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第五話:くちゃ
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金木犀の香りがこびりついて離れない。
私――天笠弥咲という人物は四神家の天を司る“天笠家”の人間であり、どうしようもないクズで、そこらのゴミよりも底辺に値する者だと思っている。政治方面にも強いパイプを持っており四神家では最も栄えていたが、先代天笠一鷹と天笠琴香――両親の不幸な事故を機に事業が次々と失敗していく。不幸な事は立て続けに起きるとは言ったもので、まだ十の私と、妹の天唯の二人。使用人達は家財を持ち出して逃げた奴もいた。
それもそうで、誰がこんな幼い子供達に自身の未来を託せるのか。私だってそうきっとそうする。奴には家族だっていたし生きていく為に必死なのだ。天笠家の人間は“天を見通す眼”を代々継いでおり、その能力は簡単に言うならば“先見の明”を持って生まれてくる。次の当主の白羽の矢が立つのは私だったが、私にはそのような力は無かった。しかし使用人達からすればそれでも私は立派な後継者だったらしく、私は当主代理として天笠家の当主となることになった。――そして天笠家は没落した。
「いやぁ……本当に天唯が立て直してくれなかったら、桐雄の奴隷になってたね」
天笠家と藤壺家は幼少の時から仲は良いから、きっと何かあった時には天唯だけでも迎えてくれるだろう。袴と自身の手の何かが擦れる。今まで無かった感覚を辿ると、私の手には昨夜の古書が握られていた。金木犀から溢れる陽を浴びて、風変わりな装飾は昨夜よりも生き生きとしているように思える。
昨夜の謎の出来事。あの時、何が起きたのか、何を言われたのかも、もうあまり覚えていない。ただぼんやりとした頭の中で浮かぶ情景が色褪せていく。まるで脳の奥底に刻み込まれているかのように、ずっとずっと忘れられない霞になっただろうな。
「桐雄も桐雄だ。言えばいいのに…………。うん、桐雄には感謝しないとな」
アイツが本家では無く、わざわざ彼処へ呼びつけたのは本当に急を要していたのだろう。きっと兄である二季さんがこの事件の担当。二季さんは私を目の敵にしていたし、彼が一番に犯人だと思っているに違いない。彼の行動力は凄まじいし、それに彼は自分の意思を押し通そうとする男だからな………本当に彼が犯人なのでは?
裏通りは金木犀で道が彩られていて美しい。地面に落ちている花はどんなに下を向いて歩いたって、季節の移ろいを心に染み込ませてくれ、誰も知らない奥底にじんわりと温もりを与えて、隙間に花を咲かせてくれる。それは今朝に咲いたばかりのものもあれば、一日中咲いているものもあるかもしれない。この裏通りには数多の世界線があって、誰かが選んだルートによって結末が違うんだろうけど、きっとどれもが幸せになれるものだと信じたい。薄く信じたいだけだけどね。
――革靴に嫌な感触が這ってくる。
桐雄の所の大百足か? それとも……誰かにつけられている? 私は歩みを止めて振り返る。何の変哲も無い通ってきた道だ。視線を下げれば、そこには薄暗い靄が広がっているだけで何も居なかった。ほっと胸を撫で下ろしながら前を見ると、視界一杯に広がるのは赤黒い水溜まりだった。
「は?」
私の瞬きの影かと思ったくらい。間の抜けた言葉が出た。赤黒い水溜りの中には金平糖のような蛆虫が集っており、何かの肉片が細切れに落ちている。
おはじきの大きさから、猫のようにぼたっとしているものまで大きさは幅広く、ああ、これが不審死の。なんて思ってしまう。肉片には無惨で滑稽な枯れた花が咲いており、主に女・子供が餌食になっているがわかる。脂まみれの白いぽつぽつとした断面図からして……恐らく歯形があるのだろうか。これは、あれだ。私を語る何者かの犯行では? 私の店の近くばかりに不審死が集中していたらしいし、これは私が見て良いものでは無い気がする。というか絶対に良くない! こういうのは桐雄に任せよう! 踵を返して早歩きになる。
――くちゃ。
その先に視線を移すと、先程まで誰もいなかった路地があった筈なのに、そこには軍服を纏った男が立っている。
世界が上下になった光景が広がっている。男は下半身から溢れている内蔵を天に向け、自身の両腕で身体を支えている。そして何故か口からは腸が溢れんばかりに垂れており、首元は真っ赤に染まっている。そこから漏れ出す血液の量は少なくない。しかし男の身体を支える腕だけは力強く、煉瓦にヒビが入る音がする。血まみれの男は此方を見て不気味に笑っているのだ。狙われているのは嫌でも理解する。
一か八かで構えると――男は奇妙な反応を見せる。何かを躊躇うかのように微細に震えだす。何なんだコイツは。こんな奇怪な生き物見たことが無い。
私に対して興味を失ったように背を向けると、地面に向かってゆっくりと倒れ始めた。まるで見えない巨人の手で押し潰されているかのように潰れていく様は異質そのものだった。
――くちゃ。
先程の粘ついた音と共に子供達が裏通りを駆け抜けていく。
赤黒い水溜りなんて物ともせずに、金木犀の花を、香りを、華やかさを纏って風のように笑いながら、弥咲なんて眼中にないように脇から通っていく。心臓が早鐘のように鳴っている。背中と腕にぼすっと小さな温もりがぶつかってくる。その温もりは六歳程の幼い子供で顔や頬を擦っている。
「ねぇ、お兄ちゃん。どいてー!」
「ぼーっとしてどうしたの?」
反応を示さない弥咲の腕を緩く掴み、木製鉄砲玩具でつんつくが、すぐに他の子供達の後を追うように行ってしまう。その異様な光景を見た瞬間、脳が警報を鳴らしたような気がした。
あれは関わってはいけないものだと本能的に理解してしまったのだ。あの時と同じだ……佐川梅夫に出会った時にも感じた違和感の渦のようなものが。
「あ、天笠お兄ちゃんだ!」
「笠兄坊っちゃん、どうしたの?」
振り返ると妹の天唯と親しい少女二人が西洋人形を持って近寄ってくる。この二人とは両親が亡くなってからの付き合いだから、成長を妹とも一緒に見てきた。とても可愛らしく育ったものだ。弥咲は二人に自然と手を引かれ、何処へ連れていかれるのかわからないままに、ついていくことにした。金木犀の花に混じって羽虫やら蟻が群がっており、世界から弾かれたような錯覚をただ一人――天笠弥咲だけが感じる。
「今日は静かだね、どうしたの?」
少女の一人が着物の裾を引っ張り、自身に注意を向ける。
「………………その、近頃。何か不思議な事は起こった?」
「でた。笠兄坊っちゃんの不思議好き。不思議な事言ってもなぁ、笠兄坊っちゃん一週間くらいどこへ行ってたの? お店の前に凄い怖い憲兵さんや、天唯ちゃんがいたんだよ」
「へ? ………………念のための確認だけど、年号と月日を教えてくれないかな」
「ふふ。何かの謎解き? 今は大正でー。十月二日!」
私の表情は一体どんな形になっていたのだろうか。二人は私の表情を見るなり不安げに顔を曇らせている。この子達は決して下らない嘘をつくような性格ではないのを理解している分、自身が置かれている状況に理解が……。
「天笠お兄ちゃんが急にいなくなってたけど、やっぱり最近の不審死が怖かった? 憲兵さん達が血眼になって天笠お兄ちゃんごと探してたよ」
「そーそー。笠兄坊っちゃんの代わりに天唯ちゃんが憲兵さん達の所に――」
「…………帰ろう。ちょっと天唯の所に行ってくる」
――くちゃ。
何かが割れる音が聞こえたが、私はそれを聞かなかった事にする。この子が何かを言おうとしていたとしても、それは今、私に必要な情報では無いと脳内で警告が鳴る。
私――天笠弥咲という人物は四神家の天を司る“天笠家”の人間であり、どうしようもないクズで、そこらのゴミよりも底辺に値する者だと思っている。政治方面にも強いパイプを持っており四神家では最も栄えていたが、先代天笠一鷹と天笠琴香――両親の不幸な事故を機に事業が次々と失敗していく。不幸な事は立て続けに起きるとは言ったもので、まだ十の私と、妹の天唯の二人。使用人達は家財を持ち出して逃げた奴もいた。
それもそうで、誰がこんな幼い子供達に自身の未来を託せるのか。私だってそうきっとそうする。奴には家族だっていたし生きていく為に必死なのだ。天笠家の人間は“天を見通す眼”を代々継いでおり、その能力は簡単に言うならば“先見の明”を持って生まれてくる。次の当主の白羽の矢が立つのは私だったが、私にはそのような力は無かった。しかし使用人達からすればそれでも私は立派な後継者だったらしく、私は当主代理として天笠家の当主となることになった。――そして天笠家は没落した。
「いやぁ……本当に天唯が立て直してくれなかったら、桐雄の奴隷になってたね」
天笠家と藤壺家は幼少の時から仲は良いから、きっと何かあった時には天唯だけでも迎えてくれるだろう。袴と自身の手の何かが擦れる。今まで無かった感覚を辿ると、私の手には昨夜の古書が握られていた。金木犀から溢れる陽を浴びて、風変わりな装飾は昨夜よりも生き生きとしているように思える。
昨夜の謎の出来事。あの時、何が起きたのか、何を言われたのかも、もうあまり覚えていない。ただぼんやりとした頭の中で浮かぶ情景が色褪せていく。まるで脳の奥底に刻み込まれているかのように、ずっとずっと忘れられない霞になっただろうな。
「桐雄も桐雄だ。言えばいいのに…………。うん、桐雄には感謝しないとな」
アイツが本家では無く、わざわざ彼処へ呼びつけたのは本当に急を要していたのだろう。きっと兄である二季さんがこの事件の担当。二季さんは私を目の敵にしていたし、彼が一番に犯人だと思っているに違いない。彼の行動力は凄まじいし、それに彼は自分の意思を押し通そうとする男だからな………本当に彼が犯人なのでは?
裏通りは金木犀で道が彩られていて美しい。地面に落ちている花はどんなに下を向いて歩いたって、季節の移ろいを心に染み込ませてくれ、誰も知らない奥底にじんわりと温もりを与えて、隙間に花を咲かせてくれる。それは今朝に咲いたばかりのものもあれば、一日中咲いているものもあるかもしれない。この裏通りには数多の世界線があって、誰かが選んだルートによって結末が違うんだろうけど、きっとどれもが幸せになれるものだと信じたい。薄く信じたいだけだけどね。
――革靴に嫌な感触が這ってくる。
桐雄の所の大百足か? それとも……誰かにつけられている? 私は歩みを止めて振り返る。何の変哲も無い通ってきた道だ。視線を下げれば、そこには薄暗い靄が広がっているだけで何も居なかった。ほっと胸を撫で下ろしながら前を見ると、視界一杯に広がるのは赤黒い水溜まりだった。
「は?」
私の瞬きの影かと思ったくらい。間の抜けた言葉が出た。赤黒い水溜りの中には金平糖のような蛆虫が集っており、何かの肉片が細切れに落ちている。
おはじきの大きさから、猫のようにぼたっとしているものまで大きさは幅広く、ああ、これが不審死の。なんて思ってしまう。肉片には無惨で滑稽な枯れた花が咲いており、主に女・子供が餌食になっているがわかる。脂まみれの白いぽつぽつとした断面図からして……恐らく歯形があるのだろうか。これは、あれだ。私を語る何者かの犯行では? 私の店の近くばかりに不審死が集中していたらしいし、これは私が見て良いものでは無い気がする。というか絶対に良くない! こういうのは桐雄に任せよう! 踵を返して早歩きになる。
――くちゃ。
その先に視線を移すと、先程まで誰もいなかった路地があった筈なのに、そこには軍服を纏った男が立っている。
世界が上下になった光景が広がっている。男は下半身から溢れている内蔵を天に向け、自身の両腕で身体を支えている。そして何故か口からは腸が溢れんばかりに垂れており、首元は真っ赤に染まっている。そこから漏れ出す血液の量は少なくない。しかし男の身体を支える腕だけは力強く、煉瓦にヒビが入る音がする。血まみれの男は此方を見て不気味に笑っているのだ。狙われているのは嫌でも理解する。
一か八かで構えると――男は奇妙な反応を見せる。何かを躊躇うかのように微細に震えだす。何なんだコイツは。こんな奇怪な生き物見たことが無い。
私に対して興味を失ったように背を向けると、地面に向かってゆっくりと倒れ始めた。まるで見えない巨人の手で押し潰されているかのように潰れていく様は異質そのものだった。
――くちゃ。
先程の粘ついた音と共に子供達が裏通りを駆け抜けていく。
赤黒い水溜りなんて物ともせずに、金木犀の花を、香りを、華やかさを纏って風のように笑いながら、弥咲なんて眼中にないように脇から通っていく。心臓が早鐘のように鳴っている。背中と腕にぼすっと小さな温もりがぶつかってくる。その温もりは六歳程の幼い子供で顔や頬を擦っている。
「ねぇ、お兄ちゃん。どいてー!」
「ぼーっとしてどうしたの?」
反応を示さない弥咲の腕を緩く掴み、木製鉄砲玩具でつんつくが、すぐに他の子供達の後を追うように行ってしまう。その異様な光景を見た瞬間、脳が警報を鳴らしたような気がした。
あれは関わってはいけないものだと本能的に理解してしまったのだ。あの時と同じだ……佐川梅夫に出会った時にも感じた違和感の渦のようなものが。
「あ、天笠お兄ちゃんだ!」
「笠兄坊っちゃん、どうしたの?」
振り返ると妹の天唯と親しい少女二人が西洋人形を持って近寄ってくる。この二人とは両親が亡くなってからの付き合いだから、成長を妹とも一緒に見てきた。とても可愛らしく育ったものだ。弥咲は二人に自然と手を引かれ、何処へ連れていかれるのかわからないままに、ついていくことにした。金木犀の花に混じって羽虫やら蟻が群がっており、世界から弾かれたような錯覚をただ一人――天笠弥咲だけが感じる。
「今日は静かだね、どうしたの?」
少女の一人が着物の裾を引っ張り、自身に注意を向ける。
「………………その、近頃。何か不思議な事は起こった?」
「でた。笠兄坊っちゃんの不思議好き。不思議な事言ってもなぁ、笠兄坊っちゃん一週間くらいどこへ行ってたの? お店の前に凄い怖い憲兵さんや、天唯ちゃんがいたんだよ」
「へ? ………………念のための確認だけど、年号と月日を教えてくれないかな」
「ふふ。何かの謎解き? 今は大正でー。十月二日!」
私の表情は一体どんな形になっていたのだろうか。二人は私の表情を見るなり不安げに顔を曇らせている。この子達は決して下らない嘘をつくような性格ではないのを理解している分、自身が置かれている状況に理解が……。
「天笠お兄ちゃんが急にいなくなってたけど、やっぱり最近の不審死が怖かった? 憲兵さん達が血眼になって天笠お兄ちゃんごと探してたよ」
「そーそー。笠兄坊っちゃんの代わりに天唯ちゃんが憲兵さん達の所に――」
「…………帰ろう。ちょっと天唯の所に行ってくる」
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何かが割れる音が聞こえたが、私はそれを聞かなかった事にする。この子が何かを言おうとしていたとしても、それは今、私に必要な情報では無いと脳内で警告が鳴る。
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