しきりに大倉先生に「うちのクラスの事なので…」と言っていたが、大倉先生は頑として
「廊下のガラスが割れたんですよ!うちの4組の生徒だって廊下を歩くのです。私には4組の児童の安全を守る義務があります。それとも、4組の児童は3組横の廊下を歩く権利はないのですか」
正論ごり押しと、元々の大倉先生の押しの強さもあって、この件は3組と4組の生徒にも広く周知され、情報共有されてしまった。さしものマドンナも、「大倉うざい」とボヤくだけで、周りを巻き込んでまた悪さをしようとはできないようだった。

4組には、僕の新聞販売店の仲間がいたこともあり、
「津山かわいそうだよ。3組じゃなくって4組に転入していればよかったのに。」と彼は僕の味方をしてくれた。また、ラブレターを僕の下駄箱に入れた女子も4組だった。
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