上 下
1 / 109

第1話 MOBゆきと不思議なネックレス

しおりを挟む
俺、平信之は、とある会社に勤めており、会社の皆からは影から「MOBゆき」と呼ばれているくらい存在感もなく、仕事も出来なく取り柄のない窓際社員だ。

身長は、173センチほどで髪は黒髪で目に髪がかかるくらいの長さで外見は暗そうだとよく言われる。

顔は丸く、体重は110キロになろうとしているほどのおデブ。健康診断では毎回脂肪肝、高血圧診断され、運動しろ、食事制限しろと確実に警告されるほどの猛者(?)だ。

今日も窓際的業務を終わらせ帰路に着く。都内に住んではいるが、窓際社員の薄給では家賃や生活費を払うのがギリギリでスーツはヨレヨレ、靴は底の部分に穴が空いており、雨の日は靴下をびちょびちょにしながら出勤している。

そんな信之に勿論彼女はいない。高校、大学生くらいの頃にはそこまで太ってはいなかったし、体型はガッシリとしていて顔のパーツも悪くはなかった為、それなりに女の子とは遊んでいたし、ヤることもヤっていた。

社会人になってからストレスで激太りし、転職する際に上京したことにより友人との接点もなくなり孤独となった。

「あー、マジ人生クソゲーだわ…。人生リセットどころか、さっさと人生強制終了したい…。」

信之はそう呟きながら家の前の坂道を上る。この坂道がまた厄介で、そんなに勾配はないのだが、ひたすらに長い。デブにはキツすぎる。膝が爆発しそうになる。ジャムおじさんに新しい膝を作ってもらってバタ子さんに膝の交換を要請したいくらいだ。

そんな膝爆発坂道を歩いている中、道端に青色の輝きを放つ金属を見つけた。

「なんだこれ。ネックレス?」

青色の輝きを放つ金属はネックレスだった。

明らかに高級そうなネックレスだった為、本来なら警察に届けるべきだが、信之は売ればかなりの値がつくと考え、持ち帰ることにした。

家に帰った信之は着替えもせずに持ち帰ったネックレスを確認する、ネックレスの造形は鍵型となっており、高級なネックレスにしてはあまりセンスがないように思えた。

「ちょっと、付けてみようかな。」
折角なら売る前に一度つけてみようと、信之はネックレスを付けてみた。

「うん、やっぱり鍵型は無いよな…。これもしかして形がセンス無くて売る時に値段下がるかもな…。」

拾ったネックレスにケチをつけていると、突然信之の頭の中に機械的な音声が聞こえてきた。

ーーーーーーー
誘いの門鍵(いざないのもんけん)が平信之に装備されたことを確認。
初装備ボーナスとして平信之には「鑑定」、「獲得経験値増加Lv1」のスキルが付与されました。

経験値の間へ移動しますか?
ーーーーーーー

(…はい?なにこれ、何言ってんの?どこから声が聞こえてるの?)

突然脳内に声が聞こえて驚く信之。

ーーーーーーー
経験値の間へ移動しますか?
ーーーーーーー

何が何だかわからないが、機械音声は、はいorいいえの答えを求めているように思える。

「…はい。」

肯定を示したところで特に何も起こるまいと考えた信之は、機械音声に対して肯定を返す。

ーーーーーーー
経験値の間へ転送を開始します。
ーーーーーーー

「…え?ち、ちょっ!!」

その瞬間、家にいた信之の姿は消えた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

俺のスキル『性行為』がセクハラ扱いで追放されたけど、実は最強の魔王対策でした

宮富タマジ
ファンタジー
アレンのスキルはたった一つ、『性行為』。職業は『愛の剣士』で、勇者パーティの中で唯一の男性だった。 聖都ラヴィリス王国から新たな魔王討伐任務を受けたパーティは、女勇者イリスを中心に数々の魔物を倒してきたが、突如アレンのスキル名が原因で不穏な空気が漂い始める。 「アレン、あなたのスキル『性行為』について、少し話したいことがあるの」 イリスが深刻な顔で切り出した。イリスはラベンダー色の髪を少し掻き上げ、他の女性メンバーに視線を向ける。彼女たちは皆、少なからず戸惑った表情を浮かべていた。 「……どうしたんだ、イリス?」 アレンのスキル『性行為』は、女性の愛の力を取り込み、戦闘中の力として変えることができるものだった。 だがその名の通り、スキル発動には女性の『愛』、それもかなりの性的な刺激が必要で、アレンのスキルをフルに発揮するためには、女性たちとの特別な愛の共有が必要だった。 そんなアレンが周りから違和感を抱かれることは、本人も薄々感じてはいた。 「あなたのスキル、なんだか、少し不快感を覚えるようになってきたのよ」 女勇者イリスが口にした言葉に、アレンの眉がぴくりと動く。

ざまあ~が終ったその後で BY王子 (俺たちの戦いはこれからだ)

mizumori
ファンタジー
転移したのはざまあ~された後にあぽ~んした王子のなか、神様ひどくない「君が気の毒だから」って転移させてくれたんだよね、今の俺も気の毒だと思う。どうせなら村人Aがよかったよ。 王子はこの世界でどのようにして幸せを掴むのか? 元28歳、財閥の御曹司の古代と中世の入り混じった異世界での物語り。 これはピカレスク小説、主人公が悪漢です。苦手な方はご注意ください。

NTRエロゲの世界に転移した俺、ヒロインの好感度は限界突破。レベルアップ出来ない俺はスキルを取得して無双する。~お前らNTRを狙いすぎだろ~

ぐうのすけ
ファンタジー
高校生で18才の【黒野 速人】はクラス転移で異世界に召喚される。 城に召喚され、ステータス確認で他の者はレア固有スキルを持つ中、速人の固有スキルは呪い扱いされ城を追い出された。 速人は気づく。 この世界、俺がやっていたエロゲ、プリンセストラップダンジョン学園・NTRと同じ世界だ! この世界の攻略法を俺は知っている! そして自分のステータスを見て気づく。 そうか、俺の固有スキルは大器晩成型の強スキルだ! こうして速人は徐々に頭角を現し、ハーレムと大きな地位を築いていく。 一方速人を追放したクラスメートの勇者源氏朝陽はゲームの仕様を知らず、徐々に成長が止まり、落ちぶれていく。 そしてクラス1の美人【姫野 姫】にも逃げられ更に追い込まれる。 順調に強くなっていく中速人は気づく。 俺達が転移した事でゲームの歴史が変わっていく。 更にゲームオーバーを回避するためにヒロインを助けた事でヒロインの好感度が限界突破していく。 強くなり、ヒロインを救いつつ成り上がっていくお話。 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』 カクヨムとアルファポリス同時掲載。

分析スキルで美少女たちの恥ずかしい秘密が見えちゃう異世界生活

SenY
ファンタジー
"分析"スキルを持って異世界に転生した主人公は、相手の力量を正確に見極めて勝てる相手にだけ確実に勝つスタイルで短期間に一財を為すことに成功する。 クエスト報酬で豪邸を手に入れたはいいものの一人で暮らすには広すぎると悩んでいた主人公。そんな彼が友人の勧めで奴隷市場を訪れ、記憶喪失の美少女奴隷ルナを購入したことから、物語は動き始める。 これまで危ない敵から逃げたり弱そうな敵をボコるのにばかり"分析"を活用していた主人公が、そのスキルを美少女の恥ずかしい秘密を覗くことにも使い始めるちょっとエッチなハーレム系ラブコメ。

転生した体のスペックがチート

モカ・ナト
ファンタジー
とある高校生が不注意でトラックに轢かれ死んでしまう。 目覚めたら自称神様がいてどうやら異世界に転生させてくれるらしい このサイトでは10話まで投稿しています。 続きは小説投稿サイト「小説家になろう」で連載していますので、是非見に来てください!

一般職アクセサリーショップが万能すぎるせいで、貴族のお嬢様が嫁いできた!〜勇者や賢者なんていりません。アクセサリーを一つ下さい〜

茄子の皮
ファンタジー
10歳の男の子エルジュは、天職の儀式で一般職【アクセサリーショップ】を授かる。街のダンジョンで稼ぐ冒険者の父カイルの助けになるべく、スキルアップを目指すが、街全体を巻き込む事態に? エルジュが天職【アクセサリーショップ】で進む冒険物語。

30年待たされた異世界転移

明之 想
ファンタジー
 気づけば異世界にいた10歳のぼく。 「こちらの手違いかぁ。申し訳ないけど、さっさと帰ってもらわないといけないね」  こうして、ぼくの最初の異世界転移はあっけなく終わってしまった。  右も左も分からず、何かを成し遂げるわけでもなく……。  でも、2度目があると確信していたぼくは、日本でひたすら努力を続けた。  あの日見た夢の続きを信じて。  ただ、ただ、異世界での冒険を夢見て!!  くじけそうになっても努力を続け。  そうして、30年が経過。  ついに2度目の異世界冒険の機会がやってきた。  しかも、20歳も若返った姿で。  異世界と日本の2つの世界で、  20年前に戻った俺の新たな冒険が始まる。

男がほとんどいない世界に転生したんですけど…………どうすればいいですか?

かえるの歌🐸
恋愛
部活帰りに事故で死んでしまった主人公。 主人公は神様に転生させてもらうことになった。そして転生してみたらなんとそこは男が1度は想像したことがあるだろう圧倒的ハーレムな世界だった。 ここでの男女比は狂っている。 そんなおかしな世界で主人公は部活のやりすぎでしていなかった青春をこの世界でしていこうと決意する。次々に現れるヒロイン達や怪しい人、頭のおかしい人など色んな人達に主人公は振り回させながらも純粋に恋を楽しんだり、学校生活を楽しんでいく。 この話はその転生した世界で主人公がどう生きていくかのお話です。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ この作品はカクヨムや小説家になろうで連載している物の改訂版です。 投稿は書き終わったらすぐに投稿するので不定期です。 必ず1週間に1回は投稿したいとは思ってはいます。 1話約3000文字以上くらいで書いています。 誤字脱字や表現が子供っぽいことが多々あると思います。それでも良ければ読んでくださるとありがたいです。

処理中です...