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第188話 闇の獣人、やる事が多すぎるのでリストアップして嘆息する

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 エルモーラ王国の、王都ミリサリアの地下にはすでに、ラトマウリーの信者にして眷属が60人ほどいた。

 そして時間停止をかけて、また一人ずつに飲食不要、排泄不要、ヒール、クリーン、ピュリファイのアビリティを付与した。効果期間は150年。

 これを60人全員にかけてから、時間停止を解除。王国全土の村や街に行って汚物浄化の作業をするように命じた。

 そしてラトマウリーも500億本もの精液ポーションを捧げたせいか、薄茶色に輝く1メートルほどのやたらと太ったネズミになっていた。一応、後光もあるんだけど、何ていうか…あまり威厳とか感じないな。神々しさは感じられるんだけどね。

 おそらくこれがこの神様の本来の姿なんだろう。彼等は冒険者と仲良くやっていくことを、俺の右腕に絡みついているアナントスの前で、以前誓約させた内容をラトマウリーが覚えており、彼の言う事を復唱する形で誓約していった。

 それが終わると俺は全魔力を込めた、アミリルス様が与えてくれたアビリティの「汚物浄化の木」の種を創造して一番大柄のネズミの獣人(ネズミの獣人は小柄なものが多いが、そいつは例外で俺と同じくらいの身長があった)に渡して、一番汚物の汚れがひどくて広い場所に入れるように命じた。

 それからは全員で移動して(幸いにも俺が浄化魔法ピュリファイを起動させて、地下100メートルまで作用するようにしたせいか、ほとんど汚物の悪臭はしていなかった)、広くて汚物が集まりやすい場所に、その種を一番大柄のリーダー格の獣人が投げ入れて設置した。

 ヂュロンという大柄のネズミの獣人は、体つきもガッシリとしていてこれでいいのか? といった顔で振り返ったが、俺は狙った場所に種が落ちたので安堵しており、笑顔で頷いた。

 するとすぐに芽が出てきたかと思うと、数分後には立派な大木になっていた。どよめく一同を手で制してから、俺は言った。

 「静かに。この木は確かに汚物浄化の力があるが、広い場所でしかその効果を発揮できない。お前達がやる事はこれからこの木がつける実を管理して、汚物の汚れの濃い場所で、なおかつ広い場所にその実を植えることだ。

 後は海や川に通じる箇所に水の流れを阻害しない程度に間隔を置いて植えるように。せっかくの汚物浄化の木が水の流れを阻害して、下水道を詰まらせては意味がないからな。お前達は狭い水路や下水管がが汚物で詰まらないように監視、清掃すること。そしてこの木の手入れなどをすること。

 国では清掃人や下水道に住み着いた水属性の魔物や犯罪者がたむろすることがあるだろう。その場合でも犯罪者はなるべく殺さないで冒険者と一緒に撃退すること。

 そして冒険者とは常に仲良くするように努力すること。以上だ」

 俺の言葉にネズミの獣人達は全員跪いて、服従の意を示した。

 それから後はお互いにクリーンの魔法をかけ合ってお互いの体を綺麗にする魔法の練習を行ったりした。

 「それでは後は任せていいかな? ある程度練習したらあんたの力でこの国の街や村の地下に転移してほしい。そして汚物浄化の木を俺が後で植えるから、その管理や下水道に住み着いたモンスターと犯罪者の駆除を頼む」

 「了解したでチュ。ある程度練習したら、10人ずつに分かれて転送するでチュ。それが終わったら帝国にもあなたは行くそうでチュから、こっちも適任者を厳選しておくでチュから、後でアビリティ付与をお願いするでチュ」

 了解したと俺は伝えると、王城リリウェルの俺に用意された部屋に転移した。

 それからはエラーナ、ジャミア、シャキナという街とロミア、フォリナ、カリーナという村に出向いていくことにした。

 三つの街と三つの村で、俺は時間停止をまたかけて、三つの街と三つの村の下水道に「汚物浄化の木」を設置していった。

 こっちはポンプ設置と違って、設置個所が少ないので2日ほどで終わった。

 その間にできた精液ポーションの203億本はジランティス様に奉納しました。端数の4千万本はまたアナントスに捧げた。

 後はレナリアーラ王国の四つの街と四つの村にも時間停止をかけてから、「汚物浄化の木」を下水道に設置しておきました。それと元・貧民街の連中が移住したヴァイソン村と、無人島のノランディアの街にも設置。

 これは3日ほどで完了。あとノランディアの街とヴァイソン村には、俺の手作りのクラーケンの肉料理と大海蛇の肉の料理の入ったバックパックを置いておいた。

 精液ポーションはジランティス様に三日分の345億本をささげた。端数の6千万のポーションは、毎度のごとくアナントスにプレゼント。

 もちろん汚物浄化の木を設置したことについて、二度手間になった事を詫びる文章と共にな。

 ノランディアの街とヴァイソン村の住人が一月分、三食食べてもまだ余るくらいの量だ。

 時間停止している間にいろいろ難民対策の為に作っておいてヒョドリンに10万ほど増やさせてよかった。これあげるから、汚物浄化の木の面倒とか見てあげてちょうだいね、ネズミの神の加護とかもらったから、その関係でネズミの獣人達と一緒に仲良く下水道の掃除とか汚物浄化の木の世話とか手入れとか頼みますね、というお願いの文章で二度手間になってすまないとも書いておいた。

 贔屓かもしれないけど、ヴァイソン村とノランディアの街の住人は俺が手塩にかけて開発した村と街だからな。その分だけ思い入れがあるんだよ。

 これでレナリアーラ王国の全ての下水道に大きな木を設置した。アナントスはまた精液ポーションの精気を捧げてもらって上機嫌だった。そりゃ合計して1億本も精液ポーション捧げたんだからご機嫌になるよな。

 「すまんのう。しかし儂の婚約者殿の精気は日増しに強くなっていって頼もしいのう」

 と、笑顔でうっとりとしながら俺のほっぺたにキスをするアナントスだった。

 それからはエルモーラ王国の各町と村でやることをリストアップしてみた。

 1 街を浄化と癒しの術をかける

 2 街にポンプと害虫忌避結界を貼る(完了)

 3 畑がある村や街にはネオ・マンドラゴラとスーパーマイコニドを設置

 4 六つの街と村の下水道に「汚物浄化の木」を設置(完了)

 5 貧民街や貧民のいる地区なら、寒暖効果のある玉を渡して貧民を凍死から守ること

 6 冒険者ギルドがある村や街には大容量パックを誓約書を読ませて納得させた者にだけあげる

 7 村や街の浄化と癒しが終わったら、次は城塞創造で10万人規模の都市を村や街の近くに創造。

 住民を結界移動で運んで幻影ではないことを自覚させて一時間ほど都市の中を散策させる。それが終わったら村や街に戻して都市を大精霊の力を使ったり、リヴァイアサンの力を使った津波で破壊させて、神と精霊に対しての畏敬の念をもつように説法する。

 8 貧民街のある村や街では地下に空間を作って、そこでキノコ栽培をやらせる。ネオ・マンドラゴラも設置して
大悪魔モロンゾンの眷属の蟲達も派遣して、監視させる。

 それでも人手が余っていたら下水道の見回りをする。ネズミの獣人との交流アップも含むので、大人たちは下水道の見回りもやってほしい。

 9 村や街、王都の住民に俺の精液を飲ませる。これは嘆願書の巻物にも書かれていたので、浄化と癒しが終わったら全員に飲ませて邪神の精神支配に対する抵抗力をつけさせないとな。

 10 俺の精液を変化させた飴玉を村や街のリーダーに配る。緊急時の回復役に俺の精液を圧縮した丸薬の入った瓶も一つだけリーダー格にプレゼントするが、使用量を守らないと次からは配布しない。

 11 王侯貴族や大商人といった上流階級なら強姦してもいいとあったので、少なくとも王侯貴族は俺の性的な方法で虜にして、悪事や民衆にとって圧制を敷くという事はしないように命じる。

 12 必ずしもやる必要はないが、奴隷とか購入して(ただし事故や家族が作った借金奴隷を主に)助けたい。ただし、シャイターンの五人がそうだったように、奴隷の大半は過去世での行いが悪かったせいで奴隷落ちした者が大半なので、自業自得ではないパターンの奴隷を助けたい。もちろん自分にはやる事がある! という奴隷で俺の目的と違う奴隷は助けることができないので除外。俺が助けるのは全てに絶望して自分の人生を俺に預けて、俺の為だけに消耗してもいい奴隷だけにするが、犯罪奴隷でも罪を犯した事を後悔して反省して残りの人生を全部俺の為に捧げる覚悟がある奴なら助けようと思ってる。

 13 これも必要なことなのかどうかはわからないが、異世界からの生きた扉ともいうべき妖精が来た。おそらく異世界から召喚された魔物に紛れてきてしまったものだと思われる。妖精の形をした生きた扉はどうやら生まれた世界が汚染されているらしく、その浄化の為に俺の精液を必要としているらしい。一度、時間停止空間の中で射精しまくっていたら、ある程度は異世界の汚染が浄化されたので、可能な限り協力してやる。

 14 以前、アミリルス様に俺の肉棒の鈴口から出ている透明な液体(尿じゃない)が薬の材料になりますようにと祈ったことがあったので、それが成就しているのなら薬の材料になるので錬金術師に調べてもらって、時空魔法で収納してある大量の透明な液体の入った瓶を提供すること。
 

 大体、こんな所かな? とりあえずポンプ設置と汚物浄化の木は設置済みだから、癒しと浄化。そして城砦創造して吹っ飛ばすのを優先するか。

 もっとも途中でハプニングとか予想外の事態とか事件が起きる事も十分にあるんだけどな。異世界からの敵の襲来とか。以前は敵の拠点と思われる塔ごと転移してきたからな。異世界からの敵の排除・および始末は最優先事項だから、それに何日か費やすかも。

 あと13の異世界からの人工妖精だけど、頼まれたら手を差し伸べるのが聖人ってもんだしな。それに異世界からの扉でもある、あの人工妖精がヤケになってあっちの滅んだ異世界からの瘴気とか邪気とかを、こっちに転送とかしてきたらたまったもんじゃないしな。

 放っておけないっていうのもあるけど、邪気とか瘴気の浄化なら得意分野だしな。俺にできる事なら異世界であっても手伝ってやりたい。いつ、どこで異世界の連中の助けを借りるかわからないんだからな。もっとも人工妖精の口の向こう側の光景は酷かったから、おそらくこの妖精を作った世界は滅んで人一人いない可能性が高い。

 だが瘴気を全部消しておけば、地下とかに潜っていたあっちの世界の住人も助かるだろうからな。向こうから助けを求めてきても、こっちの世界ではまだまだやる事があるしな。それでもできる限りの事はするよ。

 まあ今はエルモーラ王国だけどな。村や街の連中を浄化と癒しが終わったら結界移動で都市まで移動して、一時間ほどでまた村や街に帰してから、城塞創造で作った城砦を吹き飛ばすんだが、大精霊とリヴァイアサンと俺の三回に分けた方がいいかもしれない。

 城塞が大精霊の力で吹き飛んでも、俺の実力じゃないと勘違いするアホが出るかもしれないからな。そういう馬鹿が出ない為にも、海神王の槍で吹き飛ばすのは悪くないかも。


 一度ギルドマスターや奴隷商人にも大精霊や俺の実力を知ってもらった方が、今後の付き合いもスムーズになるからな。

 だけどやる事が予想以上に多かったのがなぁ…。まあ街や村の住人全員の為になる事からやるか…。ハァ…。

 それからはまたリリウェルの俺の私室へ転移して時間停止を解除。

 二人の使者のアルロンとロンドウェルと合流して、人口の少ない村の方から回ることにした。


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