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第317話 闇の獣人、意外とシュープリーム・オークが使えるので驚愕する

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 新しく俺の眷属になったシュープリーム・オークのデオロン。

 とにかく接近戦に強くて、状態異常無効化の指輪や腕輪(一つだと戦闘で破壊される可能性が十分にあるので複数装備させている)を装備させて、後は常時生命力回復の効果をもったアダマンタイトのハーフプレートアーマーで上半身をガード。

 こいつは両手剣とかでかい棍棒を使うのが得意なようだったので(覇王竜の叡智でステータスを見ることができた)、敵を殴っていると全方位に衝撃波を飛ばすブラスト・メイスを装備。

 頭にはアダマンタイトの兜を装備させて、手甲や足甲などを装備させ、さらに水虫とかにならない魔法のブーツを装備させてみた。

 力は強いし、攻撃魔法への抵抗力もあるようなのであとは回復効果のある鎧さえ装備させておけばOK.

 ちなみにこの回復力は毎秒20%ずつとかなり強力だ。

 ブラスト・メイスも両手用の槌で相手がアンデッドでも通用する。その衝撃波は霊体型のレイスやワイト、スペクターといった連中でも例外じゃない。

 とりあえずこいつをドラフォールさんと戦わせてみたら、意外にもドラフォールさんが押されているようだったのには驚いた。

 わかったのはこいつ、根っからのアタッカーであって盾役としては向いてないんじゃないかということだった。

 しかもこいつ…相手が大型の魔物やドラゴンであっても、平気で突っ込んでいくし。

 試しにコア・ブランチのいる塔の五階にいるゴールド・ドラゴンを倒してみろといったら、いきなりブラスト・メイスを手にして突っ込んでいった。

 そしてドラゴンをボコボコにして、こいつも血まみれだったけど一人で倒してしまった。

 まあ途中でドラゴンに噛まれそうになって、慌てて走り出して懐に潜り込んだりしたり、足をメイスでガンガン叩いて踏みつぶされそうになったけど、どうにか回避してたし。

 黄金竜を倒した決定的な一撃はやっぱり衝撃波でよろめいた時だ。

 とにかくこの衝撃波、周囲に広がるから同士討ちの可能性があるので前衛はこいつだけしか任せられないな。

 それに攻撃魔法を八割もカットできるから、誤射されても大丈夫だし。

 でもオークってたまに狂戦士化する事があるからな。一応、みんなに紹介した時に服従の首輪と入浴不要と排泄不要のアビリティ付与したけど、後でこいつに自分を綺麗にできるクリーンかピュリファイのアビリティも付与しておくかな。

 とにかく血の匂いが凄いわ。俺は獣人だから鼻が人間よりも敏感だからこいつの近くには近寄りたくない。

 そんな訳で血まみれになったこいつにピュリファイの魔法をかけてから、黄金竜の遺体にもピュリファイをかけて闇の中の空間に回収。

 見事なまでに遺体がボロボロになっていて、お世辞にも綺麗な状態と言えるもんじゃありませんでした。

 ちなみに訓練の間は時間停止かけている。

 何でかというとな。ミラルカ王子はともかく…この三体の竜人とシュープリーム・オークってすごくよく食べるんだわ、これが。

 飲食不要のアビリティを付与すればいいんだろうけど、それはさすがに生きる楽しみがなくなるから止めてくれと異世界組の全員から懇願された。

 つまり…異世界市場で購入する際の料理とそれを選ぶ時間とか、増やす時間とか時間停止かけていないとやっていられないんだよ。

 それくらい連中はよく食べるんだよね。ミラルカ王子は普通だけど、ルルドン達はドラゴンだから軽く10人前はペロリと平らげてしまう。

 他にルルドン達の故郷から来た暴魔竜の眷属とかミラルカ王子の仲間とか来るかもしれない。それも悪い意味で。

 つまり刺客が来ると言うわけだ。現にミラルカ王子もその一人だったからな。

 幸いというか、さすがというべきか…デオロンもオーク種の中で最上位のせいか、時間停止空間の中でも動けるから訓練には支障はない。

 どうもシュープリーム・オークという種族でもいろいろあって、デオロンはシュープリーム・オークの中でも最下位の一般戦士でしかないらしい。

 他に戦士長、小隊長、中隊長、大隊長、将官補佐、将軍、中級将軍、上級将軍、執政補佐、執政、王子、国王、上級王、皇帝とかになるようだった。

 というか枝分かれしていて他に貴族階級とかもあるようだけど、デオロンはよほど特殊な条件を使わないと貴族にはなれないようだった。

 ま、貴族といっても称号だし。デオロンは戦士関係の称号を極めていけば、それで十分だからこのままレベルアップさせていけばいいと思う。

 というか称号上げるって何だか装備とかいいものとか強力なものに変えないと駄目みたいで、貴族となると宝石とか装束とか、礼儀作法などのアビリティも習得していないと駄目みたいだけど、そんなの今は必要ないから無視することにしている。

 というか今はいいけど、一時は複数の異世界から魔物とか同時に来て、この地下131階層は本当に大変だった事もあったんだよな。

 だから異世界市場で購入したものを専用の器に入れて魔法で直径1センチほどの大きさにまで変えて、ヒョドリンに食わせて増やして…という作業をこまめにして兵糧を蓄えておかないといざって時に間に合わないんだよね。

 ルルドン達はどうやら異世界の料理を好きになったようなのは…いいんだけどね。

 カレーでも一日同じ料理出すと、少しだけど嫌な顔するんだわ…この贅沢者共が!

 というわけで俺としては限界突破ポーションの1000倍濃縮ポーションを飲みながら、こいつらにとっていい料理を探しては購入するという作業をメインにやっている。

 まだ未開封の宝箱とか何万もあるし、俺の精液ポーションも沢山見つかったのでスープとか味噌汁とかに少しずつ入れておくと、全員が喜ぶんだよな。

 実際に俺も食べてみたけど、我が体液ながら料理に入れると本当においしくなる。味だけじゃなくてじんわりとしたあったかさというか、満足感がすごく湧き上がってくるのが実感できた。

 お陰でこいつらも無駄に馬鹿食いする量が減ってきたので、俺としては料理に密かに精液ポーションを少しずつ垂らしていく作業とかしている。

 正直言って今の俺はお世話係みたいなもんだが、これはこれで楽しかったりする。

 特にデオロンが地属性の魔法を習得したのには驚いた。レベルアップし続けてその過程で覚えたらしい。

 あの運動馬鹿が? と思ったが覇王竜の叡智で鑑定したら、地属性魔法レベル1の表示が。

 デオロンが近接戦闘メインなのは他の四人も知っていたので、攻撃系であれ、防御系であれ、周囲に被害はないので安心だが…。

 でも、あれこれ説明しても理解できるとは思えないから、本人には地属性魔法が使えるということだけを言っておいた。

 こいつは馬鹿なのでわからない時ははっきりと「わがんね!」と言ってくれるので、本人が悩んでいる時以外は口出ししないようにしている。

 今の所、デオロンのお陰で五人パーティーになったけど、活力の化身ともいうべきシュープリーム・オークのスタミナはすさまじいので、時期尚早かもしれないけど魔王との戦いに挑んでみることにしようと俺は決心した。

 もちろん彼等の意見も大切だから、事前に話し合って彼等の了承を得てからということになる。

 何だかんだ言ってるが、結局は俺も戦いたくなってきたんだろうな。もう340万本も限界突破ポーションを飲んでいるのに、体がウズウズしてくる。

 こいつら五人はまだ経験をそれほど積んでいないから、魔王退治の戦いには荷が重いかもしれない。

 それでも糸の神のアビリティを使えば、俺が倒しても彼等にも経験値が入るから損をすることはない。彼等にはサポートに徹してもらえばいいのだ。

 危険だが、魔王を倒せば今までの訓練が馬鹿みたいだと思えるほど強くなれるという事でもあるので、魔王との戦いについてのメリットやデメリットについてよく話してから、地下2000階層に挑んだ方がいいな、と俺は空になった精液ポーション(宝箱から出たもの)を闇の中の空間に収納して、大鍋に入った野菜スープをかき混ぜながら考えていた。
 
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