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暗雲
第38話 旭陽のご褒美(後)
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足の付け根から体を伸ばしていって、裏から膝を押し上げる。
腕を動かしてもいないのに、『そうしたい』と思えば旭陽の片足が押し上げられたような動きで胸板に付いた。
「自分でやってんだろうが。何不思議そうな顔してんだ」
目を瞬かせていると、旭陽に笑われてしまった。
十中八九、さっきのスライムだよな……どうなってるんだ、これ。
どうなってるかは分からないが、今繋がっているのは感じる。
自分の手が増えたような感覚だ。
片足を持ち上げたまま、股座も伝い上がって陰嚢を包み込む。
「ッあ、は……っ」
普段触れている手とは明らかに違う、冷たくぬるりとした感触。
顎を軽く反らした旭陽の反応は、いつもよりは少し小さめだ。
俺の手のほうが良いんだろうか。
そわりと浮つく心を自覚しながら、服の裾から腕を差し入れてみる。
横腹をそっと撫でると、肌が微かな震えを返してきた。
「はっ、ん、ぅっ……」
掌を滑らせただけで、黄金の瞳に熱が灯り始めたのが見える。
一度服から腕を引き抜き、大柄な体躯を抱き寄せた。
腕に抱いた旭陽ごと、自分も身を起こして立ち上がる。
「っ」
自分より細い腕に持ち上げられた男が、一瞬驚いた表情を見せたあと首に二の腕を巻き付けてきた。
ピンク色のスライムたちに家臣の一人の名前を告げる。
一斉に部屋から出始めた彼らに混じって、俺も下ろせと要求されないうちに歩き出した。
「晃、」
何か言おうとした旭陽に気付かないふりをして、流動体の体に陰茎を包み込ませた。
「ッぅ、んっンっ! ッぁ……!」
ぬるりとした粘液に性器を飲み込まれた男が、背筋をびくつかせて腕に力を込める。
口に咥えられたのと同じようなものだろうか?
旭陽の言葉が正しければ、こっちは俺みたいに噛むまでもなく催淫効果を持っているはずだけど。
普通の魔族が夜のお供として選んでいるなら、俺の牙ほどの劇薬じみた強烈さは持っていないだろう。通常の範疇に収まる程度の効果であるはずだ。
少なくとも激しい即効性がないのは、声を抑えている旭陽の様子から見て取れる。
表情を伺おうとするが、肩に埋められた顔は耳元くらいしか視界に収まってくれない。
「ッア」
軽く耳を齧れば、腕の中の体がびくりと震えた。
……ま、いいか。感じているのは確かだ。
執務室から出て、自分の部屋へと向かう。
包み込んだ雄の形を確かめていきながら、臀部の間にも滑り込ませていく。
少し前に触れたばかりの窄まりに触れると、広い肩が緊張するのが見えた。
「ふっ、んぅっ……ッあ、く……っ」
ぐにぐにと入口を揉んでみると、スライムの動きに合わせて肩が揺れる。
「なあ、何でこいつら連れてきてくれたんだ?」
体を震わせている旭陽の背中を擦りながら、紅潮している耳に唇を押し当てる。
前ならともかく、今の家臣たちは俺が命じない限り勝手なことはしない。
旭陽が誰かに命じたのかとも思ったが、スライムたちの好意的な感情は俺と旭陽だけに向いていた。
こいつ自身が彼らを迎えに行ったんだと思う。
でも、面倒がっていた旭陽が気を変えた理由が分からない。
「ッあ、アッ、ッゃ、っあき、ら……っ」
「なあ、何で?」
快感で赤く染まった耳に、何度も甘噛みとキスを繰り返す。
嫌がる体を胸元にしっかりと抱き寄せて問いを重ねれば、乱れた呼吸の下から詰られた。
「ッぁ、んっ、な、に言っ……ッは、ぅ――ッ、褒、美、やるって、言、った……ッ」
もう忘れたのかと言いたげな声音に、思わず歩調が緩まる。
「……褒美って、さっきヤったやつのことじゃ……」
「ッぁ、あっ? ち、ッげえよばか……!」
一眠りする前の、互いの雄を一緒に扱いた行為について口走る。
即座に否定が向けられて、自分の勘違いを理解した。
ご褒美ってこれかと思って好きに扱ったんだが、違ったのか。
ならあれは何だったんだ。
俺には……完全に、ご褒美だったんだが……?
悶々と考えていたが、うっかり通路で自分の欲を煽っていることに気付いて思考を中断させた。
「ご褒美に、俺の悩みを片付ける手伝いをしてくれたってこと?」
そっと囁けば、下肢からの刺激に耐えている男が小さく頭を上下させた。
迂闊に口を開いてしまったら、嬌声が飛び出しそうなんだろう。
「……ありがとな」
深い感慨を味わいながら、ゆっくりと吐息交じりに告げた。
俺の気持ちに旭陽が思考を巡らせ、それを投げ捨てないでくれたという事実。
それが、本当に――とても、嬉しい。
一瞬の気紛れで、情なんてものからきた行動ではないとしても。
ほんの僅かでも、何らかの形では想われているような気分になれて、心が高揚した。
俺の心身の浮つきに反応して、スライムがぷるぷると全身を震わせる。
「ッ、んァッ!」
性器を飲み込んだ場所の振動に、旭陽が鋭い悲鳴を零した。
俺の肩に手が乗って、ぐしゃりと皺が刻まれる。
可愛いな。もっと感じて欲しい。
ぐにぐにと弄んでいた場所に桃紅色を流れ込ませようとした時、不意に足音が鼓膜を打った。
「……あ」
俺の声で旭陽も気付いたのか、抱えている体に別の緊張が走る。
抜けと旭陽が小さな声で囁いた直後、さっき執務室に集まっていた面子とは別の魔族が姿を現した。
「おや、魔王様と……贄様? どうなさったのですか。体調でも?」
和やかに挨拶をしようとして、俺に横抱きされている旭陽の姿に目を丸くしている。
「ああ。いや、何でもないよ」
努めて平然とした声を出しながら、解けている場所へ流動体の体を押し付けさせる。
旭陽が嫌がっている。
それはそうだろう。キスどころじゃない場所を弄っているし、今は布団で隠されてもいない。
――これだけ嫌がっていることをしても、お前は許してくれるか?
ひゅっと息を飲み込む音を耳元で聞きながら、スライムを一気に胎内へ雪崩れ込ませた。
「――~~~~ッっ、ッ゛、~~~ッ゛っ゛!!」
旭陽がばっと片手を俺から離し、自分の口元に掌を押し付けた。
全身が引き付けを起こしたかのように激しく揺れている。
腕の中から落ちてしまいそうなほど痙攣する体を、自分の体に強く押し付けた。
旭陽がイっている顔を、俺以外に見せるつもりはない。
「贄様!? だ、大丈夫ですか!?」
突然大きく痙攣し始めた背中を見て、驚愕の表情で家臣が近付いて来ようとした。
「大丈夫だ!」
接近して、真っ赤に染まった項や耳を目撃されるのは気分が良くない。
先に制止を叫ぶと、一歩踏み出した状態で相手が立ち止まった。
「だ、大丈夫なのですか……?」
「ああ、問題ない。それより、サンドロに仕事を頼んでいる。手伝ってやってくれないか」
首を振って促す。躊躇いながら踵を返して去っていくのを見送り、後ろ姿が見えなくなってから歩みを再開する。
「ッ゛、ッふ、ぐっ、ン……ッ!」
黒髪に口付けを落とせば、頭が小刻みに揺れた。
嫌がる仕草を見下ろせば、口元を押さえている指の爪が白くなっているのが見えた。
力を込めすぎている証拠か。流石に絶頂の声を通路に響き渡らせるのは恥ずかしいらしい。
がくがくと震えている腰に粘液を広がらせ、逃がせないように固定した。
初めての硬度がない侵入者に躊躇っている腸壁を進み、奥の璧までどんどん体を流れ込ませていく。
「ッ、ァ、ッ゛っ! ヒッ……ッゥ、っぁ、~~~ッつ゛――!」
触って欲しそうに膨らんでいる前立腺を包むと、また全身が大きく揺れた。
強く瞑られた眦から、大粒の涙が溢れ出して襟元に滴り落ちている。
必死に声を殺している男を抱え、早足で自分の部屋まで戻った。
「ッ、ァ゛ッ、っ!」
部屋に辿り着いて腕の中の体をベッドに下ろせば、少し乱暴になってしまった振動にすら嬌声が上がった。
衝撃で俺の首に縋っていた腕が解け、ベッドの上に落ちる。
到着したことに気付いたのか、固く閉ざされていた両目が薄らと開かれた。
とろりとした黄金からは溺れてしまいそうなほどの涙が溢れ出している。
旭陽の口元から手を剥がし、指を絡めてシーツの上に押さえ付けた。
「ッは、はアッ、ば、っかやろ……!」
泣きながら詰られると、益々興奮が煽られた。
それだけ? それだけで許してくれるのか?
ちかちかと、興奮のあまり視界が点滅する。
抵抗してきている奥の璧を、スライムの体を利用して強引に乗り越えた。
「ッひ……」
意志を持った半液体が、鎖されていた場所を越える。
その異様な感覚に、がくりと旭陽の体が仰け反った。
何が起きたのか、分からない。
目を白黒させて疑問を物語っている男の髪を掻き上げ、額に口付けを落とした。
「イって、旭陽」
硬度がなかった体をぶくりと膨らませて、結腸を手前と奥から同時に押し拡げる。
頭よりも先に反応した四肢に力がこもり、腰がシーツから浮いた。
「……ッぁ、あっ――~~~ッィ゛ああ゛ぁアアーーッっ!」
疑問が浮かんでいた瞳がじわじわと歪み、細まってから大きく見開かれる。
がくがくと全身が跳ね上がる。
震えながら開いた唇から、激しい混乱を孕んだ悲鳴が迸った。
ぶしゃりと噴き出した大量の精液は、性器を包み込んでいるスライムの体に全て取り込まれていく。
腕を動かしてもいないのに、『そうしたい』と思えば旭陽の片足が押し上げられたような動きで胸板に付いた。
「自分でやってんだろうが。何不思議そうな顔してんだ」
目を瞬かせていると、旭陽に笑われてしまった。
十中八九、さっきのスライムだよな……どうなってるんだ、これ。
どうなってるかは分からないが、今繋がっているのは感じる。
自分の手が増えたような感覚だ。
片足を持ち上げたまま、股座も伝い上がって陰嚢を包み込む。
「ッあ、は……っ」
普段触れている手とは明らかに違う、冷たくぬるりとした感触。
顎を軽く反らした旭陽の反応は、いつもよりは少し小さめだ。
俺の手のほうが良いんだろうか。
そわりと浮つく心を自覚しながら、服の裾から腕を差し入れてみる。
横腹をそっと撫でると、肌が微かな震えを返してきた。
「はっ、ん、ぅっ……」
掌を滑らせただけで、黄金の瞳に熱が灯り始めたのが見える。
一度服から腕を引き抜き、大柄な体躯を抱き寄せた。
腕に抱いた旭陽ごと、自分も身を起こして立ち上がる。
「っ」
自分より細い腕に持ち上げられた男が、一瞬驚いた表情を見せたあと首に二の腕を巻き付けてきた。
ピンク色のスライムたちに家臣の一人の名前を告げる。
一斉に部屋から出始めた彼らに混じって、俺も下ろせと要求されないうちに歩き出した。
「晃、」
何か言おうとした旭陽に気付かないふりをして、流動体の体に陰茎を包み込ませた。
「ッぅ、んっンっ! ッぁ……!」
ぬるりとした粘液に性器を飲み込まれた男が、背筋をびくつかせて腕に力を込める。
口に咥えられたのと同じようなものだろうか?
旭陽の言葉が正しければ、こっちは俺みたいに噛むまでもなく催淫効果を持っているはずだけど。
普通の魔族が夜のお供として選んでいるなら、俺の牙ほどの劇薬じみた強烈さは持っていないだろう。通常の範疇に収まる程度の効果であるはずだ。
少なくとも激しい即効性がないのは、声を抑えている旭陽の様子から見て取れる。
表情を伺おうとするが、肩に埋められた顔は耳元くらいしか視界に収まってくれない。
「ッア」
軽く耳を齧れば、腕の中の体がびくりと震えた。
……ま、いいか。感じているのは確かだ。
執務室から出て、自分の部屋へと向かう。
包み込んだ雄の形を確かめていきながら、臀部の間にも滑り込ませていく。
少し前に触れたばかりの窄まりに触れると、広い肩が緊張するのが見えた。
「ふっ、んぅっ……ッあ、く……っ」
ぐにぐにと入口を揉んでみると、スライムの動きに合わせて肩が揺れる。
「なあ、何でこいつら連れてきてくれたんだ?」
体を震わせている旭陽の背中を擦りながら、紅潮している耳に唇を押し当てる。
前ならともかく、今の家臣たちは俺が命じない限り勝手なことはしない。
旭陽が誰かに命じたのかとも思ったが、スライムたちの好意的な感情は俺と旭陽だけに向いていた。
こいつ自身が彼らを迎えに行ったんだと思う。
でも、面倒がっていた旭陽が気を変えた理由が分からない。
「ッあ、アッ、ッゃ、っあき、ら……っ」
「なあ、何で?」
快感で赤く染まった耳に、何度も甘噛みとキスを繰り返す。
嫌がる体を胸元にしっかりと抱き寄せて問いを重ねれば、乱れた呼吸の下から詰られた。
「ッぁ、んっ、な、に言っ……ッは、ぅ――ッ、褒、美、やるって、言、った……ッ」
もう忘れたのかと言いたげな声音に、思わず歩調が緩まる。
「……褒美って、さっきヤったやつのことじゃ……」
「ッぁ、あっ? ち、ッげえよばか……!」
一眠りする前の、互いの雄を一緒に扱いた行為について口走る。
即座に否定が向けられて、自分の勘違いを理解した。
ご褒美ってこれかと思って好きに扱ったんだが、違ったのか。
ならあれは何だったんだ。
俺には……完全に、ご褒美だったんだが……?
悶々と考えていたが、うっかり通路で自分の欲を煽っていることに気付いて思考を中断させた。
「ご褒美に、俺の悩みを片付ける手伝いをしてくれたってこと?」
そっと囁けば、下肢からの刺激に耐えている男が小さく頭を上下させた。
迂闊に口を開いてしまったら、嬌声が飛び出しそうなんだろう。
「……ありがとな」
深い感慨を味わいながら、ゆっくりと吐息交じりに告げた。
俺の気持ちに旭陽が思考を巡らせ、それを投げ捨てないでくれたという事実。
それが、本当に――とても、嬉しい。
一瞬の気紛れで、情なんてものからきた行動ではないとしても。
ほんの僅かでも、何らかの形では想われているような気分になれて、心が高揚した。
俺の心身の浮つきに反応して、スライムがぷるぷると全身を震わせる。
「ッ、んァッ!」
性器を飲み込んだ場所の振動に、旭陽が鋭い悲鳴を零した。
俺の肩に手が乗って、ぐしゃりと皺が刻まれる。
可愛いな。もっと感じて欲しい。
ぐにぐにと弄んでいた場所に桃紅色を流れ込ませようとした時、不意に足音が鼓膜を打った。
「……あ」
俺の声で旭陽も気付いたのか、抱えている体に別の緊張が走る。
抜けと旭陽が小さな声で囁いた直後、さっき執務室に集まっていた面子とは別の魔族が姿を現した。
「おや、魔王様と……贄様? どうなさったのですか。体調でも?」
和やかに挨拶をしようとして、俺に横抱きされている旭陽の姿に目を丸くしている。
「ああ。いや、何でもないよ」
努めて平然とした声を出しながら、解けている場所へ流動体の体を押し付けさせる。
旭陽が嫌がっている。
それはそうだろう。キスどころじゃない場所を弄っているし、今は布団で隠されてもいない。
――これだけ嫌がっていることをしても、お前は許してくれるか?
ひゅっと息を飲み込む音を耳元で聞きながら、スライムを一気に胎内へ雪崩れ込ませた。
「――~~~~ッっ、ッ゛、~~~ッ゛っ゛!!」
旭陽がばっと片手を俺から離し、自分の口元に掌を押し付けた。
全身が引き付けを起こしたかのように激しく揺れている。
腕の中から落ちてしまいそうなほど痙攣する体を、自分の体に強く押し付けた。
旭陽がイっている顔を、俺以外に見せるつもりはない。
「贄様!? だ、大丈夫ですか!?」
突然大きく痙攣し始めた背中を見て、驚愕の表情で家臣が近付いて来ようとした。
「大丈夫だ!」
接近して、真っ赤に染まった項や耳を目撃されるのは気分が良くない。
先に制止を叫ぶと、一歩踏み出した状態で相手が立ち止まった。
「だ、大丈夫なのですか……?」
「ああ、問題ない。それより、サンドロに仕事を頼んでいる。手伝ってやってくれないか」
首を振って促す。躊躇いながら踵を返して去っていくのを見送り、後ろ姿が見えなくなってから歩みを再開する。
「ッ゛、ッふ、ぐっ、ン……ッ!」
黒髪に口付けを落とせば、頭が小刻みに揺れた。
嫌がる仕草を見下ろせば、口元を押さえている指の爪が白くなっているのが見えた。
力を込めすぎている証拠か。流石に絶頂の声を通路に響き渡らせるのは恥ずかしいらしい。
がくがくと震えている腰に粘液を広がらせ、逃がせないように固定した。
初めての硬度がない侵入者に躊躇っている腸壁を進み、奥の璧までどんどん体を流れ込ませていく。
「ッ、ァ、ッ゛っ! ヒッ……ッゥ、っぁ、~~~ッつ゛――!」
触って欲しそうに膨らんでいる前立腺を包むと、また全身が大きく揺れた。
強く瞑られた眦から、大粒の涙が溢れ出して襟元に滴り落ちている。
必死に声を殺している男を抱え、早足で自分の部屋まで戻った。
「ッ、ァ゛ッ、っ!」
部屋に辿り着いて腕の中の体をベッドに下ろせば、少し乱暴になってしまった振動にすら嬌声が上がった。
衝撃で俺の首に縋っていた腕が解け、ベッドの上に落ちる。
到着したことに気付いたのか、固く閉ざされていた両目が薄らと開かれた。
とろりとした黄金からは溺れてしまいそうなほどの涙が溢れ出している。
旭陽の口元から手を剥がし、指を絡めてシーツの上に押さえ付けた。
「ッは、はアッ、ば、っかやろ……!」
泣きながら詰られると、益々興奮が煽られた。
それだけ? それだけで許してくれるのか?
ちかちかと、興奮のあまり視界が点滅する。
抵抗してきている奥の璧を、スライムの体を利用して強引に乗り越えた。
「ッひ……」
意志を持った半液体が、鎖されていた場所を越える。
その異様な感覚に、がくりと旭陽の体が仰け反った。
何が起きたのか、分からない。
目を白黒させて疑問を物語っている男の髪を掻き上げ、額に口付けを落とした。
「イって、旭陽」
硬度がなかった体をぶくりと膨らませて、結腸を手前と奥から同時に押し拡げる。
頭よりも先に反応した四肢に力がこもり、腰がシーツから浮いた。
「……ッぁ、あっ――~~~ッィ゛ああ゛ぁアアーーッっ!」
疑問が浮かんでいた瞳がじわじわと歪み、細まってから大きく見開かれる。
がくがくと全身が跳ね上がる。
震えながら開いた唇から、激しい混乱を孕んだ悲鳴が迸った。
ぶしゃりと噴き出した大量の精液は、性器を包み込んでいるスライムの体に全て取り込まれていく。
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