カラー・ロック

他島唄

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Find our color

Find our color⑤

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  先輩たちのテスト?が発表されて、1週間がたった。テストの日まで、残り2週間だ。すっかり学校にはなれて、登校する道も見慣れたものになった。ベースの方は、やっとキレイな音が出せるようになってきた。ゆっくりならば、あの曲も弾けるようになった。今日は、明音も千代さんも掃除当番で遅くなるらしいので、私は一人で部室に向かった。

 「失礼しまーす。」
 私が部室の扉を開けると、紅葉先輩が先に来ていた。
 「こんにちは。いろは。」
 一昨日くらいから、紅葉先輩は私のことを呼び捨てにするようになった。私は「憧れの先輩」との距離が近くなったと思うと嬉しい。ただ、一緒にいる時間は少なくなったのでその寂しさもある。
 「紅葉先輩、お疲れ様です。」
 「今日はいろはだけなの?」
 「2人とも掃除当番だそうです。」
 「ギブアップしたのかと思って焦ったよ。」
 紅葉先輩はからかうように言う。少しムスっとしたが、このちょっとした意地悪も距離が近くなったからだと思うと嬉しくもなる。
 「ギブアップはしませんよ。3人でなんとかします。それより、最近先輩たちは忙しそうですね。」
 「まあね。みんな、用事があるのは確かだよ。別にみんなのことを嫌いになったわけじゃないよ。」
 「それなら、安心ですね。」
 ちょっと申し訳なさそうに言う紅葉先輩に私は笑いかける。先輩たちの「用事」というのは話せないのだろう。私はその「用事」について追及する気はなくなった。気にならないわけではないが、追及してもはぐらかされてしまうだろう。
「今日はお一人なんですか?」
 「私だけでは不満?」
 先輩はまた意地悪そうに、そして少し拗ねたように言った。
 「いえ、そんなことは...」
 「2人は先に用事に向かったよ。さあ、練習しに来たんでしょ。ベースを弾いてみて。」
 「はい」
 私は言われたとおりに、軽音部から借りている初心者用ベースを肩にかける。チューニングをして、アンプにつないで音を出す。そして演奏を始める。
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