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第24話 秘密を話しました。

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「ん~!おいひぃ!」

信之は、イリスとご飯を食べに来ていた。
ワイトを倒した時の時間帯が丁度ご飯時という事で祝勝会を行っている。
因みに部屋は完全個室となっているため、周りにイリスの事はバレていない。

「ここのお店の料理凄く美味しいっ!!流石は星3つのお店!」

「んだね。本当に美味いな。これなら毎日通いたくなる。」

「ま、毎日は難しいんじゃないかな?凄く高そうだよ?」

(そういえば、イリスは俺が経験値の間に行っていて、お金を稼いでいる事を知らないのか。)

信之は、イリスにネックレスについて話すことを決意する。

「お金なら持ってるよ。俺はこのネックレスで経験値やお金を獲得することができるから。」

「え!?経験値を獲得できるの?…あれ?ネックレスってなんの事?」

「ん?このネックレスだよ。」

信之は誘いの門鍵が見やすいように手に取ってイリスに見せる。

「ふぇ?何も…見えないよ?」

「え?マジ?もしかして、俺にしか見えない?」

どうやらネックレスは、信之にしか見えないようだ。

「信くんにしか見えないネックレス?どんな効果があるの?」

「えっと…」

信之はネックレスを使用することで、経験値の間に行ける事や、そこでの出来事を話した。

「信くん、凄いね!それすっごいレアアイテムだよ!」

「いや、落ちてたものを拾って使用してるから、犯罪っちゃ犯罪何だけどね…。」

「え?でも、それって信くんにしか見えてないんだよね?それなら信くん専用のアイテムだったって事じゃない?」

「…あ。」

考えてみたらおかしい。信之は仕事からの帰り道でこのネックレスを見つけた。

見つけた場所は人が通る道だし、ネックレスも光り輝いていた。普通に考えれば、他の人が取っていたり、警察に届けていたりしているはずだ。

「そのネックレスに選ばれるとか、適性がある人じゃないと見えないとかなのかな?」

「なるほど、それも有り得るな…。」

信之が考え込んでいると、久々にシステム音が聞こえた。

ーーーーー
装備者である平信之が、誘いの門鍵の効果を話した事を確認。
話を聞いた神谷イリスに対して、【コントラクト】が可能です。

【コントラクト】
以下いずれか、又は複数を選択し、その契約を強制で行う事が可能。
・話した相手に対し誘いの門鍵における外部への情報流出不可
・平信之への裏切り行為不可
・話した相手への誘いの門鍵の可視化
・話した相手を経験値の間へ【招待】


【招待】
招待を可とする場合、以下のコントラクトが必須となります。

・話した相手に対し誘いの門鍵における外部への情報流出不可
・平信之への裏切り行為不可

招待を可とした場合、招待する対象へ以下の制限が発生します。

招待1人目:
     モンスターを倒した際の獲得経験値80%
招待2~5人目:
     モンスターを倒した際の獲得経験値50%
招待6人目以降:
     モンスターを倒した際の獲得経験値30%

なお、誘いの門鍵装備者においては、モンスターを倒した際の獲得経験値に変更は無く100%です。

また、階層守護者を誘いの門鍵装備者以外が倒した場合、特典は装備者に贈呈されます。
ーーーーー

久方ぶりの情報過多…。

ひとつずつ情報を整理していこう。
まず、どうやら誘いの門鍵の情報を誰かに話すことで、話した相手に対して5つの制限、もしくは権限を与える事ができるようだ。

・話した相手に対し誘いの門鍵における外部への情報流出不可

これは、「制限」となるようだ。
話を聞いた相手が、場合によっては他の人へと情報を流す可能性がある。それをどうやってかは分からないが、不可とする事を「強制的に」契約することが出来る。という事だ。

・平信之への裏切り行為不可

これも「制限」となる。
これはどのような事を行った際に、裏切り行為となるかが不明だが、とりあえず俺を裏切ることが出来ないということだろう。

・話した相手への誘いの門鍵の可視化

これは「権限」であると考えられる。
必要かは分からないが、誘いの門鍵は現在自分自身にしか見えていないようなので、見せたい場合に可視化をすることができるということだと思う。

・話した相手を経験値の間へ【招待】

これも「権限」となる。
招待は非常に待望していた機能だ。これがあればイリスを経験値の間へ連れていくことができる。
ただし注意点が3点あって、イリスには、

・誘いの門鍵に関する情報の流出不可は不可となる事。
・平信之への裏切り行為不可
・メタル系のモンスターを倒した際に獲得できる経験値が20%下がってしまう事。

これらの「制限」が発生するという事だ。

あとは、
・階層守護者を誘いの門鍵装備者以外が倒した場合、特典は装備者に贈呈
これについても一応は「制限」と考えられる。

信之は、整理した内容をイリスに伝える。
イリスがもし仮に制限について特に問題は無い、という事であればイリスを経験値の間へ連れていきたい。
何せ経験値が美味すぎるから…。

「え!?連れて行ってもらえるの!?行く!行かせてください!」

「その代わり、情報流出不可とか裏切り不可の契約をする事になるよ?」

「全然問題ないよっ!信くんのネックレスの事他の人に話そうなんて思わないし、信くんを裏切る事なんて絶対無いもん!!…私の王子様なんだから(ボソッ)」

「ん?最後なんて?」

「う、ううん!なんでもないよっ!」

イリスは顔を赤らめて大袈裟に両手を振る。

「そっか。あ、ネックレスの可視化はどうする?」

信之は気にしない事にして、話を進める。

「あ、うん、見えるようにして欲しいかな…。」

聞こえなかったのが、少しほっとしたところもあり、少し残念でもあるイリス。

「それにしても嬉しいよ。絶対裏切らないって言ってくれるのは。…よし!コントラクトしてみよっか!」


コントラクトを使用すると、信之の座っている地面に魔法陣が出現する。

ーーーーー
神谷イリスにコントラクトを使用した場合、以下が適用されます。

・話した相手に対し誘いの門鍵における外部への情報流出不可
・平信之への裏切り行為不可
・話した相手への誘いの門鍵の可視化
・話した相手を経験値の間へ【招待】
・招待1人目:
     モンスターを倒した際の獲得経験値80%

神谷イリスに対し、コントラクトを使用しますか?
ーーーーー

信之は心の中で肯定すると、イリスの地面も同様に魔法陣が出現する。
魔法陣は光り輝くと直ぐに消えた。

ーーーーー
神谷イリスへのコントラクトが正常に実施されました。
以降、神谷イリスは経験値の間へ向かうことができます。
なお、経験値の間へ向かう際は、平信之の同行が必須条件となります。
ーーーーー

「上手く行ったな。経験値の間へは、俺が必須か。まあ、装備してるのは俺だから当然か。」

「私にもシステム音聞こえたよっ!あ!信くんのネックレス見れたぁ!…なんか…その…えっと、独特…だねっ?」


やはりネックレスの評価は宜しくないようだ。





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