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光り物だらけで売れない道化師…しかし、大事にはされている

急変する状況

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「…まぁいいか…とりあえず、あんたもこれでひとまず矛先を沈めてくんないかね?」


「……」


「沈黙は肯定とみなすからね?。必要があれば手を出させてやるさ」


現れた女性…このギルドのマスターがエバンスに話しかけた。


「ギルドマスター…来るのが遅い…」


俺は心底、早く来いやコラァッて気持ちでいっぱいだったんだからな?


「すまんすまん、昨日の深酒でものすごく頭が痛かったからねぇ…て、シャール。あんたもまぁ面白い状態だね」


自業自得じゃねーか…


まぁ、抜け出せない俺がいえたことじゃないが…


「…情けないことに抜け出せないんだよ…これが…」


「まぁクラス相性かねぇ…とりあえずエバンス含めて殺気をやめな。じゃないと殆どの奴が動けないからね」


ギルドマスターのその一言で一気にギルド内を支配していたさっきが弱まった。


…まだエバンスだけ、ガチギレだけど…


「てか、誰だいそいつ?」


興味なさげに吹き飛ばし、気絶させた職員を見ながら呟く。


「…先日来られた中央の…」


話せるようになった受付嬢が説明しだした。


「…ぁぁ~王都のギルドからの派遣者かぁ…そういやいたね、そんなの」


どれだけ酒で頭が回ってないんだこの人は…


「…ウチのドラゴンの尾をわざと踏んづけるなんてねぇ……まったく、説明があったろうに…」


「…多分、話を聞いていなかったのかと」


「はぁぁぁぁ…これだから王都のギルドからは受け入れたくないんだ…」


ため息混じりに愚痴を吐くマスター。


どうやら、今は職員の派遣という取り組みをギルド間でやってるみたいだ。


「…すまないね、シャール。嫌な思いをさせちまって」


「いや、俺は別に…」


「…そういうとこがあまりよろしくないんだけどね…ひとまず、この場にいる他の派遣ども…は気絶中か……情けない」


「いや、いくらギルド職員って言ってもAクラスパーティーの殺気ですよ?」


「殺気ぐらいなんだい。そんなのよくある話だっての…どれだけ緩くなってるのやら…王都は」


緩いって…


いやいや、殺気飛び交うギルドとかいやですけど?


「…この馬鹿は権限剥奪の上、大切な冒険者への暴言により王都へ送り返す…もちろんたっぷりの謝礼金も支払わせてだ…てな感じでどうだい、エバンス?」


「…シャールがそれでいいなら…」


明らかぁぁぁに不満そうだが…


まぁそこで落ち着いてくれるなら問題はない。


「…俺も別に構いませんよ」


「…よし、とりあえずこれで話は終いだ。おい、動ける職員。この馬鹿を」


「…はぁッ…ぁぁッ……」


「…ッ!?、大丈夫ですかっ!?」


ギルドマスターが指示を出そうとした瞬間、入り口付近からエリナの慌てた声が響いた。


入り口付近に顔を向けると、傷だらけの女性冒険者が荒い呼吸をしながら力尽きたように倒れた。


「…リメルダ、離せ」


「…ぁぁ」


状況が一変したからか、リメルダは素直に従ってくれた。


そして、エリナが回復魔法をかけている女性冒険者に近づいた。
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