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第186話 闇の獣人、寝て起きて、人形の女神の存在を知る
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目が覚めた俺は、慌てて時空の大精霊エレンソルを呼び出して、何時間寝ていたのかを聞いた。
するとちょうど三日寝ていたということだった。そんなに寝ていたのか。やっぱり疲れていたのかと愕然とした。
ということは…精液ポーション作る人数を増やして、8000人にしたから今までの20倍だからで115億2千万の精液ポーションの三倍の量ができたということか。合計すると…345億6千万ポーション。
しかし困ったな。精液ポーション作る人数に割かれてしまった。なら分身を新たに増やすか。
えーと…確か、分身って一体増やす度に100万精液ポーションが必要なんだっけ。
でも精液ポーション必要数半減のアビリティのおかげで50万本で一体増やせる。
ということは…1万人で50億ポーションか。それでも295億6千万ポーション残るな。
とりあえず一万人作ってみるか。一体作るのに全魔力を必要とするけど、俺には瞬間的にMPをほぼ全回復させるアビリティがあるし。
ただレナリアーラ王国の場合は精液濃度を上げていたんで、こっちでも同じようにならないと不公平になる。
「王者の霊衣」を5000に上げてから、分身を作ることにした。やっぱり肉棒と陰嚢が光ってまぶしいくらいになりましたよ。これでまた全裸の獣聖人と呼ばれるようになるが、それを言わせないように事前にアナントスに誓約させないと駄目だな、こりゃ。
で、作っては時空魔法で創った空間の一つに入るように命じて、また作って…。10倍速にしておかなかったら丸一日かかったかもしれないな。
こいつらは俺の精液飲ませてくれと、村人や街の住人に頼まれた時の応援だ。いくら時間停止させていても、一人一人俺が相手にしていたんじゃキリがないからな。特に帝都の人口は20万人だというし…。
かといって相手が邪神だから精神支配とか民衆にかけたら、人質とられたも同然だから俺の肉棒から直接、射精して精液を飲ませた方が一番確実なんだよな。
どうにか数時間で1万体の分身の創造が終わって、専用の空間に収納して…。あとはアビリティの整理を久しぶりにしてみるかな? どうせ他の神にお供えしたら増えるから、やるだけ無駄って可能性が高いけど。
あとこいつらってある程度までは自分で判断して行動できるけど、それでもいちいち俺の言う事を聞いて動くからな。何だか利口なゴーレムみたいだな。
うん? ゴーレム? ゴーレムといえば人形だよな。…もしかしたら人形にも神様っているのか?
というわけでアナントスに聞いたら、間違いなくいるとのこと。
「そ、それじゃ呪詛とか身代わりになってくれる人形とか作れるか?」
「もちろん可能じゃ。ただしその女神は変な女神じゃからの。あまり深く関わらん方がいいぞ?」
と、いうわけでもしかしたらミュリエール皇子の呪詛とか身代わりになる人形を作れますように、と祈りながら195億本の精液ポーションを捧げました。あと100億本残ったけど、何か必要な時の為にとっておくことにした。
残りの6千万ポーションはアナントスに捧げました。
案の定、アナントスはすごく嬉しそうで幸せそうな顔をしていました。
そして限界突破の薬をまた事前に感触変化の能力を発動させて、さらに液体吸収・浸透の魔法も使ってから、1000本ほど飲むことにしました。この薬、まずいだけあって飲むだけで全身の筋肉とか鍛える効果があるらしい。
だから何日も寝たきりとか座りっぱなしの状態でも、一日に一本飲んでいれば体がなまるということは、なくなるらしい。もっとも今は感触変化のおかげでおいしいと感じられるけど。
ちなみにアルティメット・ヒールを100本飲む度にかけているせいか、下痢とか胃痛とかに苦しむことはなかったのが嬉しかった。いや単に胃腸が丈夫になっただけかもしれないけど。
そして1000本飲み終わった後でキリがいいと思ったのか、アナントスがタラミレーナからアビリティが送られてきたぞ、と俺のほっぺたを舐めながら教えてくれました。今回は俺が使いたいと思っていたし、最初からそのつもりで精液ポーションを捧げたから、待機中のアビリティの中には入っていないようだった。
ステータス・ボードを開いてみたら…やっぱりありました。石の神のアビリティと被るけど、ゴーレム作成や身代わり人形作成とかありました。
で、身代わり人形の場合は人形の女神タラミレーナの送ったアビリティで、実際はいろいろと材料が必要なのだが魔力の消耗さえ気にしなければ、その魔力の量で身代わり人形も高性能で頑丈で長持ちするものが作れるのだということだった。
「身代わり人形作成。込める魔力が強ければ強いほど、身代わり人形の肩代わりする能力や頑丈さ、人形としての耐久力が上がるが、代わりに高性能な素材(例えば宝石やミスリル、オリハルコン、アダマンタイトなど)を使っても高性能の人形が作れる。複数の人形を作って一つの呪詛を分散して肩代わりさせることも可能。レベル制で30まで上げると、邪神の呪詛でも複数作って肩代わりさせれば呪われた対象は人形が壊れない限り呪詛に悩まされずに済む」
これですよ、これ。これでミュリエール皇子を助けられる。しかも呪いそのものは消していないんだから、気づかれるのにかなりの時間がかかるはず。
レベル10までで三つの呪詛を肩代わりしてくれる。
レベル20までで六つ。または強力な呪詛を肩代わりしてくれる。
レベル30までで10の呪詛を。または超強力な呪詛を肩代わりしてくれる。
というわけで、また時間停止空間の中でお人形を作りまくりました。やっぱり複数魔法操作があると、一度に15体の人形が作れるので、身代わり人形一体作るのに1000万MPを消費したから、15体創るのに1億5千万MPかかりました。
ま、それも3億MPまでなら一瞬で回復するから問題なし。
ということで3000体ほどの人形作って、レベル30まで上げました。
これで皇子の呪詛に関しては大丈夫かな。作った人形は闇の中の空間に放り込んでおいた。後で冒険者ギルドに言って寄付しておこうかな。呪いの人形と言ったら誤解されるから、呪いを所持者に代わって受け止めてくれる人形とちゃんと説明しないとダメだな。でないと受け取り拒否されるし。
後は村や街に赴いて浄化と癒しをしておかないと。それ終わったら近くに城塞を作って、結界移動で全員運んで幻影じゃない事を理解させてから、また結界移動で村や街に戻して、城塞を破壊すると。
あ、そうだ。今度からはリヴァイアサンも召喚して、津波で城塞を破壊してもらおうかな。住人100万までなら生活できるでっかい都市だけど、可能かと念話で聞いてみたら、十分できますぞ! という力強い返事が来ました。
それと海神王が新たなアビリティをかなり前にいくつも送ってきたらしい。また~? という感じだけどリヴァイアサンと知り合えたのはこの神様のお陰だし。
何でも俺とアミリルス様が肉体関係にあるというのは、今じゃ神界ではすごく有名で、知らない神や天使はいないらしい。リヴァイアサンも海神王や他の海の神から聞いたのか、俺をすごく心配してくれていた。
それも既に解決したから、と何度も念話で回答して、やっと納得してくれました。どうもリヴァイアサンは俺との勝負に負けてからはやたらと俺の事を気にするようになった。今度から何度も呼んで人間の慢心を抱かせないために都市を破壊する事になるがそれでしょっちゅう呼んでもいいか? と聞いたら喜んで何度でも呼んでくだされ、というお返事でした。雑用でも何でもしますって言ってたけど、こいつ俺と交尾したいだけじゃないかっていうほど、熱意のこもった回答だけど、下心が明け透けに見えるような返事でした。
それで俺に向けて送られてきたアビリティの一つが「錨作成」でした。アビリティのボードを開いて、待機中のアビリティを探すのは初めてだったので、見つけるのに5分ほどかかった。
で、この「錨作成」は、術者の魔力で巨大な錨を創造して、敵や魔物の集団に向けてぶん投げたり、鎖を伸ばして敵の軍勢に対してぶん回して一気になぎ倒すこともできるアビリティらしいが、大きさも変えられてペンダントや耳飾りにもできるという。
何よりこの錨。術者の魔力でできているので跳ね返されて術者にぶつけられてもノーダメージというのがすばらしいと思った。
術者の魔力次第では、大きな城も一撃で粉砕できるという。さらに電撃とか炎とか付与して、敵の軍団に向けて投げても遠隔操作できるというのがいいし、複数作れて片方は物理攻撃専門で、もう片方は精神体や敵の肉体は傷つけないでエネルギーだけを粉砕するという役割を振ることも可能だということ。複数魔法操作ができる俺にはピッタリだな。
もっとも遠隔操作はレベル30からだけどな。レベル上げはとにかく錨を作りまくることだそうで、今の俺なら一度に15個創れるので、時間停止空間の中で体感として一時間ほどでレベル30に上げることができました。
でも遠隔操作って思っていたより難しいな、これ。今の俺じゃ二つまでが限界かも。下手すると仲間や部下に当たるかもしれないから、周囲をよく見てから使わないと。
海神王の槍ほどの破壊力はないけど、逆を言えば威力が強いのに各個撃破できて、巨大化させれば範囲攻撃も可能になる点が気に入ったな。もっとも注意して使わないと敵や味方も一網打尽にしちゃうけど。
そういえば何かを忘れているような…
………………………………………
あっ!! そうだった! アミリルス様にお願いした「汚物浄化専用のトレント」のことについてすっかり忘れていた!
慌ててまたアビリティの一覧を記したボードを開いてみる。
いくら女神様でも二回も愚かな行為はしないようだった。待機中のアビリティ一覧に汚物浄化トレントのアビリティ名が記されていました。
で、肝心のアビリティだけど…レベル制じゃなくて作った人の魔力で浄化できる能力やトレントとしての大きさが違ってくるようだった。
それにこのアビリティは俺にしか使えないようだった。
というわけで早速アビリティを吸収。限界突破ポーション飲んでいるから、100や200のアビリティ吸収は余裕です。
って調子に乗っているから痛い目みるんだよな。自嘲、じゃなくて自重しないと。
このアビリティの使い方は、事前に「私〇〇(術者の名前ね)は、魔力を〇%、この種に注ぎます」と宣言しておかないと実らないらしい。
つまり10%なら10%注ぎますと宣言する。全魔力ならその通り宣言すればいいらしい。
ちなみに注ぐ魔力が多ければ多いほど、トレントの寿命も汚物浄化の力も、成長速度もネズミや他の下水道の怪物に対して戦う力も強くなるらしい。
後は汚物浄化トレント、と肉声か心の中で唱えると勝手に種が掌の中に出てくるらしい。
早速俺は宣言文を作って唱えてみた。
「私ラフィアスは、全魔力をこの種に注ぎます」
そして汚物浄化トレント、と言ってみたら本当に種が出てきた。
そこで念話でフィラーレ女王に、アミリルス様からアビリティをもらったので、汚物浄化のトレントの種を下水道に植えてもいいかと確認したら、王都の下水道は広くてスライムだけじゃ完全に浄化しきれないので、ぜひともお願いします、という返事が返ってきた。それも興奮交じりに。
俺は今更アビリティを授かって、二度手間になった事を謝罪した。珍しい? やだなあ。俺だって謝る時はちゃんと謝りますって。
で、女王は謝罪の意志があるのならあなたならいつでも王城ジスニーヴァインに戻れるでしょうから、暇な時は城に戻ってまた私達をじっくりと抱いてください、と大胆な返事が返ってきました。
私達ということは娘さんもか。そんなに俺が好きなのかと思いながら近い内に実行すると言ってから念話を打ち切った。
そして王城ジスニーヴァインの下水道はサンティラの案内で外部から空を飛んで(正確には滑空という形で)下水道に入って、スライムの手が回らないで一番汚物の穢れが酷い所に種を放り込みました。
幸い掃除する人が使う通路から、あまり離れていなかったのでほんの数十秒で立派な大木に成長した。
俺、獣人だから匂いには敏感で今まで必死に堪えていたけど、すぐに下水道の匂いが薄くなっていった。
ただ盗まれたらまずいし、このトレントは汚物の穢れがないと枯れてしまう(正確には眠りにつく)ので、人が住まなくなると汚物も流れ込んでこないので、それが弱点という形になるらしい。
俺が浄化しても清掃人たちの仕事を奪うことになるしなあ。それにいくらピュリファイをかけても、毎日汚物が王都で大量生産されるのだから、キリがないけどこのトレントならその悩みを解決してくれるということだな。
やっぱり汚物浄化の力は、俺が全魔力を注いだだけあって周囲の濁った水が綺麗に澄んだ水になってきた。
というか…水底がはっきり見える。この辺りじゃ匂いが全然しない。遠くでかすかに汚物の匂いがするだけだ。
だけどなあ…。この木の浄化作用欲しさに誰かが、このトレントを引っこ抜いて自分の領地とかに植えるかもしれないな。
それならネオ・マンドラゴラでも創造して警護の兵として設置しておくか。あいつら心が読めるように作ったから悪党とそうでない奴の見分けはつくだろうし。
問題はこの木には増殖能力があるってことなんだよな。汚物を吸収・分解して成長するのはいいんだけど…。
このトレントのお願いをした時に、繁殖能力も少しだけ…つまり実を実らせることができるようにアミリルス様にお願いしてみた。
俺が死んでもいいようにな。でも…その実が下水道を流れ出て他の場所で成長できるだろうか、という疑問が起きるな。
ネオ・マンドラゴラじゃ番兵としては優秀だけど、この大木によじ登って実をとるのは難しいし。
うーん…この勢いだとすぐに実をつけてしまいそうだな。誰か最適な者は…場所が下水道だと貧民街の連中になるけど、あいつらにはキノコの管理を任せてしまったし。
これが帝国やエルモーラ王国なら、まだキノコの仕事を任せていないからいいんだが、レナリアーラ王国の場合はどうしたらいいものか…。
「そういう時こそ、私達の出番でチュ!」
うん? 誰だ? 足元から囁きかけてきたのは…。
するとちょうど三日寝ていたということだった。そんなに寝ていたのか。やっぱり疲れていたのかと愕然とした。
ということは…精液ポーション作る人数を増やして、8000人にしたから今までの20倍だからで115億2千万の精液ポーションの三倍の量ができたということか。合計すると…345億6千万ポーション。
しかし困ったな。精液ポーション作る人数に割かれてしまった。なら分身を新たに増やすか。
えーと…確か、分身って一体増やす度に100万精液ポーションが必要なんだっけ。
でも精液ポーション必要数半減のアビリティのおかげで50万本で一体増やせる。
ということは…1万人で50億ポーションか。それでも295億6千万ポーション残るな。
とりあえず一万人作ってみるか。一体作るのに全魔力を必要とするけど、俺には瞬間的にMPをほぼ全回復させるアビリティがあるし。
ただレナリアーラ王国の場合は精液濃度を上げていたんで、こっちでも同じようにならないと不公平になる。
「王者の霊衣」を5000に上げてから、分身を作ることにした。やっぱり肉棒と陰嚢が光ってまぶしいくらいになりましたよ。これでまた全裸の獣聖人と呼ばれるようになるが、それを言わせないように事前にアナントスに誓約させないと駄目だな、こりゃ。
で、作っては時空魔法で創った空間の一つに入るように命じて、また作って…。10倍速にしておかなかったら丸一日かかったかもしれないな。
こいつらは俺の精液飲ませてくれと、村人や街の住人に頼まれた時の応援だ。いくら時間停止させていても、一人一人俺が相手にしていたんじゃキリがないからな。特に帝都の人口は20万人だというし…。
かといって相手が邪神だから精神支配とか民衆にかけたら、人質とられたも同然だから俺の肉棒から直接、射精して精液を飲ませた方が一番確実なんだよな。
どうにか数時間で1万体の分身の創造が終わって、専用の空間に収納して…。あとはアビリティの整理を久しぶりにしてみるかな? どうせ他の神にお供えしたら増えるから、やるだけ無駄って可能性が高いけど。
あとこいつらってある程度までは自分で判断して行動できるけど、それでもいちいち俺の言う事を聞いて動くからな。何だか利口なゴーレムみたいだな。
うん? ゴーレム? ゴーレムといえば人形だよな。…もしかしたら人形にも神様っているのか?
というわけでアナントスに聞いたら、間違いなくいるとのこと。
「そ、それじゃ呪詛とか身代わりになってくれる人形とか作れるか?」
「もちろん可能じゃ。ただしその女神は変な女神じゃからの。あまり深く関わらん方がいいぞ?」
と、いうわけでもしかしたらミュリエール皇子の呪詛とか身代わりになる人形を作れますように、と祈りながら195億本の精液ポーションを捧げました。あと100億本残ったけど、何か必要な時の為にとっておくことにした。
残りの6千万ポーションはアナントスに捧げました。
案の定、アナントスはすごく嬉しそうで幸せそうな顔をしていました。
そして限界突破の薬をまた事前に感触変化の能力を発動させて、さらに液体吸収・浸透の魔法も使ってから、1000本ほど飲むことにしました。この薬、まずいだけあって飲むだけで全身の筋肉とか鍛える効果があるらしい。
だから何日も寝たきりとか座りっぱなしの状態でも、一日に一本飲んでいれば体がなまるということは、なくなるらしい。もっとも今は感触変化のおかげでおいしいと感じられるけど。
ちなみにアルティメット・ヒールを100本飲む度にかけているせいか、下痢とか胃痛とかに苦しむことはなかったのが嬉しかった。いや単に胃腸が丈夫になっただけかもしれないけど。
そして1000本飲み終わった後でキリがいいと思ったのか、アナントスがタラミレーナからアビリティが送られてきたぞ、と俺のほっぺたを舐めながら教えてくれました。今回は俺が使いたいと思っていたし、最初からそのつもりで精液ポーションを捧げたから、待機中のアビリティの中には入っていないようだった。
ステータス・ボードを開いてみたら…やっぱりありました。石の神のアビリティと被るけど、ゴーレム作成や身代わり人形作成とかありました。
で、身代わり人形の場合は人形の女神タラミレーナの送ったアビリティで、実際はいろいろと材料が必要なのだが魔力の消耗さえ気にしなければ、その魔力の量で身代わり人形も高性能で頑丈で長持ちするものが作れるのだということだった。
「身代わり人形作成。込める魔力が強ければ強いほど、身代わり人形の肩代わりする能力や頑丈さ、人形としての耐久力が上がるが、代わりに高性能な素材(例えば宝石やミスリル、オリハルコン、アダマンタイトなど)を使っても高性能の人形が作れる。複数の人形を作って一つの呪詛を分散して肩代わりさせることも可能。レベル制で30まで上げると、邪神の呪詛でも複数作って肩代わりさせれば呪われた対象は人形が壊れない限り呪詛に悩まされずに済む」
これですよ、これ。これでミュリエール皇子を助けられる。しかも呪いそのものは消していないんだから、気づかれるのにかなりの時間がかかるはず。
レベル10までで三つの呪詛を肩代わりしてくれる。
レベル20までで六つ。または強力な呪詛を肩代わりしてくれる。
レベル30までで10の呪詛を。または超強力な呪詛を肩代わりしてくれる。
というわけで、また時間停止空間の中でお人形を作りまくりました。やっぱり複数魔法操作があると、一度に15体の人形が作れるので、身代わり人形一体作るのに1000万MPを消費したから、15体創るのに1億5千万MPかかりました。
ま、それも3億MPまでなら一瞬で回復するから問題なし。
ということで3000体ほどの人形作って、レベル30まで上げました。
これで皇子の呪詛に関しては大丈夫かな。作った人形は闇の中の空間に放り込んでおいた。後で冒険者ギルドに言って寄付しておこうかな。呪いの人形と言ったら誤解されるから、呪いを所持者に代わって受け止めてくれる人形とちゃんと説明しないとダメだな。でないと受け取り拒否されるし。
後は村や街に赴いて浄化と癒しをしておかないと。それ終わったら近くに城塞を作って、結界移動で全員運んで幻影じゃない事を理解させてから、また結界移動で村や街に戻して、城塞を破壊すると。
あ、そうだ。今度からはリヴァイアサンも召喚して、津波で城塞を破壊してもらおうかな。住人100万までなら生活できるでっかい都市だけど、可能かと念話で聞いてみたら、十分できますぞ! という力強い返事が来ました。
それと海神王が新たなアビリティをかなり前にいくつも送ってきたらしい。また~? という感じだけどリヴァイアサンと知り合えたのはこの神様のお陰だし。
何でも俺とアミリルス様が肉体関係にあるというのは、今じゃ神界ではすごく有名で、知らない神や天使はいないらしい。リヴァイアサンも海神王や他の海の神から聞いたのか、俺をすごく心配してくれていた。
それも既に解決したから、と何度も念話で回答して、やっと納得してくれました。どうもリヴァイアサンは俺との勝負に負けてからはやたらと俺の事を気にするようになった。今度から何度も呼んで人間の慢心を抱かせないために都市を破壊する事になるがそれでしょっちゅう呼んでもいいか? と聞いたら喜んで何度でも呼んでくだされ、というお返事でした。雑用でも何でもしますって言ってたけど、こいつ俺と交尾したいだけじゃないかっていうほど、熱意のこもった回答だけど、下心が明け透けに見えるような返事でした。
それで俺に向けて送られてきたアビリティの一つが「錨作成」でした。アビリティのボードを開いて、待機中のアビリティを探すのは初めてだったので、見つけるのに5分ほどかかった。
で、この「錨作成」は、術者の魔力で巨大な錨を創造して、敵や魔物の集団に向けてぶん投げたり、鎖を伸ばして敵の軍勢に対してぶん回して一気になぎ倒すこともできるアビリティらしいが、大きさも変えられてペンダントや耳飾りにもできるという。
何よりこの錨。術者の魔力でできているので跳ね返されて術者にぶつけられてもノーダメージというのがすばらしいと思った。
術者の魔力次第では、大きな城も一撃で粉砕できるという。さらに電撃とか炎とか付与して、敵の軍団に向けて投げても遠隔操作できるというのがいいし、複数作れて片方は物理攻撃専門で、もう片方は精神体や敵の肉体は傷つけないでエネルギーだけを粉砕するという役割を振ることも可能だということ。複数魔法操作ができる俺にはピッタリだな。
もっとも遠隔操作はレベル30からだけどな。レベル上げはとにかく錨を作りまくることだそうで、今の俺なら一度に15個創れるので、時間停止空間の中で体感として一時間ほどでレベル30に上げることができました。
でも遠隔操作って思っていたより難しいな、これ。今の俺じゃ二つまでが限界かも。下手すると仲間や部下に当たるかもしれないから、周囲をよく見てから使わないと。
海神王の槍ほどの破壊力はないけど、逆を言えば威力が強いのに各個撃破できて、巨大化させれば範囲攻撃も可能になる点が気に入ったな。もっとも注意して使わないと敵や味方も一網打尽にしちゃうけど。
そういえば何かを忘れているような…
………………………………………
あっ!! そうだった! アミリルス様にお願いした「汚物浄化専用のトレント」のことについてすっかり忘れていた!
慌ててまたアビリティの一覧を記したボードを開いてみる。
いくら女神様でも二回も愚かな行為はしないようだった。待機中のアビリティ一覧に汚物浄化トレントのアビリティ名が記されていました。
で、肝心のアビリティだけど…レベル制じゃなくて作った人の魔力で浄化できる能力やトレントとしての大きさが違ってくるようだった。
それにこのアビリティは俺にしか使えないようだった。
というわけで早速アビリティを吸収。限界突破ポーション飲んでいるから、100や200のアビリティ吸収は余裕です。
って調子に乗っているから痛い目みるんだよな。自嘲、じゃなくて自重しないと。
このアビリティの使い方は、事前に「私〇〇(術者の名前ね)は、魔力を〇%、この種に注ぎます」と宣言しておかないと実らないらしい。
つまり10%なら10%注ぎますと宣言する。全魔力ならその通り宣言すればいいらしい。
ちなみに注ぐ魔力が多ければ多いほど、トレントの寿命も汚物浄化の力も、成長速度もネズミや他の下水道の怪物に対して戦う力も強くなるらしい。
後は汚物浄化トレント、と肉声か心の中で唱えると勝手に種が掌の中に出てくるらしい。
早速俺は宣言文を作って唱えてみた。
「私ラフィアスは、全魔力をこの種に注ぎます」
そして汚物浄化トレント、と言ってみたら本当に種が出てきた。
そこで念話でフィラーレ女王に、アミリルス様からアビリティをもらったので、汚物浄化のトレントの種を下水道に植えてもいいかと確認したら、王都の下水道は広くてスライムだけじゃ完全に浄化しきれないので、ぜひともお願いします、という返事が返ってきた。それも興奮交じりに。
俺は今更アビリティを授かって、二度手間になった事を謝罪した。珍しい? やだなあ。俺だって謝る時はちゃんと謝りますって。
で、女王は謝罪の意志があるのならあなたならいつでも王城ジスニーヴァインに戻れるでしょうから、暇な時は城に戻ってまた私達をじっくりと抱いてください、と大胆な返事が返ってきました。
私達ということは娘さんもか。そんなに俺が好きなのかと思いながら近い内に実行すると言ってから念話を打ち切った。
そして王城ジスニーヴァインの下水道はサンティラの案内で外部から空を飛んで(正確には滑空という形で)下水道に入って、スライムの手が回らないで一番汚物の穢れが酷い所に種を放り込みました。
幸い掃除する人が使う通路から、あまり離れていなかったのでほんの数十秒で立派な大木に成長した。
俺、獣人だから匂いには敏感で今まで必死に堪えていたけど、すぐに下水道の匂いが薄くなっていった。
ただ盗まれたらまずいし、このトレントは汚物の穢れがないと枯れてしまう(正確には眠りにつく)ので、人が住まなくなると汚物も流れ込んでこないので、それが弱点という形になるらしい。
俺が浄化しても清掃人たちの仕事を奪うことになるしなあ。それにいくらピュリファイをかけても、毎日汚物が王都で大量生産されるのだから、キリがないけどこのトレントならその悩みを解決してくれるということだな。
やっぱり汚物浄化の力は、俺が全魔力を注いだだけあって周囲の濁った水が綺麗に澄んだ水になってきた。
というか…水底がはっきり見える。この辺りじゃ匂いが全然しない。遠くでかすかに汚物の匂いがするだけだ。
だけどなあ…。この木の浄化作用欲しさに誰かが、このトレントを引っこ抜いて自分の領地とかに植えるかもしれないな。
それならネオ・マンドラゴラでも創造して警護の兵として設置しておくか。あいつら心が読めるように作ったから悪党とそうでない奴の見分けはつくだろうし。
問題はこの木には増殖能力があるってことなんだよな。汚物を吸収・分解して成長するのはいいんだけど…。
このトレントのお願いをした時に、繁殖能力も少しだけ…つまり実を実らせることができるようにアミリルス様にお願いしてみた。
俺が死んでもいいようにな。でも…その実が下水道を流れ出て他の場所で成長できるだろうか、という疑問が起きるな。
ネオ・マンドラゴラじゃ番兵としては優秀だけど、この大木によじ登って実をとるのは難しいし。
うーん…この勢いだとすぐに実をつけてしまいそうだな。誰か最適な者は…場所が下水道だと貧民街の連中になるけど、あいつらにはキノコの管理を任せてしまったし。
これが帝国やエルモーラ王国なら、まだキノコの仕事を任せていないからいいんだが、レナリアーラ王国の場合はどうしたらいいものか…。
「そういう時こそ、私達の出番でチュ!」
うん? 誰だ? 足元から囁きかけてきたのは…。
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