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21.野のユリ
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しかしそんなことで引く王太子ではない。
彼は次の手を打つことにした。
「残念だな。では幸運な叔父上に乾杯といこうじゃないか」
とラキシスにグラスを渡す。
ラキシスは微笑んでグラスを受け取る。
「ありがとうございます」
「叔父上に、乾杯」
「乾杯」
ラキシスはグラスの中の酒を、水でも飲むように飲み干した。
王太子は目を丸くする。
「いい飲みっぷりだね」
「さあ、殿下も」
そう言われては彼も飲まない訳にはいかない。
ラキシスは涼しげな顔で酒をあおる。
クレマン始め、周りの男達のペースも速いし、いくら飲んでも平然としている。
釣られて王太子もどんどんと杯を重ねた。
四、五杯――いやもっと飲んだだろうか。
いい加減酔いも回ってきた王太子は一向にそれらしいムードならないことに苛立った。
強引にラキシスを部屋に連れ込むことにしたのだ。
「ラキシス嬢、叔父上のことで話があるんだ」
「まあ、なんでしょうか」
王太子はラキシスに顔を近づけ、その言葉を囁く。
「私なら戦争を止めるように進言出来る」
ラキシスは顔色を変えた。
今までの余裕に満ちた表情を一変させ、真剣な眼差しで王太子を見つめる。
「国王陛下と王妃殿下に戦争をやめるよう、進言して頂けるのですか?」
「それはあなたとの話し合いによる。……付いて来てくれるね」
ラキシスは王太子に連れられ、王族用の控え室に向かった。
王族専用の控え室は豪華なものだ。
煌びやかな調度品の数々には公爵令嬢のリディアすら目を輝かせるのに、ラキシスは見向きもしない。
王太子はラキシスに椅子を勧め、自身は手ずからグラスに酒を注いだ。
そんな王太子にラキシスは椅子から身を乗り出すようにして頼んだ。
「王太子殿下、戦争をやめるよう、どうかお力をお貸し下さい」
王太子は上機嫌に微笑みながら、ラキシスの前の椅子に腰掛け、ラキシスと自分の前に杯を置く。
「悪女ともあろう人が、随分と無粋だね。もっと楽しい話をしようじゃないか?」
「殿下、その前にどうぞお言葉を。今ならまだ戦争をやめられます」
王太子はため息をつく。
「何故、戦争をやめねばならない?あなたは自分の婚約者をもっと信じるべきだよ」
「…………」
「叔父上は常勝将軍と呼ばれた男だ。此度も我々に勝利を届けてくれる。疑うなんて、ひどくはないか?」
「アルバート様は今度の戦いは負け戦だとおっしゃいました。そもそも他国に攻め入り、暴虐の限りを尽くし、何を得られましょうや。どうかお止め下さい」
王太子は大袈裟に肩をすくめる。
「やれやれ、困った人だな」
「……殿下」
「あなたがもっと楽しい話をすれば、私をその気に出来るかもしれないよ」
「…………」
「例えば、その酒を飲んでくれたらね、もう少し話を聞く気になるかも知れない」
王太子はそう言ってラキシスに酒を勧めた。
ラキシスは、にっこりと微笑んだ。
王太子が思わず見惚れるような魅力的な微笑みだ。
その笑みを浮かべたまま、ラキシスは彼に囁いた。
「殿下、このグラスに何をお入れになったの?」
王太子はタジタジになった。
「な……何を?」
「お隠しにならないで」
と言うとラキシスは王太子の前にあるグラスを持ち、二つのグラスを何度も入れ替えた。
王太子は思わず言った。
「おっ、おい。どちらが薬入りか分からなくなる!」
「お薬ですの?」
ラキシスは面白そうにコロコロと笑う。決して王太子を責める口ぶりではない。
王太子も楽しげなラキシスについ、口元をほころばせる。
「ああ、媚薬だ」
「あら、じゃあ、どちらが飲んでも同じじゃあありませんか」
ラキシスは思わせぶりにそう言うと、グラスを取って酒を煽った。
王太子も愉快になった。
「それもそうだな」
と彼も酒を飲み干す。
***
三分後、ラキシスは部屋を出る。
扉の前に立つ王太子の護衛騎士は一人で部屋を出てきたラキシスに目を見張った。
「ご令嬢、いかがなさいました?」
ラキシスは困ったようにため息を付く。
「いかがも何もありませんわ。王太子殿下ったら部屋に入ったらお話もせず、すぐに寝込んでしまわれましたの」
「そ、そうでしたか?」
確かにもう一人の騎士が部屋を覗き込むと、だらしなく椅子に凭れて高いびきを掻く王太子の姿が見えた。
「私、帰ります。兄と一緒に来ておりますの。お兄様は何処かしら?」
「しょっ、少々お待ちを」
騎士があわてて探す前に、ラキシスの声を聞きつけ、兄のクレマンがやってくる。
「ラキシス!」
「お兄様。王太子殿下はお話もせずに寝てしまわれたの。お疲れだったのかしら」
「本当だね、お疲れなのだろう。随分お酒も召しておられたようだし。主役の殿下がこのご様子なら、私達は失礼しようか」
「ええ、お兄様」
ラキシスと兄のクレマンは会場を後にしようとするが、様々な人が呼び止める。
その度にラキシスは、
「二人きりで話したいとおっしゃるのに、お疲れなのか、殿下は眠ってしまわれまして……」
と顛末を話す。
ラキシスと王太子が連れ立って出て行くのは大勢の人間に見られている。
男女が控え室に行くというのは、『恋の火遊び』の意味だ。
ラキシスは身の潔白のために、王太子とは何もなかったと強調した。
実際、ラキシスが控え室にいたのは十分ほどなので、不貞を疑われる隙もない。
人々は王太子が大量の酒を飲んでいる姿を見ている。
ラキシスの話を誰もがあっさり納得した様子だ。
広間を出るとラキシスとクレマンは、さっさと馬車に乗り込んだ。
いや、乗り込もうとした時。
「ラキシス」
声を掛けてきたのは、元の婚約者ヘンリー侯爵令息だった。
『一体何の用だ?』
『一体何の用なの?』
と兄妹は仲良く同じことを考えた。
「話がある」
とヘンリーは言った。
「こちらはございません。気分が悪いんですの。失礼します」
ラキシスはツンと悪女らしく言うと、馬車に乗り込む。
王太子が目を覚まし、追いかけてくるかも知れない。
ことは一刻を争うのだ。
「頼む、聞いてくれ」
ラキシスとクレマンは何事か言うヘンリーを放って馬車を出させた。
馬車の中でクレマンはラキシスに尋ねる。
「ラキシス!無事か?」
「ええ、この通りです。アルバート様から頂いたお薬は良く効きましたわ」
「即効性の眠り薬らしいからなぁ。あんなに飲んでたし、ほんの少しでよく効いただろう」
と同じ量を飲んでいたクレマンはケロリとした顔で言った。
ラキシスは普段は人前で酒を飲むこともないため、弱いように見えるが、その実かなり酒に強い。
兄のクレマンも、父親のアルティス伯爵も強いので、酒豪の家系である。
ハイペースで酒を飲んで、王太子をへべれけにする計画だったが、王太子から「戦争をやめるように国王に進言する」と言われて、ラキシスは一縷の望みに掛けた。
だが、王太子に戦争をやめる気がないのはすぐに分かってしまった。
ラキシスはアルバートから「何かの時に使え」と即効性の眠り薬を渡された。
良く効く上、成分が検出されにくいらしい。
ラキシスは眠り薬をこっそりと自分のグラスに入れた。
ラキシスのグラスなので、王太子はさほど注意しない。
その上、彼は酔っ払っている。
何度も入れ替えているうちに王太子はラキシスに飲ませるはずの薬入りのグラスを見失った。
もちろんラキシスは覚えている。
ラキシスが飲んだのはただの酒だが、王太子のは媚薬と眠り薬入りだ。
グラスを飲み干すと彼はあっという間に人事不省に陥った。
「ところでお兄様、ヘンリー様は何の用だったんでしょうか?」
「分からないけど、あそこは今ちょっと揉めているようだよ」
「揉めている?」
「リディア公爵令嬢……おっとご結婚なさったから小侯爵夫人か。彼女とヘンリー卿は最近は上手く行ってないそうだ」
「まあ、そうなんですの」
ラキシスを捨てて貫いた真実の愛だというのに、新婚早々不仲とは、なんとも呆れた話だ。
***
その後は大変な騒ぎになったらしい。
王太子が目覚めた時は、あれから一時間以上経っていて、ラキシスは既にいない。
王太子は憤慨したが、もう手遅れだ。
媚薬のせいで悶々としていると、王太子が目覚めたと聞いてリディアがやって来た。
「殿下、お目覚めですの?」
もはや飽きが来ていたリディアだが、願ってもないタイミングだ。
まるで彼女が女神に見える。
「リディア、おお、君は何て美しい……」
「あら……」
熱烈に口説かれて、リディアはあっさりその気になった。
二人が組んずほぐれつしているところに、遅れて取り巻き達がやって来たのだが、その中にはヘンリーの姿もあった。
箝口令が敷かれて何一つ「なかった」ことになったが、王太子の誕生日パーティーの席である。
多くの目撃者がおり、醜聞はあっという間に広まった。
彼は次の手を打つことにした。
「残念だな。では幸運な叔父上に乾杯といこうじゃないか」
とラキシスにグラスを渡す。
ラキシスは微笑んでグラスを受け取る。
「ありがとうございます」
「叔父上に、乾杯」
「乾杯」
ラキシスはグラスの中の酒を、水でも飲むように飲み干した。
王太子は目を丸くする。
「いい飲みっぷりだね」
「さあ、殿下も」
そう言われては彼も飲まない訳にはいかない。
ラキシスは涼しげな顔で酒をあおる。
クレマン始め、周りの男達のペースも速いし、いくら飲んでも平然としている。
釣られて王太子もどんどんと杯を重ねた。
四、五杯――いやもっと飲んだだろうか。
いい加減酔いも回ってきた王太子は一向にそれらしいムードならないことに苛立った。
強引にラキシスを部屋に連れ込むことにしたのだ。
「ラキシス嬢、叔父上のことで話があるんだ」
「まあ、なんでしょうか」
王太子はラキシスに顔を近づけ、その言葉を囁く。
「私なら戦争を止めるように進言出来る」
ラキシスは顔色を変えた。
今までの余裕に満ちた表情を一変させ、真剣な眼差しで王太子を見つめる。
「国王陛下と王妃殿下に戦争をやめるよう、進言して頂けるのですか?」
「それはあなたとの話し合いによる。……付いて来てくれるね」
ラキシスは王太子に連れられ、王族用の控え室に向かった。
王族専用の控え室は豪華なものだ。
煌びやかな調度品の数々には公爵令嬢のリディアすら目を輝かせるのに、ラキシスは見向きもしない。
王太子はラキシスに椅子を勧め、自身は手ずからグラスに酒を注いだ。
そんな王太子にラキシスは椅子から身を乗り出すようにして頼んだ。
「王太子殿下、戦争をやめるよう、どうかお力をお貸し下さい」
王太子は上機嫌に微笑みながら、ラキシスの前の椅子に腰掛け、ラキシスと自分の前に杯を置く。
「悪女ともあろう人が、随分と無粋だね。もっと楽しい話をしようじゃないか?」
「殿下、その前にどうぞお言葉を。今ならまだ戦争をやめられます」
王太子はため息をつく。
「何故、戦争をやめねばならない?あなたは自分の婚約者をもっと信じるべきだよ」
「…………」
「叔父上は常勝将軍と呼ばれた男だ。此度も我々に勝利を届けてくれる。疑うなんて、ひどくはないか?」
「アルバート様は今度の戦いは負け戦だとおっしゃいました。そもそも他国に攻め入り、暴虐の限りを尽くし、何を得られましょうや。どうかお止め下さい」
王太子は大袈裟に肩をすくめる。
「やれやれ、困った人だな」
「……殿下」
「あなたがもっと楽しい話をすれば、私をその気に出来るかもしれないよ」
「…………」
「例えば、その酒を飲んでくれたらね、もう少し話を聞く気になるかも知れない」
王太子はそう言ってラキシスに酒を勧めた。
ラキシスは、にっこりと微笑んだ。
王太子が思わず見惚れるような魅力的な微笑みだ。
その笑みを浮かべたまま、ラキシスは彼に囁いた。
「殿下、このグラスに何をお入れになったの?」
王太子はタジタジになった。
「な……何を?」
「お隠しにならないで」
と言うとラキシスは王太子の前にあるグラスを持ち、二つのグラスを何度も入れ替えた。
王太子は思わず言った。
「おっ、おい。どちらが薬入りか分からなくなる!」
「お薬ですの?」
ラキシスは面白そうにコロコロと笑う。決して王太子を責める口ぶりではない。
王太子も楽しげなラキシスについ、口元をほころばせる。
「ああ、媚薬だ」
「あら、じゃあ、どちらが飲んでも同じじゃあありませんか」
ラキシスは思わせぶりにそう言うと、グラスを取って酒を煽った。
王太子も愉快になった。
「それもそうだな」
と彼も酒を飲み干す。
***
三分後、ラキシスは部屋を出る。
扉の前に立つ王太子の護衛騎士は一人で部屋を出てきたラキシスに目を見張った。
「ご令嬢、いかがなさいました?」
ラキシスは困ったようにため息を付く。
「いかがも何もありませんわ。王太子殿下ったら部屋に入ったらお話もせず、すぐに寝込んでしまわれましたの」
「そ、そうでしたか?」
確かにもう一人の騎士が部屋を覗き込むと、だらしなく椅子に凭れて高いびきを掻く王太子の姿が見えた。
「私、帰ります。兄と一緒に来ておりますの。お兄様は何処かしら?」
「しょっ、少々お待ちを」
騎士があわてて探す前に、ラキシスの声を聞きつけ、兄のクレマンがやってくる。
「ラキシス!」
「お兄様。王太子殿下はお話もせずに寝てしまわれたの。お疲れだったのかしら」
「本当だね、お疲れなのだろう。随分お酒も召しておられたようだし。主役の殿下がこのご様子なら、私達は失礼しようか」
「ええ、お兄様」
ラキシスと兄のクレマンは会場を後にしようとするが、様々な人が呼び止める。
その度にラキシスは、
「二人きりで話したいとおっしゃるのに、お疲れなのか、殿下は眠ってしまわれまして……」
と顛末を話す。
ラキシスと王太子が連れ立って出て行くのは大勢の人間に見られている。
男女が控え室に行くというのは、『恋の火遊び』の意味だ。
ラキシスは身の潔白のために、王太子とは何もなかったと強調した。
実際、ラキシスが控え室にいたのは十分ほどなので、不貞を疑われる隙もない。
人々は王太子が大量の酒を飲んでいる姿を見ている。
ラキシスの話を誰もがあっさり納得した様子だ。
広間を出るとラキシスとクレマンは、さっさと馬車に乗り込んだ。
いや、乗り込もうとした時。
「ラキシス」
声を掛けてきたのは、元の婚約者ヘンリー侯爵令息だった。
『一体何の用だ?』
『一体何の用なの?』
と兄妹は仲良く同じことを考えた。
「話がある」
とヘンリーは言った。
「こちらはございません。気分が悪いんですの。失礼します」
ラキシスはツンと悪女らしく言うと、馬車に乗り込む。
王太子が目を覚まし、追いかけてくるかも知れない。
ことは一刻を争うのだ。
「頼む、聞いてくれ」
ラキシスとクレマンは何事か言うヘンリーを放って馬車を出させた。
馬車の中でクレマンはラキシスに尋ねる。
「ラキシス!無事か?」
「ええ、この通りです。アルバート様から頂いたお薬は良く効きましたわ」
「即効性の眠り薬らしいからなぁ。あんなに飲んでたし、ほんの少しでよく効いただろう」
と同じ量を飲んでいたクレマンはケロリとした顔で言った。
ラキシスは普段は人前で酒を飲むこともないため、弱いように見えるが、その実かなり酒に強い。
兄のクレマンも、父親のアルティス伯爵も強いので、酒豪の家系である。
ハイペースで酒を飲んで、王太子をへべれけにする計画だったが、王太子から「戦争をやめるように国王に進言する」と言われて、ラキシスは一縷の望みに掛けた。
だが、王太子に戦争をやめる気がないのはすぐに分かってしまった。
ラキシスはアルバートから「何かの時に使え」と即効性の眠り薬を渡された。
良く効く上、成分が検出されにくいらしい。
ラキシスは眠り薬をこっそりと自分のグラスに入れた。
ラキシスのグラスなので、王太子はさほど注意しない。
その上、彼は酔っ払っている。
何度も入れ替えているうちに王太子はラキシスに飲ませるはずの薬入りのグラスを見失った。
もちろんラキシスは覚えている。
ラキシスが飲んだのはただの酒だが、王太子のは媚薬と眠り薬入りだ。
グラスを飲み干すと彼はあっという間に人事不省に陥った。
「ところでお兄様、ヘンリー様は何の用だったんでしょうか?」
「分からないけど、あそこは今ちょっと揉めているようだよ」
「揉めている?」
「リディア公爵令嬢……おっとご結婚なさったから小侯爵夫人か。彼女とヘンリー卿は最近は上手く行ってないそうだ」
「まあ、そうなんですの」
ラキシスを捨てて貫いた真実の愛だというのに、新婚早々不仲とは、なんとも呆れた話だ。
***
その後は大変な騒ぎになったらしい。
王太子が目覚めた時は、あれから一時間以上経っていて、ラキシスは既にいない。
王太子は憤慨したが、もう手遅れだ。
媚薬のせいで悶々としていると、王太子が目覚めたと聞いてリディアがやって来た。
「殿下、お目覚めですの?」
もはや飽きが来ていたリディアだが、願ってもないタイミングだ。
まるで彼女が女神に見える。
「リディア、おお、君は何て美しい……」
「あら……」
熱烈に口説かれて、リディアはあっさりその気になった。
二人が組んずほぐれつしているところに、遅れて取り巻き達がやって来たのだが、その中にはヘンリーの姿もあった。
箝口令が敷かれて何一つ「なかった」ことになったが、王太子の誕生日パーティーの席である。
多くの目撃者がおり、醜聞はあっという間に広まった。
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