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魔法の書
01.Cランク昇格!?
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カチュア達がダンジョンから戻った時はいつもより時間が遅く、保育園のお迎えギリギリの時刻になっていた。
あちゃーと思うカチュアだが。
「カチュア、アンタは先にお迎え行きなー」
「後はやっときますから」
「お疲れ様です」
「また、明後日」
仲間の声に甘え、カチュアは先に帰らせてもらうことになった。
「ごめーん、ありがとー」
ありがたいなーと思いながら、カチュアはパーティの仲間達と別れる。
それから二日後、メンバーが集結した時、カチュアは信じられないようなことを聞かされた。
「Cランク昇格!?私達のチームが?」
いつもなら冒険者ギルドで待ち合わせして、全員揃ったら「さあ、行こう」となるところだが、「ダンジョンに行く前にちょっと話がある」と向かった先は、ギルドの二階の会議室だ。
「え、ここ?いいの?」
二階に会議室と呼ばれる部屋はいくつかあり、開いていれば誰でも使える部屋から、上位ランクのパーティでないと使用出来ない部屋もあり、そういう特別な部屋は内装も豪華だ。
「ここは確かCランク以上じゃないと使えない部屋じゃあ……」
と思っていたから、
「カチュアさん、俺ら、Cランクになりました」
とリックが言った。
「えっ、なんで?」
驚くカチュアだが、「カチュアさん、ここ、お茶頼めます」とローラがメニュー表を渡してくる。
「え、このメニュー表、値段書いてないわよ?」
「最初の一杯は無料です」
Cランク、すごい。
「じゃあロイヤルミルクティでおねがいしまーす」
しかも給仕がお茶を持ってきてくれるのだ。
全員に飲み物が行き渡り、黒服の給仕が「何かありましたらお呼びください」とスマートに一礼して下がり、パーティメンバーだけになったところで話は始まった。
カチュア達のパーティ、ガンマチームはEランクだった。
なのにいきなり二つもランクアップした理由とは?
「私達のパーティがCランクに昇格したのは、女神像の修復を達成したからよ」
「あれはBランクの依頼だったみたいです」
「それだけでCランクになれるの?というか、あれがBランクの依頼?」
カチュアは首をかしげた。
クイーンヒエヒエ鉄蟻はカチュア達にとっては強敵だったが、モンスターランクとしてはCランクの敵だ。
カチュア達も火属性効果の武器さえあれば、あれほど苦戦せずにすんだはずだ。
「癒やしの石は高レベルの魔法使いが魔法探査を使って調べたのに、まったく行方が分からなかったそうです」
ギルドと教会はその威信にかけて癒やしの石を探していた。
癒やしの石が高価で貴重なものであるのもさることながら、女神像から石を盗んだ不心得者を見つけ出して罰しなければならない。
なのにどうしたことか、懸命な捜索にもかかわらず、犯人も癒やしの石も一向に見つからない。
癒やしの石は階と階の間の巣に隠れたクイーンヒエヒエ鉄蟻の腹の中にあったので、魔法を使った精度の高い探査にも引っかからなかったのだ。
様々なパーティが癒やしの石を探したものの、結局手がかり一つ発見出来なかった。
そのためどんどんクエストのランクが上がっていったらしい。
「なのにアタシ達は一発で見つけちまったってわけ」
「どうやってって、不思議がられましたけど、『偶然』って言い張りました。カチュアさんもそのつもりで」
「あ、ありがとう……」
会議室の中は盗聴防止の魔法が掛かっているそうだ。
それでもアンは念のため誰にも聞かれないように声を潜めてカチュアに囁いた。
「アンタのあのスキルはよそのパーティに嗅ぎつけられたら面倒だからね」
「そうね……」
カチュア的にはまだピンときてないが、スキル【主婦】は恐ろしい力を秘めているお得なスキルなのだ。
「そういえば、リック君の目標って叶ったのね」
リックの目標はDランクに昇格することだった。
カチュア達パーティ全員がDランクを飛び越えて、Cランクになった。
チームのランクは所属メンバーのランクを考慮して決められる。
カチュア達は全員がCランクなので、チームもCランクに昇格したというわけだ。
「はあ、そうなんです。嬉しいは嬉しいッスけど」
リックは微妙そうな表情で頭を掻いた。
「俺達のチームが本当にCランクの実力があるかって言ったらないと思います。だから、ランクに見合うような力を付けたいです」
「そうねー」
ローラは先ほどからやたらとそわそわしている。
カチュアと目が合うと意を決した様子で告白した。
「私、カチュアさんに謝らないといけない」
「えっ、なんで?」
「これ……」
とローラはおずおずと手にしていた杖を差し出す。
「これ?」
治療師のローラは常時癒やしの魔力を高める杖を持っているのだが、その杖は『治療師見習いの杖』という初心者用のものだ。
今彼女が手にしているのは、そのお手頃価格な杖とは違うお高そうな杖だった。
「これ、クイーンヒエヒエ鉄蟻を倒したお礼」
「あ、そうなんだ」
リックが横から教えてくれる。
「クエストの報償の一部です。癒やしの杖か、攻撃の杖のどれか一つ選べたんです。それで俺達は癒やしの杖にしました。カチュアさんに聞かないで決めちゃってすみません」
とリックもカチュアに謝った。
「いいわよー。一緒にいてもそうしたと思う」
癒やしの杖は回復魔法の威力が1.5倍になるという。
治療師にとっては是非とも欲しいアイテムだ。
「これで、ローラちゃんの目標に一歩近づいたわね」
ローラの目標はたくさんの人を癒やせるようになることだ。
「うん、頑張る」
「あとはー、アンとオーグ君の目標かぁ……」
アンはダイエットで、オーグは最上級状態異常解除ポーションを手に入れることだ。
「それなんだけど」
アンはずいっとカチュアに顔を寄せた。
「オーグの目標、半分だけ叶ったのよ」
「えっ、そうなの?」
「いやぁ、アンさん、半分じゃないですよ、まだ4分の1くらいですよ」
とリックが訂正する。
どちらにしても微妙?
「これ、見てください」
オーグは辞書のような厚みもサイズも大きな本を取り出してきた。
「最上級ポーション大全です」
それはオーグが探し求めていた薬の作り方が書いてある本だった。
「やったわね!オーグ君!これもクエストの報酬?」
「違います。これはパーティのCランク昇格のボーナスです」
Dランクまでは真面目にクエストをこなせば、一、二年で昇格出来る。
だがCランクまで到達するチームは案外少なく、家庭の事情で冒険者を廃業したり、喧嘩別れしたりと様々な事情でチームは空中分解してしまう。
まあ、それも自由が信条の冒険者らしい話だが。
そういう事情から冒険者ギルドはCランク以上のパーティにはベネフィットを用意している。
会議室の優先予約やウェルカムドリンクなどの優遇の他にも、お得なボーナスが与えられる。
その一つが稀少本の進呈だ。
Cランク昇格が決まった時、ギルドが保有する貴重な本の中から一冊を選んでいいと、見せられた本の中にこの本が入っていた。
「すみません、その時に皆でこれを選んでしまいました」
とオーグが謝った。
「そんなのいいわよー。私がいてもそうしたわよー」
とカチュアは言った。
「でも良かったわー。レシピが分かったなら必要なアイテムを集めて薬師の人にお薬を作ってもらえば……」
「それなんですけどカチュアさん、よく見てください」
「?」
オーグが抱えた本には小さく『上巻』とかかれていた。
本は最上級ポーション大全の上巻だった。
「最上級ポーションのような力を秘めた魔法の薬は悪用されるといけない。だからレシピは一冊だけでは分からないようになっていて、上巻にはレシピの半分だけが書かれている。完成には『下巻』が必要なんだ」
アンはそう説明した。
「だから半分?」
「はい。半分だけですが、レシピが分かりました。まずは上巻に載っている材料を手に入れながら、下巻を探すってところですね」
あちゃーと思うカチュアだが。
「カチュア、アンタは先にお迎え行きなー」
「後はやっときますから」
「お疲れ様です」
「また、明後日」
仲間の声に甘え、カチュアは先に帰らせてもらうことになった。
「ごめーん、ありがとー」
ありがたいなーと思いながら、カチュアはパーティの仲間達と別れる。
それから二日後、メンバーが集結した時、カチュアは信じられないようなことを聞かされた。
「Cランク昇格!?私達のチームが?」
いつもなら冒険者ギルドで待ち合わせして、全員揃ったら「さあ、行こう」となるところだが、「ダンジョンに行く前にちょっと話がある」と向かった先は、ギルドの二階の会議室だ。
「え、ここ?いいの?」
二階に会議室と呼ばれる部屋はいくつかあり、開いていれば誰でも使える部屋から、上位ランクのパーティでないと使用出来ない部屋もあり、そういう特別な部屋は内装も豪華だ。
「ここは確かCランク以上じゃないと使えない部屋じゃあ……」
と思っていたから、
「カチュアさん、俺ら、Cランクになりました」
とリックが言った。
「えっ、なんで?」
驚くカチュアだが、「カチュアさん、ここ、お茶頼めます」とローラがメニュー表を渡してくる。
「え、このメニュー表、値段書いてないわよ?」
「最初の一杯は無料です」
Cランク、すごい。
「じゃあロイヤルミルクティでおねがいしまーす」
しかも給仕がお茶を持ってきてくれるのだ。
全員に飲み物が行き渡り、黒服の給仕が「何かありましたらお呼びください」とスマートに一礼して下がり、パーティメンバーだけになったところで話は始まった。
カチュア達のパーティ、ガンマチームはEランクだった。
なのにいきなり二つもランクアップした理由とは?
「私達のパーティがCランクに昇格したのは、女神像の修復を達成したからよ」
「あれはBランクの依頼だったみたいです」
「それだけでCランクになれるの?というか、あれがBランクの依頼?」
カチュアは首をかしげた。
クイーンヒエヒエ鉄蟻はカチュア達にとっては強敵だったが、モンスターランクとしてはCランクの敵だ。
カチュア達も火属性効果の武器さえあれば、あれほど苦戦せずにすんだはずだ。
「癒やしの石は高レベルの魔法使いが魔法探査を使って調べたのに、まったく行方が分からなかったそうです」
ギルドと教会はその威信にかけて癒やしの石を探していた。
癒やしの石が高価で貴重なものであるのもさることながら、女神像から石を盗んだ不心得者を見つけ出して罰しなければならない。
なのにどうしたことか、懸命な捜索にもかかわらず、犯人も癒やしの石も一向に見つからない。
癒やしの石は階と階の間の巣に隠れたクイーンヒエヒエ鉄蟻の腹の中にあったので、魔法を使った精度の高い探査にも引っかからなかったのだ。
様々なパーティが癒やしの石を探したものの、結局手がかり一つ発見出来なかった。
そのためどんどんクエストのランクが上がっていったらしい。
「なのにアタシ達は一発で見つけちまったってわけ」
「どうやってって、不思議がられましたけど、『偶然』って言い張りました。カチュアさんもそのつもりで」
「あ、ありがとう……」
会議室の中は盗聴防止の魔法が掛かっているそうだ。
それでもアンは念のため誰にも聞かれないように声を潜めてカチュアに囁いた。
「アンタのあのスキルはよそのパーティに嗅ぎつけられたら面倒だからね」
「そうね……」
カチュア的にはまだピンときてないが、スキル【主婦】は恐ろしい力を秘めているお得なスキルなのだ。
「そういえば、リック君の目標って叶ったのね」
リックの目標はDランクに昇格することだった。
カチュア達パーティ全員がDランクを飛び越えて、Cランクになった。
チームのランクは所属メンバーのランクを考慮して決められる。
カチュア達は全員がCランクなので、チームもCランクに昇格したというわけだ。
「はあ、そうなんです。嬉しいは嬉しいッスけど」
リックは微妙そうな表情で頭を掻いた。
「俺達のチームが本当にCランクの実力があるかって言ったらないと思います。だから、ランクに見合うような力を付けたいです」
「そうねー」
ローラは先ほどからやたらとそわそわしている。
カチュアと目が合うと意を決した様子で告白した。
「私、カチュアさんに謝らないといけない」
「えっ、なんで?」
「これ……」
とローラはおずおずと手にしていた杖を差し出す。
「これ?」
治療師のローラは常時癒やしの魔力を高める杖を持っているのだが、その杖は『治療師見習いの杖』という初心者用のものだ。
今彼女が手にしているのは、そのお手頃価格な杖とは違うお高そうな杖だった。
「これ、クイーンヒエヒエ鉄蟻を倒したお礼」
「あ、そうなんだ」
リックが横から教えてくれる。
「クエストの報償の一部です。癒やしの杖か、攻撃の杖のどれか一つ選べたんです。それで俺達は癒やしの杖にしました。カチュアさんに聞かないで決めちゃってすみません」
とリックもカチュアに謝った。
「いいわよー。一緒にいてもそうしたと思う」
癒やしの杖は回復魔法の威力が1.5倍になるという。
治療師にとっては是非とも欲しいアイテムだ。
「これで、ローラちゃんの目標に一歩近づいたわね」
ローラの目標はたくさんの人を癒やせるようになることだ。
「うん、頑張る」
「あとはー、アンとオーグ君の目標かぁ……」
アンはダイエットで、オーグは最上級状態異常解除ポーションを手に入れることだ。
「それなんだけど」
アンはずいっとカチュアに顔を寄せた。
「オーグの目標、半分だけ叶ったのよ」
「えっ、そうなの?」
「いやぁ、アンさん、半分じゃないですよ、まだ4分の1くらいですよ」
とリックが訂正する。
どちらにしても微妙?
「これ、見てください」
オーグは辞書のような厚みもサイズも大きな本を取り出してきた。
「最上級ポーション大全です」
それはオーグが探し求めていた薬の作り方が書いてある本だった。
「やったわね!オーグ君!これもクエストの報酬?」
「違います。これはパーティのCランク昇格のボーナスです」
Dランクまでは真面目にクエストをこなせば、一、二年で昇格出来る。
だがCランクまで到達するチームは案外少なく、家庭の事情で冒険者を廃業したり、喧嘩別れしたりと様々な事情でチームは空中分解してしまう。
まあ、それも自由が信条の冒険者らしい話だが。
そういう事情から冒険者ギルドはCランク以上のパーティにはベネフィットを用意している。
会議室の優先予約やウェルカムドリンクなどの優遇の他にも、お得なボーナスが与えられる。
その一つが稀少本の進呈だ。
Cランク昇格が決まった時、ギルドが保有する貴重な本の中から一冊を選んでいいと、見せられた本の中にこの本が入っていた。
「すみません、その時に皆でこれを選んでしまいました」
とオーグが謝った。
「そんなのいいわよー。私がいてもそうしたわよー」
とカチュアは言った。
「でも良かったわー。レシピが分かったなら必要なアイテムを集めて薬師の人にお薬を作ってもらえば……」
「それなんですけどカチュアさん、よく見てください」
「?」
オーグが抱えた本には小さく『上巻』とかかれていた。
本は最上級ポーション大全の上巻だった。
「最上級ポーションのような力を秘めた魔法の薬は悪用されるといけない。だからレシピは一冊だけでは分からないようになっていて、上巻にはレシピの半分だけが書かれている。完成には『下巻』が必要なんだ」
アンはそう説明した。
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