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異世界転生編
ヤンキー 隊に加わる
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「クラウディア様、どうぞお召し上がり下さい」
上座に案内されたクラウディアの目の前の長机には豪華な食事が並んでいた。
対して少し距離を離した所に騎士達用と思われる食事も置かれていた。
「お!美味そうだな!」
そういえばあの平原に来てから、何も口にしていない事に今更ながら気付いたケンは、沢山の料理を前に強烈な空腹を感じた。
そして誰の勧めもないまま近くの席に勝手に座ると、白いクロスの上に置かれたカトラリーを手にした。
「おい貴様!待たんか!」
ケンの持ったフォークが勢いよくステーキに刺さろうかというところでアダンの制止が入る。
「んだよ?俺は腹が減ってんだ」
「そんな事は貴様の行動を見れば分かる!私はクラウディア様より先に料理に手をつけようとした事を言っているのだ!」
「こまけーおっさんだな」
「なに!?」
ケンが発した悪態に、アダンが青筋を立てて反応した。
「二人とも、待ちなさい」
それを見かねたクラウディアが二人の口論に割り込んだ。
「クラウディア様!」
「おぅ、あんたの部下にバチっと言ってくれや」
それぞれが自分を擁護する言葉を期待してクラウディアの方を向いた。
「ケン様、そのままお召し上がりになって問題ありませんし、私も偉そうにしたくもないところなのですが、一般的には位の高い者が先に料理に手をつけます」
思った回答ではなかったのか、険しい表情でケンがクラウディアのほうを見た。
対するアダンは小さく鼻を鳴らして嫌な笑みを浮かべていた。
「そうかよ。でも、その場合ここじゃあんたか」
「はい、そうなりますね。ですが今日は皆さんもお疲れでしょう。細かい事は気にせず、この美味しそうな食事を楽しみましょう!」
「な!?」
ケンを諭すような説明をしていたクラウディアが急に掌を返して無礼講を宣言した。
ケンが責められるのは当然と思っていたアダンが、鳩が豆鉄砲を食ったような表情になった。
「「よっしゃ~~~!」」
ケンが拳を振り上げて喜びを示したと同時、そこにアルの甲高い声がハモった。
凄まじい勢いで目の前の料理を平らげていく二人を呆れた様子で眺めながら、周囲のメンバーはあくまで上品に、ゆっくりと食事を開始する。
「ケン、食べるね!?」
「お前もな」
ふがふがと言いながら、互いの食べっぷりを賞賛するアルとケン。
「貴様ら、もう少し綺麗に食べられんのか」
クラウディアの発言に勢いを削がれたのだろう、二人の雑な食べ方を見ても小さな声で注意するアダン。
「食べたいように食べるのが一番だよ!」
フォークを鷲掴みしながら満面の笑みを浮かべるアル。
外見も相まって、無邪気な少年か少女のようにしか見えない。
「いいこと言うぜ」
全面的に同意するケン。
「皆さん、食べながらで構いません」
ケンとアルの爆食いが落ち着いたタイミングでクラウディアが口を開いた。
「アルの指摘ではありませんが、彼、ケン様に………」
チラリとケンに視線を送るクラウディア。
「私たちの隊に入っていただこうと思っています」
「やっはひ!!」
「なんと!!!」
即座に反応した二人が大きな声を上げる。
前者がアル、後者がアダンだ。
口に食べ物が満載されていたアルは、急いでそれらを飲み込むと早口で捲し立てた。
「ほら!やっぱりそうじゃん!え?なんでなんで?なんでさっきは否定したの?クラウディア様?」
「いえ、流石にあんな感じに聞かれると………。それに結婚するわけではないですし」
一連の話の下りを思い出したのか、小さな声で呟きながら顔を赤くして俯くクラウディア。
「私は認められませんな」
「なぜです?アダン?」
そこにアダンが低いトーンで否定の声を上げた。
その声に反応しさっと顔を上げると、発言主のほうを見るクラウディア。
ある程度は予測していたのだろう、彼女も落ち着いた様子で聞き返していた。
「当然です。クラウディア様を助けたとはいえ、どこの者かも分からぬ男です。今のこの場を共にしている事も私は完全には認めておりません。先程の、今回の道中を共にする事が最大の譲歩です。ましてやこれから我らの隊に入るなどとても」
「なるほど。アダン、あなたが言うこともか理解できます。しかし…」
「クラウディア様の髪の色が変わっている事も関係する、ですよね?」
それまで口を開かず様子を見ていたヘクターが急に二人の会話に割り込んだ。
「やはりヘクターは気づいていましたか」
「ええ、それは。愛するクラウディア様の事ですから」
さらりと臆面もなくキザな事を言う彼に、驚くでもなく呆れた表情で返すクラウディア。
どうやらこのやりとりは通常運転のようだ。
「んっ!グスタボ、すみませんが…」
ヘクターの発言で場が緩んだタイミングで、クラウディアが仕切り直すように軽く咳払いすると、グスタボに視線を送った。
「承知致しました。皆、下がるように」
状況を察したのか、給仕をしていた者たちに退出を促し、自らもドアのほうに向かうグスタボ。
「また御用がございましたらお呼び下さい」
「分かりました、ありがとうございます」
パタ、と小さくダイニングの分厚いドアが締められた。
「ヘクターの話に戻しますが」
グスタボ達が去った事を確認し、再び先程の話に戻すクラウディア。
「確かに私の髪の色が変わっています。それも昨日よりも青く」
彼が指摘した自らの髪を一束掴むと、毛先の青い部分を皆に見えるように掲げた。
ひゅっ!と誰かが息を飲んだ音だけがダイニングに響く。
「どうしてこうなったか?その原因は私たちが馬車に乗り、ケン様が練習のつもりで放った魔法によるものです」
「そんな。まさか………」
アダンがうわごとのように呟く。
「そのまさか、なのです。アダン貴方も見たでしょう、馬車から放たれた凄まじい光を。あれは上位魔法でなく、ただのピュリフィケーションです」
皆が目にし、原因が未詳のままだった強烈な光。
あの時にクラウディアから静止があり追及出来ていなかったが、騎士隊の一同が気になっていた事だった。
「もうお分かりでしょう、ケン様は聖者なのです」
ガタン!
クラウディアの言に、アダンがイスを倒すような勢いで立ち上がった。
「そ、その判断は時期尚早ではないでしょうか」
結論を出すことを留まるように、焦った声を上げた。
「でもでも、隊長!証拠があるよね?何度僕たちが試しても変わんなかったクラウディア様の髪の色がさ、変わったんだよ?」
成り行きを見ていたアルがもっともな意見でツッコミを入れた。
「何度もやった」
「だよねー!どんなに芽がなさそうな事でも、試したもんね?」
ほとんど口を開くことすらしていなかったウーゴも、短いながらアルを肯定した。
「うむ………」
唸るような声を上げ、次の言葉に継げられないアダン。
「隊長、確かにぽっと出てきたケンがあっさり解決しそうで釈然としないのはわかるけどさ、目的はクラウディア様の呪いを解くことだよね?なら、僕らの事は一旦置いておいて、その目的をまずは達成しようよ?」
「アルに同意するのは癪ですが、その通りです隊長」
ん?という顔で自分の方を見たアルの視線を無視して続けるヘクター。
「クラウディア様の呪いが解けるまででも構いません。彼を受け入れましょう」
淡々とした口調で言い切った彼と、無言で視線を交わすアダン。
「分かった………そうしよう」
考えるまでもないでしょう、と語っているかのようなヘクターの表情に諦めたのか、言いづらい部分を言い切ってくれた二人に後ろめたさを感じたのか、しっかりと間をとって絞り出すように答えた。
「何かめでたし、めでたしみたいな時に悪いけどよ」
しかし、落ち着いた、と思ったところにケンが割って入る。
「この話、何も俺から頼んだ訳じゃねえからな?あんたらの雇い主に頼まれたからやるだけだ」
「なんだと!?」
正論だった。
ただ、このタイミングで言う必要があったかというと、ケンも空気を読んだ方がよかったのかも知れない。
「ケン様、その通りです。あくまで貴方に依頼したのは私で、貴方はそれをお受けくだいました。ですので、このような話の流れになった事はお詫び致します」
「クラウディア様!」
主人の謝罪の言葉に、さらにボルテージが上がるアダン。
「アダン、落ち着きなさい」
優しい口調で静止するクラウディア。
「確かに、ケン様にとっては彼らが今までやってきたことは全く関係ないでしょう。しかし、私の為に努力してくれたのは事実です。それだけ聖魔法を切望していた事だけは知っておいて欲しかったのです」
「は!そうかよ。けど、まぁ、嫌いじゃねえな。熱いやつはよ。あんたの為に下の奴らが必死こいて頑張ってたって訳だろ?あぁ、分かったぜ。少しの間になるだろうが、俺もあんたらの隊に入ってやるよ」
入ってやる、という部分を強調しながらアダンに視線を送るケン。
それを受けた本人は、うぐっと唸り苦い顔を浮かべた。
「ふふ、これはアダンの負けですね。それでは…」
言葉を一旦切って皆を見渡すクラウディア。
「改めて問います。彼、ケン様に私たちの隊に入っていただこうと思っています。いかがでしょうか」
「いぎなーし!」
「異議ありません」
「異議なし」
アル、ヘクター、ウーゴと続けて返事が上がる。
そしてまだ発言していなかった最後の人に視線が集まる。
「アダン、いかがですか?」
柔らかいが、静かな圧を感じる笑みを浮かべていた。
「い…」
「い?」
次は?と首を傾げるクラウディア。
「異議なし!!!」
承諾の声を上げたアダン。
ついに最後の砦も攻略し、全会一致を得たクラウディアは満面の笑顔を浮かべ、それに釣られた周りも一人を残して、笑顔を浮かべたのだった。
上座に案内されたクラウディアの目の前の長机には豪華な食事が並んでいた。
対して少し距離を離した所に騎士達用と思われる食事も置かれていた。
「お!美味そうだな!」
そういえばあの平原に来てから、何も口にしていない事に今更ながら気付いたケンは、沢山の料理を前に強烈な空腹を感じた。
そして誰の勧めもないまま近くの席に勝手に座ると、白いクロスの上に置かれたカトラリーを手にした。
「おい貴様!待たんか!」
ケンの持ったフォークが勢いよくステーキに刺さろうかというところでアダンの制止が入る。
「んだよ?俺は腹が減ってんだ」
「そんな事は貴様の行動を見れば分かる!私はクラウディア様より先に料理に手をつけようとした事を言っているのだ!」
「こまけーおっさんだな」
「なに!?」
ケンが発した悪態に、アダンが青筋を立てて反応した。
「二人とも、待ちなさい」
それを見かねたクラウディアが二人の口論に割り込んだ。
「クラウディア様!」
「おぅ、あんたの部下にバチっと言ってくれや」
それぞれが自分を擁護する言葉を期待してクラウディアの方を向いた。
「ケン様、そのままお召し上がりになって問題ありませんし、私も偉そうにしたくもないところなのですが、一般的には位の高い者が先に料理に手をつけます」
思った回答ではなかったのか、険しい表情でケンがクラウディアのほうを見た。
対するアダンは小さく鼻を鳴らして嫌な笑みを浮かべていた。
「そうかよ。でも、その場合ここじゃあんたか」
「はい、そうなりますね。ですが今日は皆さんもお疲れでしょう。細かい事は気にせず、この美味しそうな食事を楽しみましょう!」
「な!?」
ケンを諭すような説明をしていたクラウディアが急に掌を返して無礼講を宣言した。
ケンが責められるのは当然と思っていたアダンが、鳩が豆鉄砲を食ったような表情になった。
「「よっしゃ~~~!」」
ケンが拳を振り上げて喜びを示したと同時、そこにアルの甲高い声がハモった。
凄まじい勢いで目の前の料理を平らげていく二人を呆れた様子で眺めながら、周囲のメンバーはあくまで上品に、ゆっくりと食事を開始する。
「ケン、食べるね!?」
「お前もな」
ふがふがと言いながら、互いの食べっぷりを賞賛するアルとケン。
「貴様ら、もう少し綺麗に食べられんのか」
クラウディアの発言に勢いを削がれたのだろう、二人の雑な食べ方を見ても小さな声で注意するアダン。
「食べたいように食べるのが一番だよ!」
フォークを鷲掴みしながら満面の笑みを浮かべるアル。
外見も相まって、無邪気な少年か少女のようにしか見えない。
「いいこと言うぜ」
全面的に同意するケン。
「皆さん、食べながらで構いません」
ケンとアルの爆食いが落ち着いたタイミングでクラウディアが口を開いた。
「アルの指摘ではありませんが、彼、ケン様に………」
チラリとケンに視線を送るクラウディア。
「私たちの隊に入っていただこうと思っています」
「やっはひ!!」
「なんと!!!」
即座に反応した二人が大きな声を上げる。
前者がアル、後者がアダンだ。
口に食べ物が満載されていたアルは、急いでそれらを飲み込むと早口で捲し立てた。
「ほら!やっぱりそうじゃん!え?なんでなんで?なんでさっきは否定したの?クラウディア様?」
「いえ、流石にあんな感じに聞かれると………。それに結婚するわけではないですし」
一連の話の下りを思い出したのか、小さな声で呟きながら顔を赤くして俯くクラウディア。
「私は認められませんな」
「なぜです?アダン?」
そこにアダンが低いトーンで否定の声を上げた。
その声に反応しさっと顔を上げると、発言主のほうを見るクラウディア。
ある程度は予測していたのだろう、彼女も落ち着いた様子で聞き返していた。
「当然です。クラウディア様を助けたとはいえ、どこの者かも分からぬ男です。今のこの場を共にしている事も私は完全には認めておりません。先程の、今回の道中を共にする事が最大の譲歩です。ましてやこれから我らの隊に入るなどとても」
「なるほど。アダン、あなたが言うこともか理解できます。しかし…」
「クラウディア様の髪の色が変わっている事も関係する、ですよね?」
それまで口を開かず様子を見ていたヘクターが急に二人の会話に割り込んだ。
「やはりヘクターは気づいていましたか」
「ええ、それは。愛するクラウディア様の事ですから」
さらりと臆面もなくキザな事を言う彼に、驚くでもなく呆れた表情で返すクラウディア。
どうやらこのやりとりは通常運転のようだ。
「んっ!グスタボ、すみませんが…」
ヘクターの発言で場が緩んだタイミングで、クラウディアが仕切り直すように軽く咳払いすると、グスタボに視線を送った。
「承知致しました。皆、下がるように」
状況を察したのか、給仕をしていた者たちに退出を促し、自らもドアのほうに向かうグスタボ。
「また御用がございましたらお呼び下さい」
「分かりました、ありがとうございます」
パタ、と小さくダイニングの分厚いドアが締められた。
「ヘクターの話に戻しますが」
グスタボ達が去った事を確認し、再び先程の話に戻すクラウディア。
「確かに私の髪の色が変わっています。それも昨日よりも青く」
彼が指摘した自らの髪を一束掴むと、毛先の青い部分を皆に見えるように掲げた。
ひゅっ!と誰かが息を飲んだ音だけがダイニングに響く。
「どうしてこうなったか?その原因は私たちが馬車に乗り、ケン様が練習のつもりで放った魔法によるものです」
「そんな。まさか………」
アダンがうわごとのように呟く。
「そのまさか、なのです。アダン貴方も見たでしょう、馬車から放たれた凄まじい光を。あれは上位魔法でなく、ただのピュリフィケーションです」
皆が目にし、原因が未詳のままだった強烈な光。
あの時にクラウディアから静止があり追及出来ていなかったが、騎士隊の一同が気になっていた事だった。
「もうお分かりでしょう、ケン様は聖者なのです」
ガタン!
クラウディアの言に、アダンがイスを倒すような勢いで立ち上がった。
「そ、その判断は時期尚早ではないでしょうか」
結論を出すことを留まるように、焦った声を上げた。
「でもでも、隊長!証拠があるよね?何度僕たちが試しても変わんなかったクラウディア様の髪の色がさ、変わったんだよ?」
成り行きを見ていたアルがもっともな意見でツッコミを入れた。
「何度もやった」
「だよねー!どんなに芽がなさそうな事でも、試したもんね?」
ほとんど口を開くことすらしていなかったウーゴも、短いながらアルを肯定した。
「うむ………」
唸るような声を上げ、次の言葉に継げられないアダン。
「隊長、確かにぽっと出てきたケンがあっさり解決しそうで釈然としないのはわかるけどさ、目的はクラウディア様の呪いを解くことだよね?なら、僕らの事は一旦置いておいて、その目的をまずは達成しようよ?」
「アルに同意するのは癪ですが、その通りです隊長」
ん?という顔で自分の方を見たアルの視線を無視して続けるヘクター。
「クラウディア様の呪いが解けるまででも構いません。彼を受け入れましょう」
淡々とした口調で言い切った彼と、無言で視線を交わすアダン。
「分かった………そうしよう」
考えるまでもないでしょう、と語っているかのようなヘクターの表情に諦めたのか、言いづらい部分を言い切ってくれた二人に後ろめたさを感じたのか、しっかりと間をとって絞り出すように答えた。
「何かめでたし、めでたしみたいな時に悪いけどよ」
しかし、落ち着いた、と思ったところにケンが割って入る。
「この話、何も俺から頼んだ訳じゃねえからな?あんたらの雇い主に頼まれたからやるだけだ」
「なんだと!?」
正論だった。
ただ、このタイミングで言う必要があったかというと、ケンも空気を読んだ方がよかったのかも知れない。
「ケン様、その通りです。あくまで貴方に依頼したのは私で、貴方はそれをお受けくだいました。ですので、このような話の流れになった事はお詫び致します」
「クラウディア様!」
主人の謝罪の言葉に、さらにボルテージが上がるアダン。
「アダン、落ち着きなさい」
優しい口調で静止するクラウディア。
「確かに、ケン様にとっては彼らが今までやってきたことは全く関係ないでしょう。しかし、私の為に努力してくれたのは事実です。それだけ聖魔法を切望していた事だけは知っておいて欲しかったのです」
「は!そうかよ。けど、まぁ、嫌いじゃねえな。熱いやつはよ。あんたの為に下の奴らが必死こいて頑張ってたって訳だろ?あぁ、分かったぜ。少しの間になるだろうが、俺もあんたらの隊に入ってやるよ」
入ってやる、という部分を強調しながらアダンに視線を送るケン。
それを受けた本人は、うぐっと唸り苦い顔を浮かべた。
「ふふ、これはアダンの負けですね。それでは…」
言葉を一旦切って皆を見渡すクラウディア。
「改めて問います。彼、ケン様に私たちの隊に入っていただこうと思っています。いかがでしょうか」
「いぎなーし!」
「異議ありません」
「異議なし」
アル、ヘクター、ウーゴと続けて返事が上がる。
そしてまだ発言していなかった最後の人に視線が集まる。
「アダン、いかがですか?」
柔らかいが、静かな圧を感じる笑みを浮かべていた。
「い…」
「い?」
次は?と首を傾げるクラウディア。
「異議なし!!!」
承諾の声を上げたアダン。
ついに最後の砦も攻略し、全会一致を得たクラウディアは満面の笑顔を浮かべ、それに釣られた周りも一人を残して、笑顔を浮かべたのだった。
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