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間話
プロローグ2:テレンスとアラン(残業)
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天翔る天空の覇者竜に乗り、王国を守護する竜騎士。
しかし地に降りれば彼らも国家の役人である。
書類仕事も彼らの役目の一つであった。
竜騎士の詰め所でテレンスを含め、数名が遅くまで書類仕事に励んでいる。
王国の竜騎士団は竜に騎乗出来る正騎士二十八名。その他の団員を合わせても五〇人に満たない騎士団である。
少数精鋭と言うと聞こえは良いが、少ない人数でやりくりしているため、余計な仕事が入るとあっという間に許容範囲を超えて破綻する。
帳尻を合わせるには時間外労働。残業しかなくなる。
今、彼らが抱える余計な仕事は、王国竜騎士団団長であるグレン王子のお妃選びについてである。
グレン王子はやむを得ない事情から自身の竜ゲルボルグが選んだ娘を愛妾とすることになった。今度、その愛妾を選ぶ大会が開かれるが、彼はその娘を哀れに思い、妃とすることを望んだ。
本来なら王太子であるグレン王子の妻は伯爵以上の名家の娘に限られる。
これ以下の身分の娘を妃とするには相当強引な手段が必要だった。
テレンスらは何とか筋道をこしらえ、今は各所に根回しを行っている最中だった。
「テレンスさん」
対面の机に座る年下の同僚アランにこう話しかけられ、テレンスは顔を上げず答えた。
「なんだ」
――どうせ、絶対に下らない。
そして彼の予想は当たる。
「これって考えちゃいけないやつだと思うんですが、そもそも見つかるんですかね、ゲルボルグの気に入る女の子なんて」
「考えちゃいけないなら考えるなよ」
テレンスはそう答えたが、自身もつられて考え込む。
「ゲルボルグは昔から気性が荒いというか、気まぐれな竜だからな。とはいえ、性格そのものは優しく面倒見も良い。だが女性は本当に嫌いだな」
竜は元々人間を好まない。
そのため人里離れた場所に暮らす生き物だ。
詰め所側の竜舎に今は二十匹の竜が眠っている。
この王都に竜が居続けるのは、ここにリーダー格の竜ゲルボルグと、そしてその主である竜と心を通わせるという金目の王子グレンがいるからだ。
「なんで嫌いなんですかね?」
問われてテレンスは首をひねる。
「何でだろうな。昔からだ。十六年前か、ここに来た当初から女性を怖がる竜だった」
三十六歳のテレンスが、二十歳の頃である。
グレン王子はその時十歳になったばかりだった。
王子と同年代のアランは当然まだ竜騎士ではない。
その時からゲルボルグはグレン王子の竜となり、彼らは互いに唯一という程のかけがえのない存在になっている。
「あの竜、迷子になっている時、王子に助けられたっていう話ですが、そん時に何かあったんですかね」
「もう十六年前だからな、分からんが、多分な。今は怖がると言うより、嫌がるというように見える。そうだな、ゲルボルグのあれは……」
「あれはって何ですか?」
「……いや、それこそ今は考えてもしょうがない。まあ、見つけないとな、王子の子を産んで貰わないことには国が滅ぶ」
「そうですね」
とアランも珍しく真面目に頷き、そしてふと言う。
「その子、巨乳だといいですね」
「いや、俺は別に」
アランは眉を上げると、持っていたペンの先をテレンスに向けた。
「別にってことはないでしょう。テレンスさんも巨乳は好きですよね。おっぱいおっきい子は見ますよね。見てますよね」
「お前と違ってな、俺は巨乳好きではない。普通だ。普通にしか好きではない」
付き合いが長いと同僚の性的指向などどうでもいいことも精通してくる。
アランが最も重視するのは胸の大きさである。
彼は好みじゃない巨乳と好みの貧乳なら好みじゃない巨乳を選ぶ。
「故にお妃様に巨乳は望まない。王子が気に入ればいいと俺は思う」
というのがテレンスの結論であった。
「まあ確かにそれが一番でしょうが、そんな上手いこと行きますかね」
とアランはぼやく。
王子のお妃選びは竜騎士団に全権が委ねられた。
お妃候補である年頃の娘達をかき集めるのは内務に任せたが、その娘を妃とする裏の仕事は他には任せられない。
グレン王子はその日のうちに愛妾となる娘と関係を持つ。
下級とて貴族の令嬢の純潔を穢す罪は重い。
騎士道を重んじ、公明正大を旨とする王家であるが故にこれは許されない。責任を取ってグレン王子はこの娘を妃とする。――こういう筋書きだ。
テレンスらは本音を言えばやりたくはない。
これしかないとは言え、グレン王子に汚名を着せるやり方だった。
王子に打診した時、断ると思われたが、グレン王子は「それで良い」と頷いた。
いささか投げやりだったのが気になる。
このところずっと王子の機嫌が悪い。
王子の機嫌が悪いとゲルボルグの機嫌も悪くなる。
ゲルボルグの機嫌が悪いと、他の竜の機嫌も悪い。
仕事は増えるばかりだ。
さっさと終わって欲しい。
王都の名家と呼ばれる数家の了承は取った。
グレン王子に近い派閥は賛成している。
グレン王子は王太子であり、複数の公爵の爵位も持つ。それらの領地を任せた代官達の了承も取れた。
王子の兄、チャールズ国王は、この動きを察しているはずだが、一言もない。テレンスらはこれを黙認と断じた。
これでゲルボルグの選んだ娘はグレン王子の妃となる。
問題はその娘が、妃となるのに相応しい娘かどうかだった。
「下は十三歳、上は二十八歳までの王都に住む低位の伯爵家から騎士爵までの娘ですか」
「およそ千人。これで決まらねば、地方でかき集める。その後は平民も視野に入れる。さて、上手い具合にこの中に未来の妃がいらっしゃると良いが……」
運命のお妃選考大会は一週間後に迫っていた。
しかし地に降りれば彼らも国家の役人である。
書類仕事も彼らの役目の一つであった。
竜騎士の詰め所でテレンスを含め、数名が遅くまで書類仕事に励んでいる。
王国の竜騎士団は竜に騎乗出来る正騎士二十八名。その他の団員を合わせても五〇人に満たない騎士団である。
少数精鋭と言うと聞こえは良いが、少ない人数でやりくりしているため、余計な仕事が入るとあっという間に許容範囲を超えて破綻する。
帳尻を合わせるには時間外労働。残業しかなくなる。
今、彼らが抱える余計な仕事は、王国竜騎士団団長であるグレン王子のお妃選びについてである。
グレン王子はやむを得ない事情から自身の竜ゲルボルグが選んだ娘を愛妾とすることになった。今度、その愛妾を選ぶ大会が開かれるが、彼はその娘を哀れに思い、妃とすることを望んだ。
本来なら王太子であるグレン王子の妻は伯爵以上の名家の娘に限られる。
これ以下の身分の娘を妃とするには相当強引な手段が必要だった。
テレンスらは何とか筋道をこしらえ、今は各所に根回しを行っている最中だった。
「テレンスさん」
対面の机に座る年下の同僚アランにこう話しかけられ、テレンスは顔を上げず答えた。
「なんだ」
――どうせ、絶対に下らない。
そして彼の予想は当たる。
「これって考えちゃいけないやつだと思うんですが、そもそも見つかるんですかね、ゲルボルグの気に入る女の子なんて」
「考えちゃいけないなら考えるなよ」
テレンスはそう答えたが、自身もつられて考え込む。
「ゲルボルグは昔から気性が荒いというか、気まぐれな竜だからな。とはいえ、性格そのものは優しく面倒見も良い。だが女性は本当に嫌いだな」
竜は元々人間を好まない。
そのため人里離れた場所に暮らす生き物だ。
詰め所側の竜舎に今は二十匹の竜が眠っている。
この王都に竜が居続けるのは、ここにリーダー格の竜ゲルボルグと、そしてその主である竜と心を通わせるという金目の王子グレンがいるからだ。
「なんで嫌いなんですかね?」
問われてテレンスは首をひねる。
「何でだろうな。昔からだ。十六年前か、ここに来た当初から女性を怖がる竜だった」
三十六歳のテレンスが、二十歳の頃である。
グレン王子はその時十歳になったばかりだった。
王子と同年代のアランは当然まだ竜騎士ではない。
その時からゲルボルグはグレン王子の竜となり、彼らは互いに唯一という程のかけがえのない存在になっている。
「あの竜、迷子になっている時、王子に助けられたっていう話ですが、そん時に何かあったんですかね」
「もう十六年前だからな、分からんが、多分な。今は怖がると言うより、嫌がるというように見える。そうだな、ゲルボルグのあれは……」
「あれはって何ですか?」
「……いや、それこそ今は考えてもしょうがない。まあ、見つけないとな、王子の子を産んで貰わないことには国が滅ぶ」
「そうですね」
とアランも珍しく真面目に頷き、そしてふと言う。
「その子、巨乳だといいですね」
「いや、俺は別に」
アランは眉を上げると、持っていたペンの先をテレンスに向けた。
「別にってことはないでしょう。テレンスさんも巨乳は好きですよね。おっぱいおっきい子は見ますよね。見てますよね」
「お前と違ってな、俺は巨乳好きではない。普通だ。普通にしか好きではない」
付き合いが長いと同僚の性的指向などどうでもいいことも精通してくる。
アランが最も重視するのは胸の大きさである。
彼は好みじゃない巨乳と好みの貧乳なら好みじゃない巨乳を選ぶ。
「故にお妃様に巨乳は望まない。王子が気に入ればいいと俺は思う」
というのがテレンスの結論であった。
「まあ確かにそれが一番でしょうが、そんな上手いこと行きますかね」
とアランはぼやく。
王子のお妃選びは竜騎士団に全権が委ねられた。
お妃候補である年頃の娘達をかき集めるのは内務に任せたが、その娘を妃とする裏の仕事は他には任せられない。
グレン王子はその日のうちに愛妾となる娘と関係を持つ。
下級とて貴族の令嬢の純潔を穢す罪は重い。
騎士道を重んじ、公明正大を旨とする王家であるが故にこれは許されない。責任を取ってグレン王子はこの娘を妃とする。――こういう筋書きだ。
テレンスらは本音を言えばやりたくはない。
これしかないとは言え、グレン王子に汚名を着せるやり方だった。
王子に打診した時、断ると思われたが、グレン王子は「それで良い」と頷いた。
いささか投げやりだったのが気になる。
このところずっと王子の機嫌が悪い。
王子の機嫌が悪いとゲルボルグの機嫌も悪くなる。
ゲルボルグの機嫌が悪いと、他の竜の機嫌も悪い。
仕事は増えるばかりだ。
さっさと終わって欲しい。
王都の名家と呼ばれる数家の了承は取った。
グレン王子に近い派閥は賛成している。
グレン王子は王太子であり、複数の公爵の爵位も持つ。それらの領地を任せた代官達の了承も取れた。
王子の兄、チャールズ国王は、この動きを察しているはずだが、一言もない。テレンスらはこれを黙認と断じた。
これでゲルボルグの選んだ娘はグレン王子の妃となる。
問題はその娘が、妃となるのに相応しい娘かどうかだった。
「下は十三歳、上は二十八歳までの王都に住む低位の伯爵家から騎士爵までの娘ですか」
「およそ千人。これで決まらねば、地方でかき集める。その後は平民も視野に入れる。さて、上手い具合にこの中に未来の妃がいらっしゃると良いが……」
運命のお妃選考大会は一週間後に迫っていた。
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