上 下
3 / 9
光亡き獣と元同僚の女騎士団長

おじさんの知らないところで…

しおりを挟む
【ミーア視点】


一大事!


ミーアの獣人生の中でめちゃくちゃ一大事な場面ですよこれはっ!!


いつもみたいに、アーノルド先輩と交代しようとした直後、謎の騎士団の皆さんがご登場っ。


しかも、何やら情報連絡に問題があったようで、互いに認識が合わず…


しかもしかもっ、話を聞く限りではプライドによる見栄みたいな物も絡んでいるみたいですっ。


先輩に指示された私は、慌ててカーミラ団長の元に向かったのですっ!。


…そしてまぁ…案の定、惰眠を貪っていた団長…


日頃の疲れなんでしょうけど…


ベットでもなく、ソファで大雑把に寝るのは…


なまじ美人なだけに勿体無い…


…そう言えば先輩は団長の事、残念美人って言ってたっけ…





…うん、納得ですね…これは…





…はっ、いけないいけないっ。


今はそういう事じゃ無いのですっ。


とりあえず先輩に教わった方法で叩き起こして事情を説明。


いきなり叩き起こされ不機嫌だっったカーミラ団長ですが…


流石のカーミラ団長も、騎士団がいきなり現れたと聞けば目の色を変えてすぐさま仕事モードに突入。


いつものだらんとした様子は一気に無くなってお仕事全開モードにっ…!


こうなった団長はとても頼り甲斐があり、出来る女って感じなんですっ。


…というか、毎回こうだと嬉しいんですけど…


まぁ、そこは置いておいて…


とにかく、私は出来る限りカーミラ団長と情報の交換を行いました。


結局のところ、カーミラ団長ご自身も騎士団が派遣されるなんて話は全く聞いていないと言うことでした。


…やっぱり先輩が言うように…道中で…?


流石に、出来もしていない事を出来たなんて…獣人の私ですら絶対に報告しないですし…しちゃダメだと思うんですけど…


…それも、王都の内部…つまりは、お偉い様ばかり…それに普通より近くに王様もいらっしゃるわけですし…


どう考えても、嘘をつくのはリスクしか無いと思うんですけど…


…ただ、カーミラ団長が言うにはその可能性も0じゃ無いのがあそこだ…なんて言い出しちゃいますし…


…うん、やっぱりとか都会より田舎の方が安全ですよ安全っ。


…それで、とりあえず審議はどうあれ、証明に持ってきたメダルは本物。


ならば、話を聞くためにも丁重に連れてきてほしいって事だったんで、戻ってみると…


「おっ、ミーアちゃん。おかえりー、どうだったー?」


と何事もなかったかのように、煉瓦石に腰掛け手を振る先輩。


…でもなんでか…相手側はどこかギクシャクしてるというか…


特に、リーダー格の人がめちゃくちゃ苛立ってるというか…


…めちゃくちゃそっぽ向いてますし…先輩から…





一体何したんですか…?


…気になりますが…ミーアはミーアのお仕事をするまでなのですっ。


「え…えぇっと…簡潔にまとめますっ。カーミラ団長は皆様のご来訪について全くご存じないとの事っ、詳しいお話をお聞かせいただきたいとの事ですので団長室までご同行いただけますでしょうかっ!?」


緊張していたのもあって甲高い声になっちゃったけどっ…


も…問題ない…よね?


「…ぷふふふっ……ミーアちゃんっ……緊張しすぎっ…」


…とりあえず、先輩は後で百烈パンチの刑なのです。











そして、場所は変わって団長室。


私を含め数人のメンバーと団長、そして騎士団の皆さんが部屋の中に。


カーミラ団長が前に出ると、それが合図だとばかりに話を始めました。


「レイチェル騎士団長、並びに白銀の剣の皆様。ようこそいらっしゃいました。言い訳するつもりはございませんが……満足におもてなし出来ず大変申し訳ございません」


カーミラ団長が騎士団の皆さんに向かって頭を下げる。


それに伴って、私たちも一緒に頭を下げていた。


本当なら、ちゃんと連絡を入れてない人が悪いんだけど…


それだけで事がすまないのが社会ですもんねっ。


連絡によるミスがあったとはいえ、白銀の剣…


私は知りませんでしたが、団長が言うには王都内では名高い騎士団なんだとか…


そんな人たち相手に、きちんとしたお出迎えができなかったって言うのは…


本当によっぽどの理由がなければ大問題になるほどの事だって言ってました。





…だ…大丈夫です…よね?


特に先輩…絶対何かやらかしましたよ?


「いえ、カーミラ団長殿…それに皆さん。頭をお上げください…元より通達がきちんと行われていなかった事が原因……知らぬ物に対して、対応など出来ません。そういう意味では、急に押しかけたのはこちらです。謝罪すべきは私たちの方かと……大変申し訳ございません。こちらも、王都に戻り次第、事の真相について明らかに…組織において、まともに機能しない部分はたださねばなりませんからね…明確になった暁には、正式に私がお話にあがります」


とスムーズに、流れるように言葉を紡ぐ騎士団長さん。


…仕事モードのカーミラ団長みたいです。


…やっぱり出来る女ってやつは、こういう感じなのでしょうか?


「…騎士団長…自らが…ですか?」


これには騎士団側でも騒がしくなりました。


どうやら、あっち側もこの事については全く知らなかったみたいです。


「えぇ…今回の事では、不祥事…だけでは片付けてはいけない部分があるかと……理由はどうあれ、既に国としての名誉に関わる内容です…遺恨を残さぬためにも、私が出向き対応する必要があるでしょう」


「…承知しました。ご一報…お待ちしております」


あっち側のリーダーさんは、どうやら今回の事で本当に管理ご立腹みたい…


騎士団長を務めるからには、そういった心持ちが重要って事なんでしょうか…?


「…それで本題なのですが…此度はどうしてこちらに?」


「……此方の村の付近に“光なき森”と言う場所があると言う認識であってますか?」


「えぇ、確かにございます」


カーミラ団長は頷く。


確かに、この村付近にそういった場所は存在します。


“光なき森”。


名前の通り、一切の光が差し込まないほど木々が絡み合った深い森です。


人間種の目からじゃ見えないでしょうけど…


あの中は本当に迷路みたいで入りたくないんですよね…


それにモンスターだってウヨウヨしてるみたいで…


なんというか、獣人の勘ってやつがビンビン反応してます。


あの中は危険だって。


でもなんでか、モンスターは森から出てこないんですけど…


…それにあの中に入るのもおすすめはしない場所です。


あの森の中は、向こう側のフィールドです。


暗いのもが見えるのとか、匂いで位置を察知するのとかたくさんいるみたいだし…


できる限り、近づきたくない場所No10に匹敵する場所なのですっ…うんっ。


それと、これは本当のことですけど、この村の警戒区域の1つだったりするんですよね。


出てくる事はほとんどないけど…危険なモンスターだらけですから…見た事はないんですけど…


「そちらについて何か変わった事は?」


「何かですか………いえ、特にこれといった報告はなかったかと……何かあの森に…?」


「…これは出来る限り秘密にしてもらいたいのだが…王都の魔術師達が、森から異様な魔力が発生した……そう報告があったのです」


「…あの森から…?」


「えぇ…何でも常に発生しているわけではなく、非定期的に強い魔力が観測出来たとか……私たちはそのための調査として派遣された次第です」


「なるほど……」


強い魔力…


なんでしょう…


モンスター同士の縄張り争い…って感じもしないですしょうし…


…場所は離れてますから…近くに行ったら何か見えるのかもですけど…


いつもの森…みたいに見えたんですけどね…


「…異常が無いのなら良いのですが…この村は国として開拓作業の重要な要……出来る限り、問題点は取り除きたい…それが陛下の御意志です」


「……そちらの事情は把握いたしました……ですがしかし…本当に、お力になれるような情報は今のところ……」


と周りを見渡す団長。


だが当然、私も含め皆首を振っていた。


「…そうですか……では、何か誤って観測を…?」


騎士団長さんは呟くように…


確かに、それもあり得ない話じゃないかもです。


「……無くは無い…と言う事も考えられますが……それでも1度や2度では無いとなると…」


「…」


困ったように表情を変える2人。


そりゃ困って当然ですよね…


「…ちなみに、観測などはどのように?」


「それについては、監視役を設けております。報告もその者から」


「……随分と優秀な人なんですね…」


「いえいえ、容量が良いと言いますか…報酬に見合った額を出せば、それだけの働きををするやつなので…………まぁ本人が申していた事ですが」


「……まさか…」


「…どうかされましたか?」


「あっいえ……カーミラ団長、出来るのなら本人から話をお聞きしたいのですが…」


「本人からですか?」


「えぇ……情報の報告自体を疑っているわけではありませんが……もしかしたら、本人には些細な事すぎて、報告をしていない場合もあるかと思いまして…それに、実際に見ている立場からしてどうなのか…そこについても話を聞く事が出来ればと」


「…ふむ、なるほど……わかりました。話が出来る様に調整しましょう」


「ありがとうございますっ」


「いえ、お礼を言われるほどでは………ただ、1つ問題が…」


「…問題…ですか?」


「えぇ……今本来…特別対応という形で待機しているはずですが……あいつ……その監視役にとっては休憩時間のようなものでして…」


あー…そういえば…


色々ありすぎて忘れてました…


監視役って先輩の事ですよね…


…絶対セシリアさんのお店でお酒飲みたいなぁとかぼやいてそうです…


「…ミーア、あいつ…まともに話を聞くと思うか?」


「へっ…!?」


いきなりこちらに話を振られて驚く私。


なんで私にっ…!?








いや、そう言われても…


答えなんて決まってるようなものですし…


「…めちゃくちゃ不機嫌になるかと…」


「…報酬…上乗せって事で…どうかね?」


「…まぁ…それなら……いやでも…どうでしょう……時間は…調整した方が…」


と気まずそうにやり取りをする私たちを見て騎士団長さんが首を傾げながら問いかけてきた。


「……話すのは…難しい感じ…なんですか?」


「…いやその……かなり気分屋と言いますか……仕事中であれば、かなり…いやある程度真面目なんですが……なにぶん休憩中という厄介な時間なので…」


「…仮にも白銀の剣の騎士団長が話をしたいと言っている…という場合でもなのか?」


流石に思うところがあったのか、向こう側の1人が怒ったように…


「副団長」


と嗜めるように騎士団長さんが一言。


まぁ、有名な騎士団長さんが話をしたいって言ってるのに…


門番が私情を理由に断るなんて普通あり得ないですよね…


…でも、私としても無理に通すのはお勧めしないんですけどねぇ…


「…残念ながら、彼はそういう性格でして…これについては、私どももかなり苦労しているのですが…」


とすかさず団長がフォローに。


「…構いません。彼に良いタイミングを伺いましょう」


「レイチェル騎士団長っ!?」


副団長さんは驚いた声をあげちゃいました。


…まぁ普通、妥協するなんて発想はないですもんね。


…というか、すごい優遇されてません…先輩?


騎士団長さん…何だか先輩を知ってるみたいですし…


「こちらから話を聴きたいと申し出たのです。相手側に合わせるのが当然でしょう?」


「ですが騎士団長とではっ」


「いいのです。それで重要になるかもしれない情報を聞けるチャンスが得られるのなら…いくらでも、私が出向きましょう」


「…騎士団長…」


副団長さんに釣られて私も尊敬の眼差しに…


…やっぱりこれが出来る女ってやつなんでしょうかっ…


「……それに、まともに話す機会を用意するのも…なかなか大変そうですしね…」


「…?」


「…カーミラ団長」


「はい、なんでしょう?」


「出来れば情報調査のため、しばらくその監視役の人をお借りしても?」


「「っ!?」」


おおっと!?


「構いませんが……品行方正とは無縁なやつですよ?」


「えぇ、大丈夫です……そういう人だと“知っています”ので」


「…?。アーノルドとお知り合いか何かで?」


「…えぇ…昔に何度か剣を…まぁ、古き友人と言いましょうか………ついさっき、本人から忘れられてるのを宣言されましたけれど…」


「…」


…おうふ…


せんぱ~い…


まじっすかぁ…


「…私の部下が重ね重ね無礼な事を…」


団長が頭を下げるのにつられて私も…


…後で絶対百烈パンチ喰らわしてやるのですっ。


「いえ、お気になさらず…私も彼がそういう性格だという事を忘れていましたし……何より、彼に対して本気に近い一振りを放ってしまいましたから」


まぁ…忘れられるって…男性からしたらあまり気にしないかもですけど…


女性からしたら、結構傷つく…





いや待ってください?


今この人、本気に近い一振りを放ったって言いました!?


「まぁ、放ちたくなりますよね」


カーミラ団長!?


「えぇ、我慢ならず…」


「わかります…私も何度ぶっ飛ばし…んんっ…叱りつけようかと」


何だか、変な方向から意気投合しはじめてませんかっ、この2人?


「…放った私が言うのもアレですが…ご心配なさらないので?」


「んっ、何にですか?」


「いえ、彼の安否について」


まぁ…ピンピンしてましたけど…普通心配しますよね…


…しますよね?


「あー…なるほど…確かに、本来なら心配の1つや2つすべきでしょうね」


「…そんな要素は全く感じれませんが…」


「えぇ、元からしてませんので」


「…」


「…」



“ピキィ……”


何かが物理的に壊れたわけではありませんが、空気が…


「…それは、私の腕が鈍っているからと…?」


“ッッッ…!?”


思わず背筋を冷たい氷の刃でなぞり切られるような感覚に、思わず体が硬直してっ…!?


「…」


「…」


「…はっはっはっ、これは失礼失礼。別に貴殿の剣技を馬鹿にしたつもりは無いのです。ただあいつなら…“どんな相手だろうと、平気な顔でいなしてしまう“…そう思っているからこそ、心配の2文字がなかったまでの話です」


「…」


「…」


「…なるほど、確かに……現に、私の一振りは簡単にいなされてしまいましたしね」


空気が緩んで……


た…助かったぁ…





はぁ…





…本当…相変わらず…先輩の凄さがいまだに実感出来ません…


なぜか、下っ端のはずなのに時々カーミラ団長叱りつけてる時あるし…


まぁ、その時は大体団長が悪いんですが…





現に今、騎士団長さんの1撃をいなしたって話まで…





…えっ?


もしかして、めちゃくちゃすごい人だったりします…先輩?


「では、この後すぐにでも彼に連絡を…合流は準備…それに皆さんの休憩もあわせ、明日の朝などいかがでしょうか」


「えぇ、問題ありません。長旅でしたので休憩したい者も多いでしょうし」


「では、宿屋もご用意を…まぁ、発展途上の村ゆえ王都に比べれば容易い作りかもしれませんが…ご容赦を…」


「いえ、お気になさらず。きちんとした寝床があるだけでもありがたいです」


と、とんとん拍子で話を進めていく2人。


騎士団のメンバーは、やはりリーダーであるあの騎士団長さんに従うようだ。


こちらも特に反論は出ないから、結局2人の考えで内容がまとまっていく感じです。





…聞いてる限りじゃ…何がと言いませんが…かなりハードになりそうですね…


…労働はめんどくさいでしょうけど…頑張ってください…先輩…

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる

フルーツパフェ
大衆娯楽
 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい

616號
ファンタジー
 不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します

有賀冬馬
ファンタジー
王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。 妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。 さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。 そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。 そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。 現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!

神様との賭けに勝ったので、スキルを沢山貰えた件。

猫丸
ファンタジー
ある日の放課後。突然足元に魔法陣が現れると、気付けば目の前には神を名乗る存在が居た。 そこで神は異世界に送るからスキルを1つ選べと言ってくる。 あれ?これもしかして頑張ったらもっと貰えるパターンでは? そこで彼は思った――もっと欲しい! 欲をかいた少年は神様に賭けをしないかと提案した。 神様とゲームをすることになった悠斗はその結果―― ※過去に投稿していたものを大きく加筆修正したものになります。

ごめんみんな先に異世界行ってるよ1年後また会おう

味噌汁食べれる
ファンタジー
主人公佐藤 翔太はクラスみんなより1年も早く異世界に、行ってしまう。みんなよりも1年早く異世界に行ってしまうそして転移場所は、世界樹で最強スキルを実でゲット?スキルを奪いながら最強へ、そして勇者召喚、それは、クラスのみんなだった。クラスのみんなが頑張っているときに、主人公は、自由気ままに生きていく

転移した場所が【ふしぎな果実】で溢れていた件

月風レイ
ファンタジー
 普通の高校2年生の竹中春人は突如、異世界転移を果たした。    そして、異世界転移をした先は、入ることが禁断とされている場所、神の園というところだった。  そんな慣習も知りもしない、春人は神の園を生活圏として、必死に生きていく。  そこでしか成らない『ふしぎな果実』を空腹のあまり口にしてしまう。  そして、それは世界では幻と言われている祝福の果実であった。  食料がない春人はそんなことは知らず、ふしぎな果実を米のように常食として喰らう。  不思議な果実の恩恵によって、規格外に強くなっていくハルトの、異世界冒険大ファンタジー。  大修正中!今週中に修正終え更新していきます!

元勇者のデブ男が愛されハーレムを築くまで

あれい
ファンタジー
田代学はデブ男である。家族には冷たくされ、学校ではいじめを受けてきた。高校入学を前に一人暮らしをするが、高校に行くのが憂鬱だ。引っ越し初日、学は異世界に勇者召喚され、魔王と戦うことになる。そして7年後、学は無事、魔王討伐を成し遂げ、異世界から帰還することになる。だが、学を召喚した女神アイリスは元の世界ではなく、男女比が1:20のパラレルワールドへの帰還を勧めてきて……。

処理中です...