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第2話 レベルの概念とおデブの卒業
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「ここは…。」
気が付くと、青い空、白い雲、緑の草原の中に信之はいた。
時間としては、仕事帰りだったので、夜だったはず。そう考え携帯を確認してみる。
「時間は19時30分。やっぱり時間は夜のはずだよな。なんで青空…しかも圏外か…。」
奇妙な光景に頭が追いつかないが、とりあえずあてもなく歩いてみることにした。
「あれ?箱?」
草原にぽつんと木箱を見つけた。
明らかに不自然ではあったが、こんなところに転送した時点で不自然が過ぎるので、信之は何も考えずに木箱を開けてみる。
「これは…剣か…?」
木箱には、鈍色の剣が置かれていた。
「業物だったり?銘とかあるのかな?」
どんな剣か知りたいと考えながら剣を見つめていると、目の前に情報が映し出された。
ーーーーーーー
(名)
メタルハントショートソード
(概要)
メタル物質を切り裂くのに特化した短めの剣
ーーーーーーー
「うおっ、なんぞ?!」
信之は突然目の前に出現した文字に驚くが、直ぐに先程手に入れた「鑑定」のスキルが発動したのではないかと考えた。
「…発動した条件は、この剣を知りたいと考えたから…か?」
信之は「鑑定」で映し出された文字を閉じようと考えたところ、想定通り文字は消えたことを確認した。また、再度剣について情報が欲しいと念じると目の前に情報が映し出されることも確認した。
「なるほど、鑑定の使い方がわかったな。スキルは全て念じて使えるのだろうか…。あ、自分を鑑定することもできるかな?鑑定出来れば、自分のステータスを見ることが出来るかもしれない。」
そう考えた信之は、自分に対して「鑑定」スキルを発動した。
ーーーーーーー
(名)
平信之
(概要)
ただのデブ。取り柄なし。
ーーーーーーー
…ここ数年で1番傷ついた。
自分のステータスが確認できないと分かり、信之は周りを探索することにした。
「石ころひとつなく、1面草だから、足を怪我せずに済みそうだ。」
信之は家の中でこのフィールドに転送されたため、靴を履いていなかった。もし再度転送できるようであれば、靴を履いてから行こうと決意を固める信之であった。
「ん?何か動いてる?」
東西南北どちらに向かっているか分からない中を歩いていると、目の前に鈍色の液状の物体が動いているのが見えた。
「何となく…名前がわかる気がする…某ゲームに出てきそうな名前な気がするけど…。一応鑑定してみるか。」
「鑑定」を使用してみる。
ーーーーーーー
(名)
メタルスライム
(概要)
メタル物質のスライム。とてつもない硬さであり、通常の武器では全くダメージを与えられない。
ただし、メタルスライムも攻撃できない。
何故か大量の経験値を保有しているため、メタルスライムを倒せるものにとっては絶好の獲物となる。
ーーーーーーー
「やっぱりお前かー!?…あれ、もしかして拾った剣でやれちゃう??」
信之は先程手に入れたメタルハントショートソードを構え、メタルスライムへと近づいた。
「鑑定では攻撃してこないって書いてあったし、やってみるか…。この丸いの狙えばいいのか?…おらぁ!!」
メタルスライムの中に光る丸い物質に対して、信之は剣を刺した。
丸い物質は砕け散り、メタルスライムは黒っぽい煙を出しながら、蒸発していく。
ーーーーーーー
メタルスライムを倒しました。
経験値を取得しました。
平信之のレベルが10上がりました。
平信之が初めてレベル上昇をしたため、ステータスを獲得しました。以降、ステータスと念じることで自身の能力の確認が可能です。
ーーーーーーー
「うお、レベルなんてあるのか…しかもステータスを確認できる?…なるほど、鑑定では能力の確認はできず、ステータスと念じて能力を確認するのか…。めんどくさ…統合してよ…。」
文句を言いながらも信之はステータスを確認する。
ーーーーーーー
平信之
Lv 1/10 →10
HP 30 →80
MP 5 →30
ATK 5(70) →30(95)
DEF 1 →15
INT 2 →18
AGI 1 →10
ーーーーーーー
「初期能力ひっっく!!矢印が上がったあとの能力値か。それにしてもレベルアップってやばくないか?攻撃力が6倍になってる…これ現実世界で考えたら脅威だよな…。括弧内の数値は剣と素の攻撃力の合計かな?」
ステータスの数値について、粗方理解ができたとき、脳内に音声が入って来た。
ーーーーーーー
レベル上限に達しました。
進化が可能です。
進化先は以下です。
・デブを卒業せし凡人(筋肉質)
進化を開始しますか?
ーーーーーーー
「絶対バカにしてやがる…!!!
でも、進化したらデブ卒業できるのかな…?」
信之はデブが卒業できるならばと、バカにされたことを直ぐに忘れて肯定する。
ーーーーーーー
進化の承認を確認。
進化を開始します。
ーーーーーーー
その瞬間、信之の意識は絶たれた。
気が付くと、青い空、白い雲、緑の草原の中に信之はいた。
時間としては、仕事帰りだったので、夜だったはず。そう考え携帯を確認してみる。
「時間は19時30分。やっぱり時間は夜のはずだよな。なんで青空…しかも圏外か…。」
奇妙な光景に頭が追いつかないが、とりあえずあてもなく歩いてみることにした。
「あれ?箱?」
草原にぽつんと木箱を見つけた。
明らかに不自然ではあったが、こんなところに転送した時点で不自然が過ぎるので、信之は何も考えずに木箱を開けてみる。
「これは…剣か…?」
木箱には、鈍色の剣が置かれていた。
「業物だったり?銘とかあるのかな?」
どんな剣か知りたいと考えながら剣を見つめていると、目の前に情報が映し出された。
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(名)
メタルハントショートソード
(概要)
メタル物質を切り裂くのに特化した短めの剣
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「うおっ、なんぞ?!」
信之は突然目の前に出現した文字に驚くが、直ぐに先程手に入れた「鑑定」のスキルが発動したのではないかと考えた。
「…発動した条件は、この剣を知りたいと考えたから…か?」
信之は「鑑定」で映し出された文字を閉じようと考えたところ、想定通り文字は消えたことを確認した。また、再度剣について情報が欲しいと念じると目の前に情報が映し出されることも確認した。
「なるほど、鑑定の使い方がわかったな。スキルは全て念じて使えるのだろうか…。あ、自分を鑑定することもできるかな?鑑定出来れば、自分のステータスを見ることが出来るかもしれない。」
そう考えた信之は、自分に対して「鑑定」スキルを発動した。
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(名)
平信之
(概要)
ただのデブ。取り柄なし。
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…ここ数年で1番傷ついた。
自分のステータスが確認できないと分かり、信之は周りを探索することにした。
「石ころひとつなく、1面草だから、足を怪我せずに済みそうだ。」
信之は家の中でこのフィールドに転送されたため、靴を履いていなかった。もし再度転送できるようであれば、靴を履いてから行こうと決意を固める信之であった。
「ん?何か動いてる?」
東西南北どちらに向かっているか分からない中を歩いていると、目の前に鈍色の液状の物体が動いているのが見えた。
「何となく…名前がわかる気がする…某ゲームに出てきそうな名前な気がするけど…。一応鑑定してみるか。」
「鑑定」を使用してみる。
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(名)
メタルスライム
(概要)
メタル物質のスライム。とてつもない硬さであり、通常の武器では全くダメージを与えられない。
ただし、メタルスライムも攻撃できない。
何故か大量の経験値を保有しているため、メタルスライムを倒せるものにとっては絶好の獲物となる。
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「やっぱりお前かー!?…あれ、もしかして拾った剣でやれちゃう??」
信之は先程手に入れたメタルハントショートソードを構え、メタルスライムへと近づいた。
「鑑定では攻撃してこないって書いてあったし、やってみるか…。この丸いの狙えばいいのか?…おらぁ!!」
メタルスライムの中に光る丸い物質に対して、信之は剣を刺した。
丸い物質は砕け散り、メタルスライムは黒っぽい煙を出しながら、蒸発していく。
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メタルスライムを倒しました。
経験値を取得しました。
平信之のレベルが10上がりました。
平信之が初めてレベル上昇をしたため、ステータスを獲得しました。以降、ステータスと念じることで自身の能力の確認が可能です。
ーーーーーーー
「うお、レベルなんてあるのか…しかもステータスを確認できる?…なるほど、鑑定では能力の確認はできず、ステータスと念じて能力を確認するのか…。めんどくさ…統合してよ…。」
文句を言いながらも信之はステータスを確認する。
ーーーーーーー
平信之
Lv 1/10 →10
HP 30 →80
MP 5 →30
ATK 5(70) →30(95)
DEF 1 →15
INT 2 →18
AGI 1 →10
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「初期能力ひっっく!!矢印が上がったあとの能力値か。それにしてもレベルアップってやばくないか?攻撃力が6倍になってる…これ現実世界で考えたら脅威だよな…。括弧内の数値は剣と素の攻撃力の合計かな?」
ステータスの数値について、粗方理解ができたとき、脳内に音声が入って来た。
ーーーーーーー
レベル上限に達しました。
進化が可能です。
進化先は以下です。
・デブを卒業せし凡人(筋肉質)
進化を開始しますか?
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「絶対バカにしてやがる…!!!
でも、進化したらデブ卒業できるのかな…?」
信之はデブが卒業できるならばと、バカにされたことを直ぐに忘れて肯定する。
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進化の承認を確認。
進化を開始します。
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その瞬間、信之の意識は絶たれた。
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