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第215話 闇の獣人、奴隷達や部下達から立派な建築物に住むべきだと強く言われてしまう

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 奴隷商人の所に行く前に念話で、セレソロイン、ドラフォールさん、サキュバス・エンプレスのミリーヤに、一級創造神の分身にして馬鹿親父のゴルンルプス、二級創造神の分身にして、元・爺さんの美少女フェランさん。

 そして俺の性奴隷に自らなった人形の女神タラミレーナによって進化したダンジョン・コアのコア・ブランチに奴隷を大量購入すると伝えておいたので、準備をしておくようにと伝えておいた。

 すると案の定、地下131階層にある塔の最上階は、以前よりも拡張されていた。

 見た目は塔なのだが、俺達が寝泊りしている階だけ、無限の広さがある。

 これは時空の大精霊達が空間拡張を行った他に、タラミレーナが大量にアダマンタイトのゴーレムをコア・ブランチに放り込んで進化させたからだ。

 おかげで今ではコア・ブランチは以前よりもはるかに強い力を持つようになり、ダンジョン・クイーンとして世界中のダンジョンに干渉できるほどの力を持つようになった。

 それはつまり、ダンジョンの中で家や屋敷すら創造できるという事さえも可能だということだ。

 実際には俺も家や小屋、屋敷、城なども創造できる。城塞都市が創造できるんだから、その一部の城や要塞だけを創造するのは、魔力の消費さえ何とかできれば俺以外にもできるんじゃないかと思う。

 もっとも家屋の神の力を借りた家作成などのアビリティに比べたら、見劣りするけどな。

 どう違うのかというと、城塞創造や結界移動は「アビリティ購入権利(精液必須)」で購入したものだからだ。

 これは触る事のできない、半透明の本…それも数千ページもある分厚い本が出てきて、その中から良さそうなものを選んで購入できるという、特殊アビリティだ。

 もちろんタダでは購入できない。購入するには数千万から数億本の精液ポーションが必要になる。

 もっとも俺は必要なアビリティは大体、購入できている。

 それでこの半透明の分厚い本で購入したアビリティと神様からもらったアビリティの違いというと…。

 同じ家を創造するにも、アビリティ購入権利を使って購入した城塞創造の応用で創った家は、確かに質実剛健で頑丈だ。家が劣化するのは城塞創造の効果時間が切れてからになる。

 もちろん、城塞創造のアビリティを使った場合はそんな事はない。大量の民家の集合体である都市を創るという意味では城塞創造のアビリティの方が便利で、結果的に消費MPが少ないという利点がある。

 当然ながら城塞創造で創った都市の中の家や屋敷には家具とか生活必需品は揃っている。

 そもそもこのアビリティは緊急時の避難所兼、防衛施設として開発されたものだからだ。

 問題は、どういうわけか一軒の家を作るということになると、家具とか生活必需品がないということなんだ。

 どうも俺の素質の限界か、それともアビリティの不具合なのかわからないけど、一気にまとめて創造するのなら家具とか生活必需品は揃っているけど、小出しにした家とか屋敷とか一軒だけだとうまくいかないようなんだ。

 そしてこのアビリティだが、家は確かに作れるんだが家具とかベッドとかソファーといったものが全く置かれていないんだよな。家一軒、屋敷一軒、小屋一軒という風に細かくやると家具、調度品、生活必需品がない。

 だから家具とか生活必需品はいちいち買ったりして、タンスとかベッドを設置しないといけない。

 それに対して、家屋の神からもらったアビリティだと、家を創れるだけでなく、家具や調理品、皿やフォーク、ナイフ、入浴用品やベッドや毛布、敷布団といった生活するのに必要不可欠なものまで、しっかり揃っているということだ。

 そんな訳で俺は奴隷達の生活する住居を創ろうとしたんだが、どういうわけかドラフォールさんやミリーヤはおろか、フェランさんや馬鹿親父、さらには奴隷達全員から小屋や家を作るのを猛反対されてしまった。

 というのも、彼等の主にしてこのダンジョンのコア・ブランチの主人(と、コア・ブランチは言っていた)である俺が、テント暮らしで奴隷の自分達が主人を差し置いて小屋や家に住むのは不敬の極みである、ということで奴隷達も俺と同じテント暮らしをすることになった。

 もともと俺は暗殺者として教育されたので、壁や天井、床がしっかりしていて水が染み出ていたりとか、壁や天井に穴が開いていない限りは、どこでも生活できるように訓練されている。

 それに立ったまま寝ることもできるように、厳しく訓練されていたので、俺にとっては小屋や家など、大して必要じゃない。

 それを説明したら、どういうわけか奴隷達も、ドラフォールさんやヒョドリン、ミリーヤや大悪魔モロンゾンとかも、首を大きく横に振って、もっとマシな建物を建ててそこで生活するべきだと言ってきた。

 「そもそもですね。我らが大女神アミリルス様の愛人である旦那様が、いつまでもテント暮らしなんてしていること自体がおかしいんですよ。四肢の欠損やあらゆる病を瞬時に癒し、死人すら蘇生させる事ができて、冥王ヨルガル様の加護をもち、全ての大精霊と上位魔神、大悪魔を支配下に置いて、人形の女神や創造神の分身すら性奴隷にしてしまった御方には、それに見合う建築物を作ってそこに住むべきだと思います!」

 と、ドラフォールさんが珍しく長く話している。

 うん。力説する気持ちはわかるけどね? ツバ飛んでいてちょっと汚いから、もっと落ち着いてでかい声出さないようにしようね?

 「しかしなぁ…。そうなると城とか作るのがいいと思うが…レナリアーラ王国も村とか街とかいろいろあるんだしな。作るのはいいけど、どこに城とか作るんだよ? うかつに城とか建てたら、国内はおろか、外国からも俺の御機嫌取りをする連中の相手とかしないといけなくなるぞ?」

 「それなら天空城に住めばいいと思うの。あそこで眠りについている連中を保護という名目でご主人様が生活すればいいと思うの。それに管理者権限をご主人様はもっているんだから、天空城なら領土とか土地とか国境とか関係ないし、世界中移動できるから、帝国とか他の国も戦争なんて起こす気も出なくなって一石二鳥なの」

 と、タラミレーナが相変わらず真紅のメイド服(さすがにエプロンは純白だったが)を着て、いつのまにか俺の背後に来ていた。

 「ま、まあ。それは置いといてだ。ならいっそここに城塞都市の城塞の部分だけ作ってみるか?」

 「私達はご主人様に今よりもっといい環境で生活してほしいから、あなたがそれを望むのなら反対しないの」

 と、タラミレーナが言うとミリーヤ、ドラフォールさん達も大きく首を縦に振って同意した。

 そんな訳で俺は50万人都市のバージョンで、城塞のみをイメージして作ってみた。

 とにかく広い上に城の高さも6階以上あるわ、城の城壁も左右にかなりの範囲で広がっている。

 城全体も大きい上に広いので、奴隷達全員を寝泊りさせてもまだ空き部屋があるほどだった。

 早速タラミレーナがミスリル製のゴーレムを一度に数百体ほど城の中庭に出現させて、いろんな場所に歩かせて待機させる。これで何か用事があればゴーレムが手伝ってくれるというわけだな。

 後は俺が機織りで創ったミスリル製の下着や衣服を闇の中の空間から出して、全員に渡していく。

 幸いなことに魔皇神からもらった「魔法浸透」のアビリティのおかげで俺が街全体にかけたピュリファイの効果が続いているようだったので、全員が風呂に入る必要はなかった。

 予備の服とか下着(もちろんぜんぶミスリル製)を渡してから、食事にした。もちろん俺の手作りの料理だ。

 城の中の大広間でテーブルを大きくして、長方形タイプのテーブルにして3つほど並べていく。

 後は闇の中の空間から、俺が作り置きしておいたスパゲッティーとか、オニオンスープ、コーンスープとか、蛇肉のステーキとか、ハンバーグとかをテーブルの上に並べていったら、奴隷達から大層喜ばれた。

 ただし服がやたらと綺麗だったので、奴隷の内の一人の20代後半の女奴隷が、一体どんな素材を使っているのですかと聞いてきたので、素直にミスリルを糸状にして服にしたと言ったら、腰を抜かしていた。

 他にも卒倒している奴隷もいた。中には脱いで返そうとする奴もいたが、俺が上げたものだからと強引に念動のアビリティでその中年の奴隷に再度着せてやった。

 「何だか大げさだなぁ。これから俺の為に一生働いてくれる連中にミスリルの服を着せて何が悪い? まあさすがにまだ何の実績も上げていないから、オリハルコンやアダマンタイトの服は着せてあげられないが、これからの働きによっては、プレゼントしてやらなくもないぞ?」

 「「「「「「ミスリル製の服だけで十分です!」」」」」」

 この後、俺はアルロンやロンドウェルから、ミスリルの服がどれだけ高価で貴重で、希少価値があるのかをえんえんと聞かされることになった。
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