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【第二章 第一部】
第十六話 ジェレッド公カルミュ
しおりを挟む「清順、清順様、すごく、すごく怖い夢を見ました…清順様と番でなくなった夢を…」
がばりと三宜は起き上がり、清順にしがみつく
清順は優しく三宜を寝かせながら、あの射干玉の美しい目を細め、三宜の額にキスをする
「三宜、大丈夫。僕が守るから、三宜は何の心配もいらないよ」
そう言う清順にしがみつきながら、三宜はあの気持ち悪い皇帝を思い出す
「清順様、絶対に俺を離さないでくださいね?」
三宜の言葉に清順は見たことがないくらい本当に幸せに笑いながら、三宜の手を取り、唇を何度も押し付ける
「三宜も、三宜もずっと僕といてね。約束しよう?」
清順は三宜の手首に巻かれた飾り紐を何度も撫でる
ゆっくりと頷いた三宜に、清順はあの夏の日を思い出していた
。
。
。
「お前に三宜はやれん!お前のその目…気狂いの三宜の母親にそっくりだ!!」
蕭家の皇太后の姪は、三宜の父親であるアルファと事故番で番になった
3人子供をもうけたが、オメガゆえか三宜の父親を愛し過ぎた故か三宜や他の兄弟を手にかけようとして、父親に処分されたのだ
皇太后はそれを深く恨み、蕭家を目の敵にしていた
「僕も気狂いになってるのかな……」
皇帝の離宮には三宜しかおらず、そこには皇帝の侍女と清順しか入れない
そう呟きながら、清順は三宜の寝所に続く扉を閉める
三宜はもう外には出られないだろう
出す気もない
清順の独り言に答える者はおらず、そしてそれは最高の幸せを清順に約束したのだった
end
がばりと三宜は起き上がり、清順にしがみつく
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そう呟きながら、清順は三宜の寝所に続く扉を閉める
三宜はもう外には出られないだろう
出す気もない
清順の独り言に答える者はおらず、そしてそれは最高の幸せを清順に約束したのだった
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