竜騎士王子のお嫁さん!

林優子

文字の大きさ
上 下
61 / 119

61.媚薬エッチ①

しおりを挟む
「その前に王太子妃様、お聞き下さい」
 とアラン様は真面目な顔で私に言った。
「はっ、はい」
「奸計をめぐらし竜と王家に仇なす悪女クラリッサは、王家の長グレン様が処罰なさいました。天地誓って王太子妃はエルシー様のみです。王太子妃様はどうかお心安らかにお過ごし下さいますよう」

 アラン様曰く、王子と陛下は、クラリッサ様から色々聞き出すため、クラリッサ様に気のあるフリをしていたらしい。
「あ、でもお二人ともクラリッサとは決して二人きりにはなってませんし、ただの演技というか、エルシー様や王妃様にやましいことは言ってないしやってません。本当は王子、腸煮えくり返る思いでした」
 とアラン様は素早くフォローする。
「それで、薬の効果もあってどちらとも良い感じに見えたと思います。だが二人とも、結婚についてはのらりくらりで、決定的なことは言いません。焦ったクラリッサはあの夜に陛下のところに既成事実を作りに夜這いに行きます。そこでクラリッサは捕らえられたのです」
「あの夜?」
「はい。クラリッサも焦ってますが、陛下と王子も焦ってます。なんせ、あの日は期限の一週間でしたから、エルシー様との約束があります。王子が気にしていたのはクラリッサの持っていた竜涎香が手持ちのものだけなのか。他に協力者がいるのか、でした。実際には王子のにらんだ通り、いたんです。クラリッサの乳母やというのが、王都に住んでいて、それが竜涎香をもう一本隠し持ってました。王子と陛下の策略にはまり、一週間で最初の竜涎香を使い切ったクラリッサは、乳母やに預けたその最後の一本を使い、陛下を籠絡しようと企んだわけです。まあそう誘導したのは陛下ですが。そして捕まりました」
「大捕物ですね」
「はい。それが終わるやいなや、王子はゲルボルグを駆り、エルシー様のところに向かったのです」
 とっても驚きました。夜中の11時半に窓から来られましたので。

「それが、この、竜涎香です」

 そう言ってアラン様が差し出したのが、古ぼけた香水瓶だ。
 これが竜涎香らしい。
「濃度はかなり高めです。ファーノン家は腕の良い薬師のようです」
 とアラン様が言った。
 私は香水瓶を覗き込んで、クンクンと匂いを嗅ぐ。
「いい匂いです。甘くて、変わった匂い。あとお花の香り?」
「あ、エルシー様、そのくらいにしましょう」
 とアラン様はすぐに香水瓶のフタを閉じた。
「えー、大丈夫です。何ともないです」

 いい香りだった。
 もうちょっと嗅ぎたかったのに、アラン様は香水瓶の口を厳重に封した後、更に箱へと収めた。
「大丈夫か?」
 と王子が顔を覗き込んでくる。
「大丈夫ですよぉ……」
 と答えたが、何だか体がグラッとする。
「エルシー」
 あわてて王子が支えてくれる。
 何だろう、王子、いい匂いする。
 急に王子にちゅーしたくなったけど、立ったままでは背伸びしても唇まで届かない。

 だから首のところにキスした。
「エルシー」
 王子があわてた声を出す。
 とっさに王子が首筋に手を当て私からのけぞるように上半身を離したのですっごく不満。
 だから服の上からおちんちん撫でた。
「エルシー、おい、止めろ」
 王子が股間を私の手から守りながら、言う。
 今度は王子が前のめりだ。
 首元に腕を回してぎゅっと王子にすがりつく。
「駄目なの?しよう……王子ぃ」

「うわー、エルシー様、めちゃくちゃ効いてる」
 とアラン様が面白そうに笑う。

「しないの?したいのにぃ」
 王子が戸惑ったようにアラン様に聞く。
「もろに吸い込んだか?」
「素人怖いですね」
「……!エルシー、変なところ舐めるな」
 変かな、耳舐めてる。
「しようよ。ねぇ、お願い……」
「分かった、分かったから、落ち着け。少し外して大丈夫か?」
 王子は私のことあやすみたいに背中をポンポンと軽く叩いて、アラン様に尋ねる。
「あ、もう一日中でもイチャイチャしちゃって下さい」

「嫌っ、今、するのぉ。ここで」
「ここか!?」
「だって我慢出来ない……!」
 私が背中のボタンを外し始めると、王子があわてて止める。
「分かった。すぐだから、寝室に行こう。なっ」
 王子は私のこと抱え上げると猛スピードで階段を駆け上がって寝室に連れて行った。





 ***

 寝室に入って、王子がまずしたのはカーテン締めることだった。
 そんなのどうでもいいと思う……。
 ベッドに放り出された私はドレスの後ろのボタンを外していく。
 でも背中の真ん中くらいは自分で外せない。
「王子……」
 と呼ぶと、「分かった」と外してくれる。
 ドレスを何とか脱ぐ間に、どんどんどんどんしたくなってきた。

 なのに王子はまだ靴脱いで上着脱いだだけ。
「早くぅ……」
「いや、ちょっと待て」

 ようやく王子がベッドに上がってくる。
 待たされて自分から王子のこと押し倒しちゃった。

「おい」
 とまた王子がまた文句言ってきそうだったから、ペロッと王子の唇を舐める。
 舌で舌を舐めて、もっと舐めたくてぐーっと喉の奥まで舌を入れると王子は舌で舌を包むように舐めてくる。
 気持ちいい。
 でも、欲しいのはこれじゃない。
 舌を絡めながら、私は王子のパンツの上からあれを探り当てて手で撫でた。

「……おい!」
 途端に王子が私を抱きしめたままで跳ね起きる。
 王子、キスもやめちゃった。
「どうしたのぉ?」
「そんなに本気で擦るな。前戯なんだからもっとこう奥ゆかしく恥じらいをだな……。だから落ち着け!エルシー」
 またおちんちんしごいたら、怒られた。
 でもあれ、おっきくなってきてる。パンツの上からでもハッキリ形が分かる。
 おちんちんの匂いがしてきた。
 もうしたくてしたくて、たまらなくなる。
「そんなのいいからしようよぉ……」
 と泣きそうになっちゃった。

「分かった。下着脱ぐまでちょっと待て。……随分、しっかり薬が効いたな」
 王子はベッドの上に座り、私を向かい合わせに膝の上に乗せた。
「あっ……」
 腰と腰のところで、王子のあれがお腹に当たる。
「あっ……ある……!」
 私は自分の股間に王子のあれをこすりつけた。

「…あっ…あぁっ…ふあっ…!」
 王子のあれにクリトリスが丁度当たる。
 擦り合わせていくうちに王子のあれがおっきく固くなってきて、ヌルヌル滑ってきてどんどんすごく良くなる。
「…あっ、あぁぁっ……」

 駄目……もうイっちゃいそう。
 でも違うの。腰が動くの止められないけど、これじゃないのしたい。

 向かい合わせの体勢だから、王子の顔がすぐ側にある。
 王子は私が動くのを支えるだけで、自分からは何もしてこない。
 何だか面白そうにこっちを見てる。
 私は泣いちゃうくらいしたいのに、王子はまだ余裕そうだ。
 何だかそれってひどい……。
「王子……してぇ」

「グレンと呼んだらする」
「……グレン様……して」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【R18】純情聖女と護衛騎士〜聖なるおっぱいで太くて硬いものを挟むお仕事です〜

河津ミネ
恋愛
フウリ(23)は『眠り姫』と呼ばれる、もうすぐ引退の決まっている聖女だ。 身体に現れた聖紋から聖水晶に癒しの力を与え続けて13年、そろそろ聖女としての力も衰えてきたので引退後は悠々自適の生活をする予定だ。 フウリ付きの聖騎士キース(18)とはもう8年の付き合いでお別れするのが少しさみしいな……と思いつつ日課のお昼寝をしていると、なんだか胸のあたりに違和感が。 目を開けるとキースがフウリの白く豊満なおっぱいを見つめながらあやしい動きをしていて――!?

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

【R18】幼馴染な陛下と、甘々な毎日になりました💕

月極まろん
恋愛
 幼なじみの陛下に、気持ちだけでも伝えたくて。いい思い出にしたくて告白したのに、執務室のソファに座らせられて、なぜかこんなえっちな日々になりました。

サラシがちぎれた男装騎士の私、初恋の陛下に【女体化の呪い】だと勘違いされました。

ゆちば
恋愛
ビリビリッ! 「む……、胸がぁぁぁッ!!」 「陛下、声がでかいです!」 ◆ フェルナン陛下に密かに想いを寄せる私こと、護衛騎士アルヴァロ。 私は女嫌いの陛下のお傍にいるため、男のフリをしていた。 だがある日、黒魔術師の呪いを防いだ際にサラシがちぎれてしまう。 たわわなたわわの存在が顕になり、絶対絶命の私に陛下がかけた言葉は……。 「【女体化の呪い】だ!」 勘違いした陛下と、今度は男→女になったと偽る私の恋の行き着く先は――?! 勢い強めの3万字ラブコメです。 全18話、5/5の昼には完結します。 他のサイトでも公開しています。

【R18】はじめてのかんきん〜聖女と勇者のワクドキ♡監禁生活〜

河津ミネ
恋愛
「コーヘイ、お願い……。私に監禁されて?」 聖女マリエルは勇者コーヘイにまたがりながら、震える声でつぶやいた。コーヘイが腕を上げればはめられた手枷の鎖がジャラリと嫌な音を立てる。 かつてこの世界に召喚された勇者コーヘイは、無事に魔王討伐を果たし、あとは元の世界に帰るだけのはずだったが――!? 「いや……いいけど、これ風呂とかどうすんの?」 「え! お風呂!? どうしよう……」 聖女と勇者の初めてのドキドキ監禁生活(?)がいま始まる!

異世界の学園で愛され姫として王子たちから(性的に)溺愛されました

空廻ロジカ
恋愛
「あぁ、イケメンたちに愛されて、蕩けるようなエッチがしたいよぉ……っ!」 ――櫟《いちい》亜莉紗《ありさ》・18歳。TL《ティーンズラブ》コミックを愛好する彼女が好むのは、逆ハーレムと言われるジャンル。 今夜もTLコミックを読んではひとりエッチに励んでいた亜莉紗がイッた、その瞬間。窓の外で流星群が降り注ぎ、視界が真っ白に染まって…… 気が付いたらイケメン王子と裸で同衾してるって、どういうこと? さらに三人のタイプの違うイケメンが現れて、亜莉紗を「姫」と呼び、愛を捧げてきて……!?

旦那様が多すぎて困っています!? 〜逆ハー異世界ラブコメ〜

ことりとりとん
恋愛
男女比8:1の逆ハーレム異世界に転移してしまった女子大生・大森泉 転移早々旦那さんが6人もできて、しかも魔力無限チートがあると教えられて!? のんびりまったり暮らしたいのにいつの間にか国を救うハメになりました…… イケメン山盛りの逆ハーです 前半はラブラブまったりの予定。後半で主人公が頑張ります 小説家になろう、カクヨムに転載しています

竜王の花嫁

桜月雪兎
恋愛
伯爵家の訳あり令嬢であるアリシア。 百年大戦終結時の盟約によりアリシアは隣国に嫁ぐことになった。 そこは竜王が治めると云う半獣人・亜人の住むドラグーン大国。 相手はその竜王であるルドワード。 二人の行く末は? ドタバタ結婚騒動物語。

処理中です...