ショタゴンクエスト!! 始まりの異世界

クレアンの物書き

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始まりの異世界

精霊の案

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なんやかんやで、ドライアド君を仲間に引き入れました。


…そして、その件の彼は絶賛反省中です。


「…どうしてこうも簡単に…我というやつは…」


「………」


あの後、何回か飲ませたりした俺がいうのもアレだが…


なんというか…話しかけづらい…


いやいや、さっきまでの乱れ具合すごかったのに…賢者タイムとの差が激しすぎないかなぁ?


「…はぁぁぁ…」


「ぁ…あの…ドライアド君っ?…そんな気にしなくても…」


「……リモ」


「え?」


「我の名……呼び捨てで構わない…」


「…えと…日向紅葉です……はい……聞いていい?」


「……我らドライアド族は普段皆こうなのだ…」


「…おとなしい?」


「…うむ…だが、ドライアドであるが故に…その…栄養過多になると…ああなってしまうのだ…///」


頬を赤くそめながら説明をするリモ。


なるほど…確かに、ドライアドは植物に属するモンスターだ。


質のいい…いや、良すぎるコンパクを吸収して、はっちゃけちゃったわけか…


「…ちなみに、服にかかっただけでも?」


「うむ……ある意味体の一部みたいなものだからな……まぁ、着脱可能だから、体といえるかは怪しいが…ドライアドだからだと理解してもらいたい…」


なら、普通の服を着せたらどうなるんだろうか…などとくだらないことを考えていたが、当初の目的を思い出した。


「…あんな一面見た後で申し訳ないんだが…手伝ってもらえるか?」


「…ドライアドは口にした約束は必ず守る…まぁ…その……あの乱れようは忘れてもらいたいがっ…///」


「ぉっ…おぅっ…///」


と、互いに気まずく、顔を赤くしながら俺は説明し始めた。


「ってわけなんだが…」


「…驚いた……まさかとは思ったが、やはり異世界人だったとは…」


「そこを疑わないんだな」


「あれだけ質の良いコンパク…そうだせるものではない。さらに絶滅したと言われている人族…偶然は重ならないものだからな…なら、異世界人と信じる方が合理的だ」


「…なるほど」


「それに、我は過去に異世界人に会ったことがあるからな…その雰囲気を感じとったのもある」


「…ん…なんか違うのか?」


「オーラというのか…やはりこの世界の人族と比べて異なるのだ…その…夢中になるというかっ…///」


と、すすっと体を押し付けてくるリモ。


やめなさい、反応しちゃうから。


「あ~ダメだよぉ~ぼくもぉ~」


とスラミーまでもが、体を押し付けてくる。


だから2人ともやめなさいってっ。


「…こう見ると…」


「ん?」


「いや、かなり特殊な状況だなと思っただけなんだが……あの本能の塊とも言えるスライムがここまで懐いているの初めて見た」


「ほぉ…そうなのか?」


「モンスターという存在の理解はしているか?」


「あぁ、シーク…エルフ達の村長から聞いたよ」


「何と…シークはまだ存命だったか」


「シークと知り合い?」


「うむ…と言っても、我が最後にあったのは、数百年ほど前だがな…」


とどこか懐かしそうにつぶやいた。


「…モンスターは元々人族が自分達と他を分けるために使用した造語、それから人族の文明が滅び、モンスター側が覇権を握ってから二つの派閥ができ…片方…手を取り合わずに生きる方をモンスターと呼ぶようになった。ここまではいいか?」


「あぁ。ドライアド属がモンスター側なのは自分たちは他社と関わらず、ひっそり暮らしたいからか…」


なんかそれはそれで呼び方に異議を唱えたい気もするが…


「もちろん、我らはコンパクも好むが、生命活動におけるエネルギーは別に他の栄養でも問題はない…当時はまだお互いどう対処していったらいいのか不明だったからな……結果として、我らもモンスター側扱いになった感じだ…」


「…それは…なんというか…」


「…まぁ…我らとしては、もう人族にもモンスターにも関わりたくはなかったからな…ちょうど良い結果だと思ったのよ」


どこか思い出したくもないと嘆く表情を浮かべながら呟くリモ。


…本当に色々あったんだろうなぁ…


「でもぉ~今じゃコウヨウのコンパクにメロメロだもんねぇ♡」


「なッ!?///そッそれとこれとは話が別だッ!///」


いらないちゃちゃを入れるスラミー。


まぁ、重苦しい空気を変えてくれたから感謝しているがな…


「スラミー、落ち着け」


「ぶぅぅ~」


「まったく…えーと、リモ君」


「…リモでいい」


「わかった。リモ、さっきも説明したが、俺は友好的かつ効率よくモンスター達に協力を仰ぎたい」


「……ふむ…確かに、いくら質の良いコンパクでも、コウヨウ一人分ではな…そこのスライムが言っていたように集めれば集めるほど争いしか生まないだろう」


「…そうだよなぁ」


そう。


結局、俺1人で抱えられる幅が狭いことが原因なわけだ。


超絶な絶倫なら問題はなかったかもしれないが…んんぅ~。


「じゃが、方法はある」


「…え?」


「スライムよ」


「スラミーだよぉ~」


「…スラミーよ、果実は食べられるな?」


「んぅ?。あの木とかにできるやつぅ?。食べられるよぉ」


「なら…」


と、リモはいつのまにか服の装飾だと思っていた塊をもぎ取り差し出した。


あれ…あの装飾…あんな大きかったか?


「騙されたと思って食べてみよ」


「う…うん」


流石のスラミーも状況が飲み込めずに困惑しかけたが、恐る恐る一口…


「ん…んんッ!?」


「だっ大丈夫かスラミーっ?」


「凄いっ!こんな甘い果実久しぶりかもッ!!しかもコウヨウのコンパクまで感じる!!」


「…は…はぃっ?」


「うむ…考え通りじゃな」


困惑する俺と、納得するリモ。


「ど…どういう事だ?。よくわからないんだが…」


「コウヨウのコンパクは、モンスターを惹きつけるほど良質なもの…だが、その生産者は1人しかいない…これだと争いが起こりかねん」


「ぁ…あぁ」


「だが、もしもコウヨウのコンパク…コンパクを何かに変換し、量産できるならどうだ?」


「何かに変換って…あっ、さっきの果実?」


「正解だ。正確にはモンスター側の生産物になるがな…良質なコンパクは、体を隅々まで潤しても、なくならなかった。我の場合、結果としてこの果実に流れたわけだ」


と服の装飾らしき物を指さす。


そこには、スラミーに差し出したのと同じくらいの拳大の塊がいくつかできていた。


てか、やっぱりその服不思議すぎない?


…すげー気になるが…とりあえず、今の状況を整理しよう。


「…つまり、俺がリモにコンパクを与える…そうするとリモは良質な果実を用意できる…と」


「良質なだけではない。コウヨウのコンパクの成分までびっしり詰まっている。もちろん、本物より劣るが…交渉材料にはなるだろう。スラミーよ、食べた者としてどうじゃ?」


「んんっ?。やっぱり、コウヨウの本物よりかは落ちるけどぉ、満足すると思うよ~」


とにっこり答えるスラミー。


…まじか…


「…ちなみに生産スピードは1日か2日ぐらいだ。今のは既に成長していたものがあるからすぐだったが…1からとなればそれぐらいか…まぁそれでも、本来は1年かかるのだからかなりの時間短縮ではあるがな」


「…まじかよ……ある意味、問題解決じゃん…」


「うむ。だが、交渉材料に事足りるかと言われたらまだ足りない」


「えっ」


「交渉の内容次第な面もあるが…そもそも交渉材料が少なすぎる」


「あー…確かに、現状スライムの雫とドライアドの果実しかないもんなぁ…」


「コウヨウのコンパク味のな」


「…そう言われると何だか…」


「仕方あるまいよ…だから、品数を増やす必要はある」


「…良い物件あります?」


「うむ、まかせよ」


とリモに案内され、俺達は新しい生産者(?)の元に移動していった。

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