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光亡き獣と元同僚の女騎士団長
おじさん、知られすぎて怖すぎた結果、ヤられそうだったんですが…えっ?
しおりを挟むさて、長話もここらにしてですな…
そろそろ本番に入りましょうかね。
「…」
とはいえ…何から手をつけるべきか…
そもそも、欲しかった情報の大半が無いしなぁ。
だからっていって、この森に無闇に踏み込めのもなぁ…
「…さてさて……何がいいですかねぇ…」
と、頭をかきながら考えるおじさん。
…
…まぁ…ね?
…正直、いくつか案があるんですが…
どれにしましょうか?って話なんですよ。
…出来る限り、2人に危険が少なく、報告しやすい方法…ってなるとなかなか…ねぇ?
いやぁ、難題難題。
難題ですわぁ。
…
とりあえず、1つ…
1番簡単なのを提示してみましょうかね。
「…一つ提案なんですがね」
「はい、何でしょう?」
「もう、調査終わりにして帰るとかどうっすかね?」
「「はいッ!?」」
と、めちゃくちゃ驚かれた表情を浮かべるお二人。
「貴様…ふざけてるのかっ…?」
まぁ、そうなりますよねぇ~。
調査しに来たのに、調査せずに帰るなんて言われたら、誰だってキレますよね。
だから、とりあえず弁護を…
「いやいや、おふざけなんてこれっぽっちも
ありゃしません…ただまぁ、いざ森に入ると考えると…ねぇ?」
「……それは…」
と迷った雰囲気を見せる副団長様。
怒りながらも芯の部分はきちんと状況を把握している…やっぱりなかなかの強さがあるみたいですねぇ…
伊達に副団長様ってわけじゃないわけですか…
「…残念ながら、その提案は受け入れられません……というより、受けるわけにはいかないと言ったところでしょうか…」
騎士団長様は迷った様子はあれど、直ぐに答えなさった。
正直、予想通りですね。
「…まぁ…そうなりますよねぇ…」
「…やはり理解した上で聞いていましたか。流石ですね…アーノルド」
…とりあえずなぜ、そんな満足げな表情を浮かべてらっしゃるんですかね?
別にそんな誇る理由にならなくないですかね…?
「……いやいや、ただの経験からの勘ってやつですよ……仮にも、国の顔でもある騎士団の1つが出向いて来てるのに、何もせず帰ればどうなるか……まぁ、考えるまでも無いですからねぇ」
「…良くて地位の剥奪…最悪ならば死刑もありえますな」
「えっ…そこまで厳しいんですかいっ?」
それなりの罰則はあり得そうだとは思ってましたが…
ちと、厳しすぎやしませんかね?
てか…まだそんな状態なんですかい…?
…それはそれで予想外でしたねぇ…
「……まぁ…最終的には陛下のお考えで決まるがな……陛下は平等なお方だ。先程のは、これまでの歴史的な観点を元にした予想だが…状況によっては、結果が変わる可能性は高いだろう」
おっ?
まじですかいっ?
「…なら、そこをつくやり方が良さそうですねぇ……今の国王陛下についてあまり知りませんが……視野が広いお方だという事は伝わってきましたし」
「…お前、いくら何でも知らなさすぎでは無いか?」
「…まぁ、こんな田舎にいるとねぇ。というか、ただの門番が国王陛下の性格とか知ってる方がおかしくないですかね?」
「…まぁ…それはそうだが……しかし、田舎といっても限度があるだろう……」
「…まぁまぁ、副団長…彼はこういう人なので」
「…騎士団長がそうおっしゃるなら…」
と、不満げにだが、何とか納得してくれたご様子。
…まぁ、騎士団長様がおっしゃるように、おじさんはこうだからねぇ~…
「…ですが、アーノルド。流石に陛下に関しては知っておくべきかと…」
「…あー…うん…まぁ……お会いする機会なんて無いんですから、別にいいかなぁって…というか、そんな知れる事ないでしょ…」
「…そういう意味ではっ……はぁ…やれやれ…」
と、首を横に降りつつも、不満げにしながら納得したような雰囲気を出してる騎士団様。
…
…いや、マジで…おじさんに構いすぎじゃない?
……まぁ、自分が所属してる国のトップだから知っておくべきだと言いたいんでしょうけど…
ちと、なんか…変な感じがするなぁ…
「…とりあえず、今は目の前の事に集中しましょうや」
「…そもそもおまっ……んんッ……えぇ、仕方ありません…今すべきことではありませんからね…」
…やっぱり、口調…
まぁいいか…
騎士団長様がおっしゃるように、今すべき事がありますし。
「納得してくれたようで何より何より。脳き……いやはや、ご聡明な方なようで」
「……」
「おっと、待った。またあの鋭い一撃はご勘弁をっ…命がいくつあっても足りやしませんからねっ」
「……貴方なら簡単にいなすでしょう?」
「いやいや、しがない門番男に何をおっしゃいますかっ」
「……」
…あれ、鋭さが増してる?
溜め技でも放つつもりなの?
本気の一撃ってやつじゃないっ?
……あれ、ヤバめっ?
「…き…騎士団長っ…その辺でっ……本当に今はすべき事がございますからっ…!」
「ッ!………ふぅぅ……ぇぇ…そうでしたね…」
副団長が止めに入るや否や、ゆっくりと張り詰めた雰囲気が下がっていく。
どうやら、頭が真っ白になる程取り乱していたわけじゃないようだ…
いやぁ…助かった助かった。
…
「……それで?」
「はい?」
落ち着いた騎士団長様がそう問いかけてきた。
「…ですから、これからの事です……貴方の事ですから、さっきとは別に用意しているのでしょう?」
…おやおやまぁまぁ…
流石、おじさんは覚えがないけどおじさんの事を知ってるっていうだけあるって事ですかねぇ…
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