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番外編
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「ん……っ」
飴色の髪を掻き上げ、耳の下に唇を押し付ける。
歯を押し当てて強く食い込ませれば、晃が微かな呻き声を漏らした。
刻んだ歯形を舌でなぞった後、柔らかな唇にそっと触れる。
長く突き出している牙の先端に唇を押し付ければ、黒に覆われた肩が微かに揺れた。
「ん、ぅ……」
名前を呼びたそうにしているが、今口を動かしたらおれの唇を傷付けかねない。
もどかしそうな晃に笑って、牙に舌を擦り付ける。
形をなぞるごとに、晃の目に熱が染み出した。
「は、……っ……」
至近距離で食い入るように見つめられて、おれも自然と息が上がっていった。
指を絡め合ったまま手を引き、また長い爪へと唇を押し当てる。
「旭陽……」
控えめに手を引っ込めようとしてくる晃に、引かれた分だけ引き戻すことで否定を返した。
互いの魔力の色が滲んだ爪へ唇を押し当てれば、晃が心配と欲が入り混じった視線を向けてくる。
舌を指の付け根まで滑らせていき、軽く指先に吸い付いた。
「っ……、ッ」
胸の前に立っている膝が、刺激に合わせて小さく揺れる。
感じてんのか。かわいーなァ。
「っぁ、さひ……っ」
指にも歯を食い込ませ、晃の肌に唾液を浸透させていく。
何度も詰まる呼吸を聞きながら、おれより細い指を丹念に濡らしていった。
「っん、ん……ッ」
二本目を濡らし終わった頃、されるがままになっていた指が不意に動く。
薬指に触れていた舌を擽り、開いている唇の中へと伸びてきた。
おれの邪魔をしてくる気配はねえ。
放置して三本目に舌を這わせていれば、鋭い爪先で舌腹を撫でてきた。
傷つけないよう慎重に触れられると、痛みも違和感も湧かずに快感だけが染み出してくる。
「は……っぁ……」
上顎に指の背を擦り付け、舌腹から付け根までゆっくりと辿られていく。
量を増した唾液が唇から零れれば、伸びてきた小指に拭われた。
「ッァ……はっ、ッ……、ふっ、ぁ……っ」
口蓋垂を指先で擽られて、膝から力が抜けた。
喉の奥付近に触れられりゃ、普通は気持ち悪ィのかもしんねえが。
今まで舌にも幾度となく牙を立てられてきた体は、咥内の感度も跳ね上がっている。
舌で舐め回されるのもたまんねえが、指で弄られても感じるようになっていたらしい。
「ッン、ぁ……っ、ぅ、ん……ッ」
「旭陽……」
口腔を指の背や腹で撫で回される。
その分、揺れが大きくなっていく膝が沈む。
震える唇で指先に吸い付きながら、座面に乗っている足へと触れた。
晃の喉が鳴る音を聞きながら、掌で冷たい感触を撫で下ろす。
ンな不安がらなくても、今の晃には似合ってるぜ。
だからこそ――おれの手で剥いでやりたくなる。
「あ、さひ」
指を引っ掛けて、ゆっくりと足元から靴を引き抜いていく。
目を見開いた男が、内緒話のように声を潜めた。
「脱がせてくれるのか」
あー……まあ、そうとも言うか。
殆ど肌が露出しねえだけ着込んだおまえを、おれの手で暴いてやりてえってだけなんだが。
「ふ、」
「っん」
言い方が可笑しくて、つい笑い声が零れる。
また歯を食い込ませれば晃が短く息を飲んだ。
喉を震わせながら、白い足から硬い靴を引き抜く。
軽い力で手中の物体を投げれば、床で跳ねて硬質な音を立てた。
「旭陽」
「ん……」
微かに上擦った声が、おれを呼んでくる。
口を離さないまま視線を上げれば、晃が嬉しそうに頬を緩めた。
「ッン、あっ!」
ぎゅう、と舌を強く指に挟まれる。
腰が大きく震えて、揺れ続けていた膝が折れた。
床に膝が当たり、倒れそうになった体を伸びてきた腕に支えられる。
「っぁ、ふ……っ」
「旭陽、気持ち良かった?」
甘い声が頭上から降ってくる。
見りゃわかんだろ。出ちまったってことくらい。
体を起こしてこようとするのを遮って、晃の膝を押し広げた。
「旭陽? 何して……」
うるせえな。黙って感じてろよ。
問い掛けは無視して晃の両足の間に体を入れ、自分で身を起こす。
晃の股座に顔を寄せれば、触れている体が俄に緊張した。
「あ、旭陽? 本当に何して――ッ、!」
動揺と、隠し切れない期待が晃の声に滲んでいる。
膨らんでいる場所へ下衣の上から唇を押し付ければ、押し殺した吐息が聞こえた。
咄嗟に引こうとした腰へ腕を巻き付け、布を押し上げている熱へ布越しに舌を押し当てる。
「ッく……っ」
ただ触れただけでも乱れ始めた呼吸が、鼓膜を心地良く擽った。
おれにされるなら何でも反応しちまうもんなァ、晃は。
すぐに布を破りそうなほど膨らませていくんだから、ほんと愛いやつ。
何度も舌を押し付けていれば、おれの唾液と晃の先走りで見る見る間に布が濡れていった。
「あ、さひ……っちょ、くせつ、舐めて……っ」
おれが濡らした指が髪に絡んできて、ゆっくりと丁寧な手付きで梳かれる。
素直に強請られるのは心地が良い。
「っん!」
下衣の上から柔く歯を立てれば、不意に強まった刺激に晃が息を飲んだ。
視線を上げなくても、欲情に駆られた眼差しを注がれているのを肌で感じる。
強い視線に見守られながら、ゆっくりとチャックを下ろしていく。
前を緩めるなり、勢い良く飛び出してきた巨大な物体が頬を叩いた。
「んっ」
大量の先走りが顔中に飛び散ってくる。
「あ、ご、ごめんっ」
「……ん……」
慌てた声に視線を上げ、頬から伝い落ちてくる体液を舌で拭う。
おれを自分の体液で汚すの好きなくせに、思わぬタイミングでやっちまうと大抵一瞬慌てるよな。
おまえの欲を浴びせられんの、別に嫌いとか言った覚えはねえんだが。
目を細めてやると、晃の肩が震えるのが見えた。
堪らない、興奮した、って目が訴えてきてる。
「旭陽……」
咥えて。
今にも食らい付いてきそうな目をした男が、甘ったるくねだってきた。
強引に押し込むこともできるくせに、おれからして欲しがっている。
我侭な強請りに喉を鳴らし、口を開いて晃の熱を飲み込んでいった。
飴色の髪を掻き上げ、耳の下に唇を押し付ける。
歯を押し当てて強く食い込ませれば、晃が微かな呻き声を漏らした。
刻んだ歯形を舌でなぞった後、柔らかな唇にそっと触れる。
長く突き出している牙の先端に唇を押し付ければ、黒に覆われた肩が微かに揺れた。
「ん、ぅ……」
名前を呼びたそうにしているが、今口を動かしたらおれの唇を傷付けかねない。
もどかしそうな晃に笑って、牙に舌を擦り付ける。
形をなぞるごとに、晃の目に熱が染み出した。
「は、……っ……」
至近距離で食い入るように見つめられて、おれも自然と息が上がっていった。
指を絡め合ったまま手を引き、また長い爪へと唇を押し当てる。
「旭陽……」
控えめに手を引っ込めようとしてくる晃に、引かれた分だけ引き戻すことで否定を返した。
互いの魔力の色が滲んだ爪へ唇を押し当てれば、晃が心配と欲が入り混じった視線を向けてくる。
舌を指の付け根まで滑らせていき、軽く指先に吸い付いた。
「っ……、ッ」
胸の前に立っている膝が、刺激に合わせて小さく揺れる。
感じてんのか。かわいーなァ。
「っぁ、さひ……っ」
指にも歯を食い込ませ、晃の肌に唾液を浸透させていく。
何度も詰まる呼吸を聞きながら、おれより細い指を丹念に濡らしていった。
「っん、ん……ッ」
二本目を濡らし終わった頃、されるがままになっていた指が不意に動く。
薬指に触れていた舌を擽り、開いている唇の中へと伸びてきた。
おれの邪魔をしてくる気配はねえ。
放置して三本目に舌を這わせていれば、鋭い爪先で舌腹を撫でてきた。
傷つけないよう慎重に触れられると、痛みも違和感も湧かずに快感だけが染み出してくる。
「は……っぁ……」
上顎に指の背を擦り付け、舌腹から付け根までゆっくりと辿られていく。
量を増した唾液が唇から零れれば、伸びてきた小指に拭われた。
「ッァ……はっ、ッ……、ふっ、ぁ……っ」
口蓋垂を指先で擽られて、膝から力が抜けた。
喉の奥付近に触れられりゃ、普通は気持ち悪ィのかもしんねえが。
今まで舌にも幾度となく牙を立てられてきた体は、咥内の感度も跳ね上がっている。
舌で舐め回されるのもたまんねえが、指で弄られても感じるようになっていたらしい。
「ッン、ぁ……っ、ぅ、ん……ッ」
「旭陽……」
口腔を指の背や腹で撫で回される。
その分、揺れが大きくなっていく膝が沈む。
震える唇で指先に吸い付きながら、座面に乗っている足へと触れた。
晃の喉が鳴る音を聞きながら、掌で冷たい感触を撫で下ろす。
ンな不安がらなくても、今の晃には似合ってるぜ。
だからこそ――おれの手で剥いでやりたくなる。
「あ、さひ」
指を引っ掛けて、ゆっくりと足元から靴を引き抜いていく。
目を見開いた男が、内緒話のように声を潜めた。
「脱がせてくれるのか」
あー……まあ、そうとも言うか。
殆ど肌が露出しねえだけ着込んだおまえを、おれの手で暴いてやりてえってだけなんだが。
「ふ、」
「っん」
言い方が可笑しくて、つい笑い声が零れる。
また歯を食い込ませれば晃が短く息を飲んだ。
喉を震わせながら、白い足から硬い靴を引き抜く。
軽い力で手中の物体を投げれば、床で跳ねて硬質な音を立てた。
「旭陽」
「ん……」
微かに上擦った声が、おれを呼んでくる。
口を離さないまま視線を上げれば、晃が嬉しそうに頬を緩めた。
「ッン、あっ!」
ぎゅう、と舌を強く指に挟まれる。
腰が大きく震えて、揺れ続けていた膝が折れた。
床に膝が当たり、倒れそうになった体を伸びてきた腕に支えられる。
「っぁ、ふ……っ」
「旭陽、気持ち良かった?」
甘い声が頭上から降ってくる。
見りゃわかんだろ。出ちまったってことくらい。
体を起こしてこようとするのを遮って、晃の膝を押し広げた。
「旭陽? 何して……」
うるせえな。黙って感じてろよ。
問い掛けは無視して晃の両足の間に体を入れ、自分で身を起こす。
晃の股座に顔を寄せれば、触れている体が俄に緊張した。
「あ、旭陽? 本当に何して――ッ、!」
動揺と、隠し切れない期待が晃の声に滲んでいる。
膨らんでいる場所へ下衣の上から唇を押し付ければ、押し殺した吐息が聞こえた。
咄嗟に引こうとした腰へ腕を巻き付け、布を押し上げている熱へ布越しに舌を押し当てる。
「ッく……っ」
ただ触れただけでも乱れ始めた呼吸が、鼓膜を心地良く擽った。
おれにされるなら何でも反応しちまうもんなァ、晃は。
すぐに布を破りそうなほど膨らませていくんだから、ほんと愛いやつ。
何度も舌を押し付けていれば、おれの唾液と晃の先走りで見る見る間に布が濡れていった。
「あ、さひ……っちょ、くせつ、舐めて……っ」
おれが濡らした指が髪に絡んできて、ゆっくりと丁寧な手付きで梳かれる。
素直に強請られるのは心地が良い。
「っん!」
下衣の上から柔く歯を立てれば、不意に強まった刺激に晃が息を飲んだ。
視線を上げなくても、欲情に駆られた眼差しを注がれているのを肌で感じる。
強い視線に見守られながら、ゆっくりとチャックを下ろしていく。
前を緩めるなり、勢い良く飛び出してきた巨大な物体が頬を叩いた。
「んっ」
大量の先走りが顔中に飛び散ってくる。
「あ、ご、ごめんっ」
「……ん……」
慌てた声に視線を上げ、頬から伝い落ちてくる体液を舌で拭う。
おれを自分の体液で汚すの好きなくせに、思わぬタイミングでやっちまうと大抵一瞬慌てるよな。
おまえの欲を浴びせられんの、別に嫌いとか言った覚えはねえんだが。
目を細めてやると、晃の肩が震えるのが見えた。
堪らない、興奮した、って目が訴えてきてる。
「旭陽……」
咥えて。
今にも食らい付いてきそうな目をした男が、甘ったるくねだってきた。
強引に押し込むこともできるくせに、おれからして欲しがっている。
我侭な強請りに喉を鳴らし、口を開いて晃の熱を飲み込んでいった。
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