上 下
100 / 109

第100話 人面犬の概要

しおりを挟む
「大量経験値獲得だな。」

「うんうん、凄いね!ソフィアさんと骸骨さんのおかげだね!」

現在は、とある事情によりレベル上げを中断しているが、
信之達はメタルエリアでかなり効率よくレベルを上げることが出来ている。

効率が良くなった要因の一つとしては、死の支配者のメタルエンチャントだ。
これによって全員がメタル系のスライムを倒せるようになった。

更にもう一つの要因がソフィアの新スキル魅了する芳香チャームフレグランスだ。

魅了する芳香は、使用することで任意のモンスターが好む匂いを放つことが出来る。
そのスキルを使用して、メタル系が好む匂いを放ったところ、とてつもない数のメタルエンペラーが集まった。

「魅了する芳香の効果は凄かったわね。どこから湧いてくるのって思うくらいの数のメタルエンペラーが現れたものだから…。」

「凄い食いつきだったよな。まるで発情期の雄たちが雌を取り合うかのような様子だったぞ。」

「変な表現はやめてくれるかしら?…それにしても発情期ね…。これを信に使ったら面白くなりそうね…。」

「断固拒否だからな!?」

「むむ…。その時は信くんの嗅覚を死滅させないと…。」

「イリスが恐ろしいこと言っているんだが!?」

イリスの言葉に信之の背筋が凍る。

「わふっ、わふっ!」

信之が冷や汗を流していると、モルが信之の服を噛んで引っ張る。

「お、そうだったな。モルが進化できるんだった。」

レベル上げによってモルのレベルが最大に上昇し、進化が可能となったのだ。

「もっともふもふになるかな~?」

「…楽しみですね。」

「よし、進化してみるか。っと、そうか。モルの場合は進化先がいくつかあるんだったな。見てみよう。」

ーーーーーーー
以下の進化が可能です。
・キラードッグ
・クー・シー (希少種)
・狛犬
・人面犬
ーーーーーーー

信之は進化先がいくつかあることを皆に伝える。

「前回は進化先が三つだったけど、今回はひとつ増えてるね!」

「一つ増えてはいるが、また出てきた人面犬は絶対に選ばないからな。」

何度も出てくる人面犬に、信之は意地でも選ばないことを決意する。

「ねえ、これって進化先がどのような種族なのか、進化する前に概要を見れないのかしら?」

ふと気になったソフィアは信之に確認する。

「ん?そういえばそうだな。ちょっと確認してみる…。お!見れそうだな!」

ーーーーーーー
(名)
キラードッグ

(概要)
凶悪で残忍な性格をしている
自身より弱い相手と戦闘し、時間をかけて相手をいたぶって殺す
自身より強い相手と対峙した場合は、一目散に逃げる
ーーーーーーー

「うん…絶対無いな、これは。」

「そんなモルちゃん絶対ヤダよ!」

「そうね…。これは無いわね。」

一致団結でキラードッグの選択肢が消えた。

「次は、クー・シーだな。聞いたことのない種族だな。」


ーーーーーーー
(名)
クー・シー (希少種)

(概要)
犬の妖精といわれる種族
通常のクー・シーは全身に長い暗緑色の毛を生やし、長い尾を持っており、牛並みに大きな犬だが、希少種は銀色の毛を生やし大きさを自由に変える能力を持っている

通常のクー・シーよりも魔力量が非常に高く、近接戦闘も遠距離での戦闘もそつなくこなせる万能な種族

マイペースな性格をしており、良く寝る
ーーーーーーー

「これ良さそう~!」

「…お姉ちゃんと同意見です。」

「俺も良いと思う。いったんこれは最有力候補にしよう。次は、狛犬だな。」

ーーーーーーー
(名)
狛犬

(概要)
獅子にも似ているといわれる種族
魔を祓う能力を持っており、魔族に対して天敵となる。
少々恐ろしい容貌をしているが、性格は比較的おとなしい
ーーーーーーー

「魔を祓う能力というのが気になるな。かなり尖った能力を持っていそうだ。」

「私は却下よ。」

「私も!」

「ん?どうしてだ?」

信之はソフィアとイリスに狛犬を却下した理由を聞く。

「信くん!モルちゃんは女の子だよ?女の子を恐ろしい容貌にさせちゃダメだよ!」

隣でウンウンと頷くソフィア。

「そうか…。確かにそうだな。そんな容貌にさせるのはかわいそうだな。」

信之もその考えに賛同するが、少し含みのある言い方をする。

「そういえば、イリス。モルの命名式の際に女の子であるモルにゴン太という名前を付けようとしたな?」

「あ、あれは違うよ!!その時は女の子だって知らなかったからノーカンだよッ!!」

動揺して両手を振ってあたふたするイリス。

「…イリス姉さん、女の子と知った後もゴン美っていう変な名前にしようとしていましたよね。」

「言ってた~!」

「え?ゴン美はかわいいよね?」

「「「…」」」

イリスの発言に言葉を失う一同。

「…さ、じゃあモルの次の進化先はクー・シーだな。」

信之は今の会話は無かった事にして、モルの進化を開始させようとする。

「あら、人面犬は見ないの?」

「人面犬に進化することは無いから見る必要が無いだろう…。」

ソフィアは人面犬の概要を気になっているようだが、信之としては進化先の選択肢としてすでに外れている人面犬の概要を見る気にはなれなかった。

「でも見るだけなら何も問題はないでしょう?」

「まぁ、そうだが…。」

「私も見たい!」

「…僕も見てみたいです。」

「…わかった、見てみるか。」

ソフィアのいう通り、見るだけなら特段問題は無い。
イリスたちも人面犬の概要を知りたそうにしていたので、信之は人面犬の概要を確認した。

ーーーーーーー
(名)
人面犬

(概要)
人の顔を持つ犬
人面犬となった場合、性別に関係なくオッサンのような顔となる
前足、後ろ脚は人間の腕と足となる

極めて面倒くさがりで、数十メートル歩くことすら嫌がる
人の言葉を話すことが出来る
ーーーーーーー

「これは…ひどいわね。」

「…これは、進化と言えるのでしょうか…。」

「オッサン…女の子なのにオッサンは不憫すぎるよ!」

「なんとなくこんなのだろうとは察していたさ…。さぁ、クー・シーに進化させようか。」

人面犬の話をすると気持ちが萎えそうになった信之は、モルをクー・シーに進化することにした。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

俺のスキル『性行為』がセクハラ扱いで追放されたけど、実は最強の魔王対策でした

宮富タマジ
ファンタジー
アレンのスキルはたった一つ、『性行為』。職業は『愛の剣士』で、勇者パーティの中で唯一の男性だった。 聖都ラヴィリス王国から新たな魔王討伐任務を受けたパーティは、女勇者イリスを中心に数々の魔物を倒してきたが、突如アレンのスキル名が原因で不穏な空気が漂い始める。 「アレン、あなたのスキル『性行為』について、少し話したいことがあるの」 イリスが深刻な顔で切り出した。イリスはラベンダー色の髪を少し掻き上げ、他の女性メンバーに視線を向ける。彼女たちは皆、少なからず戸惑った表情を浮かべていた。 「……どうしたんだ、イリス?」 アレンのスキル『性行為』は、女性の愛の力を取り込み、戦闘中の力として変えることができるものだった。 だがその名の通り、スキル発動には女性の『愛』、それもかなりの性的な刺激が必要で、アレンのスキルをフルに発揮するためには、女性たちとの特別な愛の共有が必要だった。 そんなアレンが周りから違和感を抱かれることは、本人も薄々感じてはいた。 「あなたのスキル、なんだか、少し不快感を覚えるようになってきたのよ」 女勇者イリスが口にした言葉に、アレンの眉がぴくりと動く。

NTRエロゲの世界に転移した俺、ヒロインの好感度は限界突破。レベルアップ出来ない俺はスキルを取得して無双する。~お前らNTRを狙いすぎだろ~

ぐうのすけ
ファンタジー
高校生で18才の【黒野 速人】はクラス転移で異世界に召喚される。 城に召喚され、ステータス確認で他の者はレア固有スキルを持つ中、速人の固有スキルは呪い扱いされ城を追い出された。 速人は気づく。 この世界、俺がやっていたエロゲ、プリンセストラップダンジョン学園・NTRと同じ世界だ! この世界の攻略法を俺は知っている! そして自分のステータスを見て気づく。 そうか、俺の固有スキルは大器晩成型の強スキルだ! こうして速人は徐々に頭角を現し、ハーレムと大きな地位を築いていく。 一方速人を追放したクラスメートの勇者源氏朝陽はゲームの仕様を知らず、徐々に成長が止まり、落ちぶれていく。 そしてクラス1の美人【姫野 姫】にも逃げられ更に追い込まれる。 順調に強くなっていく中速人は気づく。 俺達が転移した事でゲームの歴史が変わっていく。 更にゲームオーバーを回避するためにヒロインを助けた事でヒロインの好感度が限界突破していく。 強くなり、ヒロインを救いつつ成り上がっていくお話。 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』 カクヨムとアルファポリス同時掲載。

分析スキルで美少女たちの恥ずかしい秘密が見えちゃう異世界生活

SenY
ファンタジー
"分析"スキルを持って異世界に転生した主人公は、相手の力量を正確に見極めて勝てる相手にだけ確実に勝つスタイルで短期間に一財を為すことに成功する。 クエスト報酬で豪邸を手に入れたはいいものの一人で暮らすには広すぎると悩んでいた主人公。そんな彼が友人の勧めで奴隷市場を訪れ、記憶喪失の美少女奴隷ルナを購入したことから、物語は動き始める。 これまで危ない敵から逃げたり弱そうな敵をボコるのにばかり"分析"を活用していた主人公が、そのスキルを美少女の恥ずかしい秘密を覗くことにも使い始めるちょっとエッチなハーレム系ラブコメ。

転生した体のスペックがチート

モカ・ナト
ファンタジー
とある高校生が不注意でトラックに轢かれ死んでしまう。 目覚めたら自称神様がいてどうやら異世界に転生させてくれるらしい このサイトでは10話まで投稿しています。 続きは小説投稿サイト「小説家になろう」で連載していますので、是非見に来てください!

一般職アクセサリーショップが万能すぎるせいで、貴族のお嬢様が嫁いできた!〜勇者や賢者なんていりません。アクセサリーを一つ下さい〜

茄子の皮
ファンタジー
10歳の男の子エルジュは、天職の儀式で一般職【アクセサリーショップ】を授かる。街のダンジョンで稼ぐ冒険者の父カイルの助けになるべく、スキルアップを目指すが、街全体を巻き込む事態に? エルジュが天職【アクセサリーショップ】で進む冒険物語。

30年待たされた異世界転移

明之 想
ファンタジー
 気づけば異世界にいた10歳のぼく。 「こちらの手違いかぁ。申し訳ないけど、さっさと帰ってもらわないといけないね」  こうして、ぼくの最初の異世界転移はあっけなく終わってしまった。  右も左も分からず、何かを成し遂げるわけでもなく……。  でも、2度目があると確信していたぼくは、日本でひたすら努力を続けた。  あの日見た夢の続きを信じて。  ただ、ただ、異世界での冒険を夢見て!!  くじけそうになっても努力を続け。  そうして、30年が経過。  ついに2度目の異世界冒険の機会がやってきた。  しかも、20歳も若返った姿で。  異世界と日本の2つの世界で、  20年前に戻った俺の新たな冒険が始まる。

異世界転生してしまったがさすがにこれはおかしい

増月ヒラナ
ファンタジー
不慮の事故により死んだ主人公 神田玲。 目覚めたら見知らぬ光景が広がっていた 3歳になるころ、母に催促されステータスを確認したところ いくらなんでもこれはおかしいだろ!

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

処理中です...