5 / 22
一年目
05.バカンスの夏2
しおりを挟む
「ロゼ」
そう呼びかけてくるジークフリートの頬は赤らんでいる。
「すまない」
と切なげに言った声もいつになく弱々しいものだった。
すっきりと通った鼻筋、整った輪郭、凜と涼やかな目元。色は白く、肩まで伸ばした髪は、ロゼッタがそれまで見たこともない程鮮やかな銀髪だった。
隣国と何度も戦いその度に勝利を手にした。ギュンターの男は戦う男である。背も高く逞しい体付きだった。
ギュンター家は北方の神の化身、銀色の狼神の末裔と呼ばれていた。ジークフリート自身は「よくある箔付け」と一顧だにしないが、意志の強い瞳はエメラルドのように輝き、神裔に相応しい堂々たる男である。
その男が、頬を赤らめてロゼッタの口元をタオルで拭っている。
ロゼッタは誇らしくてたまらない気分だった。
房中の主導権は常にジークフリートが握っていた。ロゼッタにとって快楽は与えられるもので与えるものではなかった。
『閨では旦那様が愉しんで頂くのが一番です』と本にすら書かれていた。
「ジーク様……」
経験もなかったロゼッタは何も出来ず身を任せるままだった。だが、その時ロゼッタからジークフリートに身を寄せた。
こんなことも初めてだった。
「ロゼッタ?」
ジークフリートは戸惑っている。ロゼッタの胸が熱く高鳴った。
ジークフリートを愛している。
だが、それは美しいだけの感情ではない。
――この男は私のもの。
独占欲が湧いてくる。
『誰にも渡したくない』
ロゼッタはジークフリートの頬を両手で挟む。ジークフリートの緑色の瞳が熱く潤んでいる。
「ロゼ……」
何か言い掛けたジークフリートの唇を唇で塞ぐ。
「ん……」
ロゼッタはジークフリートがするようにジークフリートの舌を舐めた。ややあってジークフリートも舌を舐め返す。
互いに相手を掻き抱いて噛みつくような勢いで口付けした。
唇の端から、唾液がこぼれ落ちるのも構わず二人は舌を絡ませる。
己が立てる淫らな水音が二人の欲をいっそう高ぶらせた。
『ロゼ』
ジークフリートの大きな手がロゼッタの背や尻を撫でた。ロゼッタも同じように撫でた。
「……っ」
ジークフリートは背中や尻のロゼッタ自身でさえ存在を知らない性感帯を刺激する。
肌を肌で撫でられる。全身で愛撫されている。息が乱れてくる。
「あっ…ぁ…ふっ……」
ジークフリートのような愛撫は出来ない。だがロゼッタの細い指ががっしりと筋肉の付いた背中を這い回すとジークフリートは呻いた。
「あまり煽るな……」
時に冷酷と称えられる澄んだ緑瞳が今は欲情に濡れて、ロゼッタを見つめた。ロゼッタはその瞳をうっとりと見つめ返した。
『彼は私を欲しがっている……』
抱き合った体勢で、再び太く起立したペニスがロゼッタの腰に触れているのだ。
ロゼッタは自分の秘所が急に濡れていく、そんな感触を覚えた。もう腰が立たなくなっていく。
早くそれを自分の中に飲み込みたい。太く熱いもので乱暴に掻き回されると思うと、ロゼッタは触れられもしないそこがますます濡れていく。
――もう大きく固くなっているんだわ。
先程のように男性器に触れたかったが、出来ない。なんであんなことが出来たのだろう。
かわりにジークフリートの腰を撫でる。
「…………」
ロゼッタはジークフリートの腰に触れてきた。
女のよくする催促の合図であるが、ロゼッタがそれをするのは初めてだった。
「もういいのか?」
経験の少ないロゼッタは下腹部も丁寧にほぐさないと濡れてこない。だが指でそこに触れると「あっ……」と熱いため息を共に愛液がトロリと流れ出す。
「随分、濡れているな」
「…………」
ロゼッタは頬どころか全身を朱に染める。
ジークフリートはかっと煮えたぎるような淫欲を覚えた。ロゼッタをベッドに押し倒す。
「私はもう駄目だぞ」
先程の白魚のような指先でいじくられた感触が忘れられない。ジークフリートはロゼッタの手を取りペニスに触れさせた。
「あ……」
意外と抵抗なく、心なしか喜びの声を上げて、ロゼッタはペニスをそっと撫でた。
「ああ、そのままだ…」
ジークフリートはロゼッタの手にいざなわれるようにして、膣にペニスを沈めた。
腰を振り立てるとロゼッタの胸元が重そうに揺れる。
何度見ても見飽きることがない。
「あっあっ…あっ…!」
乱れたロゼッタの息づかいが、いっそうジークフリートを駆り立てた。
ロゼッタは本気で感じているようで、膣の中からあふれ出すように濡れている。
たわわに実った柔肉に顔を埋め、ジークフリートは奥にペニスをぶつける。普段のロゼッタが深い挿入を好まないのを知ってはいたが、我慢が出来なかった。
「ひゃぁん!ジーク…ジーク様っ!」
ロゼッタが夢中でむしゃぶりついてくる。
いつもの遠慮がちにおそるおそる抱きつく様とはまるで違う。細い腕が驚くような力で抱きしめてくる。
「何だ、もうイったか」
「ジークさまぁ……」
ジークフリートは動くのを止めようとはしない。
抽挿の度にぐぢゅくぢゅと淫音を立て、中を擦り上げられる快楽にロゼッタは涙ぐんだ。
「ロゼッタ…気持ち良いよ」
「わっ、私も…気持ち良い…です……すごい…」
ロゼッタも珍しく声を出して喘ぐ。
ペニスに触れた感触が忘れられない。亀頭の膨れ上がった部分が自分の中を穿っているのをまざまざ感じた。
『あれが私の中に……あるんだわ』
「ロゼッタ、出すぞ」
ジークフリートの動きは激しさをまして、ロゼッタを翻弄した。腰が痺れる。
「…きもちいい…おかしくなりそう……!」
「良かったよ」
事後に必ずジークフリートはそう言った言葉を告げる。ついついロゼッタは恥ずかしくてうつむく。
何か言いたいが、気の利いた言葉は何も出てこない。ジークフリートは返事を返さないロゼッタを気にする様子はない。
腹を立てることも言葉を重ねてくることもない。すでに情事の激しさが嘘のように、落ち着き払った表情のジークフリートは近寄りがたい雰囲気すらある。
あとは会話もなく、二人は眠りにつく。
ロゼッタはこれで良いのだと諦めていた。
だが、今日のロゼッタはおずおずとジークフリートの胸にしがみつき、小声で言った。
「私も、気持ち良かったです……」
顔は見られない。
『淫乱とは思われないかしら』
言った瞬間に羞恥からロゼッタはうつむく。
「……ロゼッタ」
とジークフリートはロゼッタの頭のてっぺんに口付けした。何処か楽しげな声だ。
「顔を見せてくれ、ロゼッタ」
その声にロゼッタはそっと顔を上げる。
ジークフリートは笑っていた。
ロゼッタは安心して微笑み返す。
「良かったよ」
とジークフリートは唇に触れるだけのキスを落とした。
その様子にロゼッタは今まで聞けなかったことを尋ねた。
「ジークフリート様は私で、た、愉しんで頂けているのでしょうか?」
ジークフリートは即答した。
「もちろん愉しんでいる」
「いつも愉しんではいるが、今日はロゼはとても可愛かった」
からかうように笑いながら、ジークフリートはまた口付けする。
「ロゼッタはどうだ?良かったか?」
「は、はい……」
恥ずかしくてたまらないが、ロゼッタは頷いた。
『閨では旦那様が愉しんで頂くのが一番です』
本にはそう書かれていた。
ロゼッタはそれを自分を犠牲にしてジークフリートを喜ばせることと考えていた。だが、それは少し違うのではと思う。
ロゼッタがジークフリートを愉しませたいと思うように、ジークフリートもロゼッタを愉しませたい。そう思っているのではないだろうか。
思えばジークフリートは常に優しかった。
今もロゼッタのつたない言葉でも返事すると喜んでくれる。
『もっとジークフリート様が知りたい』
その後はベッドに寝転んだまま、二人は会話を続けた。他愛のないやりとりはそう長くはなく、ロゼッタはすぐにウトウトし始める。
「お休み、ロゼッタ」
ロゼッタを抱きしめながら、ジークフリートも夏の午睡を愉しんだ。
そう呼びかけてくるジークフリートの頬は赤らんでいる。
「すまない」
と切なげに言った声もいつになく弱々しいものだった。
すっきりと通った鼻筋、整った輪郭、凜と涼やかな目元。色は白く、肩まで伸ばした髪は、ロゼッタがそれまで見たこともない程鮮やかな銀髪だった。
隣国と何度も戦いその度に勝利を手にした。ギュンターの男は戦う男である。背も高く逞しい体付きだった。
ギュンター家は北方の神の化身、銀色の狼神の末裔と呼ばれていた。ジークフリート自身は「よくある箔付け」と一顧だにしないが、意志の強い瞳はエメラルドのように輝き、神裔に相応しい堂々たる男である。
その男が、頬を赤らめてロゼッタの口元をタオルで拭っている。
ロゼッタは誇らしくてたまらない気分だった。
房中の主導権は常にジークフリートが握っていた。ロゼッタにとって快楽は与えられるもので与えるものではなかった。
『閨では旦那様が愉しんで頂くのが一番です』と本にすら書かれていた。
「ジーク様……」
経験もなかったロゼッタは何も出来ず身を任せるままだった。だが、その時ロゼッタからジークフリートに身を寄せた。
こんなことも初めてだった。
「ロゼッタ?」
ジークフリートは戸惑っている。ロゼッタの胸が熱く高鳴った。
ジークフリートを愛している。
だが、それは美しいだけの感情ではない。
――この男は私のもの。
独占欲が湧いてくる。
『誰にも渡したくない』
ロゼッタはジークフリートの頬を両手で挟む。ジークフリートの緑色の瞳が熱く潤んでいる。
「ロゼ……」
何か言い掛けたジークフリートの唇を唇で塞ぐ。
「ん……」
ロゼッタはジークフリートがするようにジークフリートの舌を舐めた。ややあってジークフリートも舌を舐め返す。
互いに相手を掻き抱いて噛みつくような勢いで口付けした。
唇の端から、唾液がこぼれ落ちるのも構わず二人は舌を絡ませる。
己が立てる淫らな水音が二人の欲をいっそう高ぶらせた。
『ロゼ』
ジークフリートの大きな手がロゼッタの背や尻を撫でた。ロゼッタも同じように撫でた。
「……っ」
ジークフリートは背中や尻のロゼッタ自身でさえ存在を知らない性感帯を刺激する。
肌を肌で撫でられる。全身で愛撫されている。息が乱れてくる。
「あっ…ぁ…ふっ……」
ジークフリートのような愛撫は出来ない。だがロゼッタの細い指ががっしりと筋肉の付いた背中を這い回すとジークフリートは呻いた。
「あまり煽るな……」
時に冷酷と称えられる澄んだ緑瞳が今は欲情に濡れて、ロゼッタを見つめた。ロゼッタはその瞳をうっとりと見つめ返した。
『彼は私を欲しがっている……』
抱き合った体勢で、再び太く起立したペニスがロゼッタの腰に触れているのだ。
ロゼッタは自分の秘所が急に濡れていく、そんな感触を覚えた。もう腰が立たなくなっていく。
早くそれを自分の中に飲み込みたい。太く熱いもので乱暴に掻き回されると思うと、ロゼッタは触れられもしないそこがますます濡れていく。
――もう大きく固くなっているんだわ。
先程のように男性器に触れたかったが、出来ない。なんであんなことが出来たのだろう。
かわりにジークフリートの腰を撫でる。
「…………」
ロゼッタはジークフリートの腰に触れてきた。
女のよくする催促の合図であるが、ロゼッタがそれをするのは初めてだった。
「もういいのか?」
経験の少ないロゼッタは下腹部も丁寧にほぐさないと濡れてこない。だが指でそこに触れると「あっ……」と熱いため息を共に愛液がトロリと流れ出す。
「随分、濡れているな」
「…………」
ロゼッタは頬どころか全身を朱に染める。
ジークフリートはかっと煮えたぎるような淫欲を覚えた。ロゼッタをベッドに押し倒す。
「私はもう駄目だぞ」
先程の白魚のような指先でいじくられた感触が忘れられない。ジークフリートはロゼッタの手を取りペニスに触れさせた。
「あ……」
意外と抵抗なく、心なしか喜びの声を上げて、ロゼッタはペニスをそっと撫でた。
「ああ、そのままだ…」
ジークフリートはロゼッタの手にいざなわれるようにして、膣にペニスを沈めた。
腰を振り立てるとロゼッタの胸元が重そうに揺れる。
何度見ても見飽きることがない。
「あっあっ…あっ…!」
乱れたロゼッタの息づかいが、いっそうジークフリートを駆り立てた。
ロゼッタは本気で感じているようで、膣の中からあふれ出すように濡れている。
たわわに実った柔肉に顔を埋め、ジークフリートは奥にペニスをぶつける。普段のロゼッタが深い挿入を好まないのを知ってはいたが、我慢が出来なかった。
「ひゃぁん!ジーク…ジーク様っ!」
ロゼッタが夢中でむしゃぶりついてくる。
いつもの遠慮がちにおそるおそる抱きつく様とはまるで違う。細い腕が驚くような力で抱きしめてくる。
「何だ、もうイったか」
「ジークさまぁ……」
ジークフリートは動くのを止めようとはしない。
抽挿の度にぐぢゅくぢゅと淫音を立て、中を擦り上げられる快楽にロゼッタは涙ぐんだ。
「ロゼッタ…気持ち良いよ」
「わっ、私も…気持ち良い…です……すごい…」
ロゼッタも珍しく声を出して喘ぐ。
ペニスに触れた感触が忘れられない。亀頭の膨れ上がった部分が自分の中を穿っているのをまざまざ感じた。
『あれが私の中に……あるんだわ』
「ロゼッタ、出すぞ」
ジークフリートの動きは激しさをまして、ロゼッタを翻弄した。腰が痺れる。
「…きもちいい…おかしくなりそう……!」
「良かったよ」
事後に必ずジークフリートはそう言った言葉を告げる。ついついロゼッタは恥ずかしくてうつむく。
何か言いたいが、気の利いた言葉は何も出てこない。ジークフリートは返事を返さないロゼッタを気にする様子はない。
腹を立てることも言葉を重ねてくることもない。すでに情事の激しさが嘘のように、落ち着き払った表情のジークフリートは近寄りがたい雰囲気すらある。
あとは会話もなく、二人は眠りにつく。
ロゼッタはこれで良いのだと諦めていた。
だが、今日のロゼッタはおずおずとジークフリートの胸にしがみつき、小声で言った。
「私も、気持ち良かったです……」
顔は見られない。
『淫乱とは思われないかしら』
言った瞬間に羞恥からロゼッタはうつむく。
「……ロゼッタ」
とジークフリートはロゼッタの頭のてっぺんに口付けした。何処か楽しげな声だ。
「顔を見せてくれ、ロゼッタ」
その声にロゼッタはそっと顔を上げる。
ジークフリートは笑っていた。
ロゼッタは安心して微笑み返す。
「良かったよ」
とジークフリートは唇に触れるだけのキスを落とした。
その様子にロゼッタは今まで聞けなかったことを尋ねた。
「ジークフリート様は私で、た、愉しんで頂けているのでしょうか?」
ジークフリートは即答した。
「もちろん愉しんでいる」
「いつも愉しんではいるが、今日はロゼはとても可愛かった」
からかうように笑いながら、ジークフリートはまた口付けする。
「ロゼッタはどうだ?良かったか?」
「は、はい……」
恥ずかしくてたまらないが、ロゼッタは頷いた。
『閨では旦那様が愉しんで頂くのが一番です』
本にはそう書かれていた。
ロゼッタはそれを自分を犠牲にしてジークフリートを喜ばせることと考えていた。だが、それは少し違うのではと思う。
ロゼッタがジークフリートを愉しませたいと思うように、ジークフリートもロゼッタを愉しませたい。そう思っているのではないだろうか。
思えばジークフリートは常に優しかった。
今もロゼッタのつたない言葉でも返事すると喜んでくれる。
『もっとジークフリート様が知りたい』
その後はベッドに寝転んだまま、二人は会話を続けた。他愛のないやりとりはそう長くはなく、ロゼッタはすぐにウトウトし始める。
「お休み、ロゼッタ」
ロゼッタを抱きしめながら、ジークフリートも夏の午睡を愉しんだ。
27
お気に入りに追加
1,774
あなたにおすすめの小説
【完結】お飾りの妻からの挑戦状
おのまとぺ
恋愛
公爵家から王家へと嫁いできたデイジー・シャトワーズ。待ちに待った旦那様との顔合わせ、王太子セオドア・ハミルトンが放った言葉に立ち会った使用人たちの顔は強張った。
「君はお飾りの妻だ。装飾品として慎ましく生きろ」
しかし、当のデイジーは不躾な挨拶を笑顔で受け止める。二人のドタバタ生活は心配する周囲を巻き込んで、やがて誰も予想しなかった展開へ……
◇表紙はノーコピーライトガール様より拝借しています
◇全18話で完結予定
愛しき夫は、男装の姫君と恋仲らしい。
星空 金平糖
恋愛
シエラは、政略結婚で夫婦となった公爵──グレイのことを深く愛していた。
グレイは優しく、とても親しみやすい人柄でその甘いルックスから、結婚してからも数多の女性達と浮名を流していた。
それでもシエラは、グレイが囁いてくれる「私が愛しているのは、あなただけだよ」その言葉を信じ、彼と夫婦であれることに幸福を感じていた。
しかし。ある日。
シエラは、グレイが美貌の少年と親密な様子で、王宮の庭を散策している場面を目撃してしまう。当初はどこかの令息に王宮案内をしているだけだと考えていたシエラだったが、実はその少年が王女─ディアナであると判明する。
聞くところによるとディアナとグレイは昔から想い会っていた。
ディアナはグレイが結婚してからも、健気に男装までしてグレイに会いに来ては逢瀬を重ねているという。
──……私は、ただの邪魔者だったの?
衝撃を受けるシエラは「これ以上、グレイとはいられない」と絶望する……。
身分差婚~あなたの妻になれないはずだった~
椿蛍
恋愛
「息子と別れていただけないかしら?」
私を脅して、別れを決断させた彼の両親。
彼は高級住宅地『都久山』で王子様と呼ばれる存在。
私とは住む世界が違った……
別れを命じられ、私の恋が終わった。
叶わない身分差の恋だったはずが――
※R-15くらいなので※マークはありません。
※視点切り替えあり。
※2日間は1日3回更新、3日目から1日2回更新となります。
【完結】皇太子の愛人が懐妊した事を、お妃様は結婚式の一週間後に知りました。皇太子様はお妃様を愛するつもりは無いようです。
五月ふう
恋愛
リックストン国皇太子ポール・リックストンの部屋。
「マティア。僕は一生、君を愛するつもりはない。」
今日は結婚式前夜。婚約者のポールの声が部屋に響き渡る。
「そう……。」
マティアは小さく笑みを浮かべ、ゆっくりとソファーに身を預けた。
明日、ポールの花嫁になるはずの彼女の名前はマティア・ドントール。ドントール国第一王女。21歳。
リッカルド国とドントール国の和平のために、マティアはこの国に嫁いできた。ポールとの結婚は政略的なもの。彼らの意志は一切介入していない。
「どんなことがあっても、僕は君を王妃とは認めない。」
ポールはマティアを憎しみを込めた目でマティアを見つめる。美しい黒髪に青い瞳。ドントール国の宝石と評されるマティア。
「私が……ずっと貴方を好きだったと知っても、妻として認めてくれないの……?」
「ちっ……」
ポールは顔をしかめて舌打ちをした。
「……だからどうした。幼いころのくだらない感情に……今更意味はない。」
ポールは険しい顔でマティアを睨みつける。銀色の髪に赤い瞳のポール。マティアにとってポールは大切な初恋の相手。
だが、ポールにはマティアを愛することはできない理由があった。
二人の結婚式が行われた一週間後、マティアは衝撃の事実を知ることになる。
「サラが懐妊したですって‥‥‥!?」
【完結】仰る通り、貴方の子ではありません
ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは
私に似た待望の男児だった。
なのに認められず、
不貞の濡れ衣を着せられ、
追い出されてしまった。
実家からも勘当され
息子と2人で生きていくことにした。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
* 4万文字未満
* 完結保証付き
* 少し大人表現あり
【掌編集】今までお世話になりました旦那様もお元気で〜妻の残していった離婚受理証明書を握りしめイケメン公爵は涙と鼻水を垂らす
まほりろ
恋愛
新婚初夜に「君を愛してないし、これからも愛するつもりはない」と言ってしまった公爵。
彼は今まで、天才、美男子、完璧な貴公子、ポーカーフェイスが似合う氷の公爵などと言われもてはやされてきた。
しかし新婚初夜に暴言を吐いた女性が、初恋の人で、命の恩人で、伝説の聖女で、妖精の愛し子であったことを知り意気消沈している。
彼の手には元妻が置いていった「離婚受理証明書」が握られていた……。
他掌編七作品収録。
※無断転載を禁止します。
※朗読動画の無断配信も禁止します
「Copyright(C)2023-まほりろ/若松咲良」
某小説サイトに投稿した掌編八作品をこちらに転載しました。
【収録作品】
①「今までお世話になりました旦那様もお元気で〜ポーカーフェイスの似合う天才貴公子と称された公爵は、妻の残していった離婚受理証明書を握りしめ涙と鼻水を垂らす」
②「何をされてもやり返せない臆病な公爵令嬢は、王太子に竜の生贄にされ壊れる。能ある鷹と天才美少女は爪を隠す」
③「運命的な出会いからの即日プロポーズ。婚約破棄された天才錬金術師は新しい恋に生きる!」
④「4月1日10時30分喫茶店ルナ、婚約者は遅れてやってきた〜新聞は星座占いを見る為だけにある訳ではない」
⑤「『お姉様はズルい!』が口癖の双子の弟が現世の婚約者! 前世では弟を立てる事を親に強要され馬鹿の振りをしていましたが、現世では奴とは他人なので天才として実力を充分に発揮したいと思います!」
⑥「婚約破棄をしたいと彼は言った。契約書とおふだにご用心」
⑦「伯爵家に半世紀仕えた老メイドは伯爵親子の罠にハマり無一文で追放される。老メイドを助けたのはポーカーフェイスの美女でした」
⑧「お客様の中に褒め褒めの感想を書ける方はいらっしゃいませんか? 天才美文感想書きVS普通の少女がえんぴつで書いた感想!」
王妃そっちのけの王様は二人目の側室を娶る
家紋武範
恋愛
王妃は自分の人生を憂いていた。国王が王子の時代、彼が六歳、自分は五歳で婚約したものの、顔合わせする度に喧嘩。
しかし王妃はひそかに彼を愛していたのだ。
仲が最悪のまま二人は結婚し、結婚生活が始まるが当然国王は王妃の部屋に来ることはない。
そればかりか国王は側室を持ち、さらに二人目の側室を王宮に迎え入れたのだった。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる