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第20話 ゾンビはゾンビらしくゾンビしていてほしい
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狩り場所の候補はすぐに見つかった。
京都の比叡山や、屋久島、淡路島などだ。
そこはそれなりにゴブリンの数も多いようで狩りがしやすそうなのだが、残念ながらニュースとなっており、騒ぎになっているようだ。
「騒ぎになっているってことは、監視とかあるよな…。となると別のところの方がいいか。」
自分だけなら魔装召喚スキルがあるので問題は無いが、イリスがレベル上げをしているところを見られたら目も当てられない。信之は別の場所を探す。
「んー、無人島とかどうだろう。そこなら基本誰もいないし、いないってことはゴブリンが巣食っていそうだ。」
早速信之は、スマホで無人島を探す。
調べてみると関西の方に無人島があるようだ。
「よし、下見に行ってみよう。」
信之は無人島へテレポートした。
無人島に着いた信之はすぐに鼻を塞いだ。
「くっさーーーーー!!おぇっ…。」
とてつもない臭いに嗚咽する。
これは何かが腐った臭い…腐臭だ。
「う…ぷ、え、エリアクリーン!」
信之はエリアクリーンを発動した。
エリアクリーンは周りの空気を清浄する魔法だ。
範囲は込めた魔力で変わるのだが、信之は本気で魔力を込めた。
「はあ、はあ、死ぬかと思った…。レベルが上がって結構強くなったつもりだったけど、まさか腐臭で瀕死になるとは思わなかった…。」
九死に一生を得た信之は探知魔法を使用する。
「ん?この感覚、ゴブリンじゃない?腐臭が凄いとなると…あ、なんか考えたくなくなってきた…。」
思考を停止しようとした信之だったが、状況はそうはさせてくれなかった。
「あ…近くにいる…。」
そう呟いた瞬間
がさっ。
音がした方に振り返ると目の前には、骨が見え、肌は紫色となっている人だったものが歩いてきた。
「ここはアンデッド系がポップするのか。こいつはゾンビ…かな?」
ゾンビは信之を見つけると…
ダッシュで襲いかかってきた!!
「ひぃいいいいいいいーー!」
信之は今まで出したことの無い声を上げながら、雷属性中位の魔法サンダーブレードを発動する。
上空から雷の大きな剣が落ちとてつもない轟音が鳴り響く。
それだけでは終わらず、落ちた雷の剣は周りを感電させていく。
剣が落ちた時点でゾンビは炭と化している。ゾンビに対してサンダーブレードは過剰な魔法であったのだが、恐慌に陥った信之はそんなことは考えられなかった。
「こ、怖かった…。ゾンビって普通ゆったり来るよね!?走らないよね!?そんなん聞いてないよ!走ってくるゾンビなんてゾンビじゃないよ!?」
誰がいる訳でもない無人島で信之は愚痴る。
「ふぅ…まあいいや。気を取り直してあたりを調査しようかな。ゾンビが走るというのが予め分かっているのなら怖くないしな。」
ある程度散策してわかった事としては、今回モンスターの種類は複数いることだ。
・ゾンビ
・スケルトン
・ゴースト
・ワイト
の計4種類で、しっかりここはアンデッドダンジョンだった。
先程戦ったゾンビは、ゴブリンよりもステータスが高そうだ。
スケルトンはロングソードを持っており、武器に気をつけていれば問題はなさそうだった。
(ゾンビとスケルトンは同じくらいの強さだったな。スケルトンの方がばっちくなさそう。)
鑑定の概要のような言葉を使用する信之は知らぬ間に毒されている。
ゴーストは曲者だ。物理攻撃が効かないし、物をすり抜けて現れる為、探知魔法が無いとなかなか骨が折れる。
しかし、攻撃系の魔法と探知魔法があれば全く問題は無い。
ワイトはここのボスモンスターのようだ。
ボスがいるということは、ここはダンジョンのようだ。
イリスに教えれば喜んでくれるだろう。
もちろん、アンデッド系のモンスターが出るということは伏せておく信之(悪い笑み)
「さて、イリスに教えてあげよう。きっと喜ぶぞー!」
まるで、面白いおもちゃを見つけた時のようなテンションで帰っていく信之。
そして…
「ぴぇえええええええええーーーー!」
走るゾンビを見たイリスは、人が生きていく上で発する事が無いような言葉を出しながら、今持つ最強の魔法を放つ。
そのさまを見た信之は、「そうだよな。そうなるよな。」とでも言うかのように頷きながら、ゾンビが消し炭となるのを見届ける。
「ぞ、ゾンビが走るなんてルール違反だと思わない!?」
「イリス…わかる、わかるぞ!その気持ち!」
「だよね!!……でさぁ信くん、もしかしてそれを共感して欲しくて、私に走るゾンビがいる事を教えなかった。ナンテコト…ナイヨネ?」
「ぴっ」
イリスからとてつもない殺気を感じた。
そうか…これがプレッシャーか…。
その場は何とか許してもらえた。
しかし、「次は無いですよ?」といった時のイリスの目のハイライトは消えており、流石の信之もこの手のいたずらはもう止めようと反省した。
あの目だけでゴブリン30体くらいはやれるほどだった。
(いつの間にか邪眼系のスキルとってたんかな…?)
京都の比叡山や、屋久島、淡路島などだ。
そこはそれなりにゴブリンの数も多いようで狩りがしやすそうなのだが、残念ながらニュースとなっており、騒ぎになっているようだ。
「騒ぎになっているってことは、監視とかあるよな…。となると別のところの方がいいか。」
自分だけなら魔装召喚スキルがあるので問題は無いが、イリスがレベル上げをしているところを見られたら目も当てられない。信之は別の場所を探す。
「んー、無人島とかどうだろう。そこなら基本誰もいないし、いないってことはゴブリンが巣食っていそうだ。」
早速信之は、スマホで無人島を探す。
調べてみると関西の方に無人島があるようだ。
「よし、下見に行ってみよう。」
信之は無人島へテレポートした。
無人島に着いた信之はすぐに鼻を塞いだ。
「くっさーーーーー!!おぇっ…。」
とてつもない臭いに嗚咽する。
これは何かが腐った臭い…腐臭だ。
「う…ぷ、え、エリアクリーン!」
信之はエリアクリーンを発動した。
エリアクリーンは周りの空気を清浄する魔法だ。
範囲は込めた魔力で変わるのだが、信之は本気で魔力を込めた。
「はあ、はあ、死ぬかと思った…。レベルが上がって結構強くなったつもりだったけど、まさか腐臭で瀕死になるとは思わなかった…。」
九死に一生を得た信之は探知魔法を使用する。
「ん?この感覚、ゴブリンじゃない?腐臭が凄いとなると…あ、なんか考えたくなくなってきた…。」
思考を停止しようとした信之だったが、状況はそうはさせてくれなかった。
「あ…近くにいる…。」
そう呟いた瞬間
がさっ。
音がした方に振り返ると目の前には、骨が見え、肌は紫色となっている人だったものが歩いてきた。
「ここはアンデッド系がポップするのか。こいつはゾンビ…かな?」
ゾンビは信之を見つけると…
ダッシュで襲いかかってきた!!
「ひぃいいいいいいいーー!」
信之は今まで出したことの無い声を上げながら、雷属性中位の魔法サンダーブレードを発動する。
上空から雷の大きな剣が落ちとてつもない轟音が鳴り響く。
それだけでは終わらず、落ちた雷の剣は周りを感電させていく。
剣が落ちた時点でゾンビは炭と化している。ゾンビに対してサンダーブレードは過剰な魔法であったのだが、恐慌に陥った信之はそんなことは考えられなかった。
「こ、怖かった…。ゾンビって普通ゆったり来るよね!?走らないよね!?そんなん聞いてないよ!走ってくるゾンビなんてゾンビじゃないよ!?」
誰がいる訳でもない無人島で信之は愚痴る。
「ふぅ…まあいいや。気を取り直してあたりを調査しようかな。ゾンビが走るというのが予め分かっているのなら怖くないしな。」
ある程度散策してわかった事としては、今回モンスターの種類は複数いることだ。
・ゾンビ
・スケルトン
・ゴースト
・ワイト
の計4種類で、しっかりここはアンデッドダンジョンだった。
先程戦ったゾンビは、ゴブリンよりもステータスが高そうだ。
スケルトンはロングソードを持っており、武器に気をつけていれば問題はなさそうだった。
(ゾンビとスケルトンは同じくらいの強さだったな。スケルトンの方がばっちくなさそう。)
鑑定の概要のような言葉を使用する信之は知らぬ間に毒されている。
ゴーストは曲者だ。物理攻撃が効かないし、物をすり抜けて現れる為、探知魔法が無いとなかなか骨が折れる。
しかし、攻撃系の魔法と探知魔法があれば全く問題は無い。
ワイトはここのボスモンスターのようだ。
ボスがいるということは、ここはダンジョンのようだ。
イリスに教えれば喜んでくれるだろう。
もちろん、アンデッド系のモンスターが出るということは伏せておく信之(悪い笑み)
「さて、イリスに教えてあげよう。きっと喜ぶぞー!」
まるで、面白いおもちゃを見つけた時のようなテンションで帰っていく信之。
そして…
「ぴぇえええええええええーーーー!」
走るゾンビを見たイリスは、人が生きていく上で発する事が無いような言葉を出しながら、今持つ最強の魔法を放つ。
そのさまを見た信之は、「そうだよな。そうなるよな。」とでも言うかのように頷きながら、ゾンビが消し炭となるのを見届ける。
「ぞ、ゾンビが走るなんてルール違反だと思わない!?」
「イリス…わかる、わかるぞ!その気持ち!」
「だよね!!……でさぁ信くん、もしかしてそれを共感して欲しくて、私に走るゾンビがいる事を教えなかった。ナンテコト…ナイヨネ?」
「ぴっ」
イリスからとてつもない殺気を感じた。
そうか…これがプレッシャーか…。
その場は何とか許してもらえた。
しかし、「次は無いですよ?」といった時のイリスの目のハイライトは消えており、流石の信之もこの手のいたずらはもう止めようと反省した。
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