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モノクロ・ガールミーツガール
モノクロ・ガールミーツガール⑧
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「あなた達、遅いわよ。」
先生は、少し怒りながら私達に言った。
「すみません。迷ってしまって。」
「迷う距離でもないと思うけど。まぁしょうがないわね。そこが空いてるから早く座りなさい。もう始まるわよ。」
「はーい。」
講堂は、映画館のように前方のステージから段々と高くなっている。2学年分くらい収容できそうな広さで、1年生がまばらに座っている。私と明音は、後ろの方の真ん中の席に座った。先生の言った通り、講堂が少しずつ暗くなり、デモンストレーションが始まった。
剣道部、卓球部、テニス・・・と運動部が続いた。最後にバスケ部が始まった。明音は、ただじっと先輩たちを真剣な目で見ていた。その後、文化部と委員会の勧誘が始まった。「あんまり、惹かれるのないなー。」なんて考えていた。脳裏には、ギターの少女の音が流れている。あの時ほどの衝動がないのだ。
「最後に軽音部の演奏です。」
司会の生徒の声に合わせて、さっきの赤の先輩たちがステージに上がり用意をする。
「あの人たち、軽音部だったんだ。」
ボソッと私がつぶやく。
「気になる?」
「ちょっとね。」
明音は、意外そうに私に尋ねた。私は素っ気なく返した。
「こんにちは、軽音部です。普段は、部室棟で活動しています。今日は1曲だけ演奏します。演奏で気になってくれた子は是非遊びに来てください。」
赤の先輩が一礼をしたあと、他のメンバーたちと目を合わせる。マイクを通して呼吸が聞こえる。息を大きく吐き出し、短く吸った後、彼女の目つきがかわった。その雰囲気は講堂全体に広がっていき、辺り一面が静寂に包まれる。私もその無色透明な波に飲まれる。ただ心臓の音だけが時を刻んでいる。その静けさを待っていたように赤の先輩は短く言う。
「聞いてください。」
先生は、少し怒りながら私達に言った。
「すみません。迷ってしまって。」
「迷う距離でもないと思うけど。まぁしょうがないわね。そこが空いてるから早く座りなさい。もう始まるわよ。」
「はーい。」
講堂は、映画館のように前方のステージから段々と高くなっている。2学年分くらい収容できそうな広さで、1年生がまばらに座っている。私と明音は、後ろの方の真ん中の席に座った。先生の言った通り、講堂が少しずつ暗くなり、デモンストレーションが始まった。
剣道部、卓球部、テニス・・・と運動部が続いた。最後にバスケ部が始まった。明音は、ただじっと先輩たちを真剣な目で見ていた。その後、文化部と委員会の勧誘が始まった。「あんまり、惹かれるのないなー。」なんて考えていた。脳裏には、ギターの少女の音が流れている。あの時ほどの衝動がないのだ。
「最後に軽音部の演奏です。」
司会の生徒の声に合わせて、さっきの赤の先輩たちがステージに上がり用意をする。
「あの人たち、軽音部だったんだ。」
ボソッと私がつぶやく。
「気になる?」
「ちょっとね。」
明音は、意外そうに私に尋ねた。私は素っ気なく返した。
「こんにちは、軽音部です。普段は、部室棟で活動しています。今日は1曲だけ演奏します。演奏で気になってくれた子は是非遊びに来てください。」
赤の先輩が一礼をしたあと、他のメンバーたちと目を合わせる。マイクを通して呼吸が聞こえる。息を大きく吐き出し、短く吸った後、彼女の目つきがかわった。その雰囲気は講堂全体に広がっていき、辺り一面が静寂に包まれる。私もその無色透明な波に飲まれる。ただ心臓の音だけが時を刻んでいる。その静けさを待っていたように赤の先輩は短く言う。
「聞いてください。」
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