5 / 18
過去2
しおりを挟む
バークレイ夫人はマリエルとデイビッドの結婚に反対だった。
バークレイ夫人は元は伯爵家のお嬢様で、騎士である夫が戦場に行くのが心配で堪らなかった。
バークレイ家は当主が騎士などしなくても領主経営で十分に生活していける。夫の生き様は変えられなくても、頭が良くて出来の良い息子は文官や領主として身を立てて欲しい。
そのためにはマリエルのようなおてんばな女の子より、楚々とした貴族の娘がいいのではと思った。
夫の親友の娘だし、別段マリエルを嫌っているわけではないが、それはそれだ。
今後はせめてバークレイ家の嫁らしく躾けるつもりだった。
なので、マリエルが騎士学校志望と聞いてバークレイ夫人は面白くない。
マリエルをバークレイ家に呼び、彼女は言った。
「こんなことではデイビッドと結婚させてはあげられませんよ」
バークレイ夫人の言葉にマリエルは目を輝かした。
「はい。婚約破棄ですか?」
隣で聞いていたデイビッドがあわてて叫んだ。
「婚約破棄なんてしない!」
「ええ?そう?」
『絶好のチャンスなのに』
でも、確か、二人の結婚はそれぞれの風よけの意味もある。
『今はデイビッドも婚約破棄はしたくても出来ないんだわ』
「分かった、そのうちね」
バークレイ夫人の心証はきっと最悪だ。
バークレイ家の嫁になるためにと、刺繍だの詩文だのをやらされたが、それも今後は騎士の勉強で忙しいと全部断った。
母親想いのデイビッドはバークレイ夫人のお眼鏡にかなった女の子と結婚するだろう。
『次のデイビッドの婚約者が決まるまでの辛抱よ。もう少しね、デイビッド』
しかしマリエルの予想を裏切り、一向にバークレイ家からは婚約破棄の打診はやって来なかった。
***
デイビッドの様子はその後も変わらない。
いや、王子様らしさに拍車が掛かった。
いついかなる時もマリエルが馬車から降りるとすっ飛んできて手を差し伸べてくれたり、荷物を持とうとしたり、ランチも一緒に食べたがる。
休日の誘いは父親経由でやって来た。
急に騎士になるなどと言い出したマリエルの分までフォローし、両家の親を心配掛けまいとするデイビッドの底なしの優しさには驚かされる。
マリエルはありがたくそれには乗ることにした。
学校ではこれまで通りに接した。
婚約解消まではマリエルもデイビッドの優しさの分、風よけとして役に立たねばならない。
月に一度だけはデイビッドに付き合ってデートもする。
デートの時のデイビッドはこの上なく優しい。
完璧にエスコートしてくれて、必ず花やリボンや良い匂いのするコロンなんかをプレゼントしてくれる。
だが、指先に口付けしたりするのは、反則だ。
「そこまでしなくてもいいわよ」
「僕らは婚約者じゃないか」
とデイビッドは言う。
こんなに紳士的なデイビッドは元々モテたが、最近は大モテにモテる。
「あなたみたいながさつな婚約者でデイビッド様が可哀想よ」
女子から呼び出されて因縁付けられることもしばしばだ。
『私もそう思うわ!』
内心思わず同意するマリエルだが、口では「そうですか。ですが私が彼の婚約者ですわ」なんてツンと言い返す。
立派な風よけぶりである。
「マリエル!」
どっから聞きつけるのか、あわててデイビッドがやって来て、マリエルを抱きしめ、
「君達、いい加減にしてくれないか、彼女を煩わすのは止めてくれ」
と女子生徒に言い放つ。
このビシッと婚約者に一途なところがデイビッドの人気の秘訣だ。
『まあ、そういう演技なんだけどね』
こんな生活もそろそろ終わりである。
マリエルはついに騎士学校に合格した。
バークレイ夫人は、騎士をデイビッドの嫁には認めまい。
三年も経ったのだから新しい婚約者も決まっただろう。
バークレイ家は一人息子のため、早く後継者が欲しいらしい。
「けじめだから、婚約解消の打診は我が家からしよう」
と父が言い、父と二人、マリエルは婚約解消をするためバークレイ家に向かった。
だが。
「我が家としてはこのまま婚約を続けて貰いたい」
とバークレイ卿は言った。
バークレイ夫人は複雑な顔だが、何も言わない。夫の意向に添うつもりらしい。
「しかし騎士になれば最短でも結婚は二十歳過ぎだ」
とマリエルの父が言う。
騎士学校の卒業は十八歳だが、騎士叙任を受けるのはそれから二年後。二十歳の時なのだ。
別段その前に妻を娶っていけない訳ではないが、大抵の騎士見習いは騎士叙任後にプロポーズする。
騎士になれば男としては一人前。給金も出るようになり、ささやかながら妻を養っていけるからだ。
バークレイ卿は頷いた。
「ああ、それで構わない。デイビッドも騎士学校に行く。デイビッドも騎士になる前に妻を娶る気はないから丁度いい」
マリエルは驚いて目を見張る。
「デイビッドも騎士学校に行くの?」
「うん」
とデイビッドは嬉しそうに頷いた。
「知らなかった」
「受かるかどうか分からなかったから恥ずかしくて言えなかったんだ」
とデイビッドは言った。
「剣の腕は正直まあまあってところだが、座学で合格した」
目を細めてそう言うバークレイ卿は息子が騎士の道を選んだことを喜んでいるようだ。
「ところでマリエルちゃんは、好きな子はいるのかい?」
とバークレイ卿が尋ねてくる。
「えっ、いませんよ」
マリエルは急に問われて驚いた。あわてて否定する。
バークレイ卿はにっこり微笑んだ。
「ああ、それは良かった。じゃあマリエルちゃん、婚約解消はしなくていいね」
「は、はあ……」
『しまった』
マリエルは後悔した。
驚きすぎて本当のことを言ってしまったが、ここで好きな男の子がいるって言えば、すんなり婚約解消出来たはずだ。
しかし、『嘘は良くないわね』と思い直す。
それに、マリエル本人は別に婚約解消したいわけではない。
婚約したままの方がマリエルにとっては都合がいい。
騎士学校では女子学生は少ない。婚約者がいない女子生徒を巡って様々なトラブルになるらしい。
今こそ風よけの婚約者が必要だった。
「デイビッドが婚約を続けてくれるなら安心だよ」
とマリエルの父もこれは悩みの種だったらしく、厳つい顔に笑みを浮かべる。
デイビッドは頭はいいし、騎士学校に入学出来る位は鍛えている。
くわえて性格も良く、誠実で温厚な人柄とクラスメイトからの評判もいい。
マリエルのことも婚約者として十分すぎる程尊重してくれている。
貴族学校では熱々カップル扱いだった。
だからこそ、マリエルは分からないのだ。
デイビッドとはずっと仲が良かった。
なのに本心では違った。
「親同士が勝手に決めた婚約さ。僕があいつのことを好きってわけじゃない」
十二歳で言われたあの言葉が今も小さなとげとなって心に刺さって抜けない。
「デイビッドはそれでいいの?」
マリエルはデイビッドに聞いた。
デイビッドは今日はずっと緊張していた様子だったが、マリエルに好きな人がいないと聞いてからは嬉しそうにニコニコしている。
「いいよ。僕はマリエルと結婚したい」
キッパリとデイビッドは言い切った。
その姿は嘘を言っているようには見えない。
だからますますマリエルは分からなくなる。
『デイビッドは本当はどう思っているんだろう?』
マリエルはデイビッドから一度も好きとは言われたことはない。
もし、「好き」と言われたら、「嘘つき」な彼は嫌いになれただろう。
だけどデイビッドはただ優しいマリエルの婚約者なので、二人は宙ぶらりんのまま仲の良い婚約者を演じ続けていた。
バークレイ夫人は元は伯爵家のお嬢様で、騎士である夫が戦場に行くのが心配で堪らなかった。
バークレイ家は当主が騎士などしなくても領主経営で十分に生活していける。夫の生き様は変えられなくても、頭が良くて出来の良い息子は文官や領主として身を立てて欲しい。
そのためにはマリエルのようなおてんばな女の子より、楚々とした貴族の娘がいいのではと思った。
夫の親友の娘だし、別段マリエルを嫌っているわけではないが、それはそれだ。
今後はせめてバークレイ家の嫁らしく躾けるつもりだった。
なので、マリエルが騎士学校志望と聞いてバークレイ夫人は面白くない。
マリエルをバークレイ家に呼び、彼女は言った。
「こんなことではデイビッドと結婚させてはあげられませんよ」
バークレイ夫人の言葉にマリエルは目を輝かした。
「はい。婚約破棄ですか?」
隣で聞いていたデイビッドがあわてて叫んだ。
「婚約破棄なんてしない!」
「ええ?そう?」
『絶好のチャンスなのに』
でも、確か、二人の結婚はそれぞれの風よけの意味もある。
『今はデイビッドも婚約破棄はしたくても出来ないんだわ』
「分かった、そのうちね」
バークレイ夫人の心証はきっと最悪だ。
バークレイ家の嫁になるためにと、刺繍だの詩文だのをやらされたが、それも今後は騎士の勉強で忙しいと全部断った。
母親想いのデイビッドはバークレイ夫人のお眼鏡にかなった女の子と結婚するだろう。
『次のデイビッドの婚約者が決まるまでの辛抱よ。もう少しね、デイビッド』
しかしマリエルの予想を裏切り、一向にバークレイ家からは婚約破棄の打診はやって来なかった。
***
デイビッドの様子はその後も変わらない。
いや、王子様らしさに拍車が掛かった。
いついかなる時もマリエルが馬車から降りるとすっ飛んできて手を差し伸べてくれたり、荷物を持とうとしたり、ランチも一緒に食べたがる。
休日の誘いは父親経由でやって来た。
急に騎士になるなどと言い出したマリエルの分までフォローし、両家の親を心配掛けまいとするデイビッドの底なしの優しさには驚かされる。
マリエルはありがたくそれには乗ることにした。
学校ではこれまで通りに接した。
婚約解消まではマリエルもデイビッドの優しさの分、風よけとして役に立たねばならない。
月に一度だけはデイビッドに付き合ってデートもする。
デートの時のデイビッドはこの上なく優しい。
完璧にエスコートしてくれて、必ず花やリボンや良い匂いのするコロンなんかをプレゼントしてくれる。
だが、指先に口付けしたりするのは、反則だ。
「そこまでしなくてもいいわよ」
「僕らは婚約者じゃないか」
とデイビッドは言う。
こんなに紳士的なデイビッドは元々モテたが、最近は大モテにモテる。
「あなたみたいながさつな婚約者でデイビッド様が可哀想よ」
女子から呼び出されて因縁付けられることもしばしばだ。
『私もそう思うわ!』
内心思わず同意するマリエルだが、口では「そうですか。ですが私が彼の婚約者ですわ」なんてツンと言い返す。
立派な風よけぶりである。
「マリエル!」
どっから聞きつけるのか、あわててデイビッドがやって来て、マリエルを抱きしめ、
「君達、いい加減にしてくれないか、彼女を煩わすのは止めてくれ」
と女子生徒に言い放つ。
このビシッと婚約者に一途なところがデイビッドの人気の秘訣だ。
『まあ、そういう演技なんだけどね』
こんな生活もそろそろ終わりである。
マリエルはついに騎士学校に合格した。
バークレイ夫人は、騎士をデイビッドの嫁には認めまい。
三年も経ったのだから新しい婚約者も決まっただろう。
バークレイ家は一人息子のため、早く後継者が欲しいらしい。
「けじめだから、婚約解消の打診は我が家からしよう」
と父が言い、父と二人、マリエルは婚約解消をするためバークレイ家に向かった。
だが。
「我が家としてはこのまま婚約を続けて貰いたい」
とバークレイ卿は言った。
バークレイ夫人は複雑な顔だが、何も言わない。夫の意向に添うつもりらしい。
「しかし騎士になれば最短でも結婚は二十歳過ぎだ」
とマリエルの父が言う。
騎士学校の卒業は十八歳だが、騎士叙任を受けるのはそれから二年後。二十歳の時なのだ。
別段その前に妻を娶っていけない訳ではないが、大抵の騎士見習いは騎士叙任後にプロポーズする。
騎士になれば男としては一人前。給金も出るようになり、ささやかながら妻を養っていけるからだ。
バークレイ卿は頷いた。
「ああ、それで構わない。デイビッドも騎士学校に行く。デイビッドも騎士になる前に妻を娶る気はないから丁度いい」
マリエルは驚いて目を見張る。
「デイビッドも騎士学校に行くの?」
「うん」
とデイビッドは嬉しそうに頷いた。
「知らなかった」
「受かるかどうか分からなかったから恥ずかしくて言えなかったんだ」
とデイビッドは言った。
「剣の腕は正直まあまあってところだが、座学で合格した」
目を細めてそう言うバークレイ卿は息子が騎士の道を選んだことを喜んでいるようだ。
「ところでマリエルちゃんは、好きな子はいるのかい?」
とバークレイ卿が尋ねてくる。
「えっ、いませんよ」
マリエルは急に問われて驚いた。あわてて否定する。
バークレイ卿はにっこり微笑んだ。
「ああ、それは良かった。じゃあマリエルちゃん、婚約解消はしなくていいね」
「は、はあ……」
『しまった』
マリエルは後悔した。
驚きすぎて本当のことを言ってしまったが、ここで好きな男の子がいるって言えば、すんなり婚約解消出来たはずだ。
しかし、『嘘は良くないわね』と思い直す。
それに、マリエル本人は別に婚約解消したいわけではない。
婚約したままの方がマリエルにとっては都合がいい。
騎士学校では女子学生は少ない。婚約者がいない女子生徒を巡って様々なトラブルになるらしい。
今こそ風よけの婚約者が必要だった。
「デイビッドが婚約を続けてくれるなら安心だよ」
とマリエルの父もこれは悩みの種だったらしく、厳つい顔に笑みを浮かべる。
デイビッドは頭はいいし、騎士学校に入学出来る位は鍛えている。
くわえて性格も良く、誠実で温厚な人柄とクラスメイトからの評判もいい。
マリエルのことも婚約者として十分すぎる程尊重してくれている。
貴族学校では熱々カップル扱いだった。
だからこそ、マリエルは分からないのだ。
デイビッドとはずっと仲が良かった。
なのに本心では違った。
「親同士が勝手に決めた婚約さ。僕があいつのことを好きってわけじゃない」
十二歳で言われたあの言葉が今も小さなとげとなって心に刺さって抜けない。
「デイビッドはそれでいいの?」
マリエルはデイビッドに聞いた。
デイビッドは今日はずっと緊張していた様子だったが、マリエルに好きな人がいないと聞いてからは嬉しそうにニコニコしている。
「いいよ。僕はマリエルと結婚したい」
キッパリとデイビッドは言い切った。
その姿は嘘を言っているようには見えない。
だからますますマリエルは分からなくなる。
『デイビッドは本当はどう思っているんだろう?』
マリエルはデイビッドから一度も好きとは言われたことはない。
もし、「好き」と言われたら、「嘘つき」な彼は嫌いになれただろう。
だけどデイビッドはただ優しいマリエルの婚約者なので、二人は宙ぶらりんのまま仲の良い婚約者を演じ続けていた。
12
お気に入りに追加
685
あなたにおすすめの小説
溺婚
明日葉
恋愛
香月絢佳、37歳、独身。晩婚化が進んでいるとはいえ、さすがにもう、無理かなぁ、と残念には思うが焦る気にもならず。まあ、恋愛体質じゃないし、と。
以前階段落ちから助けてくれたイケメンに、馴染みの店で再会するものの、この状況では向こうの印象がよろしいはずもないしと期待もしなかったのだが。
イケメン、天羽疾矢はどうやら絢佳に惹かれてしまったようで。
「歳も歳だし、とりあえず試してみたら?こわいの?」と、挑発されればつい、売り言葉に買い言葉。
何がどうしてこうなった?
平凡に生きたい、でもま、老後に1人は嫌だなぁ、くらいに構えた恋愛偏差値最底辺の絢佳と、こう見えて仕事人間のイケメン疾矢。振り回しているのは果たしてどっちで、振り回されてるのは、果たしてどっち?
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
骸骨と呼ばれ、生贄になった王妃のカタの付け方
ウサギテイマーTK
恋愛
骸骨娘と揶揄され、家で酷い扱いを受けていたマリーヌは、国王の正妃として嫁いだ。だが結婚後、国王に愛されることなく、ここでも幽閉に近い扱いを受ける。側妃はマリーヌの義姉で、公式行事も側妃が請け負っている。マリーヌに与えられた最後の役割は、海の神への生贄だった。
注意:地震や津波の描写があります。ご注意を。やや残酷な描写もあります。
悪役令嬢はオッサンフェチ。
来栖もよもよ&来栖もよりーぬ
恋愛
侯爵令嬢であるクラリッサは、よく読んでいた小説で悪役令嬢であった前世を突然思い出す。
何故自分がクラリッサになったかどうかは今はどうでも良い。
ただ婚約者であるキース王子は、いわゆる細身の優男系美男子であり、万人受けするかも知れないが正直自分の好みではない。
ヒロイン的立場である伯爵令嬢アンナリリーが王子と結ばれるため、私がいじめて婚約破棄されるのは全く問題もないのだが、意地悪するのも気分が悪いし、家から追い出されるのは困るのだ。
だって私が好きなのは執事のヒューバートなのだから。
それならさっさと婚約破棄して貰おう、どうせ二人が結ばれるなら、揉め事もなく王子がバカを晒すこともなく、早い方が良いものね。私はヒューバートを落とすことに全力を尽くせるし。
……というところから始まるラブコメです。
悪役令嬢といいつつも小説の設定だけで、計算高いですが悪さもしませんしざまあもありません。単にオッサン好きな令嬢が、防御力高めなマッチョ系執事を落とすためにあれこれ頑張るというシンプルなお話です。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
鉄壁騎士様は奥様が好きすぎる~彼の素顔は元聖女候補のガチファンでした~
二階堂まや
恋愛
令嬢エミリアは、王太子の花嫁選び━━通称聖女選びに敗れた後、家族の勧めにより王立騎士団長ヴァルタと結婚することとなる。しかし、エミリアは無愛想でどこか冷たい彼のことが苦手であった。結婚後の初夜も呆気なく終わってしまう。
ヴァルタは仕事面では優秀であるものの、縁談を断り続けていたが故、陰で''鉄壁''と呼ばれ女嫌いとすら噂されていた。
しかし彼は、戦争の最中エミリアに助けられており、再会すべく彼女を探していた不器用なただの追っかけだったのだ。内心気にかけていた存在である''彼''がヴァルタだと知り、エミリアは彼との再会を喜ぶ。
そして互いに想いが通じ合った二人は、''三度目''の夜を共にするのだった……。
【完結】婚約破棄寸前の悪役令嬢に転生したはずなのに!?
もふきゅな
恋愛
現代日本の普通一般人だった主人公は、突然異世界の豪華なベッドで目を覚ます。鏡に映るのは見たこともない美しい少女、アリシア・フォン・ルーベンス。悪役令嬢として知られるアリシアは、王子レオンハルトとの婚約破棄寸前にあるという。彼女は、王子の恋人に嫌がらせをしたとされていた。
王子との初対面で冷たく婚約破棄を告げられるが、美咲はアリシアとして無実を訴える。彼女の誠実な態度に次第に心を開くレオンハルト
悪役令嬢としてのレッテルを払拭し、彼と共に幸せな日々を歩もうと試みるアリシア。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる