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第196話 闇の獣人、冥王様のプレゼントにドン引きする
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街を浄化と癒し、その他諸々の作業をするために、準備体操とかいろいろやっていたら、またお馴染みの時間停止がかけられたのを感じた。
そしてそこには灰色のワシの獣人の死神が、首輪を付けたカラスの獣人の死神を連れてきて、一緒に平伏した。
「ラフィアス様! この度はこの馬鹿が無礼な事をしでかして申し訳ありませんでしたぁああ!」
この平伏姿勢は、俺を呪殺しようとした異世界の呪術師達が言うには「土下座」というのだそうだ。
何でもこの姿勢、深い謝罪や請願の意を表す場合に行われる為の物で、ワシの死神はカラスの獣人の死神を鋭い鉤爪で上から押さえつけて言った。
「この馬鹿、あれほど神々からきついお仕置きを食らったというのに、それでも後輩の死神にあなたの悪口を言いまくっていたんですよ。もうこの際だから煮るなり、焼くなり好きにしてください!」
うん? 今、好きにしてもいいって言ったよな? それじゃ遠慮なく俺の好きなようにさせてもらいましょうかねっと。
闇の中の空間から取り出した首輪を紐のように細くして、二つほどカラスの獣人の死神の首に付けてみた。
すると俺を畏怖している目から、トロンとした目になって俺をうっとりした目で見るようになった。
「これでこいつは俺に永遠に恋をする者となった。よほどの事がない限りは暴走することもないだろう。というわけだから、ワシの死神さんは帰っていいですから」
「いやいや。本題はこれからですぞ! 実はこのバカのせいでうやむやになってしまった、あなたに贈るはずだったアビリティやアイテムが沢山あるのです。
もちろん全部とはいいません。できれば全部受け取ってほしいのですが…。まあ少しでもいいから受け取ってもらわないと、私が冥界に戻れませんので…。あ、申し遅れました。私、見ての通りワシの獣人のトロンドスと申しますので、以後、お見知りおきを」
と、言いながら丁寧に一礼する。何か本当にいろんな死神があの世にはいるんだなーと感心した。
で、いろんなアビリティの中で面白いのがあった。それは「棺桶創造」。
文字通りに棺桶を魔法で創造できるという、死体収容には絶対に必要な物だ。
ちなみに空気穴は付いている。レベル30になるまで大量に創造していると、その棺桶の中に入って眠ることができるし、術者の魔力次第では棺桶を拡大してそのまま中で眠ることもできるんだそうだ。
でも気づいたら土の中にいる、なんてことにならないといいんだけどな。そういう魔術的なトラップとか結界とかを棺桶とその周囲に張り巡らせておかないと駄目だな、こりゃ。
後は「墓石創造」…。えっと…棺桶創造とセットで覚えると、自殺した人間の魂に安らぎを与えることができる。
さらに自殺者の魂を自在に使役することができる。…要するに、自殺した人間の魂を助けてやる代わりに、こき使うことができるってわけね。
これもレベル制だから、一度墓地に行って墓石を創りまくってみるかな。最初に竜王の息吹や覇王竜の息吹とかをかけまくっておけば、大抵の死霊は浄化されるから、邪魔されることはないしな。
そういえば俺って創造系のアビリティってあんまりないよな。城塞創造とかできるけど、もっとこう、小物とか靴とか、そういった日常品とか簡単に創造できればいいんだけど。食べ物や飲み物も全部味がしないものばかりだしなー。一度クリエイティブ系の魔法というかアビリティを研鑽した方がいいかも…。
次は「呪詛・瘴気の吸収・転換」だった。このアビリティは他人からの呪詛をそっくりそのまま吸って、プラスのエネルギーに変換する能力だ。普通は呪詛をかけられたら、呪詛返しをするんだが…。
相手は一流の呪術師だと、単に呪詛返しをしても、また返してこちらに呪詛がかかるようになる。
それだとキリがないので、ならばいっそ呪詛や瘴気などを吸いとってしまえばいいという事になった。
それは功を奏したので、こうしてアビリティになったというわけだった。
ちなみにレベル30になるまで呪詛や瘴気を吸い取る作業をしていると、呪いのアイテムとか呪いの装備品とかにかけられた術式や悪霊などを浄化できて普通の装備品に戻すことができる。
アビリティのレベルが30になると、限界突破の薬を飲んだほどじゃないけど、呪詛・瘴気の吸収で限界突破もできるらしい。他にも他人が受けている呪詛の吸収・転換もレベル30で完全にできるそうだ。
もっとも限界突破の薬の3分の1しかないようだし。
まあこれはこれで使えそうだからもらっておくか。
で、お次は「霊魂書き換え」。これは霊魂解析のアビリティ獲得が必須条件だけど、俺はすでに習得しているから問題なし。
これは文字通り、霊魂を書き換えできるアビリティだけど…簡単に言えばアンデッドの性格とか、癖とか言動とかをある程度まで書き換えることができるようになるらしい。
殺人、特に自分がつまらない理由で殺された場合は怨霊になるが、この「霊魂書き換え」だと、その霊が抱く怨念を抱かないようにできるらしい。
人間だと洗脳だな、こりゃ。まあ自分を殺した奴がすでに死んでいて、仇を討とうにも相手が死んでいるんじゃ、死にきれない。そいつが生まれ変わるのを待とうにも、地獄に堕ちて何百年、何千年も待たないといけない。
そんな時間があるんなら、いっそあんたも生まれ変わって幸せになろうよ! と説得しても聞く耳もたない魂が多いのが現状だ。
だがこのアビリティで魂そのものを書き換え(とはいってもちょっとだけなんだけど)すれば、もういいや。わたし、敵討ちなんてやめてさっさと天国に逝きまーす、という風にできるそうだ。
他には「憑霊操作」。主に未練を残して死んでしまった職人や作家達の意志を継いで、波長の合う人間に憑依させて、未完成の作品を仕上げさせるようにする。
もちろん憑依している状態なので、いくら宿主が許可していてもいつまでもその状態でいられるわけではない。
一番大変なのは、こういう未練のある霊というのは宿主の体を操って好き放題してしまうということだ。
だから女遊びはもちろん、宿主の体を使って酒や食事も必要以上に摂取しようとするわ、睡眠もとらずに作品を仕上げようとするわ、最悪の場合だとその鍛冶屋や刀鍛冶が作品の性能を試したいがために、何の罪も犯していない人間を殺しまくることもある。
だからこのアビリティを使う時は、俺自身も含めて誰かが常に憑依している人間の様子を見ていないと(悪くいえば監視)いけないな。
あとは「過去探知操作」。このアビリティを使えば相手の魂や物品、場所の過去の記憶を探知できる。
しかも五感のどれかを使って過去の情報を探知できる。過去視というアビリティを持つ者が、ごく稀に生まれることがあるが、過去といってもいい事ばかりじゃない。中には凄惨な殺人事件とかも視てしまう。
だから過去の情景を探知するというのは、結構危険なんだよな。ましてや五感をフル動員して殺人現場の過去の情報を探知するのは止めたほうがいい。
絶対に被害者の受けた苦痛を、五感でリアルに感じてしまう。それはもはや現実と同じだ。
だから過去視の能力者の大半は良くて発狂。下手をすれば自殺とかした者、やりかけた者も沢山いたそうだ。
それから…なんだこりゃ。「アビス・ファイア」冥界の火(正確には火炎地獄の火)を召喚できる。
ただし冥界の火はほんの少しの、それこそ種火と同じくらいの大きさの火でも王都ジェルロンドが灰にできるほどの威力があるらしい。
…というかこれ、物騒すぎて危険すぎて、とても怖くて使用できないんですけど。邪神ならこれを使っても、平然と抵抗してきそうだし。雑魚を一掃するのなら火の大精霊達と契約しているから、あいつらに任せておけばいいし。
他にも「アビス・アイス」冥界の火の氷版だ。無限の氷結地獄からの氷を召喚できるアビリティ。
これも爪の先ほどの小さな氷一つで、火山を凍結させて地下深くまで溶岩を凍結させて、火竜の吐き出す灼熱のドラゴンブレスさえも凍り付かせる。
…いや、だからね? こんな物騒で危険な代物、ちょっとでも制御を失敗したら、周辺が文字通り地獄絵図になりますよ? というかアビス・アイスの制御方法を間違えたら氷河期が起こるんじゃねーの!?
確かに邪神相手には有効かもしれないけどさ、その前に周辺国家が灰になるか、氷で埋め尽くされて全員凍死する未来しか見えないんですけど!?
お? やっと良さそうなのがあったな。「英霊召喚」だってさ。
でも…実際に召喚できる英霊は相手の特徴とか名前といった詳細を知らない限りは、ランダム。ただし英霊と面接して契約すれば、術者の魔力を消耗するけど、名前を呼ぶだけで冥界から一瞬でこの地上に来てくれるんだそうだ。
でも実体化させるのと、実体化を維持し続けるのに術者の魔力をずっと消耗し続けるから、結構めんどくさいな。
あとワシの死神さんによると、英霊といっても実際にはスケベだったり、破壊魔だったり、大酒飲みで、酒を飲んだら店を破壊した英霊もいるとか。
…何だそりゃ。ただの破壊者じゃないか。どこが英霊なんだよ!
で、何で俺に対してこんなアビリティを送ってきたのかというと、冥王様が俺を調べてみたら、魔族とか精霊とかなら契約はしているけど、天使とは一体も契約していないから、気になってこのアビリティを贈ったのだという。
「つまりですな。ヨルガル様はそれだけラフィアス様を大切に思っているのですな。まるで我が子のように。正直言っていろんなアビリティを選別している時の、あの御方の御姿は親バカそのものでしたからな」
と、ワシの死神さんが教えてくれた。確か名前もトロンドスというトロールみたいな名前だったな。
そりゃ俺は性奴隷を飼っているし。俺みたいな淫らな獣人なんかが天使と契約なんかできるわけないって。
だから大天使とか天使長とかも、やろうと思えば契約できるけど、淫らな獣人の俺にはできない。
多分、全員が契約解除を求めてくるか…あるいは俺の繰り出すセックスの快楽に溺れて、堕天使になりかねないからな。
さすがに俺も天使とセックスをする事はないけど、俺が性奴隷とセックスしているのを見たら、興味をもつ可能性は結構高いし。
第一、天使に手を出したらあのカワウソ天使の炎のカボチャランタンでお仕置きされるって。
しかし何でこんな危険で物騒なアビリティを俺に贈ろうとするんですか? 冥王様。
正直言ってドン引きですよ。もしかして魔皇神やアミリルス様に対抗心燃やしているとか?
他にいくつかあるけど、アイテムはあの草刈り鎌で十分なので、今回はこれで上記のアビリティだけもらって、トロンドスさんには、俺に恋をする烏の獣人の死神を連れて帰ってもらうことにしてもらった。
そしてそこには灰色のワシの獣人の死神が、首輪を付けたカラスの獣人の死神を連れてきて、一緒に平伏した。
「ラフィアス様! この度はこの馬鹿が無礼な事をしでかして申し訳ありませんでしたぁああ!」
この平伏姿勢は、俺を呪殺しようとした異世界の呪術師達が言うには「土下座」というのだそうだ。
何でもこの姿勢、深い謝罪や請願の意を表す場合に行われる為の物で、ワシの死神はカラスの獣人の死神を鋭い鉤爪で上から押さえつけて言った。
「この馬鹿、あれほど神々からきついお仕置きを食らったというのに、それでも後輩の死神にあなたの悪口を言いまくっていたんですよ。もうこの際だから煮るなり、焼くなり好きにしてください!」
うん? 今、好きにしてもいいって言ったよな? それじゃ遠慮なく俺の好きなようにさせてもらいましょうかねっと。
闇の中の空間から取り出した首輪を紐のように細くして、二つほどカラスの獣人の死神の首に付けてみた。
すると俺を畏怖している目から、トロンとした目になって俺をうっとりした目で見るようになった。
「これでこいつは俺に永遠に恋をする者となった。よほどの事がない限りは暴走することもないだろう。というわけだから、ワシの死神さんは帰っていいですから」
「いやいや。本題はこれからですぞ! 実はこのバカのせいでうやむやになってしまった、あなたに贈るはずだったアビリティやアイテムが沢山あるのです。
もちろん全部とはいいません。できれば全部受け取ってほしいのですが…。まあ少しでもいいから受け取ってもらわないと、私が冥界に戻れませんので…。あ、申し遅れました。私、見ての通りワシの獣人のトロンドスと申しますので、以後、お見知りおきを」
と、言いながら丁寧に一礼する。何か本当にいろんな死神があの世にはいるんだなーと感心した。
で、いろんなアビリティの中で面白いのがあった。それは「棺桶創造」。
文字通りに棺桶を魔法で創造できるという、死体収容には絶対に必要な物だ。
ちなみに空気穴は付いている。レベル30になるまで大量に創造していると、その棺桶の中に入って眠ることができるし、術者の魔力次第では棺桶を拡大してそのまま中で眠ることもできるんだそうだ。
でも気づいたら土の中にいる、なんてことにならないといいんだけどな。そういう魔術的なトラップとか結界とかを棺桶とその周囲に張り巡らせておかないと駄目だな、こりゃ。
後は「墓石創造」…。えっと…棺桶創造とセットで覚えると、自殺した人間の魂に安らぎを与えることができる。
さらに自殺者の魂を自在に使役することができる。…要するに、自殺した人間の魂を助けてやる代わりに、こき使うことができるってわけね。
これもレベル制だから、一度墓地に行って墓石を創りまくってみるかな。最初に竜王の息吹や覇王竜の息吹とかをかけまくっておけば、大抵の死霊は浄化されるから、邪魔されることはないしな。
そういえば俺って創造系のアビリティってあんまりないよな。城塞創造とかできるけど、もっとこう、小物とか靴とか、そういった日常品とか簡単に創造できればいいんだけど。食べ物や飲み物も全部味がしないものばかりだしなー。一度クリエイティブ系の魔法というかアビリティを研鑽した方がいいかも…。
次は「呪詛・瘴気の吸収・転換」だった。このアビリティは他人からの呪詛をそっくりそのまま吸って、プラスのエネルギーに変換する能力だ。普通は呪詛をかけられたら、呪詛返しをするんだが…。
相手は一流の呪術師だと、単に呪詛返しをしても、また返してこちらに呪詛がかかるようになる。
それだとキリがないので、ならばいっそ呪詛や瘴気などを吸いとってしまえばいいという事になった。
それは功を奏したので、こうしてアビリティになったというわけだった。
ちなみにレベル30になるまで呪詛や瘴気を吸い取る作業をしていると、呪いのアイテムとか呪いの装備品とかにかけられた術式や悪霊などを浄化できて普通の装備品に戻すことができる。
アビリティのレベルが30になると、限界突破の薬を飲んだほどじゃないけど、呪詛・瘴気の吸収で限界突破もできるらしい。他にも他人が受けている呪詛の吸収・転換もレベル30で完全にできるそうだ。
もっとも限界突破の薬の3分の1しかないようだし。
まあこれはこれで使えそうだからもらっておくか。
で、お次は「霊魂書き換え」。これは霊魂解析のアビリティ獲得が必須条件だけど、俺はすでに習得しているから問題なし。
これは文字通り、霊魂を書き換えできるアビリティだけど…簡単に言えばアンデッドの性格とか、癖とか言動とかをある程度まで書き換えることができるようになるらしい。
殺人、特に自分がつまらない理由で殺された場合は怨霊になるが、この「霊魂書き換え」だと、その霊が抱く怨念を抱かないようにできるらしい。
人間だと洗脳だな、こりゃ。まあ自分を殺した奴がすでに死んでいて、仇を討とうにも相手が死んでいるんじゃ、死にきれない。そいつが生まれ変わるのを待とうにも、地獄に堕ちて何百年、何千年も待たないといけない。
そんな時間があるんなら、いっそあんたも生まれ変わって幸せになろうよ! と説得しても聞く耳もたない魂が多いのが現状だ。
だがこのアビリティで魂そのものを書き換え(とはいってもちょっとだけなんだけど)すれば、もういいや。わたし、敵討ちなんてやめてさっさと天国に逝きまーす、という風にできるそうだ。
他には「憑霊操作」。主に未練を残して死んでしまった職人や作家達の意志を継いで、波長の合う人間に憑依させて、未完成の作品を仕上げさせるようにする。
もちろん憑依している状態なので、いくら宿主が許可していてもいつまでもその状態でいられるわけではない。
一番大変なのは、こういう未練のある霊というのは宿主の体を操って好き放題してしまうということだ。
だから女遊びはもちろん、宿主の体を使って酒や食事も必要以上に摂取しようとするわ、睡眠もとらずに作品を仕上げようとするわ、最悪の場合だとその鍛冶屋や刀鍛冶が作品の性能を試したいがために、何の罪も犯していない人間を殺しまくることもある。
だからこのアビリティを使う時は、俺自身も含めて誰かが常に憑依している人間の様子を見ていないと(悪くいえば監視)いけないな。
あとは「過去探知操作」。このアビリティを使えば相手の魂や物品、場所の過去の記憶を探知できる。
しかも五感のどれかを使って過去の情報を探知できる。過去視というアビリティを持つ者が、ごく稀に生まれることがあるが、過去といってもいい事ばかりじゃない。中には凄惨な殺人事件とかも視てしまう。
だから過去の情景を探知するというのは、結構危険なんだよな。ましてや五感をフル動員して殺人現場の過去の情報を探知するのは止めたほうがいい。
絶対に被害者の受けた苦痛を、五感でリアルに感じてしまう。それはもはや現実と同じだ。
だから過去視の能力者の大半は良くて発狂。下手をすれば自殺とかした者、やりかけた者も沢山いたそうだ。
それから…なんだこりゃ。「アビス・ファイア」冥界の火(正確には火炎地獄の火)を召喚できる。
ただし冥界の火はほんの少しの、それこそ種火と同じくらいの大きさの火でも王都ジェルロンドが灰にできるほどの威力があるらしい。
…というかこれ、物騒すぎて危険すぎて、とても怖くて使用できないんですけど。邪神ならこれを使っても、平然と抵抗してきそうだし。雑魚を一掃するのなら火の大精霊達と契約しているから、あいつらに任せておけばいいし。
他にも「アビス・アイス」冥界の火の氷版だ。無限の氷結地獄からの氷を召喚できるアビリティ。
これも爪の先ほどの小さな氷一つで、火山を凍結させて地下深くまで溶岩を凍結させて、火竜の吐き出す灼熱のドラゴンブレスさえも凍り付かせる。
…いや、だからね? こんな物騒で危険な代物、ちょっとでも制御を失敗したら、周辺が文字通り地獄絵図になりますよ? というかアビス・アイスの制御方法を間違えたら氷河期が起こるんじゃねーの!?
確かに邪神相手には有効かもしれないけどさ、その前に周辺国家が灰になるか、氷で埋め尽くされて全員凍死する未来しか見えないんですけど!?
お? やっと良さそうなのがあったな。「英霊召喚」だってさ。
でも…実際に召喚できる英霊は相手の特徴とか名前といった詳細を知らない限りは、ランダム。ただし英霊と面接して契約すれば、術者の魔力を消耗するけど、名前を呼ぶだけで冥界から一瞬でこの地上に来てくれるんだそうだ。
でも実体化させるのと、実体化を維持し続けるのに術者の魔力をずっと消耗し続けるから、結構めんどくさいな。
あとワシの死神さんによると、英霊といっても実際にはスケベだったり、破壊魔だったり、大酒飲みで、酒を飲んだら店を破壊した英霊もいるとか。
…何だそりゃ。ただの破壊者じゃないか。どこが英霊なんだよ!
で、何で俺に対してこんなアビリティを送ってきたのかというと、冥王様が俺を調べてみたら、魔族とか精霊とかなら契約はしているけど、天使とは一体も契約していないから、気になってこのアビリティを贈ったのだという。
「つまりですな。ヨルガル様はそれだけラフィアス様を大切に思っているのですな。まるで我が子のように。正直言っていろんなアビリティを選別している時の、あの御方の御姿は親バカそのものでしたからな」
と、ワシの死神さんが教えてくれた。確か名前もトロンドスというトロールみたいな名前だったな。
そりゃ俺は性奴隷を飼っているし。俺みたいな淫らな獣人なんかが天使と契約なんかできるわけないって。
だから大天使とか天使長とかも、やろうと思えば契約できるけど、淫らな獣人の俺にはできない。
多分、全員が契約解除を求めてくるか…あるいは俺の繰り出すセックスの快楽に溺れて、堕天使になりかねないからな。
さすがに俺も天使とセックスをする事はないけど、俺が性奴隷とセックスしているのを見たら、興味をもつ可能性は結構高いし。
第一、天使に手を出したらあのカワウソ天使の炎のカボチャランタンでお仕置きされるって。
しかし何でこんな危険で物騒なアビリティを俺に贈ろうとするんですか? 冥王様。
正直言ってドン引きですよ。もしかして魔皇神やアミリルス様に対抗心燃やしているとか?
他にいくつかあるけど、アイテムはあの草刈り鎌で十分なので、今回はこれで上記のアビリティだけもらって、トロンドスさんには、俺に恋をする烏の獣人の死神を連れて帰ってもらうことにしてもらった。
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